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コラム

2024.03.22

Rubyエンジニアの将来性は高い?平均年収や案件例、認定資格まで解説

皆さんはRubyというプログラミング言語を聞いたことはありますか?一般的に、C言語やJava、PHPなどがよく知られていますが、最近ではRubyもその名を知らしめるようになりました。RubyはWeb開発において頻繁に利用されるプログラミング言語の一つです。

本記事では、Rubyに興味をお持ちの方に向けて、

  • Rubyのプログラミング言語としての特徴やメリット
  • Rubyエンジニアの平均年収と案件例
  • 必要なスキルや認定資格について
  • 将来性と需要が高いRubyエンジニアとなるには
について解説します。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

そもそもRubyはどんなプログラミング言語?

”Rubyロゴ” Rubyは、1993年に日本人によって生み出されたプログラミング言語です。主にオブジェクト指向型の特性を持ち、特にWebアプリケーションの開発に広く利用されています。

Rubyを使うことで、Webアプリケーションの開発に必要な機能を効率的に実装することが可能です。

この言語の魅力の一つは、そのシンプルな文法と多くの日本語情報があることです。そのため、他のオブジェクト指向型の言語に慣れている人でも、比較的容易に学習することができます。オブジェクト指向とは、プログラムの設計や実装を、関連するデータや処理手順をオブジェクトとしてまとめる考え方です。

これにより、コードの管理や再利用が容易になります。

Ruby on Railsって何?

Ruby on Rails(通称RoR)は、Rubyプログラミング言語のフレームワークであり、2004年にデンマークのプログラマーによって開発されました。このフレームワークは、アプリケーション開発に必要な基本的な機能や枠組みを提供し、開発工数の削減やコードの統一を実現します。

RoRはエンジニアの間で広く知られ、短いコードでWebアプリケーションを効率的に開発できる特徴を持っています。

Rubyでどんなことができる

RubyはWEBアプリケーションの開発を中心に活用されています。豊富なライブラリと高い汎用性が特徴で、それによってスマホアプリやSNS、WebAPI、スクレイピング、さらには機械学習まで幅広い分野での開発が可能です。

SNSサイトやECサイトに多く使われる

具体的には、SNSの開発にはRuby on Railsが多く利用されています。Ruby on Railsを使うことで、ユーザー登録やログイン、データの管理などの機能を簡単に実装できます。また、WebAPIの開発もRubyで行うことができます。APIを通じて、異なるシステム間でのデータ連携や操作が可能になります。

アプリや機械学習にも

さらに、Rubyを使ったスクレイピングも人気です。Nokogiriというライブラリを使用することで、WEBサイトからの情報取得や整理が簡単に行えます。RubyMotionを利用することで、iOSやAndroidなどの複数のプラットフォームに対応したスマホアプリの開発も可能です。

そして、RubyではPythonのライブラリを利用して機械学習の開発も行えます。PyCallを使うことで、Pythonの豊富な機能をRubyから利用できます。このように、Rubyを使うことでさまざまな分野での開発が可能になります。

Rubyエンジニアの仕事内容

Rubyエンジニアの仕事は多岐にわたります。主な業務としては、Webサイト制作やWebアプリケーション開発、スマホアプリ開発、API開発、スクレイピングなどがあります。近年では、ゲーム開発や機械学習を含めた人工知能開発にもRubyが活用されています。Rubyを用いた開発は、スタートアップ企業やシステムを自社開発する企業、スクラム開発を採用する現場などでの需要が増加しています。

また、これらの開発においては、Ruby on Railsというフレームワークが広く利用されています。そのため、Rubyエンジニアの募集案件には、Ruby on Railsの使用経験を求めるものが多いです。

ECサイト開発

ECサイトの開発においては、決済機能の実装が重要な課題となります。Rubyを用いることで、Solidusなどのパッケージを利用して決済機能を効率的に実装することが可能です。その他にも、基本的なWeb技術の知識やJavaScript、PHP、WordPressなどのスキルも求められます。

