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コラム

2024.04.18

バックエンドエンジニアに向いている人は?やめとけと言われる理由まで解説

デジタル化の進展により、ウェブアプリケーションやサービス開発の需要は増加しています。それとともに、システム開発などを担うバックエンドエンジニアの需要も増加しており、興味が湧いている方もいらっしゃると思います。
一方で、

  • 自分が向いているかわからない
  • どのようなスキルが求められるかわからない
  • そもそもどんな仕事なの?
など、さまざまな疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では、バックエンドエンジニアについて、改めてその業務内容や向いている人の特徴、求められるスキルまで幅広くご紹介します。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

バックエンドエンジニアとは

バックエンドエンジニアの主な仕事は、ウェブサービスやアプリケーションの裏側で、システムの要件定義から設計、開発、運用に至るまでの多岐にわたります。 バックエンドエンジニアはデータ処理、保存、サーバーとクライアント間の通信などを担当しています。ウェブサイトにアクセスし、画面に表示される情報がどのように提供され、処理されるかを管理・運用するのが役割です。

例えば、ウェブサイトでログインボタンをクリックしてログインできたり、ショッピングカートの商品合計を計算して決済処理を行ったりするシステムを構築します。

バックエンドエンジニアは、見えない部分で重要な役割を担う、ウェブサイトの基盤を支える鍵となる存在です。

仕事内容

バックエンドエンジニアの仕事内容は大きく分けて以下の3つがあります。

  • サーバーやデータベースの開発
  • サーバーやデータベースの保守/運用
  • プログラムの開発

サーバーやデータベースの開発

バックエンドエンジニアは、サーバーやデータベースの設計と開発を担当します。近年では、クラウドサービスを利用するケースも増えていて、柔軟性が高まっています
これには、システムの設計、データベースの設計と最適化、サーバーサイドのロジックの実装などが含まれます。適切なデータベースの選択や最適なアルゴリズムの選定も重要な役割です。

サーバーやデータベースの保守/運用

サーバーやデータベースの開発が完了した後の、システムの保守と運用もバックエンドエンジニアの重要な業務です。
これには、システムの監視、パフォーマンスの最適化、セキュリティの強化、バグの修正、アップデートの適用などが含まれます。

プログラムの開発

バックエンドエンジニアは、アプリケーションのバックエンド部分に関連するプログラムの開発も担当します。これには、ビジネスロジックの実装、APIの作成、データ処理、セキュリティ機能の組み込みなどが含まれます。
開発環境には既存のフレームワークやライブラリが活用され、プロジェクトの進行スピードを確保します。完成したシステムはテストが実施され、動作が確認されたら本番環境へと移行します。

フロントエンジニアとの違い

バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの違いは、Webアプリケーションにおいて、ユーザーの目に見える部分を担当するかどうかです。Webアプリケーションはフロントエンドとバックエンドの2つに分類されます。

フロントエンドはユーザーの目に見える部分のことを指し、バックエンドはサーバーなどユーザーの目に見えない部分を担当します。フロントエンドエンジニアは、主にHTMLやCSS、JavaScriptなどを用いてコーディングし、開発を進めていきます。
具体的な仕事内容は主に以下の3つです。

  • マークアップ
  • SEO対策
  • デバック

【関連記事】
■フロントエンジニアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
フロントエンドエンジニアの仕事内容とは?転職に役立つスキルからやりがいまで解説

バックエンドエンジニアの需要・将来性

データベース関連の業務を効率化するサービスの展開が進んでいます。そのため、バックエンドエンジニアがいなくてもこのような業務が対応できるという意見もあります。
しかし、実際はそのような傾向はなく、将来性は高いと言えます。理由として以下の2つがあります。

  • 市場規模の拡大
  • 参入障壁の高さ

市場規模の拡大

デジタル化の進展により、ウェブアプリケーションやサービス開発の需要は増加しています。これらのアプリケーションやサービスのバックエンド開発は不可欠であり、その仕事領域は広いため、この高い需要は今後も継続するでしょう。

参入障壁の高さ

バックエンド開発には高度なプログラミングスキルやデータベース管理の知識が必要です。具体的には、JavaやPHP、Rudyといった複数のプログラミング言語の習得が必須です。また、プロジェクトによってプログラミング言語を使い分ける必要があります。
これらの専門知識を身につけるためには長期間の学習や経験が必要なため、参入障壁が高いと言われています。

