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派遣と出向の違いは?それぞれのメリット・デメリットからどちらがよいのか?までわかりやすく解説

派遣業界コラム この記事は約 10 分で読めます。

正社員や契約社員、派遣社員、さらには出向や請負、業務委託契約など、現代の働き方のバリエーションは多種多様です。その名前こそ異なるものの、共通点が多く見られる種別もあるため、明確な違いがわからないという労働形態もあるでしょう。

2つの企業が関係してくる点や、雇用契約を結ぶ企業と実際に就業する企業が異なる点など、類似点が多々ある「派遣」と「出向」もそのひとつではないでしょうか? 本記事では、派遣と出向の違いや、両者に求められる適性などについて、わかりやすく解説します。

なお、派遣や出向と混同されがちな形態として「請負」や「業務委託」も挙げられます。これらの違いも含め、以下の記事と合わせてご確認ください。

派遣とは

派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業に就業・常駐する働き方です。雇用主は派遣会社となりますが、指揮命令を受け実際に働く企業は別の企業となる形態です。

派遣社員として働くメリットには、仕事探しやスキルアップなどに関する派遣会社の密なサポートを受けられることや、雇用期間に定めがある特性を活かし、多様な職場・職種を経験できることなどが挙げられます。

一方、雇用期間は原則として最大3年となるため雇用の安定性が高いとはいえず、就業する派遣先企業におけるコア業務にかかわることが難しくなる点も懸念されます。

 

出向とは

出向とは、出向元企業の指示を受け、グループ企業や子会社、他企業など「出向先企業」に移り、就業する働き方です。

なお、出向は大きく「在籍出向」と「転籍出向」に区分されます。スキルアップの機会獲得や新たな人脈形成などは、両者に共通するメリットとなりますが、働く環境の変化による大なり小なりのストレスも同時に懸念されます。

 

在籍出向とは

在籍出向とは、雇用された企業に在籍したまま出向先企業に就業する出向形態です。出向元企業との雇用契約は維持されたうえで、出向先企業とも雇用契約を交わすため、2つの企業との間に雇用関係が認められる建付けです。

多くの場合、在籍出向は人材育成や業務提携など一時的な目的の下に実施されます。出向期間もあらかじめ決まっており、後に出向元企業に戻れる安心感があるほか、出向先で習得した知識や経験などを活かし、出向元企業での活躍の幅を広げられる点がメリットです。

一方、期間限定であることから出向先企業でのモチベーション管理が難しかったり、出向元企業に残る同僚に差をつけられないか不安を覚えたり、といった懸念点はぬぐえません。

 

転籍出向とは

一方、転籍出向とは、出向元企業から出向先企業へと籍を移す出向形態です。「移籍出向」と呼ばれることもあります。

転籍出向は、グループ企業や子会社の競争力強化や収益向上を目的に、あるいは出向元企業の業績悪化などを受けた雇用調整などを目的に実施されるケースが多いです。

この転籍出向では、出向元企業を退職し、出向先企業とのみ雇用契約を結びます。つまり感覚としては転職に近いともいえるでしょう。

退職を伴うため、転籍出向には個別同意が必須です。そのため、労働者の納得する条件にて出向できる点がメリットです。一方、拒否権はあるものの、自らの意志とは関係ないところで実質的な転職を促されかねない点が懸念されます。

 

派遣と出向の違い

派遣と出向の大きな違いは、雇用関係の所在にあります。

  • 派遣:派遣元である派遣会社と雇用契約を締結する
  • 在籍出向:出向元企業と、実際に就業する出向先企業の2社と雇用契約を締結する
  • 転籍出向:実際に就業する出向先企業と雇用契約を締結す

出向のなかでも、派遣と特に混同されやすいのが在籍出向です。下記の図のとおり、派遣社員は派遣会社のみと雇用契約を結ぶのに対して、在籍出向では出向元および出向先企業と二重に雇用契約を結ぶ点に違いがあります。

