出勤レスは実現するのか?リモートで働くChatWorkのエンジニアに聞いた遠隔コミュニケーションのホントのところ

働く場所にこだわることなく、自分の好きな場所や街で仕事をする。リモートワークという働き方を導入する企業が増えてきています。

プログラムやコードを書くことの多いIT系のエンジニアなら、業務内容によっては必ずしもオフィスで勤務する必要もありません。

しかし、リモートワークをする上で避けては通れないのが、コミュニケーションをどのようにとっていくのかという問題。やはり、同じオフィスや空間でないと円滑なコミュニケーションは難しいのでしょうか。

「世界の働き方を変える」というビジョンを掲げ、コミュニケーションの変革を通じて新しい働き方を提案しているChatWork株式会社。同社が提供するチャットサービスの『チャットワーク』は、2016年3月に5周年を迎え、導入企業は10万社に迫る勢いを見せています。

ChatWork株式会社は、国内では東京と大阪にオフィスがあり、エンジニアチームは日々チャットワーク上でやりとりをしながら業務をすすめています。中には、地方在住でリモート勤務をしているエンジニアもいるそう。そんな同社に、チャットワーク上で、リモートワークの注意点、エンジニアならではのチャットワークの活用方法をお伺いしました。

そして、実際にリモートワークをされている山口県在住の重村さん、神奈川県在住の小野澤さんのお二人と東京オフィス勤務の宮下さんにチャットワークのビデオ通話機能を使って、リモートワークの現場を見せてもらいました。

チャットワーク上でリモートワークについて聞いてみた

—御社は、東京と大阪にオフィスがあるだけでなく、家庭の事情などやむを得ない場合は、遠方でのリモート勤務をされているエンジニアの方がいらっしゃると伺っています。仕事を行う際など気をつけていることや、コミュニケーションロスを少なくするために行っていることはありますか。

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業務進行状況は適宜情報共有し、不明点は早めに確認するようにしています。

チャットとビデオ通話の使い分けにも気を使っています。業務進行はチャットの方が早いですが、アイディアを出し合う際には、ビデオ通話で顔を合わせて話した方が良いこともあります。また、チャットを使う時には、やり取りが固くなりすぎないように、エモーティコン(絵文字)や顔文字を活用しています。

—それはチャットやリモートで働くときのコミュニケーションとして役立ちそうですね。では、エンジニア独自のチャットワークの使い方などはあるでしょうか?

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プロジェクトの役割ごとにグループチャットを複数個作成して使い分けています。例えば、「プログラム概要」「UI」「プロモーション」というような形です。プロジェクトに関する資料などの情報は、チャットワークの“概要欄”にリンクを記載しておいて、参照しやすくし、業務を円滑に進めるような工夫をしています。

エンジニアは、プログラムコードのやり取りなどをしますが、チャットワークのコードタグ(文字列を記述者の意図通りに表示するタグ)を使えばプログラムをキレイな状態でやり取りをすることができるので、活用しています。

—なるほど。今日は実際にリモートでお仕事をされているエンジニアの方に、ビデオチャット上に集まってもらっているんですよね。早速、お話を聞かせて下さい!

「リモートってどうなの?」地方在住のエンジニアに聞いてみた。

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ここでChatWork Live(ビデオ通話機能)が起動。当たり前ですが接続がスムーズで、動きが滑らか! 今日お話を伺うのはAndroidエンジニアの重村さんと小野澤さん、東京オフィスの宮下さんです。

—エンジニアとして、東京以外の地方で働くことにどのような利点があるでしょうか?

