“消費者の声”で家電は進化する! 開発者と消費者の座談会から“ものづくり”の現場を探る

冷蔵庫、洗濯機、掃除機など、私たちは毎日の暮らしの中で多くの家電を使っています。メーカーの技術者が絶え間なく開発を続けているからこそ、家電は進化し続けています。

そんな開発の重要なヒントになっているのが、“消費者の声”。
実際に、開発者は消費者のどのような声に注目し、開発に活かしているのか。一方、消費者は家電に対して、どのようなニーズを持っているのか。
そんな消費者と開発者の姿を、座談会を通じてお届けします。

実際に最新のスティック掃除機を使い、みんなで本音を語り合っていただきました!

※写真撮影時のみマスクを外しています。
※本取材は新型コロナウィルス感染症対策に留意した上で実施しています。

〈スティック掃除機の開発者〉
高木康裕さん(左端)
東芝ライフスタイル株式会社にて、コードレスクリーナーの商品企画を担当。消費者から得た声を技術者に伝え、かたちにしていくのが仕事。

大下悟さん(左から2番目)
東芝ライフスタイル株式会社の技術者。コードレスクリーナーの開発に限らず要素開発など、技術全般の仕事に携わる。

〈消費者〉
加藤瑠奈さん(中央)
40代既婚。夫、小学校6年生の子どもの3人家族。掃除機はこれまで5回ほど買い替えを経験。8年ほど前に購入した他社製掃除機を使用しており、現在、買い替えを検討中。

AYAKOさん(右から2番目)
30代既婚、夫婦2人暮らし。5回ほど掃除機の買い替え経験あり。現在は他社製のスティック型掃除機を使用。

奥山真司さん(右端)
20代未婚、一人暮らし。現在は母親から譲り受けた他社製のスティック型掃除機を使用。

吸引力? 重さ? それとも価格? 消費者が掃除機に求めるもの

――本日は、年齢・生活環境の異なる3名にお集まりいただき、掃除機についてのご意見や疑問、要望などを聞ければと思います。まず、みなさんが現在使っている掃除機を選んだポイントを聞かせてください。

加藤瑠奈さん(以下、加藤):私は、これまで5回ほど掃除機を買い替えてきました。独身時代は面倒くさがりな性格もあり、あまり掃除はしていませんでした。そのためポイントはいかに安いかで、実際、5000円以下の掃除機を使っていましたね。でも結婚や子どもの誕生により、ポイントが変わりました。

結婚当初は夫が学生時代から使っていた、15年選手の紙パック型の掃除機を使っていたんですが、旧式モデルのため、とにかく吸引力が弱い。床に落ちているお米の粒も吸いませんし、スイッチを切ると、紙パックに溜まっていたごみが逆流して、床に散らばってしまう有様でした。さすがにこれはマズイなと、吸引力の強い掃除機を求めて、現在の機種を購入しました。

AYAKOさん(以下、AYAKO):私は以前、コード付きのキャニスタータイプを使っていましたが、コードの扱いが面倒になり、コードレスタイプを選ぶようになりました。こだわりポイントはいくつかありますが、短時間で掃除を終わらせたいので、まずは吸引力が重要ですね。また、お部屋のインテリアを気にしているので、コンパクトでスタイリッシュなデザインの製品であること。価格とブランドにもこだわっています。

以前、加藤さんと同じくとにかく安い製品を購入したら、バッテリーは重たいし、ヘッドも曲がりくいなど、使いづらかった経験があるからです。そのため現在は、ネームバリューのあるメーカーのそれなりの製品を使っています。

奥山真司さん(以下、奥山):価格が一番のポイントですね。1Kの部屋で一人暮らしをしているので、場所を取らないことも重要です。ただお2人とは対照的に、吸引力は気になりません。重さへのこだわりもありませんが、実家の母親が使用する様子を見ていると、やはり軽いほうがいいなとは思いますね。

――せっかくですので、開発者のお2人にも伺います。普段どんなポイントに注目して掃除機を選んでいますか?

