Javaエンジニアとは?仕事内容や必要な資格、年収相場を解説

汎用性・柔軟性に優れたプログラミング言語として知られているJava。そのJavaを用いてさまざまな開発に取り組むのがJavaエンジニアです。
ここでは、Javaエンジニアの仕事内容や必要スキル、やりがいのほか、Javaエンジニアになる方法などを解説していきます。

プログラミングの三大言語とも呼ばれるJava

JavaはC言語をベースに開発されたプログラミング言語です。1996年にSun Microsystems社(2010年にOracle社が買収)により正式バージョンが発表されて以来、現在に至るまで数多くのアプリやシステムの開発に用いられています。

具体的には基幹システム、業務用システム、PCにインストールして使うアプリケーション、スマートフォン(特にAndroid)アプリ、ウェブサービス、ウェブアプリ、組み込みシステム、IoTなどの開発にJavaは使われています。

Googleが社内標準として採用しているプログラミング言語に「三大言語」と呼ばれるものがあり、Javaはそのひとつともされています。なお、残り2つはC++とPythonです。

Javaを用いたプログラミングの特徴

Javaで書いたプログラムは、JVM(Java仮想マシン)が動作する環境であれば、Windows、macOS、LinuxなどのOSに依存することなく実行できます。プログラムを実行する前に中間言語に翻訳され、実行の際はその中間言語をJVMが読み込んで翻訳(コンパイラー)するため、大型コンピューターやパソコン、組み込み機器など、異なるマシンでも実行可能です。

また、Javaはオブジェクト指向言語です。C言語やCOBOLのような手続き型言語とはプログラミングの仕方が異なります。オブジェクト指向言語では、プログラムの機能や役割を区別したものを部品として捉え、ものを操作・組み合わせるようにしてプログラムを作り上げます。
こうした特徴から、Javaはプログラミング全体の構造を把握しやすく、分業での開発が容易で、修正や改良の手間も軽減できるといったメリットを持っています。

Javaエンジニアの仕事内容

開発者のあいだで根強い人気があり、シェアの高いJavaを用いて各種アプリやシステムの開発にあたるのがJavaエンジニアです。大手SIer、大手企業の情報システム部門、派遣社員、フリーランスなど、Javaエンジニアにはさまざまな働き方があり、多くの場合はプロジェクトチームの一員として業務に取り組んでいます。
それでは、Javaエンジニアの仕事内容とは、具体的にどのようなものでしょうか。Javaエンジニアが携わることの多い仕事内容について紹介します。

Javaエンジニアの仕事内容""

Javaによるアプリケーション開発

Javaを用いて開発することが可能なアプリケーションには、業務系アプリ、ウェブアプリ、Androidアプリなどがあります。Javaエンジニアは、設計に従ってアプリケーションを実際に作り上げる作業を担当します。

他言語のアプリをJavaに移行

他言語で開発されたアプリを、Javaで書き直して移行するという業務もしばしば発生します。Javaでプログラミングをすれば、そのアプリをさまざまなOSや端末で動かすことができるためです。

ウェブサイト制作

ECサイトやホテル予約サイト、掲示板、SNSなど、Javaはさまざまなウェブサイトの制作にも使われています。特に、Javaはサーバーサイドで用いる言語としてよく利用されています。
なお、同じウェブサイト制作でよく使われるJavaScriptとJavaは、まったく異なる言語なので注意しましょう。

ゲーム開発

Javaは、ゲーム開発にも利用可能です。例えば、「Minecraft」というゲームは、Javaで開発されています。ただし、Unityのようなゲームエンジン(開発環境)は、Javaにはありません。

Javaエンジニアに必要な知識・スキル

Javaエンジニアには、どのような知識やスキルが必要となるのでしょうか。具体的に必要な知識・スキルを見ていきましょう。

開発する対象に合わせたJavaプログラミングのスキル

まず必要なのは、Javaを用いたプログラミングスキルです。開発するアプリやシステムの種類によって異なる知識・スキルが求められるため、対象に合わせていく必要があります。

