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コラム

2024.04.04

データベースエンジニアの転職 キャリアアップから未経験からの転職まで紹介!

近年、情報社会化が進む社会の中で、インターネット上の莫大なデータを整理しなければいけないという課題が非常に重要になっています。
このような背景より、データベースエンジニアを志す方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなデータベースエンジニアへの転職について、業務の詳細と併せて紹介していきます。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

データベースエンジニアの仕事内容とは

データベースエンジニアとは、膨大なデータを適切な場所に収め、簡単に取り出すシステムを構築するエンジニアです。 データベースエンジニアの仕事は大きく分けて「設計、開発」、「管理」、「運用」の三段階に分けられます。それぞれ見ていきましょう。

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データベースの設計・開発

一つ目の「データベースの設計・開発」では、OracleDatabase、MicrosoftSQLServer、MySQLなどのデータベース開発製品を利用してデータベースを設計・開発します。

データベースの管理

二つ目の「管理」では、データサーバーを最適化や効率化していきます。適切なデータ管理によってデータベースシステムは動作しているため、日々データベースをアップデートさせていく必要があります。

データベースの運用

三つ目の「運用」では、データベースへのアクセス権利の管理、データのバックアップ、データへの不正侵入の防止、データ流出を防ぐセキュリティ強化など、適切なデータベースの運用が求められます。

データベースエンジニアの最近の動向

日々加速する情報社会化の中で、情報の管理は非常に重要ですが、市場はデータベースエンジニアに何を求めているのでしょうか。データベースエンジニアの近頃の需要、将来性などを見ていきましょう。

データベースエンジニアの需要

データベースエンジニアの仕事はこれまで紹介した通り、莫大なデータ管理を管理するのに必要不可欠な仕事です。しかし、データベースエンジニア専任の求人は減少傾向にあります。 主な理由は2つです。

  • クラウド化
  • ソフトウェアの利便性向上

クラウド化

一つ目の原因として、近年のデータベースのクラウド化が挙げられます。これにより、企業が1からデータベースを構築することが少なくなってきました。つまり、自社でデータベースを管理する「オンプレミス」よりも外部でデータ管理を行う「クラウド」の使用率が上昇しているのです。

ソフトウェアの利便性向上

また、ソフトウェアの利便性向上によりデータベースの管理、運用難易度は下がってきました。これにより、データベースの基礎を抑えている人であれば、ある程度データベースを扱うことが可能になっています。

これら2つの理由から、データベースの取り扱いのみを専任とするデータベースエンジニアの求人は減ってきた、と言えるでしょう。

データベースエンジニアの将来性

データベースエンジニア名目での求人が少なくなっていることは事実ですが、データベースを扱うスキルは依然として需要があります。
データベースエンジニアがIT業界に精通した職業であることは変わらないため、データベースの扱いだけでなく、より活動範囲を広げることが、データベースエンジニアの将来性を高めていくと言えるでしょう。
具体的には、

  • データを駆使した経営戦略のコンサルティング  
  • データ分析をより深めたデータアナリティクス 
  • PythonやR言語などのデータサイエンス領域  

などの分野です。

これらの分野であれば、データベースエンジニアとしての知識を応用できる範囲であるため、多分野への総合的な知識を併せ持った貴重な人材となれるはずです。

これらのことから、データベースエンジニア単体としての需要は減少傾向にある一方で、データベースエンジニアの知識を活かした幅広い知見を持つ人材になることが出来れば、将来性は高い、といえます。

データベースエンジニアの平均的な年収 

厚生労働省が提供する令和4年度のデータによると、日本人の40歳~44歳における平均年収は333.7万円ですが、データベースエンジニアの40歳~44歳の平均年収は649.22万円となります。

よって、日本人全体と比べると、データベースエンジニアは比較的高年収と言えるでしょう。
【参考文献】「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」厚生労働省
データエンジニア-職業詳細」jobtag

データベースエンジニアのやりがい

どのような職業でもやりがいというのはモチベーションに繋がるため、重要視する人はとても多いでしょう。特にそれが転職なら、なおのこと重要です。 そんなデータベースエンジニアの主に挙げられるやりがいは、