高木康裕さん(以下、高木):価格が安い製品は吸引力が弱いなど、それなりの性能だと知っていますので、そこそこの価格帯の製品を選んでいます。また、フローリング・ラグなどの床面の違いや壁際までしっかりごみを吸うことが出来るか、といった床ブラシの性能を特に気にして選びます。

掃除は主に妻が毎日していますので、持っていて疲れない、軽いスティックタイプを。一方で、週末にしっかりと掃除をするための、コード付きで吸引力の強いキャニスタータイプも持っています。

大下悟さん(以下、大下):吸引力の話が出ましたが、私はあまり気にしません。住宅事情によると思いますが、我が家には絨毯の部屋がないこともあり、弱でも十分ほこりを吸うからです。強を使うのは、大きなごみを落としたときだけですね。
それよりも、掃除機本体を持って掃除している際に手が疲れないか、ハンドルは持ちやすさを考慮した形状になっているか、を気にしますね。

――みなさん、こだわるポイントがそれぞれ違うようですね。消費者のみなさんはどうやって掃除機の情報を調べているんですか?

AYAKO:テレビが一番大きいです。CMはもちろん、製品を比較するようなバラエティ番組なども参考にしています。インターネットの口コミサイトなどもチェックし、そのうえで自分のニーズに合致している製品だと思ったら、家電量販店で実際に使用してから、購入するようにしています。

加藤:本当は私もAYAKOさんのように、家電量販店に行ってポイントを確かめたい派ですが、夫が理系タイプということもあり、一押しのメーカーがあって。気づいたら、夫が購入していました(笑)。

奥山:情報のチェックは、ネットオンリーですね。テレビはそもそもふだん見ませんし、家電紹介的なネット記事をチェックすることが多いです。お2人のように、家電量販店に足を運ぶこともありません。

新しい掃除機が開発されるまで

ーーここまで、みなさんの掃除機選びのこだわりやポイントを聞いてきましたが、ここからは掃除機の開発の裏側に迫ってみます。今回は、こちらの掃除機に注目していきます!

TOSHIBA「VC-CLX50」
フィルターレスサイクロンクリーナー。床面に合わせてブラシの回転を制御し、掃除をラクにできる。軽さと吸引力の強さを備えている。 https://www.toshiba-lifestyle.com/jp/vacuum_cleaners/vc-clx50/

――普段私たち消費者は、定期的に新商品が出ていることはなんとなく知っていますが、それがどんな工程を経て誕生しているか、なかなか知る機会がありません。そこで新しい掃除機が開発されるまでの流れを教えてもらえますか。

高木:開発にあたってまずは、マーケティング部門などと協力しながら、弊社掃除機の購入履歴のあるお客様にアンケートなどを行います。最新技術を導入した製品を開発したからといって、多くの消費者から支持されるわけではありません。一般的な消費者が何を求めているかが、重要だからです。

消費者のニーズは、顧客の声からだけで把握するわけではありません。市場のトレンドも反映するなどして、今のお客様はどのような掃除機を求めているのかを煮詰めていきます。

大下:品質保証からあがってきた、製品の不具合なども考慮します。そうして製品の概要がかたまったら、チームを発足し開発に入ります。開発スパンはちょっとした機能追加などであれば、約半年。本日お持ちした製品のように大きく仕様を変えたフルモデルチェンジの場合は、約1年ほどです。

――今回お持ちいただいた製品のこだわりポイントについて、聞かせてもらえますか。

高木:消費者のニーズを探っていくと、今は“軽さ”を求める声が一番大きいことが分かりました。そこで、とにかく軽量化にこだわりました。一方で、軽くするには小さいモーターを採用したり、バッテリーの容量を減らす必要がありますから、どうしても吸引力が弱まってしまいます。

大下:吸引力を維持しながらも、できるだけ軽くする。これが、今回の開発のポイントでした。たとえば、ダストカップ(ごみを溜めるボックス)のサイクロン構造の設計を見直し、よりシンプルにしました。樹脂一体成型だった延長管をアルミ管に変更。両チャレンジをすることで、かなり軽くなりました。