きつい、やめとけといわれる理由

バックエンドエンジニアは「きつい」、「やめとけ」と言われることがありますが、どのようなことが理由なのでしょうか。具体的には以下の5つが挙げられます。

  • 求められる知識量が多い
  • ミスが許されない
  • 緊急な対応が必要なことがある
  • 時間や納期に追われることが多い
  • 技術の進化が急速である

求められる知識量が多い

バックエンドエンジニアは、必要とされる基本的な知識だけでも幅広く、習得するのが大変です。プログラミング言語だけでも複数の言語を習得する必要があります。加えて、 データベース、ネットワーク、サーバーに関する知識が必要となります。詳しくは後ほど必要なスキル・知識について解説します。
近年では、サーバーのクラウド化も進んでいるため、クラウドサービスに関する知識も求められてきています。

ミスが許されない

業務内容上、ミスが許されないことも理由の一つです。バックエンドエンジニアは、システム開発に携わります。そのため、プログラムを間違って処理してしまうとシステム障害を引き起こしてしまいます
ミスによりシステム障害が発生しないように何度もテストを行ったりするため、納期が厳しい場合は残業も多くなってしまいます。

緊急な対応が必要なことがある

バックエンドエンジニアは、システムに不具合が生じた際に対応する必要があります。システムは、24時間365日動いていなければならないため、緊急で対応しなければいけません。
また、システムの導入 や更新は深夜などの利用者が少ない時間帯に行われることが多いため、深夜に対応を求められることもあります。

時間や納期に追われることが多い

バックエンドエンジニアが、時間や納期に追われることが多いです。その理由は以下の三つが挙げられます。

  • サービスの納期が開発当初に決まることが多い
  • バックエンドの実装業務がスタートするのが遅い
  • サーバーへの対応に時間が割かれる
バックエンドエンジニアまで仕事が回ってくるのが遅かったり、システムにおいて重要なサーバー部分を担当するため、トラブルへの対応などの安定稼働へ時間が割かれることが多くなります。

技術の進化が急速である

バックエンドエンジニアが必要とする技術は多岐にわたる上に、その技術進化のスピード は速く、日々進歩しています。そのため、常に情報をアップデートする必要があります。具体的には以下の知識を取り入れ続ける必要があります。

  • プログラミング言語
  • クラウドに関する知識
  • フレームワーク

バックエンドエンジニアに向いている人

バックエンドエンジニアに適性がある人の特徴をご紹介します。以下の5点です。

  • 集中力が高い
  • 細部まで気を配れる
  • 裏方の仕事が好き
  • 保守・管理の業務を苦に思わない
  • 学習意欲が高い

集中力が高い

バックエンドエンジニアは、システムやサーバーの構築が主な業務内容であるため、長時間パソコンを使用します。そのため、作業に打ち込み続けられる高い集中力が必要になります。
また、プログラムの実装やテストなどの地道な作業が多くなります。地道な作業でも粘り強く集中して対応できる人が向いているといえます。

細部まで気を配れる

バックエンドエンジニアは、細部まで気を配れる几帳面な性格の方が向いています。システムの構築や管理をしているため、ミスをするとシステム障害へと発展してしまいます。プロジェクトの大小や納期が迫っている際にも、コードの品質を一貫して保つ必要があります。
細部まで気を配れる性格なら、注意深く丁寧に作業を進められるでしょう。

裏方の仕事が好き

裏方の仕事が好きであるという点も重要になります。バックエンドエンジニアは、裏方であるシステムの構築などの見えない部分での業務を担当します。フロントエンドエンジニアと違い、地道な作業が多くなります。
利用者からの評価を受けることが好きな方は、ユーザーインターフェースを担当するフロントエンドでの業務が向いていると言えるでしょう。

保守・管理の業務を苦に思わない

保守・管理の業務を苦に思わないことも大切です。バックエンドエンジニアは、地道な作業であるシステムの保守や管理業務が大半を占めるため、これらの作業への耐性が必要です。主に以下のような業務です。

  • サーバーの管理・構築
  • データベースの管理・設計
  • システムの維持・メンテナンス
  • トラブルの復旧作業
  • セキュリティパッチの検証と実施

学習意欲が高い

向上心があり、学習意欲が高い方も向いています。バックエンドエンジニアは、常に業務に関する情報をアップデートする 必要があります。特に最近では、クラウドサービスの普及に対応するため、クラウドに関する知識を取り入れる必要があります。また、業務範囲がサーバーやデータベースなどと幅広いため、習得しなければならない技術も多岐にわたります。
最新の技術を使用しながらより良いシステムを開発することが求められます。

