日本でわずか10%! なぜITエンジニアは「かな入力」を使って仕事効率を図るのか?

日本国民のおよそ90%以上が、PCでの文字入力の際にローマ字入力を選択しているそうです。当然、残り10%は「かな入力」ということになりますが、この少数派でありながら最大の仕事効率化を達成しているのがまぎれもなくITエンジニアという存在です。

かな入力には、ローマ字にはないどんな魅力があるのでしょうか。また、ローマ字でも効率的な入力方法はあるのでしょうか。もしキー入力方法に特に関心のないビジネスマンが、「ITエンジニアの効率的なキー入力」を取り入れたら、多くの仕事効率化につながり、きっと生産性が向上すると思います。今回は、そんなエンジニアならではのキー入力術をご紹介します。

左右の手をスムーズに交互に動かす!「Dvorak配列」のローマ字入力術

▲Dvorak配列で、「I am writing to inform you about the next meeting.」と入力したときの指の軌跡(キーボードはイメージです)
▲Dvorak配列で、「I am writing to inform you about the next meeting.」と入力したときの指の軌跡(キーボードはイメージです)

キーボードのスタンダードとなっている「QWERTY配列」は有名ですが、こちらは英文入力の効率を高めるために生み出された「Dvorak配列」。特にITエンジニアは用途に応じて、この2種類のキー配列を使いこなしています。

そもそも「Dvorak配列」って?

1932年に米ワシントン大学の教育心理学者「オーガスト・ドヴォラック」氏が、英文の入力効率を高めるために開発。タッチタイピングでのホームポジション(通常キーボードのA S D F J K L ;の位置)の列を使用する割合は、英文入力の場合QWERTY配列が30%強なのに対して、Dvorak配列では70%弱という結果も出ています。

英文メールをサクサク打って業務をスムーズにこなしたいという外資系企業に勤めるビジネスマンは、特にDvorak配列の使用をおすすめします。母音をキーボードの左側に、母音に連接しやすい子音が右側に集中しているため、左右の手を交互に打鍵し、スムーズでリズミカルな入力環境が整います。

日本語のタイピングを効率化!エンジニアが使いこなしている「かな入力」

▲かな入力で、「次回の会議についてのご連絡です」と入力したときの指の軌跡。(キーボードはイメージです)
▲かな入力で、「次回の会議についてのご連絡です」と入力したときの指の軌跡(キーボードはイメージです)

日本語の入力効率を高める「かな入力」の中では、PCに標準搭載のJIS配列と、かな入力最速と密かにささやかれている親指シフト(NICOLA配列)が有名。特に使用頻度の高い、これら2つの入力方法について紹介します。

生産性が約30%UP!エンジニア御用達の「かな入力」

もともと会社のPCを使っているためキーボードの設定自体は変えられない、というビジネスマンには特におすすめ。日本語の入力スピードを早くする「かな入力」の場合、実にローマ字入力の半分のタイプ数で文字が打てます。

「最速の仕事術はプログラマーが知っている」の著者清水亮氏によると、タイプ数が少なければ少ないほど文字入力の速度が高まるため、ローマ字入力からかな入力に変えることで、生産性は実に約30%も向上すると謳われています。

指の自然な動きを解析!日本語が流れるように打てる「親指シフト」

ローマ字入力、かな入力とは別の第三の入力方法が「親指シフト」。親指シフトキーボード(NICOLA配列)は、日本語の特性を分析すると共に、親指と他四本の指を同時に動かすという人間の自然な指の動きを考えて作られたキーボードのこと(上記画像参照)。

頻出する文字が使いやすい位置に配列されているため、真ん中の段(ホームポジション)だけで約63%、上の段と合わせると約90%の日本語が打てるような構造になっています。配置を体得すれば、流れるように日本語入力ができるため、フロントエンドのエンジニアをはじめ、ライター・編集者・作家などプロの物書きの方にも愛用者が多いというのも事実です。

エンジニアのキー入力術は、多くのビジネスの現場で活かされる

ローマ字入力やかな入力、ITエンジニアは効率的な入力方法を実践し、作業効率を最大限に高めていることがわかりました。たとえエンジニアでなくても今の時代は、PCがなければもはやビジネスは成り立ちません。ITエンジニアとして身につけたキー入力術は、さまざまなビジネスマンに対しての「仕事効率」という有益な情報となっています。

出典:
patrick-wied
日本語入力コンソーシアム
参考文献:「最速の仕事術はプログラマーが知っている」清水亮 著(クロスメディア・パブリッシング)

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