魔法のような体験を届ける。子ども向けデジタルコンテンツを開発する株式会社BUTTONの想いとは?

設立1周年を迎える株式会社BUTTONは、子ども向けのアプリ・プロダクト・インスタレーション作品を開発するクリエイティブプロダクション。
独創的なWeb、プロダクト、インスタレーション開発で知られる株式会社STARRYWORKSのメンバーだった浦谷和生さんが、子どもに特化したコンテンツ開発のために立ち上げた会社です。

「子どもたちと豊かに関わる世界をデザインする」をコンセプトに、デジタルテクノロジーを使ったさまざまなコンテンツを届けています。

button_1.jpg

『絵本の世界を拡張するPLAYFUL BOOKS(プレイフルブックス)
『音であそべる体験型アトラクションぱぱぱPARTY!
『光と音と映像を操る体験型イルミネーション船上のスノーマンオーケストラ
などなど、魔法のような体験が楽しめるコンテンツが株式会社BUTTONの特徴。

代表の浦谷さんによると「子どもの体験の細部」「周辺の大人や環境」の2つの目線を意識してコンテンツを開発しているとのこと。

button_2.jpg

※代表の浦谷和生さん

button_3②.jpg

※エンジニアの高阪沙織さん

「子どもの体験の細部」「周辺の大人や環境」を意識したコンテンツとはどのようなものか?子どもに特化したデジタルコンテンツの開発をはじめたのはなぜなのか?代表の浦谷さん、エンジニアの高阪沙織さんに、詳しく伺いました。


世界がもっと楽しくなる!株式会社BUTTONのデジタルコンテンツの魅力とは

button_4②.jpg

▲【開発中】みんなの声水族館のセンサーを調整する高阪さん

魔法のような体験が魅力的な株式会社BUTTONのコンテンツ。
驚くような体験を楽しめるのはもちろん、そこには「子どもと世界」「子どもと大人」のつながりをより豊かにする仕組みがかくされています。

お二人に、そんな株式会社BUTTONのコンテンツについてご紹介いただきました。
まずは絵本の世界を拡張するPLAYFUL BOOKS

button_5.jpg

「スマートフォンをセットすることで、シーンに合わせてBGMが変わる、絵の扉をノックすると返答が返ってくる、部屋の照明の色が変化するなど、ページをめくるたびに絵本の世界と現実がシンクロする不思議な体験を楽しめます」

PLAYFUL BOOKSは、絵本のアナログな魅力をテクノロジーの力でより豊かに表現してくれます。
『くれよんのかくれんぼ』『こん こん こん』の2タイトルが販売されており、Yahoo Internet Creative Award 2014 スマートデバイスイノベーション部門でSILVERを受賞するなど、高い評価を得ています。

続いて、JR大阪駅すぐ北にある『うめきた広場』にて開催された船上のスノーマンオーケストラ

button_6.jpg

「音と光と映像がシンクロする大規模な作品です。広場に設置された3つの大きな楽器を演奏すると、それに合わせて正面の建物に設置された16本の照明が輝き、スクリーン内のスノーマンが一緒に演奏します。大人も子どもも一緒に楽しめる体験型のアトラクションです」

船上のスノーマンオーケストラは、クリスマスの風物詩であるイルミネーションを体験型で楽しめるこのコンテンツ。たくさんの人が集まる『うめきた広場』で開催されたこともあり、開催期間中多くの人が魔法のような体験を楽しみました。

そして、さまざまなテクノロジーを駆使した音で遊べる体験型アトラクションぱぱぱPARTY!

button_7.jpg

「じぶんの声・顔・動きがリズムになり、音になる体験型アトラクションです。参加者の声や顔がテーマソングに合わせて巨大ディスプレイに投影される『ぱぱぱDJ』。ボールを壁に向かって投げると当たった場所に色とりどりのペンキエフェクトが飛び散る『ポイポイペンキ』。ターンテーブルを回すとそれに合わせて映像が変化する『いろいろスクラッチ』など、複数のアトラクションを用意しました」

子どもはもちろん、大人も一緒になって楽しめる新感覚アトラクションの数々。さまざまなテクノロジーで、視覚や聴覚、触覚などの感覚をフルに使った体験を楽しむことができます。

この他、ショーウィンドウの前を通ると中にある雪が舞い上がる魔法のスノードーム、特殊な紙と導電性インクのペンで絵を描き、専用アプリとデバイスをセットすると音のでる楽器になるクラフトがっきなど、自分の動きがシンクロするさまざまなコンテンツを開発。

どのコンテンツにも共通するのは、絵本を読む、身体を動かす、音を出すなど、アナログな楽しみ方をテクノロジーの力で拡張しているということ。スクリーンの内側に閉じこもることなく、外とのつながりや世界への興味・関心を引き出す演出が株式会社BUTTONのコンテンツの特徴です。