バックエンドエンジニアに向いていない人

バックエンドエンジニアに適性があまりない人の特徴をご紹介します。以下の4点です。

  • 給料面や将来性だけで検討している
  • 論理的に考えることが苦手
  • 柔軟な対応が苦手
  • IT技術に興味がない

給料面や将来性だけで検討している

バックエンドエンジニアは、他のエンジニア職と比べて給料が高い場合が多いです。また、需要が高く将来性がある職種と言えます。しかし、作業内容は地道であり、深夜に緊急の対応が求められることもあります。
そのため、給料面や働きやすさだけで選んでしまうと後悔してしまうこともあるでしょう。

論理的に考えることが苦手

バックエンドエンジニアは、論理的に考えることが苦手な方には難しいです。それは、システムの設計や開発において、客観的に状況を分析して動ける論理的思考力が必要 となるからです。問題解決能力や情報の取捨選択能力が特に求められます。
論理的に問題に対処できないと、不具合の解析や状況を特定し、関係者に根拠を明確に説明することも難しくなってしまいます。

柔軟な対応が苦手

柔軟に物事を考えたり対応することが苦手な方も難しいでしょう。トラブルの発生時には、創造的な解決策を見出すための柔軟性が必要になります。
知識をただ暗記するのではなく、道具として活用できるようにしておく必要があります。

IT技術に興味がない

IT技術や最新のテクノロジーに興味がない状態では、バックエンドエンジニアになるのは難しいでしょう。常に業務に関する情報をアップデートし、身につけてシステムの効率化や信頼性を向上し続けることが求められます。
そのため、IT技術に興味がない状態ではモチベーションが続かず、活躍していくことは難しいでしょう。

バックエンドエンジニアになる方法

バックエンドエンジニアになるためには、以下の手順を踏むことがおすすめです。

  • 必要なスキルを身につける
  • ポートフォリオを作成する
  • 求人を探す

必要なスキルを身につける

バックエンドエンジニアは、幅広い知識やスキルが求められます。そのため資格の取得などを通じて、技術を身に着けていく必要があります。必要なスキルや資格は、後ほど詳しく解説します。
必要なスキルを身に着ける方法は、主に以下の3つがあります。

  • 独学
  • プログラミングスクールへの参加
  • SNSの活用
【関連記事】
■バックエンドエンジニアの学習方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
バックエンドエンジニアの学習方法とは?スキルや言語について徹底解説

ポートフォリオを作成する

次に、学んだことを活かしてポートフォリオを作成します。ポートフォリオを作成することで、どのぐらいのスキルを持っているのかを証明できます。具体的には以下の要素が求められます。

  • セキュリティ対策
  • データベース
  • APIの実装

【関連記事】
■エンジニアのポートフォリオについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
伝わるエンジニアのポートフォリオの作り方!職務経歴書との違いから解説

求人を探す

最後に求人 を探しましょう。経験者のみを募集対象としている企業も多いですが、人手不足や新たな視点を取り入れを図るために未経験者を積極的に採用する企業もあります。
主な会社選びのポイントは、以下の3つです。

  • 継続的に研修を受けられるか
  • 資格取得を支援してくれるか
  • 社風や労働環境は適切か
自分自身の成長やキャリアアップを目指せる会社を選びましょう。

必要なスキル・知識

幅広い知識が求められるバックエンドエンジニアに必要なスキルや資格をご紹介します。以下のようなものがあります。

  • プログラミングスキル
  • データベースに関する知識
  • ネットワークに関する知識
  • サーバーアーキテクチャに関する知識
  • フレームワークに関する知識

プログラミングスキル

バックエンド開発にはさまざまなプログラミング言語が使用されます。 複数の言語を習得することで開発の幅が広がり、仕事の幅が広がります
業務で使用する可能性のある言語をいくつかご紹介します。

  • Java
  • JavaScript
  • PHP
  • Python
  • Go
  • TypeScript
  • Swift
全てを習得する必要はありませんが、業務の幅を広げるためにもチャレンジしましょう。

データベースに関する知識

バックエンドエンジニアは、業務でホスティング環境の管理やそれに関連するデータベースの管理を行うため、データベースへの基本的な理解が必要です。
主に以下のスキル・知識が求められます。

  • SQLなどのデータベース言語への知識
  • NoSQLデータベース(MongoDB、Cassandraなど)の知識
全て習得する必要はありませんが、活躍の幅を広げるためにも身につけましょう。

