フリーランスのプログラマーの働き方とメリット・デメリットを解説

働き方に対する価値観が多様化し、企業に属さないフリーランスとして働く道を選択する人が増えています。プログラマーの中にも、「もっと自由に働きたい」「自分の可能性を試したい」と、フリーランスへの転身を検討している人がいるのではないでしょうか。

しかし、フリーランスは、組織に縛られない自由な働き方である一方で、自己責任の範囲が大きく、いくつかの注意点もあります。本記事では、フリーランスのプログラマーの働き方とそのメリット・デメリットのほか、必要なスキルと注意点について解説します。

フリーランスという働き方とは?

フリーランスとは、企業や団体に属さない独立した個人が仕事を請け負う、働き方を指す言葉です。フリーランスとして働く人は、単発のプロジェクトごと、あるいはクライアントごとにそれぞれ契約を結びます。
この契約は雇用契約ではなく、業務委託として行う「請負」または「委任(準委任)」契約です。ここでは、フリーランスという働き方について詳しく見ていきましょう。

フリーランスの種類

フリーランスには、大きく独立系と副業系の2つに分けることができます。

・独立系フリーランス
独立系フリーランスとは、雇用関係を持たず、フリーランスとしての仕事がメインのタイプです。企業と請負契約や準委任契約を結んで働きます。契約内容によって、客先常駐のように企業の中で働く場合もあれば、在宅で働く場合もあります。

・副業系フリーランス
副業系フリーランスは、企業や団体と雇用関係を結んでいる本業があり、副業として個人で仕事をするタイプです。近年は副業を許可する企業が増え、こうした働き方をする人も増えてきました。あくまでも本業が中心のため、終業後や休日など、隙間時間を使って請け負える仕事が中心になります。

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと混同されがちなのが個人事業主です。
フリーランスが働き方を指すのに対し、個人事業主は個人で事業を営んでいる人のことを指します。個人事業主は税務署に開業届を提出することで登録されるものです。なお、開業届は所得税法第229条で、事業開始から1ヵ月以内の提出が定められています。

フリーランスのプログラマーの働き方と仕事内容

フリーランスのプログラマーと企業に属するプログラマーとの一番の違いは、仕事の受注の仕方です。企業で働く場合は原則として上長から仕事が振られるのに対し、フリーランスの場合はみずからクライアントや案件を獲得しなくてはなりません。
一般的には、前職からのつながりや友人、知人に仕事を紹介してもらったり、クラウドソーシングなどの単発の案件を多く手掛けたりして、実績を積み重ねていくことが多いでしょう。

案件を獲得したら、個別に契約を結んで仕事をします。フリーランスのプログラマーの仕事内容は、基本的には企業で働く場合と変わらず、エンジニアが設計した内容に沿ってプログラムを組み、ソフトウェアやハードウェアの開発を行うものです。

プログラマーがフリーランスになるメリット

フリーランスのプログラマーは企業に属するプログラマーとどのような違いがあるのでしょうか。主に、下記のようなメリットがあります。

自分に合った案件を選べる

企業で働く場合、自分の得意不得意にかかわらず、指示された仕事は基本的に断ることが難しいものです。しかし、フリーランスのプログラマーの場合、使用するプログラミング言語や開発するもの、担当する工程など、案件の内容を自分で選ぶことができます。

時間や場所に縛られない

リモートワークが浸透したとはいえ、今も出勤がベースの企業は多くあります。その点、フリーランスのプログラマーは企業の就業規則に縛られないため、働く場所や時間を自由に選ぶことが可能です。子育て中の人、介護と仕事を両立したい人などにも適した働き方だといえるでしょう。
ただし、案件によって、定期的に対面での打ち合わせが必要だったり、クライアントが常駐を望んだりする場合もあります。

収入がアップする可能性がある

会社が設定した給与テーブルに沿って昇給していく会社員に比べて、成果が収入に結びつきやすいのもフリーランスの特徴です。実績を積んでスキルアップすることで、任せてもらえる仕事が増え、稼働した分だけ収入を上げることも可能です。