手触りのある体験をデジタルテクノロジーで

button_8.jpg

▲ぱぱぱPARTY!のアトラクション『ポイポイペンキ』を楽しむお二人

アナログな世界をより魅力的に演出する株式会社BUTTONのコンテンツの数々。このようなコンセプトのデジタルコンテンツを作りはじめたのは、浦谷さん自身が子どもをもつことで感じた、問題意識がきっかけとのこと。
株式会社STARRYWORKS時代から、子ども向けコンテンツのプロデュースや開発を行っていたといいます。

「テクノロジーと手触りが共存する体験を届けたい」と浦谷さん。
どのような想いをもって株式会社BUTTONを立ち上げたのでしょうか?

button_9②.jpg

「子どもにスマートフォンを渡しておくと、その間は家事や仕事に集中できますが、スクリーンに夢中になっている子どもを見ると、なんとなく不安な気持ちになるんですね。小さいうちはデジタルな世界だけでなく、アナログな世界の魅力に接してほしいと感じる親は多いと思います。デジタルテクノロジーを使って子どもにとっても、大人にとっても価値のある体験を提供したい、そう考えはじめたのが、今のようなコンテンツを作ることになったきっかけです」

「テクノロジーを使った手触りのある体験」とは、デジタルを使いつつ、アナログで暖かみのある体験を子どもに届けること。そうすることで、子どもはもちろん親の子育てにおける不安を取り除くことにもつながります。

「これからの時代、デジタル機器を使うことなく子どもを育てるのは、もっと難しくなっていくはずです。だったら無理にデジタルを避けるのではなく、デジタルテクノロジーで好奇心を刺激したり、外への興味を引き出す体験を作り出せば良いと思ったのです」

絵本の世界と現実がシンクロするPLAYFUL BOOKSは、そんな浦谷さんの想いからはじまったコンテンツ。開発を行った高阪さんによると、絵本本来の魅力を感じてもらうために、できるだけデジタルを意識しなくても良いように、工夫したといいます。

button_10.jpg

「絵本からスマートフォンが見えてしまうと、どうしても意識がそちらに向かってしまって、絵本の手触り感や物語と現実がリンクする驚きが半減してしまいます。大切なのは、届けたい体験や世界観なので、デジタル機器をできるかぎり見せないように開発しました。PLAYFUL BOOKSだけでなく、その他のアトラクションやプロダクトに関しても同じで、テクノロジーを意識することなく目の前の体験に夢中になれるような設計や開発を心がけています」

開発は、届けたい体験や演出など、発想ベースで進むと高阪さん。演出や発想ありきで、それを実現するために必要なテクノロジーを利用しているといいます。

アナログ、デジタルと切り分けるのではなく、アナログな世界をより魅力的に感じてもらうためにデジタルテクノロジーを利用する。株式会社BUTTONのコンテンツのひとつひとつには、浦谷さんや高阪さんのそんな想いが込められています。


世界の魅力を伝え、まっすぐノビノビと成長できる環境を創り出す

button_11②.jpg

船上のスノーマンオーケストラやぱぱぱPARTYなど、大規模な開発を行う開発現場は、時間との闘い。少数精鋭でさまざまなコンテンツを開発する株式会社BUTTONでは、プログラミングから設営まで、多岐にわたる業務をこなすといいます。

「届けたい想いや体験を実現できるなら、基本的にはどんなテクノロジーを使っても良いというのがスタンスです。技術にこだわることなく、さまざまな方法を試し、試行錯誤しながら作っていく環境はすごく刺激的です」

リリース前には、忙しい毎日が続くものの、完成後、アトラクションを楽しんでいる子どもの姿を見ると、すべてが癒やされると高阪さん。

「船上のスノーマンオーケストラが完成した後、現場を見に行ったんですよ。広場の片隅から見ていると、いろいろな方々が声をあげてアトラクションを楽しんでくれている姿を見て、涙がでるくらい嬉しかったですね。後、ぱぱぱPARTY!で参加者にアンケートを採ったときに用紙にびっしりと感想を書いてくれた子がいたんです。その文章の中に「夢のような時間だった」という言葉がありました。作ったものを楽しんでくれている人の表情や言葉に触れたときが、この仕事をしていて本当によかったと思える瞬間ですね」

button_12②.JPG

同じく、びっしりと書き込まれたアンケートには、思わず「うるっときた」と浦谷さん。
株式会社BUTTONの想いは、アトラクションやプロダクトを通して、確実に子どもたちの心を動かしています。

今後は、子ども・ファミリー向け事業を展開する企業のクリエイティブパートナーとして、子どもの成長に寄り添うコンテンツ開発や、子どもたちとその周りの環境にある様々な問題を解決するためのソリューション開発にも力を入れていきたいとのこと。

魔法のようなエンターテイメントと子どもとの豊かなつながりを生み出すソリューション。
この世界の魅力を伝えるために、まっすぐノビノビと成長できる環境を整えるために。
株式会社BUTTONは、これからもさまざまなデジタルコンテンツを開発していきます。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

いいね!するとi:Engineerの最新情報をお届けします

プライバシーマーク