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テストエンジニアとは|仕事内容やなるために必要なスキル・資格を解説

IT/Web派遣コラム この記事は約 11 分で読めます。

ソフトウェアなどの開発において、バグを検出して製品の品質を保証するために欠かせない工程が「テスト」です。その重要な工程を担うのが「テストエンジニア」という職業です。

こちらでは、テストエンジニアの仕事内容や年収、将来性などを網羅的に解説します。

テストエンジニアとは

テストエンジニアは、ソフトウェアなどの開発における品質保証のためのテストの作成や実施、結果の確認・分析などを行うエンジニアです。

従来では、このテスト工程は経験の浅いエンジニアが担当することが多くありました。しかし、昨今ではセキュリティや品質に対する要件の高まりなどから、テスト技法に知見のあるエンジニアがテストエンジニアとして担当するケースが増えています。

企業によってはテスト専任のテストエンジニア枠を設けている場合もありますが、豊富な経験を持つプログラマやエンジニアがテスト工程も掛け持ちしている現状も見られます。

テスターとの違い

テストエンジニアと似たような職種にテスターがありますが、両者には下記のような違いが現れます。

概要
テストエンジニア テスト計画の作成、設計、実施、結果の確認等、テストに関して一通り行う
テスター 事前に作成されている計画に沿ってテストを実行する。テストエンジニアの業務の一部を担う

つまり、テスターはテストエンジニアが担う「実行」部分を担当する役割です。テスト計画や設計書に沿って、エビデンスをとりながらテストを進めることになるため、高度な知識やスキルを求められるわけではありません。そのことから、テスターは新人エンジニアやアルバイトが担当するケースも多くあります。

一方、テストエンジニアはデバッグを除くテストの全工程を担当。より高品質で高度なセキュリティを実現できるかをテストするため、プログラミングやテスト技法における深い知見を求められます。

テストエンジニアに向いている人

テストエンジニアに向いている人の適正には、下記のようなものが挙げられます。

  • 仕様書を読み込み、適切なテストケースを洗い出せる
  • 長時間の単純作業でも正確にこなせる
  • 必要に応じて、正確な報連相ができる

製品開発においてテストに割ける時間はそれほど多くありません。そのため、テスト工程を担当するテストエンジニアは、製品の仕様書の細かいところまで目を通し、最適なテストケースを導き出して確実に実行する必要があります。またテストは長時間におよぶこともあり、集中力を持続できる人でないと務まりません。

苦労して見つけたバグについて、必要があれば上流工程に報告する場合もあります。この際にはどういったバグなのか、どういった改善策が最適なのかなど、正確な報連相ができる人がテストエンジニアに向いているといえるでしょう。

テストエンジニアの年収

テストエンジニアの平均年収は、600万円前後です(※転職支援サイトDodaにて調査)。国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、国民の平均給与は433万円であるため、テストエンジニアの年収は、平均を130万円ほど上回ることがわかります。

ただし、会社や役職、経験などにより、200万円~1,800万円ほどまでと大きな開きがあるので、入社した会社の処遇によって年収が左右される点は留意しておきましょう。

Dodaでは、テストエンジニアの求人は2022年2月時点で150件ほどがヒットします。求人件数自体はそれほど多いわけではありませんが、なかには1,000万円超えの求人もあるなど、収入面も期待できる職種です。

テストエンジニアの将来性

IoTの開発および活用が推進される昨今では、ソフトウェア開発におけるテスト工程もAIによる自動化が進むといわれています。しかし、AIによるテストの「実行」は自動化できても、テストの「計画」「設計」、あるいは「分析」「確認」といったテストを実行する前後の自動化は考えにくく、まだまだ人の手が必要です。

テスト工程をAIが担うことにより、テストエンジニアの作業負荷自体は減ると予想されていますが、テストエンジニア自体の役割がなくなることはないでしょう。むしろ、IoTの開発がさらに活発になればなるほど、需要の高まりに期待が持てるでしょう。