プログラマーがフリーランスになるデメリット

フリーランスのプログラマーには、メリットだけではなくデメリットもあります。フリーランスへのキャリアチェンジを考えている人は、下記の注意点を知っておきましょう。

収入が安定しにくい

業務で失敗をしても、プロジェクトに参加できなくても、原則として固定給がもらえる会社員と違い、フリーランスのプログラマーの収入は案件やクライアントの評価次第です。働き方が自由な点は大きな魅力ですが、成果物がクライアントの求める質に達していなかったり、自身が体調を崩した際などに代わりに請け負ってくれる相手がおらず、納品遅れやミスを繰り返して信頼を失ったりすると依頼が途絶え、収入がなくなります。成果を出し、継続的に依頼をもらえる体制を整えておかなければ、収入は安定しにくいといえます。

ローンや入居審査に通りにくい場合もある

フリーランスは収入が不安定な働き方であるため、返済能力の観点から、ローンや入居審査に通りにくい傾向があります。特に、フリーランスになってから1年程は、社会的信用が得にくいと考えたほうがいいかもしれません。地道に実績を重ね、対外的な信頼を得る必要があります。

孤独を感じることもある

組織に属さないフリーランスは、プログラマーとしての実務から金銭の管理まで、すべての作業を一人で行うのが基本です。組織にありがちなストレスを感じずに働ける分、孤独を感じることもあるようです。

フリーランスのプログラマーに向いている人

フリーランスのプログラマーに向いている人は、どのようなタイプの人でしょうか。主な特徴には、下記のようなものがあります。

自己研鑽を続けられる人

IT業界では次々と新しい技術が生まれ、常識が塗り替えられていきます。みずから学ぶ姿勢がない人は、進化のスピードに追いつくことが難しいとクライアントから判断されやすいでしょう。常にスキルアップを目指し、努力できることはフリーランスとして大切な要素です。

自己管理ができる人

フリーランスのプログラマーは、自分一人で案件のスケジュールや金銭、健康面などを管理します。納期に遅れれば信頼を失って収入に影響しますし、個人事業主として確定申告などの必要な手続きを忘れれば、延滞税など罰則を科される可能性があります。

強みがある人

クライアントは、プロジェクトの成果を高めるための人材を募集し、その条件を満たしたフリーランスのプログラマーを選んで契約を結びます。ほかのプログラマーと比べて何か強みがないと、競争に打ち勝てない場合もあるでしょう。プロジェクトチームとしていっしょに働く上で、人間性を見るクライアントも少なくありません。
習得者が少ないトレンドの言語や技術をいち早く学んだり、得意言語の幅を広げたりといった努力をするほか、コミュニケーション能力やロジカルシンキングを身につけることも有効です。

フリーランスのプログラマーに向いていない人

みずから学ぶ姿勢や強みがある人がプログラマーに向いている一方、次のようなタイプはフリーランスのプログラマーに向いているとはいえません。

責任感が足りない人

フリーランスのプログラマーの評価は、その人自身の行動と実績にかかっています。「納期に遅れそうだから嘘をついてごまかそう」「適当でいいや」といった考え方で仕事をしていると、いずれほころびが見えて仕事が途絶える可能性も高いといえます。フリーランスには、受注した仕事に対して全力で応える姿勢が欠かせません。

交渉が苦手な人

フリーランスになると、自分でクライアントを見つける必要があります。企業に営業をかけ、その上でスケジュールの調整や金銭の交渉を行う必要があります。そのため、交渉が苦手だったり、うまくできなかったりする人は、案件に対して思うような報酬を受けられないことや、タイトなスケジュールをこなす必要があるなど、自身が不利益を被ってしまうケースも考えられるのです。

フリーランスのプログラマーとしてやっていけるか悩んだら、まずは相談を

フリーランスのプログラマーには、高い能力と人間性が必要です。「フリーランスは自由で柔軟な働き方ができる」というイメージで安易な選択をしてしまうと、長く働き続けることが難しいケースも少なくありません。

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※記事に記載の内容は、2023年1月時点の情報です

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