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派遣社員も確定申告が必要なケース・してないとどうなる?「103万円の壁」や年末調整との関係

派遣業界コラム この記事は約 10 分で読めます。

派遣社員でも、確定申告が必要となるケースがあります。これらの対応は、個々人の収入や税控除に関する手続きの有無によって異なるため、必要な手続きをあらかじめご自身で把握しておかなければいけません。

本記事では、派遣社員として働く方に向け、派遣社員でも確定申告が必要になるケースを具体的に例示するほか、年末調整や年収「103万円の壁」と確定申告の関係性について解説します。

そもそも確定申告とは

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間で得た収入から経費等を差し引いて所得を算出し、そこから納める税金の額を計算して、国(税務署)に報告する一連の手続きのことです。

確定申告では、源泉徴収税や各種税控除を支払う予定の税額から差し引くなどして、確定した税金の支払額の申告と支払いを行います。なお、税金を支払いすぎていた場合には、超過分について還付金を受け取れるケースもあります。

確定申告は、一定以上の収入がある人や各種税控除を行う人は、誰でも必要になる可能性がある手続きです。そのため、派遣社員だからという理由で確定申告が必要になる、または不要になるということはありません。

 

「103万円の壁」と年末調整との関係

「103万円の壁」とは、年収が103万円以下の給与所得者には基本的に所得税が課されないことを意味する言葉です。年収が103万円以下であり、かつ後述する「派遣社員でも確定申告が必要になるケース」に当てはまらない人は、確定申告の必要がありません。

また、雇用元で年末調整が実施されており、こちらも後述する「派遣社員でも確定申告が必要になるケース」に当てはまらない人も、同様に確定申告の必要はありません。

年収が103万円以下で、所得税や住民税として給与から天引きされる源泉徴収が行われていない派遣社員は、年末調整の対象外です。ただし、次のようなケースでは、年収103万円以下でも年末調整が行われます。

  • 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しており、給与から源泉徴収されている
  • ひと月の給与が88,000円を超えている

 

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しており、給与から源泉徴収されている

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出している人は、年末調整を行うよう所得税法で定められています。これには、収入要件が定められていません。

そのため、同申告書を提出する人は、年収にかかわらず年末調整が行われます。

 

ひと月の給与が88,000円を超えている

所得税や住民税は、毎月の収入から概算して源泉徴収として給与から差し引かれています。

また、源泉徴収の金額は国税庁の源泉徴収税額表をもとに算出されており、毎月の給与から源泉徴収を行う基準である月給88,000円を超えると源泉徴収が実行されます。なお、源泉徴収の対象者は、勤務先が年末調整を行います。

 

派遣社員でも確定申告が必要になるケース

ここからは、派遣社員でも確定申告が必要になるケースについて具体的に見ていきます。次の項目に当てはまる派遣社員は、原則として確定申告を行う必要があります。

【派遣社員でも確定申告が必要になるケース】

  • 派遣会社が年末調整をしてくれなかった・間に合わなかった
  • 掛け持ちやダブルワークで給与所得を得ている
  • 給料以外の所得が20万円以上
  • 年収103万円以下にも関わらず源泉徴収をされている
  • 控除できる項目がある

 

派遣会社が年末調整をしてくれなかった・間に合わなかった

年末調整とは、1年間で給与から天引きされた源泉徴収の額と、本来徴収するべき所得税の金額を再計算して、過不足金額を調整し精算する手続きのことです。

年末調整では、会社が税務署に関係書類を提出する期限が設けられており、会社は翌年1月31日までに書類を提出しなければなりません。

しかし、会社が年末調整関係書類を提出していない、あるいは年末調整時に派遣社員が雇用されていないといった理由から、年末調整が間に合わないケースもあります。

【年末調整が間に合わないケース】

  • 年末調整時に雇用されていない
  • 年末調整に関する書類の提出が遅れた
  • 会社が年末調整の手続きをしていなかった

派遣社員がとくに注意したいのが、年末調整が行われる12月時点で派遣元との雇用関係がないケースです。このケースでは年末調整が行われないため、自身で確定申告を行う必要があります。

 

掛け持ちやダブルワークで給与所得を得ている

掛け持ちやダブルワーク、副業などで他の会社からも給与を得ており、それらの年間所得が20万円以上かつ年末調整をされていない人も、確定申告が必要です。

なお、複数の会社から源泉徴収票が発行されている場合、12月時点で働いている1社に複数企業から発行された源泉徴収票を提出することで、まとめて年末調整をしてもらえます。

これは、主に働いている派遣会社に年末調整をしてもらい、その他の会社には年末調整が不要であることを伝える方法で、確定申告が不要になるケースがあるということです。

 

年末調整されなかった給与収入と給料以外の所得の合算が20万円以上

年末調整の対象となる給与以外の所得が年間20万円以上ある人も、確定申告の必要があります。

通常、給与所得や、事業収入のある人が不動産所得など本業以外の収入を得たら、原則としてすべて確定申告する必要があります。 また、フリーマーケットやアフィリエイト、アルバイトなど、お小遣い稼ぎのつもりで収入を得る人もいますが、条件によっては確定申告をしなければならない場合があります。

【給料以外の所得の例】

  • 副業の所得(売上から経費を差し引いた額)
  • 不動産投資の利益
  • 株式投資の利益

このように、給与以外の所得がある人は年間トータルでどのくらいの所得があるのかを計算し、年末調整されなかった給与収入との合計が20万円以上になる可能性がある場合には確定申告の準備をしておきましょう。