高木:延長管をアルミ製にしたことで、デザイン性も増しましたよね。

大下:本製品は細かなほこりが目詰まりしやすいフィルター型のサイクロン式ではなく、他社さんや日本では一部のメーカーしか開発していない、フィルターレスタイプのサイクロン構造を採用しています。そのため、ごみを吸い続けても99%以上、吸引力が持続。遠心分離技術などを活用することで、実現しています。

高木:今回は初めて、着脱式のバッテリーの開発にも挑みました。消費者からあがってきた多くのニーズのひとつだったからです。ただ、開発は一筋縄ではいきませんでした。

大下:バッテリー全般に言えることですが、正しく扱わなければ発火したり、場合によっては爆発するなどの危険性があります。ましてや着脱式にすることは、電圧がかかっている箇所がむき出しになるわけですから、その箇所に消費者がヘアピンなどで触れてしまった場合、事故につながる危険性があるからです。

――どうやってその壁を乗り越えたのですか?

大下:以前からあった技術を活用し、本体に収まっているときだけ電流が流れるような仕組みを開発しました。具体的には、本体側とバッテリー間による通信です。そのためバッテリーのままでは端子の箇所に触れても、何も反応しません。

AYAKO:まさに、私が前使っていた掃除機のバッテリーがかなりの熱を持ち、いまにも発火しそうな状態になったことがありました。何が原因だったのでしょう?

大下:おそらく純正品ではなかったのではありませんか。サードパーティ製のバッテリーを使用することによる発火などの事故はかなりの数報告されていて、国でも注意を促しています。純正品でない場合は、トラブルが起きてもメーカーが保証することが難しいですから、バッテリーは純正品を使うことをおすすめします。

実際に最新機種を使ってみた!

――ではここからは実際に、消費者の方たちに最新の掃除機を使っていただきます。ぜひその感想を聞かせてください。

加藤:とっても軽いですね! いま持っているのと比べたら、比較にならないほどの軽さです。ボタンを一度押せば、あとは手を離しても動くのが快適です。いま持っているのはずっとボタンを押しているのが面倒くさいな、と思っていましたから。特に、絨毯などで力を入れて操作するときは、便利そうですね。

加藤:今のタイプは、ダストカップの間口が広いのも気になっています。溜まったごみをごみ箱に捨てる際、散らばってしまうことがあるからです。カップ内でごみがまとまるような仕様だと嬉しいのですが、こちらの製品はいかがでしょう?

大下:この掃除機であれば、ほこりはマリモのように丸まるので、飛び散ることはありません。ダストカップの設計を工夫したことで、実現しました。

加藤:操作性も抜群ですね。いま持っている掃除機は長いスティックで、操作すると扱いが難しく、壁にぶつけてしまい、傷つけてしまったことがありました。そのため最近はショートタイプのスティックを使いがちでしたが、こちらの製品であれば、長いスティックでもまったく問題なく操作できます。ところで、吸引音が途中で変わるのはどうしてなんですか?

大下:床がフローリングなのか絨毯なのかをセンターが自動で判断し、絨毯であればヘッドブラシが強く回転するモードに。逆に、フローリングであれば回転を抑えることで、バッテリーの減りを抑えています。

加藤:吸引力も圧倒的ですね。今まで使っていた掃除機は、一度かけただけでは吸い残りがあったので、何度か掃除機をかける必要がありましたが、この掃除機であれば一発ですべてのごみが取れるので驚きました。最高です!

AYAKO:デザインがかっこいいですね! スリムなシルエットに赤色がマッチしていて、素敵です。そして、軽い。2階に持っていくときはこれまでの掃除機は担いでいましたが、これならそのまま片手で持っていけそうです。ちなみに、重さはどのくらいなんですか?

高木:1.5kgです。

AYAKO:グリップを持っている感じも、違和感がなくとっても自然です。何か、工夫されているんですか?

