オモシロ

「モノづくりのAmazon」こと、工具ならなんでもあるモノタロウの倉庫がマジでスゴい件

 

こんにちは。ヨッピーです。

イケてるネット企業があるらしい」という噂を聞いて、本日は兵庫県の尼崎市に来ております。

「尼崎市」というとダウンタウンの出身地であることや、兵庫県なのに市外局番が大阪と同じ「06」ではじまること、また神戸を擁する兵庫県の「品の良い感じ」とは異なりガラの悪い……もとい「下町感」あふれることから、地元住民が「大阪市尼崎区」などと自虐的に笑い飛ばしたりもしています。

そんな尼崎市に、イケてるネット企業があるって本当!?

 

さっそく突撃じゃ~~~~~!

 

そんなわけでこちら!

モノタロウさんの本社にやってきました!

 

工具通販 MonotaRO(モノタロウ)
https://www.monotaro.com/

 

モノタロウさんを知らない方のために説明をしておくと、こちらは工具や梱包資材、部品といった製造業をはじめとする“働く現場”で使われる商品を死ぬほどたくさん扱っているネットストアです。工具版のAmazonと言えばわかりやすいかもしれない。

 

売り上げと利益もこんな感じでズンズングイグイ上昇中!

創業してまだ15年なのに、今年1月に某有名経済誌が発表した成長率ランキングで国内第1位となったスゴイ会社!!

ちなみになぜ今回、モノタロウさんを取材したかというと、僕の個人的な趣味で工具が好きだからです。ラチェットレンチのカリカリ鳴る音とか最高!

 

 

モノタロウの取り扱い商品が多すぎる

そんなわけで、まずはモノタロウについて広報担当の木原さんにお話を聞きたいと思います。

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「まずですね、モノタロウさんって即日出荷で対応してるじゃないですか。基本的に15時までの注文に対しては、在庫がある限り当日出荷して翌日に届くっていう。工具界のAmazonって言われてますけど、あれって地味にすごいなと思ってて」

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「ありがとうございます。在庫以外も合わせると約40万点が即日出荷です。なるべく早くユーザーさんに届けるというのは、設立当初からのミッションとして取り組んでいるんですよ。商品にもよるんですけど、たとえば機械の部品が壊れたとか必要な資材がないといった場合、従来であれば自分で買いに行ったり、出入りの業者に探してもらって見積りを取って注文したりと、調達するまでとても時間がかかっていたんですね。その間、仕事がストップしてしまう可能性があります。だからこそ、当社では『早くお届けできるサービス』を提供しよう、と」

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「なるほどねー。でも、工具とかネジのたぐいなんて死ぬほど細かく種類があるし、商品管理がめっちゃ大変だったりしません?」

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「ええ、取扱いアイテムも日々拡大しているので大変ですが、商品データベースは当社の財産ですし、商品管理を専門とするチームもあります。」

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「今、取り扱いアイテムって何点くらいあるんでしたっけ?」

 

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900万点です

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頭おかしい。BtoB(法人向け)の商売でそれだけアイテムがそろってるのは異常」

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「もちろん全てを在庫しているわけじゃないんですけど、取り扱いが増えれば増えるほどそれを必要とするユーザーさんに当社を利用していただける機会も増えます。今後もまだまだ増やしていきますよ」

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「よし、木原さん。倉庫を見に行きましょう」

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「えっ。もうですか?」

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「はい。このままおっさん2人が密室で話をしてても、絵ヅラが地味なんで

 

 

物流拠点を見に行こう

そんなわけで、本社から歩いてすぐの場所にある物流拠点を見に来ました。

めっちゃデカい! なにこれ!

 

航空写真で見るとこんな感じらしい。異常にデカいのがわかる!

 

そして中は、こんな感じで死ぬほど商品が並んでおります。何に使うのかすらわからない商品もたくさん!

 

注文が入った商品は作業員さんが棚から取り出し、コンテナに入れてベルトコンベアに載せる。

 

運ばれてきたコンテナに入った商品は、こちらですごいスピードで梱包され、ラベルを次々に貼ってはどんどん出荷して行く。

 

人の手ではなく、マシンが自動的に商品ケースをピッキングしていたり、

 

こんな感じでガンガン段ボールを折りたたむ専用のマシンもあったりする!

