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ダイバーシティとは何を意味する? 推進する方法と取り組み事例を紹介

 2019/10/29 派遣業界コラム この記事は約 13 分で読めます。

近年、経営者人事担当者から注目を集めている「ダイバーシティ」。

ダイバーシティとは、ビジネスシーンにおいて、人々の多様性を活かした企業経営への取り組みを意味する言葉です。

この取り組み日本企業の抱える人材不足問題の解決につながるとされています。

この記事では、ダイバーシティに関する基本情報企業取り組みの事例を紹介します。

 

働き方改革の一環、ダイバーシティとは

はじめに、「ダイバーシティ」の意味や使い方から解説します。

 

英語で「Diversity」、意味は「多様性」。語源は?

ダイバーシティの英語表記「diversity」は、ラテン語の「di:バラバラに+verse:向きを変える(英語のturnと同意)」が語源です。

形や性質がさまざまであることを意味し、日本では多くの場合「多様性」と訳します。

 

ダイバーシティのビジネスシーンでの意味使い方

ビジネスシーンでは「人々の多様性を認めさまざまな人材を採用・活用する」という概念を表す際に、ダイバーシティという言葉をもちいります。

アメリカで性別や人種差別をなくすために活発化した公民権運動

これを受けて1964年に公民権法が発令されました。

この出来事がダイバーシティのはじまりにあたります。

 

現在では性別や人種だけではなく、

  • 国籍
  • 年齢
  • 障害の有無
  • 性的指向
  • 宗教
  • 価値観
  • キャリア
  • 経験
  • ライフスタイル

など、外見のみならず内面的な違い多様性として認める動きが世界各国で起こっています。

昨今、日本でもダイバーシティという言葉・意味が認知されはじめ、ビジネスに活かす企業も増えてきています。

 

ダイバーシティ&インクルージョンとは

インクルージョンinclusion)」は、 「包括(ほうかつ)・包含(ほうがん)・一体性」といった意味をもつ言葉です。

ビジネスシーンでは、企業に属するすべての従業員が国籍や性別などの違いにとらわれず、お互いの経験や能力、考え方などを尊重して、活かし合っている状態を表します。

ダイバーシティの「人材多様性を認め、活用する考え方」と、インクルージョンの「個人を尊重し、効果的に活かし合う考え方」を合わせたものが「ダイバーシティ&インクルージョン」です。

このダイバーシティ&インクルージョン推進が、人材不足に悩む日本企業の理想的な組織作りに一役買うことは間違いないでしょう。

 

インクルージョンは社会的排除に対抗する概念として生まれた

インクルージョンの起源についても説明しておきましょう。

1970年代のフランスは、社会的な格差から多くの人が社会的に排除されている状態でした。

この状態は「ソーシャルエクスクルージョン(社会的排除)」と呼ばれました。

1980年代に入ると、ヨーロッパ全体での偏見や差別による若者の失業を背景に「どんな人も社会の一員として包み込み支え合う」という「ソーシャル・インクルージョン社会的包摂」の理念が提唱されます。

これがインクルージョンの考え方の起源です。

その後、障害の有無で線引きをしない教育にインクルージョンの考え方が活用され、やがてビジネスシーンでも活かされるようになりました。

 

日本でなぜダイバーシティが急務とされている?

ダイバーシティへの取り組みは、今後の日本企業にとって必要性の高いものとされています。

なぜダイバーシティが急務なのか、その理由を見てみましょう。

 

少子高齢化

日本の少子高齢化は急速に進んでおり、総人口は2008年をピークに減少しています。

総務省が発表した「平成30年版 情報通信白書・人口減少の現状」によると、2017年時点の15歳から64歳の生産年齢人口は7,596万人(総人口の60%)です。

それが2040年には5,978万人(総人口の53.9%)まで減少すると推計されています。

年々企業が求める人材が不足していくと予想されるため、女性や高齢者など多様な人材を活用する「ダイバーシティ」の推進が必要になると考えられているのです。

 

グローバル化

ビジネスのグローバル化に伴い、日本企業が業務拡大を推進するにあたって、ダイバーシティへの取り組みは重要になります。

さまざまな文化的背景や価値観をもつ人材を確保し活かすことは、多様な顧客との取り組みも可能にします。

 

働き方の多様化

近年では、年功賃金や終身雇用といった日本的雇用慣行が当たり前ではなくなってきています。

特に若年層は、

  • キャリアアップのために転職も選択肢にある
  • 仕事と家庭の両立のためにパート勤務を希望する
  • 自己の能力を活かせるフリーランスになりたい

など、雇用に対する意識や価値観が変わってきています。

このように働き方が多様化しているため、企業側もモチベーションの向上やニーズに応えることが急務となっています。

 

