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【レポート】リモートワークの失敗事例と課題解決ウェビナー

2021年02月08日 レポート

新型コロナウイルスの感染拡大を機にリモートワークが急速に進んだことで一人ひとりのはたらき方やメンバーのマネジメントは大きく様変わりしました。 人材派遣においては、リモートワークでの就業を希望する個人が多く、「リモートワークでの派遣就業可」の求人においては平均応募数が5倍程度増加(当社比)する傾向にあります。企業側にとっても、就業条件を「リモートワーク可」とすることで業務に適したスキルを保有する人材を採用することが可能になるなどのメリットが多い一方、慣れない就業形態により実施後に様々なトラブルが発生するケースもあります。

また、昨年12月にパーソル総合研究所が行った調査によると正規雇用のリモートワーク実施率24.7%に対し、非正規雇用のリモートワーク比率は15.8%となっています。さまざまな事情や懸念により派遣社員のリモートワークを実現できていない企業もある中、パーソルテクノロジースタッフとパーソルテンプスタッフは、コロナ禍以前から多様なはたらき方の実現に向けて、時間や場所を超えた雇用の創造や企業の生産性向上に繋がるリモートワーク派遣への取り組みを行っています。

2021年1月26日にパーソルテクノロジースタッフとパーソルテンプスタッフが共催で行ったウェビナー「全国のリモートワークの実態から見える課題解決セミナー」では、両社でリモートワーク派遣を推進する担当者が登壇し、実際の在宅勤務における失敗事例を振り返るとともに、リモートワークの適切な見守り方により企業価値を高めるためのノウハウを紹介しました。

リモートワークの失敗事例と解決策

現在半数以上のエンジニアがリモートワークでの派遣就業を実現しているパーソルテクノロジースタッフにてエンジニア派遣のマネジメントを行う傍ら、リモートワーク推進や宮崎県日向市で行われたワーケーション実証実験「新しいはたらき方プロジェクト」の企画・推進も担当する仲地は、リモートワークでの派遣就業を行ったことで実際に起きた事例をもとに改善策を振り返りました。

仲地 加奈(なかち かな) パーソルテクノロジースタッフ株式会社 営業本部IT統括部 東日本第3営業部 第6G マネージャー
2008年インテリジェンス(現パーソルテクノロジースタッフ)入社以降、求人媒体の営業、事務派遣、エンジニア派遣の営業を経験。 現在は、マネジメントと共に、2020年から宮崎県日向市と合同で「新しいはたらき方×地域活性化プロジェクト」を企画・推進を担当。

コミュニケーションでの失敗例

ケース1:それまでは良かった関係性が悪化

出社型で1年間勤務してきたスタッフのAさん。新型コロナ感染拡大をきっかけにリモートワークを導入し自宅からの勤務となりました。リモートワーク後のコミュニケーションは主にチャットでしたが、企業担当者の方もコミュニケーションが得意なタイプではなく、Aさんもおとなしい性格で悩み事をうちに抱えてしまうタイプのため、担当者の方のチャットの文面からぶっきらぼうな印象を受け、Aさんは委縮。企業担当者からもAさんのパフォーマンスが上がらないと感じ、対面の時はうまくいっていたのに、リモートでチャットでのやり取りが中心となったことで双方の関係性が悪化してしまいました。

ケース2:関係性が出来上がらないことでのトラブル

緊急事態宣言発出以降の就業で増えたのが「就業初日だけ出社して、2日目以降はリモートで就業」というケースです。 WebデザイナーのスタッフBさんも初日だけ出社し、顔合わせやPC受け取りなどを行った翌日からリモートワークでの就業を開始しました。。担当者の方はチャットやオンラインでの面談を中心にアウトプットイメージを共有し業務指示を行いましたが、Bさんからはイメージと異なるものしか上がってこず、何度もやり直しが発生していました。 Bさんは担当者の仕事のスタイルを把握できておらず、質問してもよいかどうか遠慮してしまっていたので、どのように作るか迷う点についてもある程度完成させてから見せていたということでした。