 

年収103万円以下にも関わらず源泉徴収をされている

年収が103万円以下にもかかわらず、給与から源泉徴収として天引きされている人は、確定申告を行うことで所得税が還付される可能性があります。

前述した通り、年収103万円以下の給与所得者は所得税の課税対象外です。源泉徴収がなされている人は、年間に生じると予測される概算の所得税を給与から天引きで支払っていることになります。

この場合のように、本来は所得税が発生しない人であれば、確定申告にて過分に支払った所得税を還付金として受け取れます。

 

控除できる項目がある

各種税控除がある場合には、確定申告が必要になるケースがあります。また、確定申告を行うことで所得税が還付される可能性があります。

なお、控除とは各種税や、課税対象となる所得から、控除額を差し引くことで税を軽減できる制度のことです。次のような税控除・所得控除を受けられる人は、各種控除の証明書を用意して確定申告を行うとよいでしょう。

控除項目 内容
住宅ローン控除 要件を満たす住宅の購入から最長13年間、年末時点での住宅ローンの残高の0.7%を所得税や住民税から差し引ける
医療費控除 1月1日から12月31日までの1年間にかかった医療費が10万円を超えた場合に所得から差し引ける
ふるさと納税 住民票のある自治体以外に寄付を行うことで、2,000円を超える部分を所得税・住民税から差し引ける
生命保険料控除 1年間に支払った保険料のうち、一定額を所得から差し引ける(生命保険料、介護保険料、個人年金保険料が対象)
地震保険料控除 1年間に支払った保険料のうち、一定額を所得から差し引ける

なお、各種控除を受ける場合には、確定申告書の提出と併せて控除の証明書が必要になります。

また、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合、ふるさと納税は所得税と住民税、住宅ローンは所得税の控除の対象ですが、ふるさと納税の控除が優先されるため、住宅ローン控除はふるさと納税で差し引けなかった所得税から差し引かれることになります。

 

確定申告をしてない・忘れるとどうなる?

確定申告を行う期間は、原則として2月16日から3月15日と定められています。

確定申告の必要があるものの、この期間内に確定申告をしなかった場合には、還付金を受け取れない、あるいは追徴課税の対象となる可能性があります。

確定申告を期限内に行えなかった場合は、できる限り迅速に申告を行いましょう。これを「期限後申告」といいます。期限後申告をしたときには、所得に対する税金のほかに、無申告加算税が課されるため注意してください。

加えて、納めるはずだった税金がある場合には、遅延した分の延滞税も納付しなければなりません。

 

自分でできる!確定申告のやり方

確定申告書は手書きで記入するほか、国税庁の「確定申告書コーナー」から申告書を作成できます。ここでは、国税庁の「確定申告書コーナー」を利用した確定申告の方法を紹介します。

なお、派遣社員でも確定申告の方法は正社員や個人事業主などと同様です。

  1. 国税庁の「確定申告書コーナー」を開く
  2. 「作成開始」をクリックし、フォームに沿って必要内容を入力する
  3. 完成した申告書をプリントアウトして、控除証明書などとあわせて税務署に持参・郵送する、もしくはe-TAXで送信する
  4. 確定した税金を納付する、または還付金を受け取る

確定申告では、必要書類の添付忘れや、控除の計算の間違いなどが発生しやすいため注意してください。また、計算を間違えてしまった場合には、確定申告の期限内に申告書を作り直して、再度申告書を提出しましょう。

間違いに気づいた時点で申告期限を過ぎていた場合は、税務署に問合せのうえ修正を行いましょう。

 

確定申告の必要書類

必要書類の添付忘れが発生しないよう、事前に必要書類を把握しておくことをおすすめします。一般的に、確定申告では次の書類が求められます。

必要書類 入手方法
源泉徴収票 勤務先から受け取る.7%を所得税や住民税から差し引ける
生命保険料控除証明書など、各種控除証明書 保険会社や金融機関、医療保険者からの郵送、ふるさと納税の場合は寄付先の自治体から受け取る
マイナンバーカード(通知カード)と免許証など本人確認書類 所有しているものを持参する
還付金受取用口座番号 還付金がある場合は金融機関名・支店名・口座番号を控えておく

必要な書類のうち、源泉徴収票や各種証明書などいつのまにか受け取っているものも多いため、紛失しないよう注意しましょう。9~10月頃に届く保険会社や金融機関などからの郵便物は、控除証明書の可能性があります。

 

まとめ
  • 確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間で得た収入から経費等を差し引いて所得を算出し、そこから納める税金の額を計算して、国(税務署)に報告する一連の手続きのこと
  • 税金を支払いすぎていた場合には、還付金を受け取れるケースもある
  • 年収103万円以下の給与所得者(派遣社員)には基本的に所得税が課されない
  • 派遣会社が年末調整をしてくれなかったケースや、掛け持ちやダブルワークで給与所得を得ている場合は、確定申告が必要になる
  • 年収103万円以下にも関わらず源泉徴収をされているケースや、ふるさと納税など控除できる項目がある人は、確定申告を行うことで所得税が還付される可能性がある
  • 派遣社員だからという理由だけで確定申告が必要になる、または不要になるということはない

 

 

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