 

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「すげぇ! ハイテク!」

 

こちらは、梱包が終わって出荷を待っている状態の商品群!

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「とんでもない量ですね……!」

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「そうなんですよ。この広さでもおかげさまでどんどん手狭になってきていまして、今度新しく関東に物流拠点を作る予定です」

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「これだけモノがあったら棚卸し(※1)とか大変なんじゃないですか?」

(※1)商品の在庫件数を定期的に数えて帳簿とズレがないかチェックすること。

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「おっしゃる通りです」

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「木原さんは広報だから、自社で取り扱っている工具に詳しいですよね? 突然だけど、ちょっと問題出して良い?」

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「900万点もあるので正直自信はありません。でも、どうぞ!」

 

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「いま棚から取り出したコチラの商品の名前は?」

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「わかりません」

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「諦めるの早いな。正解は……」

 

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アロン化成の『HIバルブソケット(インサート付)』でしたー! って、わかるかこんなもん!

 

 

何故、モノタロウは尼崎なのか

※会議室に戻ってきました

 

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「いやー、すごいですね。このサービスで救われた会社ってたくさんあると思います。でも、なんで尼崎に作ったんですか? ネット通販って東京の会社が多いイメージですけど」

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仕入れ先との関係が大きいですね。工具を取り扱っている商社さんって、大阪の会社が多いんですよ。そういった取引先と密に仕事ができるように、関西を拠点にしました。大阪から尼崎に移転してきたのは2007年です」

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「あー、山善さんとかトラスコ中山さんとか? 確かにあの辺って大阪の会社ですもんね」

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「えっ。なんでその名前がサラッと出て来るんですか?」

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「だから言ったじゃないですか。僕、工具には詳しいって」

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「正直言って、『ちょっとかじった程度かな』と思っていました……! ヨッピーさんはなんで工具に詳しいんですか?」

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「僕、生まれたのが大阪市の東の端っこで、中小企業がたくさんあって、製造業が盛んな地域なんですよね。だから、工具メーカーなんかが近所にいくつもあったり友達の家が工場やっていたりして、工具に触れる機会が多かったんです。職人の友達もいますし」

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「友達と工具の話をするんですか?」

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「ですです。『レヂトンの金の卵シリーズはやっぱり良いよね』みたいな話とか」

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「おー! 金の卵! あれめちゃくちゃ売れるんですよ! 本当に詳しいんですね……」

 

この記事を読んでいる人には何の話かサッパリわからないと思いますが、レヂトンという会社の「金の卵シリーズ」はグラインダーという機械に取り付けて金属を切ったり削ったりするのに使う砥石で、切れ味の高さが職人の間で人気。

 

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「まあ、僕は製造業とは全然関係ない人間なんですけど、友達の話とか聞いてるとね、僕からしたらささいな違いでしかないのに、職人同士が大事のようにケンカしたりするじゃないですか。あれが面白いなーと思ってて」

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「インパクトドライバーにおけるマキタ派と日立派(※2)の論争とかですね」

(※2)マキタ、日立工機、共に大手電動工具メーカー。

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「そうそう。職人によって派閥があったりするのはWindows派とMac派の争いに似てますよね。あとは、TONE派とKTC派(※3)の争いとか。素人からすると何が違うんだよって思うんですけど」

(※3)TONE、KTC、共にスパナやレンチといった作業用工具のブランド。自動車工場などで多く使われる。

 

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「でも僕、わかっちゃいましたよ。さっき『仕入れ先の関係で会社を関西に作った』って言ってたけど、むしろ仕入れに苦労したってことですね?」

 

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「……」

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「なんとなく想像できるんですよ。こういう工具とかの業界って、古い世代の人たちが多そうだからめちゃくちゃ反発があったんじゃないかな、っていう。古い金物屋さんとか問屋さんが『ネットでこんな商売されたらウチら商売あがったりやんけ!』って。そしたら大元の商社さんもそういう人たちの突き上げを食らうから流通を絞ったりしてね。まあ、何かしらのしがらみがあったんだろうなー、って」

 

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「……」

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「ネット通販だと値段も全部バレちゃうから、今までの慣習でナアナアにしてたのが問題化したりとかね。たぶんそうでしょ?」

 

「こんな感じで、どこぞのおじさんがやってきて……」

 

ギョーカイのカンシューを潰すツモリカーーー!!!