テストエンジニアの仕事内容

テストエンジニアの主な仕事内容は下記のとおりです。

  1. テスト計画策定
  2. テスト設計
  3. テスト実行
  4. テスト結果報告と改善提案

まずはテスト計画でざっくりとしたテスト実行の計画を立てて、テスト設計で計画の詳細を詰めていきます。次にテスト設計で作成した仕様書をベースにテストを実行して、その結果と改善案の報告・提案を行います。

テスト計画策定

テスト計画策定では、下記の作業を行います。

  • テスト対象の仕様の調査
  • テスト観点の抽出
  • テスト計画の作成

システムやソフトウェアはテストしようと思えばいくらでもテストができます。しかし、膨大な量・範囲のテストを行う時間や人員の確保は難しいため、テストする範囲や機能、優先度を決めるためにテスト計画は欠かせません

また、計画策定には、開発者からの情報提供が不可欠です。開発時点でどういった点に不安を感じるのか、どういった点に不具合が出そうなのかをヒアリングしたうえで、テスト範囲や対象とする機能、優先度などを決めていきます。

テスト設計

作成したテスト計画書をもとに、テストの内容を設計していきます。具体的には下記のような項目を決定します。

  • テスト観点(重点的にテストする機能・範囲)
  • テスト技法(テスト観点に対して最適なテスト技法の選定)
  • テストケースの作成(テストの設計図を作成)

テスト設計では、テスト設計仕様書を作成し、テストはこの設計仕様書に沿って行われることになります。つまり、テスト設計仕様書の品質がテストの品質に直結することを意味しており、ひいてはソフトウェアの品質を左右するため、テスト設計がテストにおいてもっとも重要な工程であるといっても過言ではありません。

テスト実行

テストの設計仕様書の内容に沿ってテストを実行していきます。その際、下記のようなエビデンスを保管しておきます。

  • 実行環境
  • 実行日時
  • 発生した事象など
  • その他あらゆる情報

このエビデンスを元に、最後の工程である「テスト結果の報告と改善策の提案」を行います。なお、この工程のみをテスターやアルバイトに任せるケースもあります。

テスト結果報告と改善提案

先に実行したテストにより得たエビデンスをもとに、テスト結果の検証をしていきます。テスト設計時に想定していたテストの結果と、実際に結果として出たエビデンスが一致していれば「合格」、一致していなければ「不合格」となり、改善案を講じます。

合否はどうであれ結果は一様に上流工程へと報告。テスト実行において不備がある場合や、結果に対して改善が必要な場合は再度テストを実行することもあります。

テストエンジニアがきついといわれる理由

テストエンジニアの仕事はしばしば「きつい」と評されますが、その理由として下記の点が推測されます。

  • 残業が多い
  • 単純作業がつらい
  • 不具合の解消が大変

上流工程である開発に時間がかかっても、納期を延長できない場合は、予定していた作業期間の確保が難しくなります。その結果、テストエンジニアは短納期で作業をすることになり、残業が増えるケースは多々あります。また、設計仕様書どおりに淡々とした作業を繰り返すことになるため、単純作業を好まない人は作業自体を苦痛に感じるでしょう。

さらに膨大なソースコードのなかからバグの特定・原因の究明、改善策の提案を行うのは、生半可な知識では務まらないといった点もきついと評される理由のひとつです。一方で、難しいパズルを説くような謎解きを好む人や、細かい作業が好きな人にとっては、大いにやりがいを感じられる職業でしょう。

テストエンジニアになるには

テストエンジニアは、未経験者やエンジニア初心者でも比較的参入しやすい職種です。

特に求められる資格があるわけではありませんが、備えておきたい最低限の知識やスキルがあります。活躍できるテストエンジニアになるためには、より深い知識や高度なスキルが必要となるため、資格取得などを通してそれらを身に付けておくと良いでしょう。

テストエンジニアに必要な知識・スキル

テストエンジニアには下記のような知識・スキルが求められます。

● ソフトウェアに関するスキル
適切なテストケースを判断するために必要です。プログラミングスキルを身に付ければバグの修正もできるようになるため、テストエンジニアとしてのステップアップが望めるでしょう。