  • ITに関しての知識、スキルを習得できる  
  • 利便性向上に貢献できる  
  • 不可欠な人材になれる  

これら3点です。それぞれ見ていきましょう。

ITに関しての知識・スキルを習得できる

まず、現代社会の基礎であるIT分野についての知識、スキルがつくことが挙げられます。
データベースエンジニアの業務領域は、「仕事内容」で紹介したように、データベースの管理、運用を行う下流工程から、データベースの設計、開発の上流工程まで、多岐に渡ります。業務領域が広いため、ITに関する幅広い知見を得ることができる可能性が高いです。そしてこの知見は、更にのちのキャリアアップに繋がっていきます。ITに関する幅広い職業への道が開けていくでしょう。

利便性向上に貢献できる

データベースエンジニアは、企業の持つ情報の管理、運用を行うことが職業です。
適切なデータベースは利用者が即座に必要な情報を引き出せることに繋がるため、企業の利便性向上に大きく貢献します。またこれは業務効率改善にも直結するため、企業経営の観点からみた貢献度も高いといえるでしょう。

不可欠な人材になれる

データベースの専門家はそう多くはいないため、開発プロジェクトになくてはならない存在として、プロジェクトに深くかかわることができます。
また、企業から雇われて入社したデータベースエンジニアなら、先ほど紹介した、「利便性向上、企業経営への貢献」を自社の中で体感できるため、自分自身が組織にとって不可欠であることを身をもって感じられるでしょう。

データベースエンジニアに向いている人

転職の際には、これまで培ってきた経験や年収、業務内容だけでなく、自分自身に転職先の職業の適性があるかどうかを考えることも大切です。

主に挙げられるデータベースエンジニアの適性は3点あります。

  • コミュニケーションを取ることが好きな人  
  • 論理的思考力のある人  
  • 最新技術やトレンドに敏感な人  

以下ではこれら3点の適正について紹介していきます。

コミュニケーションを取ることが好きな人

エンジニアにコミュニケーション能力が求められることを意外に思う人もいるかもしれません。しかし、データベースエンジニアは顧客の要望に合わせて適切なデータベースを構築していく必要があります。また、開発プロジェクトはチームを組んで行うため、周囲とのコミュニケーションが苦にならない人が向いていると言えるでしょう。

論理的思考力のある人

データベースを構築する際、クライアントの要望を汲んでこれを具体化しなければなりません。また、一度構築したデータベースに変更を加えることは非常に難しいこととされています。これらを実現させるためには、「なぜそうなのか」「なぜ変更が必要なのか」などのように、一つ一つの事柄を紐解いていく必要があります。

この変更が必要な点を顧客に話す際にも、事象を構造化し、論理的に伝える必要があります。 これらのことから、データベースエンジニアには論理的思考力が必要だと言えます。

最新技術やトレンドに敏感な人

時代の先端であるIT分野には、日々新しい技術、情報が登場し、トレンドの移り変わりも早いです。それに応じて顧客の求めるものも変わっていきます。これらの「トレンドの流れ」「ニーズの変化」にいち早く気づくことができる人は、データベースエンジニアになったのちの自分自身の市場価値を上げることが他者より得意な可能性は高いでしょう。

データベースエンジニアに転職するには

データベースエンジニアのニーズは高いですが、他のITエンジニアと比べ専門性の高い職業であるため、データベースについて全くの未経験からデータベースエンジニアを目指すことは非常に難易度が高いと言えます。実際、データベースエンジニア採用で「未経験可」で募集している企業はかなり少ないです。

しかし、一つずつステップを踏んでいけば、データベースエンジニアになる道は開けてきます。ここでは2つの方法を紹介していきます。

  • ほかのエンジニアからデータベースエンジニアへ転職する方法  
  • エンジニア未経験からデータベースエンジニアへ転職する方法  

それぞれ見ていきましょう。

ほかのエンジニアからデータベースエンジニアへ転職する方法

まずは、システムエンジニアなどの他のエンジニアとして就職し、業務を通じてデータベースへの知見を深めてからデータベースエンジニアとして転職する方法が、一般的といえます。データベース以外の領域を担当できるデータベースエンジニアが求められているため、有効的な選択肢の一つとして挙げられるでしょう。

エンジニア未経験からデータベースエンジニアへ転職する方法

一方で、「エンジニア未経験だけど今すぐにデータベースエンジニアになりたい!」という人もチャンスは0ではありません。その場合は、後ほど紹介するおすすめの資格などを取得し、企業にITの知識、スキルがあることをアピールすることや、自分自身でデータベースを構築してみて、その過程で得られるデータベース開発経験を積んでいくことなどが有効です。