 

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「……っていうやつでしょ?」

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「まぁ、落ちついてください。当社としては、お客様にとってどっちが良いのかが重要だと考えます。古い慣習がお客様にとってマイナスの影響を与えているのであれば、当社はITを駆使してこれまでにはない価値の高いサービスを提供していく使命を果たさなければいけません。その上で、なるべく業界全体にとってプラスになるビジネスを展開していきたいと思ってます!」

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「なるほどね。まあ、僕も大人なのでこの辺にしときますけど」

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「冷や汗出ました」

 

 

システム内製のメリット

こちらはモノタロウの執務スペース。壁や仕切りを取っ払った1フロアーで、コミュニケーションを活発化させている。ちなみに、モノタロウのシステムは基本的に内製しているそうだ。

自社システムで、商品ページを増やして検索にひっかかりやすくする工夫も行っているとのこと。また、サイト訪問者獲得のためのSEOやリスティング広告にも力を入れているらしい。

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「なるほどなー。工具の広告って、不動産とか転職に比べたら競合が少ないから広告費が安く済みそうですね」

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「そうですね。900万点という品揃えがあるからこそ、他社の持っていない商品で、競争することなく広告が出せるという強みがあります」

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「でも、900万点もあるのに全部の商品ページを作るんですよね? そんなに作ったら1年に1つしか売れない、みたいな商品も出てくるでしょ?」

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「はい。それはいわゆるロングテール商品と呼ばれていて、当社ではそんな商品をたくさん取り扱っています。逆に言えば、当社以外ではなかなか売っていません。ネットで検索いただければ、おそらく当社の商品ページに辿り着くはずです。売れない商品は取り扱わないのが一般的かと思いますが、年に1つしか売れなくても、それを必要としている方が1人はいるってことですよね。当然ないがしろにはできません。おかげさまで、当社では毎月どんどん新しいユーザーの利用が増えていて、現在は累計で約180万ユーザーの登録があります。ユーザーの母数が増えると、たとえば1年に1回しか売れなかった商品が3回、5回、10回、と売れるようになっていくわけです」

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「へー。じゃあロングテール商品の購入をきっかけに、他の商品も買ってもらえるなんてこともあるんでしょうね」

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「そうですね。そのためのマーケティングとして、ページ遷移とか購入履歴とかのビッグデータを解析して、お客様に最適化した商品提案を行ったりもしています」

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「でも、900万点もあって、しかもシステムは内製でとなると、人数が必要ですよね……」

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「そうなんです。でも、内製化して全部自分の所でやるのってスピード感が全然違うんですね。ネット企業ですし、スピードが命ですから、そこはこだわっていますね」

 

ちなみに、モノタロウはネット企業のくせにこんなに分厚いカタログを作って、データ解析から見込み客に配ったり、個別に請求があればその都度ユーザーに配ったりしているそうだ。ジャンルごとにそれぞれ全部違う商品が載ってる! すさまじい数!

 

カタログにはFAXの注文シートも付いている。

 

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「えー! ネット企業なのになんでFAX?」

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「ご年配の方や、インターネットに慣れていない方だとFAXの方が使いやすかったりするんですよ。これが意外に注文をいただけています。ちなみに、電話でも注文可能です。ネット企業だからといってネットだけにこだわるつもりはなくて、『日本のモノづくりを支える』という理念の下でやっています」

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「なるほどなー。木原さん」

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「はい。なんでしょうか?」

 

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「あなたの会社、立派ですね」

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「……ありがとうございます! でもまだまだ、これからですよ! もっとたくさんの現場の方に利用してもらえるようにがんばらないと」

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「うん。応援してるよ」

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(なんでこの人はこんなに偉そうなんだろう)

 

……というわけで、いかがだったでしょうか!

こういう、流通と物流を担う方々のおかげで日本の製造業が成り立っていると言っても過言ではないはず!

今後ともバリバリがんばっちくりぃ~~~~!

 

【取材協力】
株式会社MonotaRO

【取材・文】
ヨッピー + ノオト

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ヨッピー
フリーライター。平日毎日更新のおばかサイト「オモコロ」にて体を張った実験記事を執筆。ほかにも「ジモコロ」「トゥギャッチ」などで連載中。ブログ「ヨッピーのブログ(仮)」 TwitterID「@yoppymodel

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