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コラム

2024.04.12

バックエンドエンジニアの年収は?1000万を目指す方法や必要なスキルを解説

バックエンドエンジニアは、ウェブアプリケーションやサービスの裏側で動作するシステムを設計し、開発する重要な役割を果たしています。デジタル化の進展により、ウェブアプリケーションやサービス開発の需要は増加してるため、バックエンドエンジニアの需要も増しています。

では、バックエンドエンジニアの年収はどのくらいなのでしょうか。IT業界の他の職種との比較や年収を上げる方法まで詳しく解説します。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

バックエンドエンジニアの年収は?

バックエンドエンジニア(サーバーエンジニア)の年収は454万円と民間企業平均と比べると少し高くなっています。 経験やスキルによって変わるため、努力次第で高年収を目指せる職種です。プロジェクトマネージャーへ昇進した場合などは、大手企業であれば1000万円以上の年収も期待できます。

【参考文献】「サーバーエンジニアとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説」doda

年代別

次に年代別の平均年収を見ていきましょう。以下の表のとおりです。

    
年代 年収
20代 393万円
30代 517万円
40代 635万円
50代 693万円
【参考文献】「ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説 」doda

年代別にみると、安定して上昇していることが分かります。

バックエンドエンジニアの年収は?

バックエンドエンジニアの年収を他のエンジニア職と比較して見てみましょう。以下のとおりです。

    
職種 年収
バックエンドエンジニア 454万円
IT業界平均 445万円
ネットワークエンジニア 446万円
システムエンジニア 413万円
データベースエンジニア 412万円
セキュリティエンジニア 487万円
Webサービスエンジニア 424万円
【参考文献】「ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説 」doda

上記の表を見ると、バックエンドエンジニアの年収は、他のエンジニア職と比べても高いことがわかります。その理由は、求められる技術の高さだと言えます。後ほど詳しく解説します。

バックエンドエンジニアとは?

そもそもバックエンドエンジニアとはどのような仕事なのでしょうか。

バックエンドエンジニアとは?

バックエンドエンジニアの主な仕事は、ウェブサービスやアプリケーションの裏側で、システムの要件定義から設計、開発、運用に至るまでの多岐にわたります。 バックエンドエンジニアはデータ処理、保存、サーバーとクライアント間の通信などを担当しています。ウェブサイトにアクセスし、画面に表示される情報がどのように提供され、処理されるかを管理・運用するのが役割です。

つまり、バックエンドエンジニアの役割は、ユーザーには見えないシステム部分を開発することです。例えば、ウェブサイトでログインボタンをクリックしてログインできたり、ショッピングカートの商品合計を計算して決済処理を行ったりするシステムを構築します。これにより、ウェブサイトの正常な運営を保証します。

バックエンドエンジニアは、見えない部分で重要な役割を担う、ウェブサイトの基盤を支える鍵となる存在です。

仕事内容

バックエンドエンジニアの仕事内容は大きく分けて以下の3つがあります。

  • サーバーやデータベースの開発
  • サーバーやデータベースの保守/運用
  • プログラムの開発

サーバーやデータベースの開発

バックエンドエンジニアは、サーバーやデータベースの設計と開発を担当します。近年では、クラウドサービスを利用するケースも増えていて、柔軟性が高まっています
これには、システムの設計、データベースの設計と最適化、サーバーサイドのロジックの実装などが含まれます。適切なデータベースの選択や最適なアルゴリズムの選定も重要な役割です。

サーバーやデータベースの保守/運用

サーバーやデータベースの開発が完了した後の、システムの保守と運用もバックエンドエンジニアの重要な業務です。
これには、システムの監視、パフォーマンスの最適化、セキュリティの強化、バグの修正、アップデートの適用などが含まれます。

プログラムの開発

バックエンドエンジニアは、アプリケーションのバックエンド部分に関連するプログラムの開発も担当します。これには、ビジネスロジックの実装、APIの作成、データ処理、セキュリティ機能の組み込みなどが含まれます。
開発環境には既存のフレームワークやライブラリが活用され、プロジェクトの進行スピードを確保します。完成したシステムはテストが実施され、動作が確認されたら本番環境へと移行します。

フロントエンジニアとの比較

バックエンドエンジニアと似た職種にフロントエンドエンジニアがあります。この2つの職種を仕事内容と年収面から比較します。

仕事内容の比較

バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの違いは、Webアプリケーションにおいて、ユーザーの目に見える部分を担当するかどうかです。Webアプリケーションはフロントエンドとバックエンドの2つに分類されます。