Javaフレームワークのスキル

開発作業を効率的に進めていくには、ウェブアプリケーションやシステムの開発に必要な機能が用意されたソフトウェアであるフレームワークや、汎用的なプログラムをまとめたライブラリーの活用が欠かせません。Javaを用いる際によく使われるフレームワークには、Spring、JavaServer Faces、Apache Strutsなどがあり、必要に応じて使い分けることになります。
特定のフレームワークやライブラリーを使った実務経験があれば、転職などの際の評価ポイントとなります。

オブジェクト指向の設計スキル

前述したように、Javaはオブジェクト指向言語です。Javaエンジニアとして活躍するには、Javaの特性であるオブジェクト指向の設計スキルは必須といえます。設計スキルを高めていけば、より効率的な開発ができるようになるため、開発現場でも重宝されるでしょう。

Javaエンジニアのやりがい

Javaエンジニアとして仕事をすると、どのようなやりがいを得られるのでしょうか。ここでは、3つのポイントに絞ってJavaエンジニアのやりがいをご紹介します。

習得人口が多いからこそ実力が試される

Javaは習得人口が多いため、実力や経験を見込まれたエンジニアは高い評価が得られます。企業内では、Javaの習熟度が高いエンジニアはチームリーダー的な役割を担うこともあるでしょう。
また、先輩エンジニアやウェブサイトから多くのノウハウや知見を得やすいため、スピーディな成長を体感できることも、やりがいにつながるはずです。

汎用性や柔軟性、先進性が高いため、ルーティーンな開発にならない

Javaには、プログラミング言語に必要とされるさまざまな概念や機能が詰め込まれています。それゆえに汎用性が高く、今なお新しい機能を取り入れ続けています。
この汎用性や柔軟性、先進性の高さがJavaの魅力であり、常に進化を問われるJavaエンジニアのやりがいにつながっています。

Javaを基礎としてスキルが広がる可能性もある

Javaを出発点として他言語を学んでいくと、スムーズに知識やスキルを広げていくことができます。Javaを使いながら、必要に応じてほかの言語も覚えていけば仕事の範囲が広がり、さまざまな需要に応えられるようになるでしょう。自ずと、エンジニアとしての将来の可能性も広がっていくはずです。

未経験からJavaエンジニアになるための勉強法

未経験者がJavaエンジニアになるには、どのような勉強をすればいいのでしょうか。ここでは、5つのポイントに絞って紹介します。

Javaの基礎を理解する

未経験からJavaエンジニアになるには、Javaの基礎を理解して知識を身につけるのは、大前提です。Javaについて基礎的なことから体系的に学ぶなら、入門書の活用が役立ちます。基礎概念を理解し、実践的なスキルを身につけたいなら、オンライン学習サイトを利用するかスクールに通うのが近道でしょう。

ライブラリーやフレームワークについて理解する

Javaについて基礎的な知識が習得できたら、ライブラリーやフレームワークについても勉強しましょう。実際の開発に携わるより前に、主要なライブラリーやフレームワークについて学んでおくと、より体系的にそれらの利用方法を身につけられるはずです。

開発対象別の周辺知識について学ぶ

Javaを使って開発するアプリやシステムによっては、Javaだけにとどまらず周辺知識についても学ぶ必要が生じます。
例えば、ウェブ関連ではウェブサービスの内容、ウェブデザイン、データベースに関する知識、AndroidアプリならAndroid OSの知識、組み込みシステムならハードウェアの知識などが求められます。自身が目指す領域に応じた周辺知識についても学習しましょう。

実際にプログラミングする

基本文法を一通り覚えた後は、練習問題に数多くチャレンジするとJavaへの理解を深められます。初心者向けの練習問題は、本以外にネットでも探すことができます。
また、簡単なプログラミングにもぜひ挑戦してみてください。開発環境をそろえたら、最初はミニゲームを作ってみるといいでしょう。自分の興味がある分野にあわせて、ウェブサービスやスマホアプリを作るのもおすすめです。
未経験でJavaエンジニアを目指すなら、自分でプログラミングしたという経験も実績となります。そのプログラム=作品を、就職の際の選考材料として提出することも可能です。

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実務未経験からITエンジニアへ ジョブチェンジを実現させる、タイプ別ロードマップ