高木:子どもや女性、背の高い男性が持っても手にフィットするような形状にしています。おそらく、今お持ちのタイプは握る箇所が限定されていると思いますから、利用者によっては、違和感を覚えるはずです。

AYAKO:操作性も抜群ですし、横にして床につけることもできるんですね! もともとがコンパクトでここまで自由度の高い動きであれば、いま使っているタイプでは入らない幅の狭い棚のスキマも、そのまま入りそう。狭い箇所専用のノズル交換の時間も無駄だと考えていたので、嬉しいです。

奥山:めちゃくちゃ軽いですね。僕は身長が187cmあるので、少し短い感じもしますが、根本の部分を持てばそこまでの違和感はないです。操作性も今の掃除機と比べると抜群ですし、ヘッド部分がクネクネと自由に動きます。ここまで滑らかに動くと、逆に壊れてしまうのではと心配になりますが、大丈夫なんですか?

大下:そこは徹底的に耐久試験を重ねていますので、まったく問題ありません。

奥山:吸引力は気にならないと言いましたが、壁際のごみもらくらく吸い取るので、やっぱり掃除が楽そうですね。そして、かっこいい。特に、赤のカラーリングが気に入りました。

消費者の声がより良い家電の開発につながる

――みなさんポジティブな感想ばかりでしたが、逆に、気になった点はありませんか。

加藤:先ほどのテストでは分かりませんでしたが、実際に家で使用していると、髪の毛がブラシの部分や、両サイドの軸の部分に絡まってしまうんですよね。その点はどうですか?

AYAKO:私も髪の毛の絡まりを取るのにいつも苦労しているので、気になります。

高木:やはり女性の方は髪の毛が気になりますよね。今いただいたご意見は、先のマーケット調査でも多くのユーザーが関心を持つテーマであることが分かっていました。そのため各社が対策を練っていて、メーカーにより対応が異なります。

大下:絡まないブラシを開発しているメーカーもありますが、弊社ではブラシに絡めて髪の毛も吸い取る考えです。ブラシに絡まなければ、そもそも長い髪の毛を回収できないと考えているからです。ですのでおっしゃるとおり、掃除をしていると確かに、ブラシに長い髪の毛は絡みつきます。その代わり、ブラシを取り外しすることでお手入れを簡単にできるような設計で対応しています。

高木:また、細かな工夫なので見づらいですが、横に刻みを入れていて、ハサミの先端が入りやすい形状になっています。またブラシに絡みついた髪の毛も、ブラシとベースを凹凸形状にすることで、こちらもハサミなどで簡単に取れるような設計としています。

加藤:この青い溝ですね。これならハサミが入りやすそうです。

AYAKO:そうですね、今使っているものよりも手入れがしやすそう。軸への絡まりはどうですか?

高木:軸への絡まりですよね……。これはどうしても発生してしまいますが、ブラシを外すことで髪を取り除きやすいようにしています。

AYAKO:この軸部分は特に髪の毛が取れにくくて。ぜひこれから先、もっと進化することを期待します!

AYAKO:あと、うちではブラシ部分だけでなく、ダストカップの中のくびれた箇所に髪の毛が絡まることも多く、手入れで困っています。この問題は解消していますか?

大下:結論から申し上げますと、長い髪の毛はどうしても絡んでしまう、というのが現状です。ただブラシと同じように、できるだけお手入れしやすいよう、くびれた部分を分解できる設計としています。

加藤:あと、私ずっと疑問に思っていることがあって。強で使うとすぐにバッテリーがなくなるので、線をつないで充電しながら使用したいのですが、できないのはなぜなんですか?

AYAKO:私も掃除時間はできるだけ短くしたいと考えているので、いつも強を使いがちですが、あっという間にバッテリーが切れて困っています。

大下:実現しようとすると、本体にさらなる機構を増やしたり、コードに電流を変換するための大きなアダプターをつける必要があるため、逆に使いにくくなるだろうと考え、採用していません。ただおっしゃるとおり、バッテリーの持ちに関する声は多いので、着脱式とすることで解決策のひとつとしています。

また、着脱可能なバッテリーとしたのも、実は消費者からの声でした。こちらは、「使用しない際は押し入れなどにしまっておきたい。でも、バッテリーは充電したい」との声に応えた結果です。

奥山:僕はお金の部分が気になります。お値段はおいくらなんですか?