画像引用元:労働者派遣と在籍型出向との差異|厚生労働省

また、派遣と出向の違いの要点は、以下のようにまとめられます。

  派遣 出向
在籍出向 転籍出向
雇用・契約関係 派遣元企業(派遣会社) 出向元および出向先企業 出向先企業
就業期間 同一事務所・同一部署では最大3年 1年間など限定的 定めなし
労働時間 派遣元企業(派遣会社)との契約内容に準ずる 出向元と出向先企業が相談して取り決める 出向先企業との契約内容に準ずる
給与体系 派遣元企業(派遣会社)が支払う 出向元と出向先企業が相談して取り決める 出向先企業が支払う

 

派遣のメリット・デメリット

労働者が派遣社員として働くメリット・デメリットは次のとおりです。

派遣のメリット 派遣のデメリット
  • ライフスタイルやキャリアプランに合わせて仕事を選択できる
  • 仕事探しや就業条件のすり合わせなどにおいて、派遣会社のサポートを受けられる
  • 給与水準が高いケースが多い
  • 雇用期間に定めがあり、複数の職場にてさまざまな職種を経験できる
  • 雇用期間に定めがあるため、同じ職場で長く働けない
  • 雇用が安定しにくい
  • コア業務にかかわることが難しくなることがある

派遣は数ヶ月単位で契約を更新しながら、同一事務所・同一部署で最大3年まで勤務できる働き方です。ライフスタイルに合わせて働き方を調整しやすい点や、さまざまな職場・職種を経験できることからスキルアップを望める点などが大きなメリットになるでしょう。

また、就業中はもちろん、休職中も派遣会社からのサポートを受けられることも魅力です。

ただし、人によってはメリットがそのままデメリットともなりかねません。数ヶ月単位で結ばれる派遣契約更新は、派遣社員と派遣先企業の双方の同意が必要です。そのため、企業側から更新を打診されない可能性は否定できません。

このように不安定な立場に置かれることから、企業側としても事業の中核を担うコア業務を任せづらく、思うようなスキルアップを果たせないといったことも考えられるでしょう。

 

出向のメリット・デメリット

労働者が出向で働く場合、次のようなメリット・デメリットが考えられます。

出向のメリット 出向のデメリット
  • 新たな環境で働くことにより、知識の習得やスキルアップにつながる
  • 新たな人脈を形成できる
  • 新たな知識や人脈を活用し、出向元企業でより活躍できるようになる
  • 不慣れな環境によるストレスが生じる
  • 仕事へのモチベーションが低下する可能性がある
  • 望まない出向の場合、出向元企業に対する不信感が芽生える

出向元企業での勤務歴が長くなればなるほど、業務や人間関係は固定化されていくものです。新たなスキルやノウハウを得ることも少なくなり、人間関係による刺激も減少するでしょう。

しかし、出向すれば業務も人間関係も一変します。そこで得られる新たな刺激は、仕事においても人間性においても成長の機会となるでしょう。

一方で、新たな環境に飛び込むことは、大なり小なりのストレスが付随します。特に出向元企業での業務や人間関係に心理的な安全性を強く感じている場合など、望まない出向となるケースでは出向元企業に対しての不信感が芽生えかねません。仕事に対するモチベーションの低下も懸念されます。

 

派遣と出向はどっちがいい?

望む働き方やキャリアプラン、あるいは収入の差などは雇用形態のみに帰結するものではないため、派遣と出向のどちらがよいのかは「人による」としかいえません。

そこで、派遣と出向、両者の特徴に基づいた適性を考えていきます。

 

派遣が向いている人

次のような人は、出向よりも派遣が向いていると考えられます。

  • ワークライフバランスを重視したい人
  • 希望する条件で働きたい人
  • 定期的に職場環境を変えたい人
  • さまざまな仕事を経験したい人

派遣では、派遣社員と派遣先企業の双方の同意のもと、数ヶ月単位で契約が更新されていきます。たとえば育児や介護などプライベートを優先したい際には契約を更新せず退職するといったように、自由度や柔軟性の高い働き方も可能です。