● テスト工程・技法・品質管理に関するスキル
システムの品質、テスト工程の効率化を図るために必要です。その時々で効率的に品質を向上させる最適なテスト技法を選択することが求められるため、これらの知識は不可欠です。

● 集中力・理解力・忍耐力
膨大な量のテストケースをこなすこともあるため、集中力・忍耐力は必須です。またテストする対象によって仕様や機能が異なるため、それらに関しての理解力も求められます。

● プレゼンテーション力
テストが終わったら、結果の報告や改善点の提案をする必要があります。わかりやすく資料をまとめることはもちろん、報告対象者の理解度に合わせて専門用語をかみ砕いて説明するなど、プレゼンテーション力が求められます。

● コスト・リスクに関するマネジメント力
テスト工程に割ける人員やコストには限りがあるため、さまざまな要件を考慮して効率良く漏れのないテストを実現するマネジメント力も求められます。またバグが発生しやすいケースを把握して、事前に対処するリスクヘッジ力も必要です。

テストエンジニアにおすすめの資格

テストエンジニアになるために必要な資格はありませんが、前述した知識を得るためにも資格の勉強は無駄になるものではありません。また資格保持者は就職や転職で有利になる傾向にあるので、取得しておいて損はないでしょう。

基本情報技術者試験
IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格試験です。IT関連やプログラミングについての基礎知識を問われます。企業によっては、この資格を応募の条件にしていることもあるので、選択肢を広げるためにも取得しておきたい資格です。

JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB(日本のソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織)が実施しており、海外でも通用する資格です。「Foundation Level」と「Advanced Level」からなる試験で、初心者の場合はFoundation Levelの取得から目指すのがおすすめです。

ソフトウェア品質技術者資格
一般財団法人日本科学技術連盟が主催する、開発者、テストエンジニアなどソフトウェアの品質に関わる技術者向けの認定資格です。2022年2月時点では上級・中級の2段階があり、今後は上級が新設され3段階で実施される予定です。

テストエンジニアのキャリアパス

テストエンジニアからのステップアップを目指すにあたっては、下記のようなキャリアパスが望めます。

  • テストリーダー・マネージャー
  • テスト自動化エンジニア
  • 品質コンサルタント
  • 他業種も含めた品質関連の職種に転職

テストエンジニアはいわゆる品質のプロであるため、上記のような品質に関する多様なキャリアパスを描けます。テストエンジニアで得た知識やスキルを活用して、人を束ねるのも良し、自動化できる部分を見つけて作業の効率化に貢献するも良し。「品質」を軸に、興味のある職種に転身できるのがテストエンジニアの魅力でもあります。

テストエンジニアとして働くには

テストエンジニアはIT企業やゲーム関連の企業をはじめ、メーカーからテスト工程を受託している企業などで活躍できます。

これらの企業に属しテストエンジニアとして働くためには、必要な知識を身に付けてから求人に応募することをおすすめします。未経験での募集もありますが、知識やスキルを身に付けてからの方が、業務を任せてもらえる幅も期間も短縮できるでしょう。

採用形態は正社員や派遣社員、アルバイトなどがありますが、テストエンジニアの求人数はそれほど多くありません。正社員を希望する場合は、より一層狭き門を目指すことになるため、まずは派遣案件への応募も検討してみましょう。アルバイトよりも任せてもらえる範囲が広く、多彩な経験を積める派遣案件に応募し、経験を積んでから正社員を目指す方法も有力な選択肢になります。

まとめ
  • テストエンジニアは、ソフトウェアなどの開発における品質保証のためのテストの作成や実施、結果の確認・分析などを行うエンジニア
  • デバッグを除くテストの全工程を担当するため、プログラミングやテスト技法における深い知見を求められる
  • 長時間の単純作業でも正確にこなせる集中力や、コミュニケーション能力も不可欠
  • テストエンジニアの平均年収は600万円前後で、平均よりも高水準にある
  • テスト計画策定→テスト設計→テスト実行→テスト結果報告と改善提案、の流れで業務が進行する
  • 「品質のプロ」として他業種も含めた職種に転身するなど、多彩なキャリアパスを描ける

 

 

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