Javaエンジニアが取得したい認定資格

Java関連の資格を取得すれば、自分の知識やスキルがどのレベルにあるのかを確認できるため、就職時のアピール材料とすることもできます。
続いては、Javaエンジニアにおすすめの資格を紹介します。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマは、Javaの開発元により認定される公式資格です。ブロンズ、シルバー、ゴールドの3つの試験区分があり、初心者であればブロンズ、上級者の指導のもと開発が行えるレベルであればシルバーが向いています。ゴールドは中上級者向けで、シルバー取得が受験資格となります。

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験は、国内の民間資格です。Javaに関する基本知識に加えて、アプリケーションプログラムやブラウザ上で実行されるプログラムであるアプレットを、オブジェクト指向にもとづいて作成できる能力を認定します。3級、2級、1級の試験区分があり、1級は実技試験が実施されます。

Android技術者認定試験

Androidアプリの開発に携わりたい人に推奨したい資格は、Android技術者認定試験です。Javaを用いたアプリケーション開発経験が1年程度あれば、数ヵ月程度の勉強で合格を目指すことができます。

Javaエンジニアの将来性と年収相場

Javaエンジニアの将来性や現在の需要、年収相場は、どのようになっているのでしょうか。具体的な求人例と併せて見ていきましょう。

Javaエンジニアの将来性

Javaは、世界中で最も普及しているプログラミング言語のひとつです。大規模開発に向き、サーバーサイドからAndroidアプリ、組み込みシステムにも使われているという柔軟性の高さも備えています。

競合する言語も現れていますが、これまでの多分野にわたる実績の積み上げが多いことから、しばらくJavaの優位性が大きく揺らぐことはなさそうです。IT業界でも、Javaエンジニアの将来性は高いというのが大方の見方です。

Javaエンジニアの現在の需要

現時点でJavaを用いた開発需要は安定しており、ほかのプログラミング言語と比べても案件数・求人数は多いようです。新規案件だけでなく、Javaで構築された既存システムの保守案件が継続的に発生しているという背景も求人数の多さの要因のひとつでしょう。
Javaは、習得難度がやや高い言語であり、その点でもJavaエンジニアは常に人手不足の状況にあります。

Javaエンジニアの年収相場

求人例を確認すると、Javaエンジニアの年収相場は350万~630万円です。ほかの言語とあまり大きな差はないといえます。

Javaエンジニアの求人例

Javaエンジニアの求人例を、具体的に見ていきましょう。下記は、「パーソルクロステクノロジー」の派遣求人で過去に掲載された求人例です。

■パーソルクロステクノロジーでの求人例

職種:開発エンジニア
・仕事内容:システム提案から案件対応後のリリースまでの一連の業務
・環境:Java、Spring、AWS各種サービス
・年収:約580万~610万円(※)
職種:開発エンジニア
・仕事内容:大手ECサイトのバックエンドアプリ開発
・環境:Java、Kotlin
・年収:約480万~510万円(※)
職種:開発エンジニア
・仕事内容:動画配信テレビ向けAndroidアプリケーションの開発
・環境:Java、Kotlin、その他
・年収:約490万円(※)
※時給×8時間×20日×12ヵ月による概算

▼「パーソルクロステクノロジーのJavaエンジニアの派遣求人」についてはこちら
Javaエンジニアの派遣求人

Javaを足掛かりとして、ほかの言語も学んでステップアップを!

ITエンジニアを目指すのであれば、Javaエンジニアは最も有力な候補のひとつとなるでしょう。言語の習得は決して容易というわけではありませんが、だからこそマスターすれば大きな武器となります。Javaを足掛かりとして、ほかの言語もプラスして学んでいくのもおすすめです。

エンジニアの自己実現をサポートするパーソルクロステクノロジーでは、Javaエンジニアをはじめ、ITエンジニア、クリエイティブ職、機電エンジニアの人々に向け、さまざまな求人情報を掲載しています。エンジニアとしてのキャリアプランを相談したい方はぜひこの機会に、パーソルクロステクノロジーのサービスをご利用ください。

▼「パーソルクロステクノロジーのキャリア支援の方針」についてはこちら
キャリア支援について |IT・機電エンジニアの派遣求人ならパーソルクロステクノロジー


※記事に記載の内容は、2023年2月時点の情報です

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