省庁が取り組むダイバーシティ経営の推進

省庁が「ダイバーシティ経営(ダイバーシティマネジメント)」を推進するために、どのような取り組みをしているのか解説します。

 

厚生労働省女性活躍推進法の改正。厚生労働大臣の認定制度あり

女性活躍推進法は、働くことを希望する女性が活躍できる社会づくりをめざして作られた法律です。

女性活躍推進法によって301人以上の労働者がいる企業は、女性活躍に関わる状況を把握して、事業主行動計画の策定や届け出をおこない、女性活躍にまつわる情報を公表するよう義務づけられていました。(300人以下の企業は努力義務)

この女性活躍推進法の一部は、2019529日に改正する法律が成立し、同年65日に公布されています。

 

【改正ポイント

  • 事業主行動計画の策定・届出、情報公表の義務対象が301人以上から101人以上の事業主に拡大(施行は公布後3年以内の政令で定める日)
  • 労働者301人以上の企業に対して情報公表の項目追加(施行は公布後1年以内の政令で定める日)

 

また、女性活躍推進に対する取り組みが優良な企業が受けていた「えるぼし」認定よりも水準の高い特例認定制度プラチナえるぼし(仮称)」が改正によって創設されます。(施行は公布後1年以内の政令で定める日)

 

経済産業省女性を含む多様な人材の確保

経済産業省では、女性を含む多様な人材の確保を推進するために、ダイバーシティ経営の先行事例を発信する以下のような取り組みをおこなっています。

  • 新・ダイバーシティ経営企業100」の選定・表彰(ダイバーシティ推進経営成果に結びつけている企業を選定して表彰する)
  • なでしこ銘柄」の選定・発表(優良な女性活躍推進をおこなう上場企業を選定して発表する)
  • 幹部候補の女性を対象とする「リーダー育成事業」の推進
  • ダイバーシティ2.0」検討会の提言を取りまとめた「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」の策定

 

ダイバーシティ2.0とは

経済産業省が定義する「ダイバーシティ2.0」の意味と、ダイバーシティ経営に取り組む企業事例を紹介します。

 

「ダイバーシティ2.0」は経営上の取り組みのこと

「ダイバーシティ2.0」は、多様な人材を活かし、それぞれの能力を最大限に引き出して付加価値を生み出し続ける全社的な企業経営取り組みを指します。

20168月に 「ダイバーシティ2.0」 検討会が立ち上がり、20173月にダイバーシティ経営を実践する企業のための「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」が作成されました。

また、20184月には検討会が再開され、201868日に改訂版が公表されています。

 

平成30年度 100選プライム選定企業 ベストプラクティス集より取り組みを紹介

100選プライム」は、「ダイバーシティ2.0」に取り組むなかで、企業価値向上の成果を得た企業を評価したものです。

「平成30年度・100選プライム選定企業 ベストプラクティス集」より、企業取り組み事例を紹介します。

 

SCSK株式会社

SCSK株式会社は、2011年に住商情報システム株式会社と株式会社CSKが合併したことにより誕生したITサービス企業です。

経営理念の一つに「人を大切にします。」を掲げており、合併翌年には「ダイバーシティ推進課」を設置しています。

 

【主な取り組み

  • 2018年度までに女性ライン管理職100名に増やす目標を掲げる(2013年)
  • 中堅以上の全女性社員を対象とする「キャリアデザインセミナー」や「若手女性社員向けキャリア関連プログラム」などの実施
  • シニア正社員制度」を導入

 

【主な成果】

  • 2012年〜2018年の間で「女性ライン管理職育成プログラム」を約180名が受講し、82名が女性ライン管理職となる(2018年12月時点)
  • 同社独自の社員意識調査(2018年)において、「今後も働き続けたいと回答した社員 は86.2%、「誇りを持って働けると回答した社員は82.7%。2012年度に比べていずれも10ポイント以上増
  • ダイバーシティ推進を本格的に開始した2012年度と比較して、営業利益が208億円から346億円へと連続増益を記録

 

株式会社丸井グループ

株式会社丸井グループは、小売り事業・フィンテック事業などをおこなっている企業です。

経営理念である「お客さまのお役に立つために進化し続ける」・「人の成長=企業の成長」を実現するために、多様性推進経営戦略として掲げています。

 

