「世界を変える」その第一歩は超個人的な理由!? ITベンチャーの起業理由から見えてくる、有名エンジニア・CEOたちの人物像

IT系ベンチャー企業のCEOは、ほとんどが「エンジニア出身」。

今回は、世界を変えたIT企業をはじめ、日本国内で活躍するメガベンチャーまで、数々のCEOたちによる多種多様な起業理由とそのエピソードご紹介します!

どんなに壮大なプロジェクトも、きっかけは個人的な悩みなど意外なものばかり。人によってさまざまな人物像が浮かび上がってくることと思います。

人とつながっていたいという根源的な欲求が形になった「Facebook」


Photo By Brian Solis

世界最大級のSNSサイト「Facebook」。

月間ユーザー数が13億人という規模に成長したFacebookは、2004年にハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグ氏がルームメイトと一緒に立ち上げた、女子学生の顔を比べて投票させるゲーム「Facemash.com(フェイスマシュ.com)」が元となっています。

映画『ソーシャル・ネットワーク』では、マーク・ザッカーバーグ氏は好きな女性にフラれ、ハーバード大学の女子学生の写真をハッキングして「Facemash.com」を作ったと描かれています。
多少の脚色はあるようですが、失恋したことは事実らしくFacebookの立ち上げと起業には「人とつながっていたい」という思いが高まった時期だからこそといえるかもしれません。

また、ハーバード大学在籍時の初期は、「Coursematch(コースマッチ)」というプロジェクトを作成し、同じクラスを履修している他の学生のリストを参照できるようにしたとのこと。Facebook以前もマーク・ザッカーバーグ氏は、常にアイディアに満ちていたエンジニアとして活躍していたことが伺い知れます。

なお、Facebookの創業時にいたエンジニアのエドワルド・サヴェリン氏や、ウィンクルボス兄弟の後日談をi:Engineerでは紹介しているので、あわせてどうぞ!

関連記事:映画『ソーシャル・ネットワーク』に登場した強者たちの壮絶な後日談

出典:Wikipedia

発想をじっくり温めつづける性格だからこそ、見事に孵化した「Twitter」


Photo By JD Lasica

ブログサービス「ブロガー」を開発し、Googleに売却したエンジニアのエヴァン・ウィリアムズ氏や、ビズ・ストーン氏、ジャック・ドーシー氏らによって、開発されたTwitter。

Twitterは、現CEOのジャック・ドーシー氏が5年間温め続けたアイデアが元になっていて、リアルタイムに自分の状況を友人に知らせたり、友人がいま何をしているのかを知るサービスの可能性を感じたことで開発されたといいます。

2000年7月、LiveJournal(ブログ)よりもリアルタイム性が高く、どこにいても自分の状況を知人に知らせたり、逆に知人の状況を把握できたりするサービスの可能性に気付いた。

ドーシーは初めてインスタントメッセンジャーを目にした時、ソフトウェアのユーザーステータスのアウトプットを、同時に多人数と簡単に共有できないものかと考えた。そこでテキストメッセージに関心があったOdeo社にコンタクトを取り、同社のビズ・ストーンとSMSテキストが適していると判断、Twitterのプロトタイプを2週間程で作り上げた。

2006年にサービスを開始し、2007年にはブログ関連の賞を受賞するなどして今に至ります。

エンジニアが長年温めつつけていたアイデアをテクノロジーや技術の進歩によって、実現したという例は多くあります。
もしかすると、あなたのふと思いついたアイデアが世界的に有名なサービスになることがあるかもしれません!

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友人のパーティーを撮影したビデオを共有したい。個人的な理由からはじまった「YouTube」


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YouTuberという職業が登場するほどの人気動画サイトになったYouTube。

設立したのは、チャド・ハーリー氏、スティーブ・チェン氏、ジョード・カリム氏の3人で、動画投稿サイト制作のきっかけは至極単純。

2005年1月、友人たちとのディナーパーティーで撮った映像を共有したいと思ったことから。

チャド・ハーリー氏は、当初は電子メールでの共有を考えたが、映像のファイル容量が大きすぎるために難航。そこでオンライン上に映像を投稿することを考え、そのシステムを簡略化することになったそうです。ユーザーインタフェースの専門家であるハーリー氏は、主にサイトのタギングとビデオ共有のインタフェースの責任者。YouTube のロゴも設計しました。