高木:6万5000円※ほどです。

※販売店によって販売価格が異なります。

奥山:なるほど……。ちょっと、手が届きづらい金額ですね……。

高木:安心してください。私たちは多くの消費者ニーズに対応する製品だけでなく、いわゆるニッチなニーズに対応した製品も開発しています。たとえばこの製品のシリーズであれば、重くなってしまいますが吸引力が増すモデル。逆に、吸引力は劣るけれども、より軽さを重視する方に向けたモデルも発売していて、軽さ重視であれば、2万9800円のモデルもありますよ。

奥山:よかったです(笑)。2万9800円であれば、予算内ですし、吸引力があまり気にならない僕には、合っているかもしれません。

――いろんな要望が出てきましたが、そのほかに消費者の声が実際に開発に活かされたところはありますか?

高木:スタンドですね。賃貸住宅にお住まいの方から、壁掛けは難しいとのお声があったからです。ただしスタンドでありながら省スペースにおけるよう、本体と同じくシンプルかつスリムで、本体のボディが壁ギリギリに位置するよう、設計を工夫しました。

AYAKO:私も壁掛けをするために壁に穴を空けたので、こういう設計のものは便利ですね。それに、壁に寄りかかることなく、自立しているんですね!

高木:また先ほど説明したフィルターレスのサイクロン構造ですが、一時期、フィルターの手入れが面倒だからと、サイクロン式から以前の紙パック式の掃除機に戻るお客様が多くいらっしゃいました。

高木:一方で、環境配慮などの観点から、やはりサイクロン構造を使用したい、とのニーズがありました。そのような声に応えるべく開発されたのが、弊社のフィルターレスサイクロン構造「バーティカルトルネードシステム」です。今回の製品だけでなく、弊社の多くのサイクロン式掃除機で使用されています。

AYAKO:サイクロン構造は紙パック式より環境にも優しいんですね。掃除をしていても無駄なごみが出るのは気をつけたいです。

――ここまでのお話を伺っていると、開発者はとても細かいニーズも見逃さずに商品開発へ活かしているんですね。

加藤:私たちは普段、何気なく掃除機を使っていますが、作り手の人たちが「ここまで考えていたのか」とその工夫や苦労を知ることができました。それによって掃除機選びにつながるたくさんのヒントをいただいた気がします。そして、私は普段、口コミを書いたり会社に意見を言ったりすることはありませんが「消費者の声ってしっかり届いているんだ」と実感しました。

AYAKO:そうなんです。私も「消費者の声」を言っていいんだって改めて思いました。口コミで他の人の意見を参考にするだけでなく、声をあげることで不便が解消されるきっかけにもなるんですね。

高木:私たちにとって、お客様の声はとても重要なヒントになっています。我々の製品を使ってみて、要望や希望があればぜひ教えてください。口コミでもHPからのお問い合わせでも結構です。それを私と大下が悩みながら開発に活かしていきますから。

奥山:僕は普段Web上で情報収集をしていましたが、実際に使ってみて、開発者の声を聞くことで実際に手にとって選ぶことの楽しさ・大切さを知りました。次回買い替えの時の参考になりそうです。

大下:インターネットなどによるアンケートですと、どうしてもテキストだけの内容ですので、消費者の本当のニーズが分かりづらいと思っていました。今日のように消費者と実際にやり取りを通じながら声をお聞きすると、前後のやり取りが分かるので、消費者の声の本質を知れたように思います。

高木:座談会というかたちではありませんが、以前は消費者に実際に掃除機を使ってもらい、その声を拾い上げて開発に活かしていたことがありました。そしてそのような開発フローがやはりいいだろうと最近になって見直し、先ほど紹介したように積極的に消費者の声を取り入れています。今回の座談会も含め、今後も機会があれば積極的に消費者の方とコミュニケーションを取り、生の声を拾い上げ、開発に活かしていきたいと思います。

――座談会を通じて、開発者、消費者の双方にとって、新たな気づきや発見があったようですね。みなさん、ありがとうございました!

撮影:橋本千尋
取材+文:杉山忠義
編集:LIG

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