フロントエンドはユーザーの目に見える部分のことを指し、バックエンドはサーバーなどユーザーの目に見えない部分を担当します。主にHTMLやCSS、JavaScriptなどを用いてコーディングし、開発を進めていきます。

具体的な仕事内容は主に以下の3つです。

  • マークアップ
  • SEO対策
  • デバック

年収の比較

バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの平均年収に大きな差はありません。しかし、バックエンドエンジニアの方が難易度は高いため、人材が集まりにくい傾向にあります。そのため、報酬は高く設定されることが多いです。

【関連記事】
■フロントエンジニアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
フロントエンドエンジニアの仕事内容とは?転職に役立つスキルからやりがいまで解説

バックエンドエンジニアの将来性

バックエンドエンジニアはなくなるとも言われていますが、実際のところ将来性は高いです。理由として以下の2つがあります。

  • 市場規模の拡大
  • 参入障壁の高さ

市場規模の拡大

デジタル化の進展により、ウェブアプリケーションやサービス開発の需要は増加しています。これらのアプリケーションやサービスのバックエンド開発は不可欠であり、その仕事領域は広いため、この高い需要は今後も継続するでしょう。

参入障壁の高さ

バックエンド開発には高度なプログラミングスキルやデータベース管理の知識が必要です。具体的には、JavaやPHP、Rudyといった複数のプログラミング言語の習得が必須です。また、プロジェクトによってプログラミング言語を使い分ける必要があります。
これらの専門知識を身につけるためには長期間の学習や経験が必要なため、参入障壁が高いと言われています。

バックエンドエンジニアで年収1000万を目指す方法

バックエンドエンジニアが年収を上げる方法は、主に以下の3つがあります。

  • スキルや知識の向上
  • キャリアアップ
  • 転職や独立

スキルや知識の向上

バックエンドエンジニアには高度なプログラミングスキルやデータベース管理の知識が求められます。JavaやPHP、Rudyといった業務で使う言語の学習を通じて専門性を高め専門性を高め、年収を上げられるかもしれません。

また、Pythonなどの直接業務に関係のない言語まで習得することで、業務の幅を広げて年収アップにつなげることもできるでしょう。

【関連記事】
■学習方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
バックエンドエンジニアに必要なプログラミング言語は?学習方法まで詳しく解説!

キャリアアップ

バックエンドエンジニアで年収1,000万円以上の方は、バックエンドエンジニアとしての専門性を高めたり、マネジメントスキルを活かしてキャリアアップしています。具体的には以下のキャリアアップが考えられます。

  • フルスタックエンジニア
  • Webディレクター
  • テックリード
  • プロダクトマネージャー
  • VPoE
  • CTO

【関連記事】
■エンジニアのキャリアパスについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
エンジニアがキャリアアップする方法とは -20のキャリアプラン事例を解説-

転職や独立

給料の高い企業に転職したり、独立してフリーランスとして活躍したりする方法もあります。求人サイトには800万以上で募集している企業もあり、自社で年収アップを目指すよりも比較的簡単に達成することもできるでしょう。
また、フリーランスとして働くことも年収アップは目指しやすいでしょう。しかし、金額はプロジェクトの数や規模、顧客からの受注料、自己マーケティングの能力、業界の需要供給バランスなどによって大きく異なります。

年収をアップさせるために必要なスキル

年収をアップさせるために必要なスキルは大きく分けて以下の3つがあります。

  • 業務に関係する幅広いスキル
  • クラウドを扱うスキル
  • フロントエンドに関する知識

業務に関係する幅広いスキル

バックエンドエンジニアには幅広いスキルが求められます。プログラミングスキルだけでなく、データベースなどに関するスキルも求められます。

プログラミングスキル

バックエンドエンジニアには、複数のプログラミング言語に対応する必要があります。業務で使う可能性がある言語は以下のものがあります。

  • Java
  • JavaScript
  • PHP
  • Python
  • Go
  • TypeScript
  • Swift

プログラミング以外のスキル

バックエンドエンジニアには、プログラミング以外にも様々なスキルが求められます。具体的には以下のものがあります。

  • データベースに関するスキル
  • ネットワークに関するスキル
  • サーバーアーキテクチャに関するスキル
  • コミュニケーションスキル
  • フレームワークの知識

これらの幅広いスキルや知識を身に着けることで、年収アップにつなげることができるでしょう。

クラウドを扱うスキル

クラウドを扱うスキルの習得も年収を上げるのに効果的です。現在では、インフラ環境をクラウドサービスへ移行する企業が増えています。そのため、クラウドサービスに精通しているとより有利になるでしょう。