ネットワークに関する知識

バックエンドエンジニアは、ネットワーク通信の基本的な知識を持つことも重要です。身につけることで、システム全体の全体像を俯瞰して設計や構築を行っていくことができます。主に以下の知識が必要です。

  • TCP/IPプロトコル
  • HTTP/HTTPS
  • RESTful API
  • ネットワークセキュリティ

サーバーアーキテクチャに関する知識

サーバーアーキテクチャとは、ウェブアプリケーションを構成するサーバーの配置や構造に関する概念です。サーバーを含めたインフラ部分は、バックエンドエンジニアが担当しまするため、業務に広く役立てることができます。

  • Apache
  • Nginx
  • RESTful API設計

フレームワークに関する知識

フレームワークとはプログラム開発に必要な機能をまとめた枠組みのことで、開発のプロセスの一部を自動化して、開発をより簡単にかつ迅速にするツールのことです。フレームワークを活用することで、開発を高速化しエンジニアにかかる負担を軽減できます。主に以下の5つがあります。

  • Express
  • Django
  • Flask
  • Laravel
  • Ruby on Rails

【関連記事】
■フレームワークについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
徹底解説|バックエンドエンジニアに必要な人気フレームワーク5選

必要な資格

バックエンドエンジニアに必要な資格は以下の5つがあります。

  • PHP技術者認定試験
  • Linux技術者認定試験 LinuC
  • Ruby技術者認定試験
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • データベーススペシャリスト

PHP技術者認定試験

PHP技術者認定試験は、一般社団法人のPHP技術者認定機構が主催するPHPの技術力を証明する資格試験です。PHP技術者認定試験は、PHPの技術力を定量的に測定し、市場価値を高めることを目的としています。

この試験には初級試験、上級試験、ウィザードの3つのレベルがあります。初級試験はPHPの基礎知識を問うものです。上級試験はより実用的で応用的なスキルを問うものであり、ウィザードは、PHPのプロフェッショナルを目指す人々向けの試験です。上級試験の合格が前提となります。

Linux技術者認定試験 LinuC

LPICは、Linux技術者としてのスキルに関する資格になります。日本企業でも多くがLinuxを導入しているため、Linuxに関するスキルを要求されることは多いでしょう。

この資格は、Linuxシステムの管理や運用、トラブルシューティングなどの実践的なスキルを持つ技術者にとって、市場価値の高い資格として扱われています。3つのレベルに分けられているため、段階的に学習ができるのも強みになります。

Ruby技術者認定試験

Ruby技術者認定試験は、公式的にRuby言語のスキルを証明できる試験です。SilverとGoldの2つのレベルに分かれており、特別な受験資格は必要ありませんが、Goldを受験するにはSilverの合格が必要です。試験の難易度はSilverが初級レベルであり、勉強期間は1〜2ヵ月程度が目安です。Goldは中級者から上級者向けの試験であり、Silver合格後にさらなる準備が必要です。

この資格を取得することで、Rubyプログラミングの基礎知識や応用力を客観的に証明することができます。

基本情報技術者

基本情報技術者試験とは経済産業省が認定するプログラミングの基礎スキルがあることを証明できる国家資格であり、難易度や希少性が高いです。

また、基本情報技術者試験はIT系国家資格レベル3である応用情報技術者試験(AP)の土台として取得するのも有効です。応用情報技術者試験に合格すれば、システム開発やIT基盤構築に関する高いスキルを証明でき、バックエンドエンジニアのキャリアアップに繋がります。

応用情報技術者

応用情報技術者試験は、ITエンジニアとして応用的な知識・技能を有することを国が証明する国家試験です。応用情報技術試験では、「ITを活用した戦略立案」、「信頼性と生産性の高いシステムの構築」を自力で行える力があるかどうかが問われます。この試験は、基本情報技術者試験よりも難易度が高く、合格率は約20%です。

基本情報技術者試験にはない記述式の問題も出題されます。応用情報技術者はバックエンドエンジニアの業務領域に特化した資格ではありませんが、資格を取得することで幅広い知識を有した高レベルのエンジニアと判断されるでしょう。

まとめ

本記事では、バックエンドエンジニアに向いている人の特徴や必要なスキルなどについて詳しく解説しました。 バックエンドエンジニアは需要が高く、将来性がありますが、人によって向き不向きがかなりあります。バックエンドエンジニアを目指してはいかがでしょうか。

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