【主な取り組み

  • 会議やプロジェクトでは女性社員・若手社員の参加を促し、「おじさんだけで議論することを禁止
  • 自主申告によって、グループ会社間や部門間の人事異動が可能な「職種変更制度」の創設
  • 女性活躍するための意識改革、風土作りを目的とした「女性イキイキ指数」を導入
  • 配偶者向けの人事制度の変更(パートナー婚に対しても適用を拡大

 

【主な成果】

  • 社員の約43%が職種変更を経験(2013年開始時から2018年4月まで)、そのうち約86% の社員が異動後に成長を実感
  • 女性の上位職志向が41%(2014年3月期)から67%(2018年3月期)に上昇
  • 2017年3月末と比べて、2018年3月末の株価が143%に伸長(同期間の日経平均株価は113%)
  • 2018年3月期に同社のグループ総取扱高が初めて2兆円を突破営業利益は9期連続・当期利益は7期連続増益

 

平成30年度 新・ダイバーシティ経営企業100選より事例を紹介

次に、「平成30年度・新100選受賞企業ベストプラクティス集」より、ダイバーシティ経営を実践し、成果を上げている企業取り組み事例を紹介します。

 

株式会社アトム精密

株式会社アトム精密は、半導体検査装置や各種自動装置などを製造している企業です。

ダイバーシティ経営取り組みと成果は以下の通りです。

 

【主な取り組み

  • 外国籍人材が安心して入社できるように、インターンシップで職場体験をしてもらう
  • 外国籍人材採用とサポート強化のため、「企画運営室」を組織する
  • 3か月に一度、役員・管理職・その他社員希望者が参加する「レビュー会」を開き、職場環境改善のためのあらたな制度導入を検討する

 

【成果】

  • 海外メーカーと取引ができるようになり、金属部品の安定的な供給元確保に成功
  • 主要事業である産業装置事業の売上高が2017年度に1.5 に上昇2016年度比)
  • 製品の納期短縮、品質の安定が実現、生産コストの2割削減

 

日本ユニシス株式会社

東京都に本社をもつ日本ユニシス株式会社は、コンピュータシステム関連サービスを提供する企業で、社会課題を解決する企業への変革をめざしています。

ダイバーシティ経営取り組みと成果は以下の通りです。

 

【主な取り組み

  • 多様な視点を取り入れるために、組織改革をおこなう(取締役2名、監査役1名、執行役員1名に女性を選任するなど)
  • 個人の創造性、革新性を活かす環境整備(「残業メリハリ活動」・「変革リーダーシッププログラム」など)

 

【成果】

  • イノベーションを意識して行動する社員が半数以上となる
  • 収納システムプラットフォームを利用した新事業領域で売上が170%2015年度比)
  •  創造性、革新性に向けた風土改革により、業績が3期連続で過去最高益となる

 

スリー・アールシステム株式会社

スリー・アールシステム株式会社は、光学機器・電子機器の輸出入や企画、販売をおこなっています。

自社開発製品の製造を中国企業に委託し、国内外で販売しています。

ダイバーシティ経営取り組みと成果は以下の通りです。

 

【主な取り組み

  • 外国人材紹介会社を通す、もしくは地域コミュニティで採用活動をおこなうなど、外国人材の採用ルートを開拓
  • 定期面談を実施するなど外国籍社員の定着をめざした働きやすい環境づくり
  • 女性社員が子育てと仕事を両立するための「時短正社員制度」の導入(現在、対象を全社員に拡大)

 

【成果】

  • 2017年の海外売上が2.5倍増2016年度比)
  • 2017年のグループ全体売上が24%2016年度比)
  • フルタイムで応募のなかったスキル・経験をもつ人材を時短正社員として4人採用

 

ダイバーシティが働き方の常識を変える

ダイバーシティは日本企業が抱える人材不足の解消に役立つだけではなく、一人ひとりが個性や魅力を発揮することによって、企業の発展や活性化にもつながります。

労働者にとってデメリットになっている働き方の常識を変えられることから、ダイバーシティの推進労働者にとってもメリットのある施策といえるでしょう。

ただし、入念な準備もなくダイバーシティ経営を推し進めることは、コミュニケーション障害やチームワークの低下を招く恐れもあります。

経営トップ経営理念や目標をしっかりと示し、従業員と一丸になって取り組むことが大切です。

 

まとめ
  • ダイバーシティの意味は「多様性
  • ダイバーシティ経営は、人材多様性を認めて活用する企業経営のこと
  • 少子高齢化やグローバル化、働き方の多様化にとって、ダイバーシティへの取り組みが急務とされている
  • 厚生労働省や経済産業省がダイバーシティの推進をおこなっている

 

 

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