データベースエンジニアになるために必要なスキル・資格

データベースエンジニアになるためには資格が必須、というわけではありません。しかし、未経験からデータベースエンジニアに転職したいひとや、データベースエンジニアとしてキャリアアップしたい、という人には資格が有効です。
主に挙げられるデータベースエンジニアにおすすめの資格は、

  • ORACLE MASTER  
  • 情報処理技術者試験  
  • OSS-DB技術者認定試験  
  • MCP  

これら4つとなっています。 それでは、それぞれの資格について見ていきましょう。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERは、世界でも高いシェア率のオラクル社製品、「Oracle Database」の知識、技能を認定するベンダー資格です。世界で評価されている製品についての資格なので、世界に向けて自分の持つ能力をアピールできる資格となっています。



情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、独立行政法人である情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格試験です。データベースシステムのみならず、ITエンジニアに精通した資格であるため、IT業界で活躍したい人全般におすすめの資格と言えます。
また、この試験の内訳として基本情報技術者試験、応用情報技術者試験が存在するため、自身の知識量なども考えて受験をすることが可能となっています。

OSS-DB技術者認定試験

OSS-DB技術者認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が実施する、オープンソースデータベース(OSS-DB)についての知識が身についているかを認定する試験です。

MCP

MCPとは、マイクロソフト社が運営する、マイクロソフト製品に関する知識やスキルを認定する資格です。
この資格の内訳は130を超える膨大な数のため、「SQL Server」、 「Azure Data Engineer Associate」、「Customer Data Platform Specialty」などのデータベースエンジニア向けの資格を優先的に取りましょう。

データベースエンジニアのキャリアパスとは 

データベースエンジニアとしての実務経験を積んだ人は、IT業界への幅広い知識だけでなく専門性も兼ね備えているため、キャリアパスも多様なものがあります。
以下ではその代表的なキャリアパスである、

  • プロジェクトマネージャー  
  • ITコンサルタント  
  • データアナリスト  
  • データサイエンティスト  
  • データベースエンジニアの技術を極める  

これら5つについて、紹介していきます。

プロジェクトマネージャー

データベースエンジニアの上流工程まで経験できた人におすすめなのが、このプロジェクトマネージャーです。プロジェクトマネージャーは、チームを統括し、設計、予算管理から人員の決定まで担う、責任の重い仕事です。しかし、データベースの運用などの下流工程だけでなく、設計、開発などの上流工程まで担当した人なら、大規模プロジェクトの中心人物としても活躍できるはずです。

ITコンサルタント

データベースエンジニアなら、データの収集、活用やデータベース構築までの知識があるため、これらについての疑問解消であればお手の物でしょう。また、実務経験を積んできた過程で得た幅広い知識、スキルによって、IT業務全般への有効なアドバイスも行うことができるため、データベースエンジニア経験のある人へおすすめな職業と言えるでしょう。

データアナリスト

データアナリストとは、収集したデータを活用する専門家です。企業の集めた膨大な量のデータを集計、分析し、企業のサービスに役立つデータを企業に提供する仕事です。データベースエンジニアとして情報を運用するためのシステムを作り上げてきた経験を活かせる業務であり、将来性もあると言えます。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、ビッグデータから適切な情報を抽出し、分析する職業です。データアナリストとかなり業務内容が似通っていますが、データアナリストがデータの活用を主軸にしている一方、データサイエンティストはデータの抽出がメインとなっています。

どちらの職業も、データベースエンジニアとしてのデータを扱ってきた経験が活かせる職業であることに変わりはありません。

データベースエンジニアの技術を極める

最後に、現在行っているデータベースの設計、構築、管理、運用の一連の流れを極める道も紹介します。データベースエンジニアのニーズは高い一方で、エンジニアの母数は決して多くはありません。データベースエンジニアの業務内容を極めることで活躍することも含めて考えてみるのもいいでしょう。

まとめ

今回の記事ではデータベースエンジニアの紹介と、転職方法、またデータベースエンジニアになった先に開ける未来までを紹介してきました。
データベースエンジニアになることは決して簡単ではありませんが、適切なプロセスを踏んでいくことによってデータベースエンジニアに転身することは可能です。また、データベースエンジニアとして活躍できた暁には、多くの道が開けています。
ぜひ前向きに、データベースエンジニアに転職することを考えてみてください。

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