Pythonエンジニアとは?仕事内容や年収相場、将来性などを解説

ここ数年、Pythonエンジニアの需要は継続的に高く、収入も比較的高い傾向があることをご存じでしょうか。
Pythonとはどのような言語であり、Pythonエンジニアはどのような仕事に携わっているのか。Pythonを使うメリットや将来性のほか、Pythonエンジニアになる方法などと併せて、詳しく解説します。

高度な開発ができる一方、習得難度は高くないPython

Pythonとは、AIや機械学習、データサイエンス、ウェブサービス、ウェブアプリケーションなどの分野でよく用いられているオブジェクト指向のプログラミング言語です。1991年に開発され、オープンソースとして運営されていますが、2010年代から人気を集め始め、トレンドとなっています。

トレンドとなった背景としては、下記のような優れた特徴をPythonが持っているからだと考えられます。

Pythonの特徴

Pythonは高度な開発ができる一方で、習得するのは比較的容易という側面を持ち合わせているのも特徴です。

また、Pythonよりもやや遅れて開発されたプログラミング言語であるPHPやRubyも人気があります。いずれも、ウェブサービスやウェブアプリケーション開発で多く使用されています。
Pythonと併せてこれらの言語もマスターすれば、エンジニアとしての活躍フィールドはより広がっていくでしょう。

Pythonエンジニアの仕事内容

Pythonエンジニアは、Pythonを用いてプログラミングやアプリ開発を行うエンジニアを指します。具体的に、Pythonエンジニアの仕事内容はどのようなものなのでしょうか。Pythonエンジニアが携わることの多い仕事の内容や種類を紹介します。

機械学習・AI分野

Pythonは、機械学習やAI分野でよく使用される言語です。特に機械学習のモデル構築では、さまざまな使いやすいフレームワークが公開されていることもあり、Pythonを用いるのがスタンダードなやり方といえるほどになっています。
例えば、GoogleのTensorFlowやFacebookのPyTorchは、いずれもPython向けの機械学習ライブラリーです。

サーバーサイド開発

Pythonは、サーバー側で実行する処理に必要なプログラムを開発することにも向いています。例えば、YouTubeのサーバーサイドの処理にPythonが使われているようです。
RubyやPHPもサーバーサイド言語として使用されていますが、両者は初心者向きという特徴があります。

データ分析・統計解析

データ分析や統計解析の現場でもPythonは活用されています。Pythonにはデータ分析などに役立つ便利なライブラリーやツールが豊富に用意されていて、Pythonを用いればデータ収集からデータ加工、分析・解析まで行うことができます。
例えば、Jupyter Notebookという開発環境を利用すると、ウェブブラウザ上でPythonを記述・実行することでデータ分析や統計解析を行うことが可能です。

ウェブサービス開発、ウェブアプリケーション開発

多くの有名なウェブサービスやウェブアプリケーションの開発にもPythonが使われています。前述のYouTubeのほか、Instagram、Evernote、DropBoxなどもPythonを使って開発されています。Pythonで実装されたウェブアプリケーション開発用フレームワークとしては、Djangoなどがよく知られています。

自動運転システム開発

自動運転システムや、自動運転のための統計調査システムの開発にもPythonは用いられています。自動運転関連プロジェクトには、多くのPythonエンジニアが活躍しています。

IoTデバイスの制御

Pythonは、IoTデバイスの制御をすることもできます。IoTデバイスからクラウドへのデータ送信や、搭載されたセンサーが取得したデータの可視化などのためのプログラムでPythonがよく使われています。

Pythonのメリット・デメリットとは?

Pythonのメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。Pythonエンジニアを目指す人には、メリット・デメリットを把握した上で、自身のキャリアマップを描くことをおすすめします。

Pythonのメリット

Pythonは文法がシンプルで、コードが書きやすく、読みやすい言語です。そのため、誰でも同じような構文に仕上げられるのが最大のメリットです。この特徴は、ほかの人が書いたコードでもミスやエラーを発見しやすくさせるため、開発プロジェクトを円滑に進めやすいというメリットにもつながっています。

さらには、メジャーなウェブサービスでも使用されていることから信頼性が高いこと、実用的かつ便利なライブラリーやウェブフレームワークが多く用意されていることなどもメリットに挙げられます。

Pythonのデメリット

Pythonに関してよく指摘される弱点は、Pythonで書いたプログラムの処理速度の遅さです。C言語などに比べると実行速度が劣るため、Pythonは基幹システムや組み込み機器などには向いていません。

また、Pythonにはコードの書きやすさ・読みやすさを優先している分、独自のルールが設けられています。文のブロックを表現するときには、必ずインデントを使うというのもそのひとつです。他の言語に応用が効きにくい技術を覚える必要がある点はデメリットともいえます。

また、Pythonはスマートフォンアプリやゲームの開発にも使えますが、あまり向いているわけではありません。スマートフォンアプリ開発ならSwiftやJava、Kotlin、ゲーム開発ならC#(Unity)などのほうが使いやすいでしょう。

未経験からPythonエンジニアになる方法

プログラミング未経験の人でもPythonエンジニアになることは可能です。どうすればPythonエンジニアになれるか、学んでいく際の流れを見ていきましょう。

1. Pythonの基礎を理解する

インターネットで検索すれば、Pythonに関する情報をたくさん得ることができます。基礎的なことから技術的な内容まで、多くの情報を得ることが可能です。英語ができればさらに多くの情報を得られますが、日本語でもPythonの基礎は十分に理解できるでしょう。

学習書も超初心者向けから、ウェブアプリ開発など特定の目的向け解説書までバラエティに富んでいます。まずは学習書でPythonの概要を知り、細かい情報はインターネットで探して補完するという学び方もおすすめです。