動画投稿のテクノロジーという部分でいうと、エンジニアのスティーブ・チェン氏が担当。2004年当時はフェイスブックの顧問をしていたマット・コーラー氏により、エンジニアとして最初に採用されましたが、友達とビデオサイトを作ると言って辞めようとします。

コーラー氏には「一生、後悔するぞ。フェイスブックはすぐに大きい会社になるんだ。ビデオサイトなんて掃いて捨てる程あるじゃないか」と説得されたそうですが、一向に聞く耳を持たず、ビデオサイトを作り、ビデオ・サービスを始めました。

それがYouTubeの原型になったということです。

YouTubeも「自分たちが欲しいサービスを作りたい」という理由でサイトを作成し、会社として運営しています。
案外、エンジニアの「こういうサービスが欲しい」と起業してしまう人は多いものです。

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実業家になる、というシンプルで強い気持ちが成功を生んだ「ソフトバンク」


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ソフトバンクの会長である孫正義氏。有名なエピソードですが19歳の時に「実業家になる」と決意し、開業資金を得るために発明で儲けようと意志を固めたそうです。

1日1つの発明をするという荒行を1年続け、その結果生まれたのが「音声機能付き言語翻訳機」。それを大手電機メーカーのシャープに売り込み、約1億円の資金を手にしました。

それを元手にパソコンソフトの卸事業であり、現ソフトバンクの前身であるユニソン・ワールドを起業します。

日本を代表する孫正義氏は、高い志と強い意志で起業しました。
もし、エンジニアの皆さんも心の底から「これを作りたい!」という気持ちがあるのなら、思い切って起業をしたり、行動をするのがいいのかもしれません。

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インターネットが世界を変える、と強く信じたからこそ誕生した「ライブドア」


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ホリエモンの愛称でお馴染みの堀江貴文氏。

ご存じライブドアの元社長ですが、中学生の頃からコンピューターでプログラミングを組むほど熱中した少年時代を過ごしていたようです。

起業のきっかけとなったのは、東京大学入学後に自身のプログラムスキルを活かせるプログラマーのバイトをしているなか、インターネットに出会ったことから。

インターネットが世界を変える。

それから間もなく、有限会社オン・ザ・エッヂを設立。インターネット黎明期からホームページの制作・管理を行い、急成長を遂げます。2002年に経営破綻した旧ライブドアから経営権を取得し、様々なサービスを世の中に送り出してきました。

いまでも、注目を集めているホリエモンも起業した理由というのは、自分のプログラミングスキルを活かしたいからというような、長所を活かせる仕事を作りたかったということでした。

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友達とずっと楽しい時間を過ごしたい。驚きの理由を秘めた「チームラボ」


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Webサイトの作成やアプリの開発、映像制作やアート作品などあらゆるジャンルのスペシャリストが集まっているチームラボ。

創業者の猪子寿之氏は、会社創業の理由を「友達とずっと一緒にいたかった」と語っていて、東京大学の同級生ら5名の友人達と共にチームラボを設立しています。

ホームページの請負から始まったチームラボも、多くの優秀なエンジニアやクリエイターがジョインしたことで、テクノロジーに留まらず、サイエンスやデザイン、アートの分野まで進出するほどの企業に。

独自で様々なサービスや製品を出しているチームラボも、学生ベンチャーらしく「友達といたい」という理由は驚きです。

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きっかけは千差万別。エンジニアの腕次第で、起業への道はさまざまに開かれる。

「フラれた女の子を見返すため」「友達と一緒にいたい」という、驚きのエピソードも登場しましたが、IT系ベンチャー企業のCEOはほとんどが「エンジニア出身」でした。

自分が思い描いた夢や理想を、テクノロジーを駆使して現実のものにする。

この実行力や実現へのスピード感こそが、エンジニアならではの優位性ではないでしょうか。技術力と発想力をあわせ持つことが、起業をする際のアドバンテージになり、限りなく成功に近づくためのスキルであることを過去の事例が示しています。

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