リモートワークで発生する問題のほとんどはコミュニケーションにまつわることです。 ケース1のようにチャットが中心のコミュニケーションになっている場合は、「就業して長いので関係性は問題ない」と思っていても、相手の表情を見て話すことができる「Face to Face」の機会を意識的に持つことをお願いしています。こちらのケースでも、1日15分程度の短い時間でもよいので定期的にFace to Faceでのコミュニケーションを取り入れたことで関係性が改善しています。

またケース2のようにリモートワークになってからの就業開始の場合は、企業側には事前に相談しやすい雰囲気づくりや、担当者以外のチームメンバーの方との接点を最初に設けてもらえるようにお願いしています。ほとんど直接会ったことが無いような関係性が出来上がっていない場合でも、徐々に関係性を築いていくことが出来ます。実際に対面しないと上司やチームメンバーの顔と名前、業務が一致しないということも少なくありません。最初に組織や役割などを理解することで、社内での自身の役割をスタッフ自身が把握し動けるようになります。 スタッフには、早いタイミングでイメージをすり合わせることと、分からないことは抱え込まずに「今よろしいですか?」と気軽に相談するようアドバイスしこちらも改善しています。

就業環境での失敗

ケース3:ネットワーク不具合で連絡が取れなかった

スタッフCさんは、就業開始から2週間は出社型、その後にフルリモートワークへ移行しました。 企業担当者は、リモートワーク勤務時は「勤務開始・終了時に、チャットに書き込み勤務時間の管理を行う」というルールをメンバーに設けていました。 しかしCさんからは就業開始時間を過ぎてもチャットの書き込みがなかったため、「Cさんが勤務出来ているのか分からない」と当社にご相談いただきました。同時に、Cさんからも当社に「自宅のネットワークが繋がらず、チャットに書きこめていない」と非常に焦って連絡がありました。

リモートワーク後、この企業のような就業管理ルールを設けているご担当者様は多いと思いますが、全てのやり取りをオンラインツールで行っていると、こちらのケースのようにネットワーク機器の故障などの不具合の際には連絡が取れなくなるケースもあります。意外とオフラインでの連絡先の共有ができていないケースが多いため、万が一に備えて電話番号などの緊急連絡先の共有をお願いしています。当社ではスタッフ向けのリモート派遣ガイドブックにもその旨記載を行っています。

健康管理での失敗

ケース4:頑張りすぎてオンオフの切り替えができなかった

スタッフDさんは、真面目な性格でパフォーマンスも良く、2年以上高評価をいただいているエンジニアでした。しかし、フルリモートワークに移行し毎日自宅で仕事をするようになってからは、体調不良が頻繁に発生するように。半年間ほど睡眠障害や食欲不振などが増長し続け、就業の継続が難しくなってしまいました。

こちらのケースでは、Dさんがフルリモートワークになってからオンオフの切り替えが出来ず、根詰めて仕事をし続けてしまったことで精神的に追い込まれていたことが要因でした。心身の変化について私たち派遣会社としても月1回のオンライン面談だけでは把握しきれていなかったため、これ以降はスタッフフォローの際に、「睡眠」「食欲」などの日常生活についても確認も行うように変更しました。
また、面談の際にスタッフにオススメしているのは、ON/OFFを切り替えるためのスイッチづくり。自分自身でON/OFFのスイッチを切り替えるのが苦手な場合、本人も気づかない間に当たり前のことが出来なくなってくることも。そんな時はフォロー担当者から、「ひげを剃る、髪を整える、化粧をする」「出社・退社後は、一度玄関をあけて、駅まで歩く」「ランチ休憩をしっかりとる」などの行動を取り入れ、リモートワークにおけるセルフルールの設定を啓もうしています。

パーソルテクノロジースタッフのリモートワーク派遣実現に向けた取り組み

パーソルテクノロジースタッフでは、このようなリモートワークケースを踏まえて、より安心してリモートワークを活用いただけるように、リモートワーク版のコミュニケーションルールの設定を開始しています。また、リモートワーク実施後に起こりがちなトラブルなどをまとめたリモートワークガイドブックを作成し、企業様、スタッフそれぞれに配布できるよう準備しています。