社内システム開発

Rubyは社内システムの開発にも適しています。Rubyのスキルだけでなく、PythonやJava、JavaScript、Perl、PHPなど、他のプログラミング言語の知識も求められます。具体的にはRailsを用いた環境構築や、コーディング、テストが該当します。大規模な業務システムの構築にも活用され、安全性やコーディング能力、システム設計の経験が重視されます。

Webアプリ開発

Rubyエンジニアは、Rubyを使用したシステム開発プロジェクトにおいてWebアプリケーションの開発や改修を行います。、Webアプリケーションは、フロントエンドとバックエンドの2つの要素から構成されます。フロントエンドでは、ユーザーに対して画面のデザインや表示を担当し、バックエンドでは、ユーザーのリクエストに応じてデータの処理や操作を行います。

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フロントエンドエンジニアの仕事内容とは?転職に役立つスキルからやりがいまで解説。

プログラミング言語としてRubyを使うメリット

Rubyをプログラミング言語として利用することは、以下のような利点があります。
  • 多様な分野での開発が可能である
  • コストと効率のバランスが良い
  • 学習しやすい
  • 開発工数が削減できる

多様な分野での開発が可能である

Rubyを利用することで、さまざまな分野やサービスのWebアプリケーションを開発できます。SNSやECサイトからソーシャルゲーム、レシピ共有サービス、動画配信サイトまで、Rubyは幅広い用途に適した柔軟性を持っています。

コストと効率のバランス

RubyとRuby on Railsを組み合わせてWeb開発を行うことで、開発の効率を高めることができます。Rubyの利用により、1つのプログラムを作成するのに要する時間を短縮し、それに伴い開発コストを削減できます。

学習のしやすさ

Rubyは他の言語に比べて学習コストが低く、文法がわかりやすい特徴があります。また、日本語の情報が豊富にあるため、初心者でも手軽に学習を進めることができます。

開発工数が削減できる

RubyonRailsを利用することで、開発工数を削減できます。15年以上の実績を持つRubyonRailsは、開発作業の効率化に貢献し、プロジェクトの進行を円滑にします。

平均年収

レバテックによるとインフラエンジニアの平均年収は、500万~800万円となっています。求人によっては月に100万円単価のものもあり、年収1000万円越えが期待できます。 また、paizaが発表したプログラミング言語に関する調査(2023年版)」ではRubyは6位をキープしており人気を保っていることがわかります。

例) 出典:)「「プログラミング言語に関する調査(2023年版)」の結果を発表。平均年収が高い言語、転職で企業ニーズが高い言語など 」paiza

案件例を紹介

では実際の案件例を見ながら単価・業務内容をチェックしていきましょう。
案件名 職種 年収
人事ソフト開発 フロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニア 700,000円/月 
フロントエンドエンジニア サーバーサイドエンジニア 850,000円/月 
新規事業開発 サーバーサイドエンジニア 1,150,000円/月/td>

例1、人事ソフト開発

  • 単価
    700,000円/月   
  • 職種
     フロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニア 
  • 仕事内容
    人事労務ソフトの機能開発、既存人事ソフトの バックエンドとフロントエンド実装
  • 必要なスキル
    ・Ruby on Railsを用いた開発経験、要件定義以降の開発経験、JavaScriptを用いた開発経験  

例2、フリマアプリ開発

  • 単価
    850,000円/月   
  • 職種 
    サーバーサイドエンジニア 
  • 仕事内容
    スニーカーやトレカのフリマアプリ開発
  • 必要なスキル
    ・Goを用いた開発経験、GCPまたはAWSを用いた開発経験、RDBを用いた実務経験

例3、新規事業開発

  • 単価
    1,150,000円/月
  • 職種 
    サーバーサイドエンジニア 
  • 仕事内容
    Web3やNFTなどに関連する新規事業の新規サービス開発
  • 必要なスキル
    ・スマートコントラクトの開発経験、Ruby on Railsを用いたWebバックエンド開発経験

