バグフィックスとは、プログラム上でバグが発生した場合にそれを修正することを指しています。近い意味として「デバッグ」という言葉がありますが、こちらは開発段階でバグを取り除く作業のことを示しています。ソフトウェアの「バグフィックス版」はすでにバグが修正された状態であり、「デバッグ版」は不具合が解決しても調整中の段階と言えるかもしれません。

プログラムの障害となるバグについて

プログラムを作成していると、バグの問題に悩まされることは頻繁に起こります。バグの語源は英語で「虫」という意味ですが、代わりに「瑕疵」や「不具合」と呼ぶ場合もあります。バグの種類にもさまざまなものがあり、プログラムの単純な記述ミスから開発過程で起こる複雑な設計ミスなど、ケアレスミスから論理的なミスまで幅広く存在します。しかし、安易にデバッグやバグフィックスを行うのは危険であり、バグの影響によりプログラムが正常に動いていたという事例もあるため、開発者にとってバグは掴みどころのない存在として常に悩まされてきました。

バグを修正するのはプログラマーの必須スキル

アプリケーションの開発段階で、半分近くの労力を割かれるのがバグを修正する作業です。そのため、プログラマーにとっては、コードを読んだりテストを実施したりするスキルよりも、どこに不具合が発生するのかを見極める能力が必要となってきます。特に、プログラムでは他のソフトやハードウェアに影響されるバグもあるため、自分のコード作成だけで満足せず、分野の違う技術者との連携も大切となります。プログラムの作成は個人の作業と思われがちですが、実際は全体を俯瞰する視野を持つプログラマーが最も重宝される分野でもあるのです。

複雑化する開発現場を変えるために

プログラムを専門に扱うエンジニアは、「開発・保守・テスト」をすべて1人で行う場合も少なくはありません。バグフィックスは主に「保守」の段階で行われますが、プログラマーが他の案件に携わっていた場合、対応が遅れてしまう可能性があります。良質な製品開発に集中したいという意向から、この保守を専門に手掛ける「サステイニング」という専門組織を設置する企業もあります。このようなバグフィックスを専門に扱うチームを設けることで、保守における負担が軽減し、開発により集中できる環境が確保できるようになります。

バグを自動的に除去するシステムを開発中

プログラムは人が作成するものなので、不具合の発生は避けられません。このバグを取り除く作業を人工知能（AI）に任せる取り組みが、各企業で実験的に行われています。デバッグやバグフィックスの作業が半減すれば大幅な時間の削減が見込めるため、これらの開発に大きな期待が寄せられています。人工知能は人間のように創造する能力は未だ欠けていますが、規則的に起こるバグを突き止めることは比較的得意なため、これら不具合の発見を促すシステム開発を行えば、プログラム作成の大きな助けになることは間違いありません。

プログラマーにとって鬼門となるバグの存在

プログラム開発においてバグの発生は誰もが突き当たる問題です。システム開発の終了後も不具合が頻発していては本末転倒であるため、デバッグや試験稼働の段階でバグを最小限に抑えることが、プログラマーの腕の見せ所となります。そのため、過去の不具合事例などにも目を通して、事前に勉強しておくことも必要かもしれません。