採用強化や定着化においても効果的なリモートワーク。派遣会社である我々が、企業とはたらく個人の間に入ることで、さまざまな課題を解消し、よりご活用いただけるよう支援いたしますので、お困りの際はぜひご相談ください。

パーソルテクノロジースタッフのリモートワークサービス
https://persol-tech-s.co.jp/corporate/business/remote-work/

「はたらき方」と「見守り方」で変わる従業員のはたらく幸せ実感値

続いてのセッションでは、パーソルテンプスタッフで100名以上のメンバーが在籍する営業部部長を務める加瀬が「在宅化は企業努力で進んでいるが、マネジメントや見守り方に課題がある」と言及しました。利益追求のみならず、SDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)などの風潮が生まれる中、新型コロナ感染拡大により、はたらく個人のライフスタイルやはたらき方の多様化など、はたらく人の「well-being」がより強く求められる時代において、リモートではたらく社員をどのように見守れば、従業員のはたらく幸せ実感値が向上するのかをパーソル総研の調査に基づいて共有しました。

加瀬 洋子(かせ ひろこ) パーソルテンプスタッフ株式会社 東京第四営業部・SBU営業部 部長(兼任)
2005年テンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)入社以降、一貫して派遣営業に従事。多様な業界、企業規模との豊富な折衝経験を持ち、派遣サービスの導入・拡販のみならず新規サービスの展開にも寄与。2017年より部長に就任し、現在では100名以上のメンバーマネジメントを行う一方、メンバーとの営業同行も欠かさず、日々多くのクライアント課題と向き合っている。

「well-being」とは、肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態とされています。

※(日本WHO協会訳)引用元:公益社団法人 日本WHO協会|健康の定義について https://www.japan-who.or.jp/commodity/kenko.html

はたらく場面における「well-being」は、自己成長、リフレッシュ、チームワーク、他社承認、他社貢献、自己裁量、役割認識、これら7つの因子により構成され、マネジメントからの「やってみよう」「なんとかなるよ」「ありがとう」「自分らしく」この4つの声がけが7因子の中に入っているのが良いと言われています。

一方で、不幸せの7因子として挙げられる自己圧力、理不尽、協働不全、深い空間、評価不満、疎外感、オーバーワークについては、実際に派遣会社である我々にもご相談いただくことが多いテーマでもあります。特にリモートワークになってからは、孤独感からの精神的トラブル、設備のトラブル、労務面での課題ができていないという相談も多くみられます。スタッフも見えていないことから「上司から仕事をさぼっていると思われていないか」などの不安を感じたり、上司も離れていることで適正な評価がしづらかったり、以前は様子を見ながら「協力するよ」と声をかけられたことも、近くにいないので感じ取れなかったり…ということもあります。

「パーソル総合研究所+慶⼤前野研究室」

パーソルテンプスタッフでは昨年8月より「りもーとテンプ」というリモート派遣実施サポートのサービスを提供しています。 ハード面のサポートから、仕事可視化ツール「MITERAS」※を使い、長時間労働や仕事量の課題など、勤務が見えないことへの労務面の不安を解決するサービスです。 ※「MITTERAS」はパーソルプロセス&テクノロジー株式会社のサービスです。https://www.persol-pt.co.jp/miteras/

テンプスタッフの在宅派遣「りもーとテンプ」
https://www.tempstaff.co.jp/kmenu/c001/

個人においても組織においても、はたらく幸せ実感が高いほどパフォーマンスが高いと言われます。はたらく人の実感値を高めることで、企業全体の数字に影響を与えますし、従業員のリテンションにもつながります。コロナをきっかけに進んでいる新しいはたらき方も、これからの企業価値を高める手段になることは間違いありません。全部やることは難しいけれど、着手できることから少しずつ取り組んでいただきたいと思います。

パーソルでは今後もリモートでの派遣スタッフ活用に向けて、さまざまな取り組みを行ってまいります。

本件に関するお問い合わせ

パーソルテクノロジースタッフ株式会社
ブランディンググループ
pr_techstaff@persol.co.jp