ママの一歩を支えたい!ママ向けアプリ「ママリ」が結ぶ子育ての絆

数ある「ママ向けアプリ」の中でも、ユーザー数トップを誇る「ママリ」。2014年、ママの「一歩を支える」というミッションのもとリリースされた同アプリは、出産・育児に関する記事と、ユーザー同士で質問・回答を行なうQ&A機能で高い支持を獲得。口コミで評判が広がり、現在は、なんとママの6人に1人が利用するほどのシェアとなっています。

※本記事に記載の情報は、2017年の取材当時のものです。

<Q&A機能>

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<出産・育児に関する記事>

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そんなママリを運営するのが、コネヒト株式会社です。2012年1月、2人で創業した同社。しかも、その2人とも男性で、創業当時は20代前半。出産や育児には縁遠いように思えるのですが……一体なぜ、ここまで支持されるコンテンツを作り上げられたのでしょうか? 創業メンバーでCTOの島田達朗さんから、その背景やこだわりを聞きました。

きっかけは、社長の子育て経験。ママリ誕生秘話

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――まずは、ママリ誕生のきっかけを教えてください。

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島田:当社は元々、「Creatty」というクリエイターがオンラインで簡単にポートフォリオを作れるサービスを提供していたんです。ただ、ユーザー数が伸びてはいたんですけど、爆発的に増えることはなくて。「自分たちの人生を懸けてこれを続けていくのは難しいかもしれない」と考えました。

ユーザーさんもサービスに利便性を感じてくれてはいたんですけど、「これがないと生きていけない!」というほどではなかったんです。

――あれば嬉しいけど、なくても大丈夫というか。

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島田:そうです。そこで1回考え直して、「自分たちが本当に熱を込められるサービスを作ろう」ということになりました。そうして最終的にたどり着いたのがママリなんです。

思いついた理由はいくつかあるのですが、当時小さなお子さんがいる家庭の悩みを聞く機会があり、それをきっかけにユーザーの方にヒアリングを重ね、「出産や子育ての悩みを抱えている人は、きっとたくさんいる」という気づきがあったんです。

――なるほど。生活に密着しているから、ニーズも高いでしょうし。

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島田:しかも当時、出産・育児に関する情報をインターネットで提供しているのはPCベースの古いサイト以外にはあまりなかったんです。それに、ちょうどガラケーからスマートフォンへの過渡期でもありました。だから、スマートフォンに最適化された情報提供の場を作ればきっと刺さると思い、サービス立ち上げを決意したんです。

良いアプリにするために大事なのは、ママの声を聞くこと

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――ママリには、大きく分けて記事とQ&A機能がありますが、同時に立ち上げたのでしょうか?

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島田:最初に記事サイトを立ち上げて、その後すぐにQ&A機能を作ったという順番です。記事は、例えば出産一時金の申請方法など、出産・育児に関する知識を得られるコンテンツが掲載されています。また、内容によっては医療監修を入れて信頼性を高めています。

対するQ&Aは、ユーザーさん同士で質問と回答を行なうもの。「こういうこと、あるよね!」とか「私もこれで困っている」という、共感・感情を重視したやりとりが交わされます。そうして、“知識”と“共感・感情”の両方のニーズを補っているんです。

――それぞれ違う役割を持っている、と。確かにQ&Aを見ると「今日はこんなことがあったよ」という雑談ベースの投稿も多いですね。

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島田:妊娠されている方のなかには、出かけたくても出かけられないという方がいます。そういった方たちがここで投稿・回答することで社会との繋がりを実感できますし、誰かの役に立つことが心の支えになるんです。

――サービスをよりブラッシュアップするために、どういった工夫をしていますか?

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島田:「データ解析によってユーザーの動きを把握する」「ユーザーインタビューをする」「社内メンバーからフィードバックをもらう」という3点を大事にしています。

――データ解析はイメージがつきやすいですが、2番目に挙げたユーザーインタビューとは?