2. Pythonにふれてみる

未経験者は、早いうちにPythonにふれてみることをおすすめします。「Python.org」から配布用Pythonをダウンロードしてインストールし、対話実行モードで実際にPythonを学んでみましょう。

また、Windows PCでローカルにPython環境を構築するなら、「Microsoft Store版Python」や「Windows版Anaconda」を利用するのが便利です。「Google Colaboratory」なら、ウェブ上の実行環境をすぐに利用できます。

3. Pythonエンジニアに必要なスキルを身につける

独学でPythonを習得することも不可能ではありません。しかし、体系的にスキルや知識を身につけたいのなら、プログラミングスクールの利用が効率的でしょう。最近はオンラインでの受講が主流です。マンツーマンスタイルのスクールもあるので、自分に合ったスクールを見つけられれば、途中で挫折することなくPythonエンジニアになるためのスキルが身につくはずです。

4. ポートフォリオを作成する

スキル習得後、エンジニアとして就職や案件獲得を目指すなら、実績や能力をアピールするためのポートフォリオを作成するのがおすすめです。

Pythonエンジニアとしてポートフォリオを作るなら、「ウェブページとしてポートフォリオサイトを作成して公開する」「GitHubで自分がプログラミングしたソースコードを公開する」「技術ブログを開設してソースコードを交えた記事を公開する」といった方法があります。ポートフォリオの作り方にも独自性を発揮すると、自身の強みを効果的に訴求できます。

Pythonエンジニアが取得したい認定資格

Pythonエンジニアは主にどのような資格を取得しているのでしょうか。Pythonエンジニアが取得しておきたいおすすめの資格を紹介します。

Python 3 エンジニア認定基礎試験

Python 3 エンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本的な使い方や仕組み、文法の基礎などの知識を中心に出題されます。合格率は7割程度と高めなので、Pythonの基礎知識を勉強し、プログラミングができれば合格することは難しくはないでしょう。最初にチャレンジするのに適した資格です。

Python 3 エンジニア認定データ分析試験

Python 3 エンジニア認定データ分析試験では、Pythonや数学の基礎に加えて、ライブラリーによる分析実践についての知識を問う問題などが出題されます。Pythonを使ったデータ分析の知識やスキルを問われる試験です。Python 3エンジニア認定基礎試験に合格した後に受験するのがおすすめです。

Pythonエンジニアの将来性と年収相場

Pythonエンジニアの将来性や現在の需要、年収相場は、どのようになっているのでしょうか。具体的な求人例と併せて見ていきましょう。

Pythonエンジニアの将来性

Pythonは、世界的に見て最も成長している言語のひとつです。機械学習やデータサイエンスなどの最先端分野に強いことから、将来性も高いと考えられます。

シンプルな文法というPythonの特徴がそれらの業務に適していることに加えて、機械学習やデータサイエンスに役立つライブラリーとフレームワークが充実していることも見逃せないポイントであり、これから伸びていく分野の技術を支える開発環境が整備されているといえます。

Pythonエンジニアの現在の需要

世界的に見ても、日本国内でもPythonエンジニアの需要は増しています。それは、機械学習やデータサイエンスの活用が進み、それらの技術をつかって仕事ができるエンジニアが求められているためです。
また、ウェブアプリケーション開発などでもエラーが少なく、コンピューターのために機械語へ翻訳するコンパイルが不要なPythonの利用率は低くなく、一定の需要があります。

Pythonエンジニアの年収相場

求人例を確認すると、Pythonエンジニアの年収の目安は400万~850万円です。ほかのプログラミング言語よりも高収入になる傾向があり、言語別の平均年収ランキングを見ても多くのケースで上位に入っているようです。

Pythonエンジニアの求人例

Pythonエンジニアの求人例を、具体的に見ていきましょう。下記は、「パーソルクロステクノロジー」の派遣求人で過去に掲載された求人例です。

■パーソルクロステクノロジーでの求人例

職種:開発エンジニア
・仕事内容:データ分析ツールの開発
・環境:Python
・年収:約480万~520万円(※)
職種:AIエンジニア
・仕事内容:画画像認識AIの開発
・環境:Python、YOLO、Linux
・年収:約520万円(※)
職種:開発エンジニア
・仕事内容:ポータルサイトの開発
・環境:Python、Groovy、HTML、CSS、JavaScript、Bash(shell)
・年収:約460万~490万円(※)
※時給×8時間×20日×12ヵ月による概算

▼「パーソルクロステクノロジーのPythonエンジニアの派遣求人」についてはこちら
Pythonエンジニアの派遣求人

Pythonは、最先端分野に興味がある人とっても学ぶ価値が大いにある

Pythonはシンプルな文法や読みやすさ、書きやすさなどで、開発者に人気のプログラミング言語です。将来性も高く、特に機械学習やデータサイエンスなど最先端分野に興味がある人とっては、学ぶ価値が大いにあるでしょう。未経験でもチャンレンジ可能な点も大きな魅力です。

エンジニアの自己実現をサポートするパーソルクロステクノロジーでは、Pythonエンジニアをはじめ、ITエンジニア、クリエイティブ職、機電エンジニアの人々に向け、さまざまな求人情報を掲載しています。エンジニアとしてのキャリアプランを相談したい方はぜひこの機会に、パーソルクロステクノロジーのサービスをご利用ください。

▼「パーソルクロステクノロジーのキャリア支援の方針」についてはこちら
キャリア支援について |IT・機電エンジニアの派遣求人ならパーソルクロステクノロジー


※記事に記載の内容は、2023年3月時点の情報です

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