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【高炉・転炉・電炉】製鋼業界の3つの炉の違いと仕組み

機電派遣コラム この記事は約 4 分で読めます。

現代の製鉄・製鋼法に欠かせない3つの「炉」をご存知ですか?
高炉法では鉄鉱石と石炭(コークス)を原料に高炉(溶鉱炉)で銑鉄をつくり、転炉で精錬し、成分を調整して鉄鋼を生産します。鉄スクラップを使用する電炉法では、電気によって原料の鉄スクラップを熱して溶かし、成分を調整しながら鉄鋼を生産します。
ここでは高炉、転炉、電気炉(電炉)の3つの「炉」それぞれの仕組みと違いを簡単に紹介します。

  • 高炉
    鉄鉱石から銑鉄を取り出す役割。火力発電を行い製鉄所の電気をまかなえるが、温暖化ガス排出量が多い。
  • 転炉
    銑鉄を鋼に転換する役割。高炉でできる銑鉄に含まれる炭素や、不純物の除去を担う。
  • 電炉
    鉄スクラップを原料とする、リサイクルに重要な役割。設備費や消費エネルギーは少ないが、電気料金値上げなど外的要因でコストが左右されやすい

 

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製鋼・製鉄所のシンボル的存在:高炉

鉄鉱石から銑鉄を取り出すための炉が高炉です。高炉による製鋼は、高炉(溶鉱炉)で銑鉄をつくる「製鉄」と、その銑鉄を転炉で精錬して各種の鋼を作る「製鋼」の二段階になっています。
高炉の本体は細長いトックリ型で、その炉頂に向って斜めに立ち上っているコンベアによって、鉄鉱石とコークスが交互に投入されます。コークスは炉の下から吹き込まれる熱風や酸素と反応して一酸化炭素や水素などのガスを発生させますが、この熱いガスは上昇気流となって炉内に吹きのぼり、鉄鉱石を溶かしながら酸素を奪い取っていきます。製造過程で発生する一酸化炭素は燃焼させて火力発電を行い製鉄所の電気をまかなえることが高炉の利点です。
一方で炭素が融解鉄に大量に溶け込むため、鋼の不純物の割合が高くなる、温暖化ガス排出量が多いなどのデメリットもあります。
日本国内で高炉のある製鉄所は新日鐵住金、神戸製鋼などです。

 

銑鉄を鋼に転換する金属精錬専用炉:転炉

転炉の役割は2つあります。
1つは溶銑中にある炭素を取り除く脱炭。高炉で使われる還元剤は、コークス中の炭素および一酸化炭素ガスなので、還元と同時に浸炭が起こってしまい、高炉でできる銑鉄には約4%の炭素が含まれています。転炉内の銑鉄に空気や酸素を主体とするガスを吹き付けると、銑鉄に含まれる炭素が燃えて失われ溶鋼へと転換されます。こうして得られた鋼は、粘りがあり構造材料として信頼性が高くなります。
もう1つの重要な役割は銑鉄に含まれる不純物の除去。大きな圧力をかけて吹きつけられる高純度の酸素が、銑鉄の中の炭素をはじめ、珪素、マンガンなどと反応して高熱を発生し、それらを燃焼させます。この酸化燃焼で生じた不純物は石灰と化合して転炉滓として固定され、わずか20分以内で炉の中の銑鉄は鋼になります。

 

鉄のリサイクルを主とする炉:電気炉

鉄スクラップを原料にするため、環境保護、リサイクルの観点からは重要な役割を担っています。
電気炉製鋼の利点は、主原料が鉄スクラップのため資源を有効化できる点、比較的小ロット多品種の生産に適している点、そして高炉に比べ、設備費、消費エネルギーが少ない点です。
デメリットは使用するエネルギーが電気のため、電気料金値上げなど外的要因でコストが左右されやすい点です。またスクラップに含まれる不純物が原因で電気炉製の鋼鉄は加工性に劣るといわれることもあります。
代表的な電気炉メーカーは、共英製鋼、トピー工業、中部鋼鈑などです。

 

まとめ

製造業になくてはならない鉄製品の需要が途絶えることはないといっていいでしょう。
製鋼業界への就職を考える際、どの「炉」を使用してどのような製鋼法を採用しているのかにも注目してください。

 

 

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