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島田:ママリのユーザーさんとお会いして、エンジニアを含むメンバーが出産・育児の状況やアプリの使い勝手などをヒアリングしているんです。月1回以上は必ず行なっています。そうすることで、当社のエンジニアもユーザーさんの暮らしやサービスに求めていることを理解でき、開発へとフィードバックできるんです。

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▲会社の一画には、ユーザーインタビューに答えてくれたママたちの写真が展示されていた。

――ユーザーの生の声を聞くことは大事ですね。

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島田:そうですね。同様の理由で、社内メンバーからフィードバックをもらうことも大事にしています。例えば、アプリのバージョンアップをする前に、各メンバーに先行して使ってもらうんです。当社は全社員約60人のうち半数近くが女性で、子育て中や妊娠中のメンバーも多い。だから、フィードバックも非常に有益なものになるんです。

――つまり、社内メンバーからママ目線での使い勝手が聞けるわけですね!

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島田:ママ“だからこそ”わかることを、たくさん知っているわけですからね。ちなみに当社は、妊娠“中”の方の採用も積極的に行っています。ママの「一歩を支える」のは、採用においても同様のスタンスなんです。

ママリが、悩むママの背中を押せた

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――Q&A機能では、どういった話題が人気ですか?

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島田:「妊娠・出産」「子育て」「妊活」という3カテゴリの投稿はとても多いです。投稿者が深い悩みを持っているケースも多いですから、こういう場(匿名)のほうが相談しやすいようですね。

――友だちには話しづらい内容も多いですもんね。

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島田:その通りです。妊活に関してはとくにその傾向がありますね。あとは、お金の話題も。友だちに収入が推測されてしまうような住宅、保険、車といった話は大っぴらに相談しづらいんですよ。だから、Q&Aが使われる。経済状況が近い人から回答をもらえる可能性だって高いですからね。

――ユーザーにとっては安心感があるわけですね。記事制作では、どんなことを大切にしていますか?

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島田:ママリのミッションとしている、ママの「一歩を支える」にマッチしているかどうかを制作の判断基準にしています。だから、たとえ高いPVが見込めたとしても、読者の不安を煽るような記事は掲載しません。

――記事制作においても、“ママ・ファースト”の姿勢が一貫しているんですね。アプリを使っているユーザーからは、どんな反響をもらっていますか?

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島田:すごく印象に残っているのは、「幼稚園と保育園のどちらに入園させるか悩んでいたけど、Q&Aに吐き出せたことで前に進めた。ママリのおかげで勇気が出ました」というユーザーさんの投稿です。

「前に進めた」という文面を見たとき、ママの「一歩を支える」を体現できたのかな、と熱いものがこみ上げましたし、「自分たちがやってきたことは間違っていなかった」という自信にも繋がりました。

ママの生活に無くてはならない存在になりたい

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――最後に、ママリで成し遂げたい野望を聞きたいです。

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島田:ママリはユーザー数が約500万人います。さらに、2016年の時点で6人に1人のママがこのアプリをダウンロードし、お子さんの誕生日を登録したというデータが出ています。2017年の統計では、きっともっと増えているでしょう。でも、僕たちは“まだまだ”だと思っているんです。

――こんなに多くの人が使っているのに?

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島田:とはいえ、まだ6人に1人ですから。もっと多くのママに使ってもらって、“生活になくてはならないもの”になりたいです。これが実現したら、先程話した「前に進めた」という体験がたくさん生まれると思いますし、出産・育児がしやすくなることで結果的に日本の出生率も上がると思うんです。

――出生率が上がる。サービスを通して、そんな大きな夢が叶うんですね!

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島田:現状、日本という国が実現できていないことを僕たちが成し遂げるって、すごくエキサイティングなことです。そのくらいのレベルで、世の中に貢献したいと思っています。まだまだ課題は山積みですけど、頑張りますよ!

――実現する日を楽しみにしています。どうもありがとうございました!

取材協力:コネヒト株式会社

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