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重村:私は山口県でリモートワークをしており、妻も在宅勤務をしています。リモートワークの利点としては、昨今話題に上がることの多い「待機児童問題」などに悩まなくて良いのは大きなメリットです。

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重村:地方のゆったりとしたライフスタイルの中で、大都市のスピード感ある仕事に臨めます。地方と東京の両方の視点から物事を見ることができるのは、エンジニアとしても視野が広がるのではないかと思います。

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小野澤:私も神奈川県でリモートワークをしていますが、環境さえ整っていればどこででも仕事ができるというのが最大の魅力だと思います。家で仕事をしていても、オフィスに行ったり、大阪に出張したりという場合でもコミュニケーションを円滑にする手段さえあれば、どこでも仕事ができています。

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宮下:弊社の場合、もともと東京、大阪でオフィスが離れているので、遠方にいる人間と仕事をするということに慣れています。それぞれのエンジニアが別々に働いているというよりは、チャットワークというコミュニケーションツール上で一緒に仕事をしているというイメージです。

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—なるほど。では、リモートワークをしていく上での注意点などはあるでしょうか?

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重村:業務でも自分自身である程度意識しておかないと、同じ内容の仕事ばかりになりやすくなるので、成長できない可能性があるかもしれません。キャリアパスに関しては、よく考える必要があるかもしれませんね。

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宮下:リモートワークの社員がコミュニケーションで孤立しないようにする配慮も必要かもしれません。軽い雑談レベルでもチャット上で会話をするだけでも効果があると思います。

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宮下:業務上でも、チャットやビデオ通話を使えば問題ないと思いますが、いまの会社の雰囲気などを伝えるのは難しいと感じています。プロジェクトリリース前の忙しい空気感や、どれぐらい緊急がある重要な用件なのかを伝えるのは、今後解決していくべき問題かもしれません。

リモートワーク成功の鍵は「同じオフィス」にいる感覚でのコミュニケーション

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—リモートワークを導入する動きを見せている企業も多くありますが、どのようなことに注意していけばいいと思いますか?

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重村:エンジニアの場合だとチームで仕事をするため、リモートワークの場合はメンバーと小まめにやりとりをするのがいいでしょうね。開発を進める時は、自分が何をしているのかチームのメンバーが知っておく必要があるので、作ったものは、とにかく出して、出してという感じで、「自分がいま何をしているのか」「どれくらい作業が進んでいるのか」をチャットに上げるようにしています。

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宮下:基本的に「いまからこれやります」と宣言してから開発を進めていくようにしています。なので「あっ、いまこれをやっているんだな」「これやると言っていましたが、どれくらい進んでいますか?」というように仕事の流れや進捗を互いに把握したりすることができます。

—どれくらいの頻度で、チャットやビデオ通話でコミュニケーションを取っているのでしょうか?

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小野澤:プロジェクトなどの状況次第ですが、コミュニケーションが1時間以上途切れることはあまりないですね。長時間連絡がないと「どうなっていますか?」とメッセージが飛んでくるので小まめにやりとりをしています。

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宮下:ビデオ通話はお互い時間を合わせる必要があるので、作業中の手が止まってしまいます。緊急の場合やじっくりと話し合う必要がある場合には使いますが、プログラムを書いていたりすると「いまは集中したい」という時間があったりするので、チャットとうまく使い分けてコミュニケーションをするようにしています。

ーリモートで仕事をするうえで、「同じオフィス」や「隣のデスクにいる」という感覚でコミュニケーションをとったり、環境を整えることで実現することができるということが分かりました。本日はありがとうございました。

リモートワークでエンジニアの仕事は大きく変わる!?

働く場所を限定せず、自分の好きな場所でワークライフバランスを保ちながら仕事をする。ひと昔前では実現することは困難でしたが、いまではインターネットやツールの発達によってハードルが下がってきています。

企業にとっても、リモートワークを導入するための、設備面での障壁は決して高くはないでしょう。あと必要なのは、今回のインタビューからも読み取れるように、エンジニアたちの微に入り細にわたるコミュニケーションと、自己発信意識。この両者が揃ったとき、リモートワークは大きな価値を発揮するのではないでしょうか。

エンジニアにとって働きやすい環境を提供することができれば、自社のノウハウに精通した人材が長く働くことに繋がり、企業側にとっても大きなメリットといえます。

リモートワークによって、エンジニアが場所を選ばず柔軟に「自分らしく働く」。こうした働き方は企業とエンジニアとの「幸福な付き合い方」を実現する手段の1つなのかもしれません。

取材協力:ChatWork株式会社

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