クラウドプラットフォームには、AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなどがあります。バックエンドエンジニアはインフラを管理し、サービスの質や安定性を向上させて プロジェクト自体の生産性を高めることが求められます。

フロントエンドに関する知識

フロントエンドに関する知識を身に着けることも効果的です。フロントエンドとバックエンドのエンジニアは協力してウェブアプリケーションの開発を進めることが多いため、フロントエンドに関するスキルがあればより効率的に業務を進めることができます。

具体的には、UI/UX設計やCMS構築に関する知識まで習得することで、より市場価値の高いバックエンドエンジニアになることができます。

年収をアップさせるために必要な資格

年収をアップさせるために必要な資格は以下の6つがあります。

  • PHP技術者認定試験
  • Linux技術者認定試験 LinuC
  • Ruby技術者認定試験
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • データベーススペシャリスト

PHP技術者認定試験

PHP技術者認定試験は、一般社団法人のPHP技術者認定機構が主催するPHPの技術力を証明する資格試験です。PHP技術者認定試験は、PHPの技術力を定量的に測定し、市場価値を高めることを目的としています。

この試験には初級試験、上級試験、ウィザードの3つのレベルがあります。初級試験はPHPの基礎知識を問うものです。上級試験はより実用的で応用的なスキルを問うものであり、ウィザードは、PHPのプロフェッショナルを目指す人々向けの試験です。上級試験の合格が前提となります。

Linux技術者認定試験 LinuC

LPICは、Linux技術者としてのスキルに関する資格になります。日本企業でも多くがLinuxを導入しているため、Linuxに関するスキルを要求されることは多いでしょう。

この資格は、Linuxシステムの管理や運用、トラブルシューティングなどの実践的なスキルを持つ技術者にとって、市場価値の高い資格として扱われています。3つのレベルに分けられているため、段階的に学習ができるのも強みになります。

Ruby技術者認定試験

Ruby技術者認定試験は、公式的にRuby言語のスキルを証明できる試験です。SilverとGoldの2つのレベルに分かれており、特別な受験資格は必要ありませんが、Goldを受験するにはSilverの合格が必要です。試験の難易度はSilverが初級レベルであり、勉強期間は1〜2ヵ月程度が目安です。Goldは中級者から上級者向けの試験であり、Silver合格後にさらなる準備が必要です。
この資格を取得することで、Rubyプログラミングの基礎知識や応用力を客観的に証明することができます。

基本情報技術者

基本情報技術者試験とは経済産業省が認定するプログラミングの基礎スキルがあることを証明できる国家資格であり、難易度や希少性が高いです。

また、基本情報技術者試験はIT系国家資格レベル3である応用情報技術者試験(AP)の土台として取得するのも有効です。応用情報技術者試験に合格すれば、システム開発やIT基盤構築に関する高いスキルを証明でき、バックエンドエンジニアのキャリアアップに繋がります。

応用情報技術者

応用情報技術者試験は、ITエンジニアとして応用的な知識・技能を有することを国が証明する国家試験です。応用情報技術試験では、「ITを活用した戦略立案」、「信頼性と生産性の高いシステムの構築」を自力で行える力があるかどうかが問われます。この試験は、基本情報技術者試験よりも難易度が高く、合格率は約20%です。

基本情報技術者試験にはない記述式の問題も出題されます。応用情報技術者はバックエンドエンジニアの業務領域に特化した資格ではありませんが、資格を取得することで幅広い知識を有した高レベルのエンジニアと判断されるでしょう。

データベーススペシャリスト

データベーススペシャリストは、情報処理技術者試験の中で最高峰である高度情報処理技術者試験の一つです。データベースの設計・管理・開発・運用などに関する専門知識と能力を持つ技術者を認定する資格です。

試験内容は、知識問題とシナリオに対して解決策を考える記述問題に分かれます。知識問題では、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験で問われるIT全般の基礎知識に加え、データベースに関する知識が問われます。シナリオ問題では、実際の問題に対処できる力が問われます。バックエンドエンジニアの全員がデータベースを扱うわけではありませんが、取得することで業務の幅が広がります。

まとめ

本記事では、バックエンドエンジニアの年収と年収を上げる方法について詳しく解説しました。
バックエンドエンジニアとして年収を上げていくためには、幅広いバックエンドの業務に関する知識を身に着けていくことはもちろん、フロントエンドやクラウドのスキルも身に着けていくことが必要です。ご自身のキャリアアップのためにも、バックエンドエンジニアを目指してはいかがでしょうか。

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