また、仕事探しでは派遣会社のサポートを受けられ、職場環境や業務内容、あるいは待遇といった条件などに納得できない場合は辞退も自由です。

こうした特性から、上記の特徴に当てはまる人は、派遣として働くメリットを最大限生かせると考えられます。

 

出向が向いている人

一方、次のような人は派遣よりも出向が向いていると考えられます。

  • 転職を迷っている人(在籍出向)
  • 期間限定で労働環境を変えたい人(在籍出向)
  • スムーズに転職したい人(転籍出向)
  • 転職活動をせずに労働環境を変えたい人(共通)

出向は転職とイコールではありませんが、特に転籍出向の場合では出向先企業へと籍を移し、労働契約を結びなおすことになることから、転職の意味合いが強まります。しかし、転職と大きく異なるメリットとして、自身で転職活動をする必要がない点が挙げられます。

また、在籍出向の多くは期間限定であるため、転職を迷っている人や新たな労働環境に身を置きたいと考える人に適した働き方です。

 

派遣や出向で違法となるケース

派遣や出向で働く際には、次の2点に注意しなければいけません。

  • 偽装出向
  • 二重派遣

偽装出向とは、出向を装い別の形態で労働者を働かせることです。また、二重派遣とは受け入れ先である派遣先企業からさらに別の企業に派遣されることを指します。これらは法律で禁止されている違法行為です。

労働者は罰則の対象にはなりませんが、トラブルに巻き込まれることがないよう、どのようなケースが該当するのか理解しておくべきでしょう。

 

偽装出向

偽装出向とは、その実態は労働者派遣であるにも関わらず、出向を装うことです。

派遣事業を営むには法律にて規定された認可が不可欠であり、運用においても厳密な制約が存在します。一方、出向には認可は必要ありません。

このアンフェアな構造を悪用し、出向と偽り労働者を派遣し、対価を獲得することが偽装出向にあたります。なお、偽装出向は労働者派遣法違反となり、発覚した場合は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

また、次のようなケースでは、企業側は出向と認識していても、偽装出向と見なされるケースもあります。

  • 社員を労働力として供給し、利益をあげることが主目的とみなされた場合
  • グループ会社間の人事交流の一環として行っているものではないと判断された場合
  • 複数回に渡り、継続的に出向が行われている場合
  • 出向元と出向先の間に別の企業を介している場合

これらに合致する場合は、出向の目的に適していないとみなされる可能性が疑われます。出向を希望する際は、労働条件や出向に関係する企業数などをよく確認するようにしましょう。

 

二重派遣

二重派遣とは、派遣先企業からさらに別の企業に派遣されることです。

画像引用元:二重派遣は派遣法違反ですか|厚生労働省

二重派遣は、派遣労働者を不当な条件下で働かせ搾取構造を助長するリスクを高めることから、職業安定法および労働基準法により禁じられています。

二重派遣が発覚した場合には、職業安定法により派遣先企業は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されます。また、労働基準法により同じく派遣先企業に1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されます。

労働者は罰則の対象とはなりませんが、就業先を再度見つける必要があるなどの不利益を被ることにもなりかねません。二重派遣に巻き込まれないよう、自ら注意しておく姿勢は欠かせません。

 

まとめ
  • 派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業に就業・常駐する働き方
  • 出向とは、出向元企業の指示を受け、グループ企業や子会社、他企業など「出向先企業」に移り就業する働き方
  • 雇用された企業に在籍したまま出向先企業に就業する「在籍出向」と、出向元企業から出向先企業へと籍を移す「転籍出向」に区分される
  • 派遣はワークライフバランスを重視したい人や、さまざまな仕事を経験したい人に適した働き方
  • 出向は転職を迷っている人や、転職活動をせずに労働環境を変えたい人に適した働き方

 

 

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