Rubyエンジニアに必要なスキル

では、ここからはRubyエンジニアで仕事をしていく上で必要となるスキルを解説していきます。
  • ITインフラへの理解
  • フロントエンドスキル
  • UI・UXの知識

ITインフラへの理解

Rubyエンジニアには、ITインフラ関する深い理解が不可欠です。現代のウェブ開発では、アプリケーションの動作だけでなく、その裏にあるネットワークやデータベース、サーバーOSインフラストラクチャも重要です。このため、サーバーのセットアップや管理、データベースの基本的な操作、ネットワークの仕組みなど、ITインフラストラクチャの概念に精通している必要があります。また、クラウドサービスの利用やコンテナ技術の理解など、新たな技術の動向にも敏感であることが求められます。

フロントエンドスキル

バックエンドの開発において、Rubyで実装が難しい箇所がある場合、フロントエンド開発が特に重要になります。このため、HTML、CSS、JavaScriptなどの基本的なWebテクノロジーに加えて、フロントエンドフレームワークやライブラリの活用、レスポンシブデザインの考慮など、幅広いスキルが求められます。

UI・UXの知識

Rubyエンジニアは、UI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の基本的な概念について深い理解を持っている必要があります。アプリケーションの成功には、利用者の立場におけるユーザビリティや使いやすさが不可欠です。そのため、サイトの構成や、デザインをはじめとした適切なUIデザインとUX設計が重要です。

このためには、ユーザー調査やテスト、プロトタイピングなどのUI・UX設計プロセスに精通していることが求められます。

認定資格は存在する?

Ruby技術者認定試験とは、Rubyをベースとしたシステムの設計、開発、運用に従事するエンジニアや、Rubyを用いてシステムの提案を行うコンサルタント、Rubyの指導や学習を行う講師、そしてRubyを学ぶ学生など、幅広いフィールドを対象としています。この試験は、Ruby技術者の能力を客観的に評価し、高度なRubyベースのシステム開発能力を認定することを目的としています。

試験レベル:Silver

”Ruby認定資格Silver”

Ruby技術者認定試験のSilverレベルは、Rubyを使用してシステム開発を行う上で必要な基本的な知識とスキルを評価するレベルです。Silverレベルの試験は、Rubyプログラミング言語の文法から基礎的な理解や構文、クラスやオブジェクト指向プログラミングの概念、Rubyのライブラリやフレームワークの使用方法などに焦点を当てています。

試験レベル:Gold

”Ruby認定資格Gold”

Ruby技術者認定試験のGoldレベルは、Silverレベルをクリアしたエンジニアや開発者が、より高度なRubyプログラミングスキルとシステム設計能力を持っていることを証明するレベルです。Goldレベルの試験は、より複雑なプログラミング課題やシステムアーキテクチャの設計、アプリケーション設計におけるクラスやオブジェクトの知識などに焦点を当てています。

Rubyは将来性は低いのか

Rubyに対する将来性への懸念点

Rubyに対しては肯定的な意見も多い一方で、将来性について疑問符がつけられることもあります。その理由として、以下の点が挙げられます。

処理速度の遅さ

Rubyはインタプリタ式の言語であり、コンパイル式の言語に比べて処理速度が遅いという点があります。特に大規模な処理や高負荷なアプリケーションにおいては、処理速度の遅さが問題視されることがあります。

コードの管理の難しさ

Rubyは動的型付け言語であり、コードの統一性や管理が難しいという課題があります。文法が厳密でないため、複数の開発者が関わるプロジェクトではコードの統一性を保つことが難しくなります。これが、プロジェクトの管理や引き継ぎに課題をもたらす可能性があります。

Webアプリケーション開発の選択肢の拡大

LAMP環境の時代から、Webアプリケーション開発における選択肢は増え続けています。Rubyに代わる言語やフレームワークが登場することで、Rubyの将来性に対する疑念が高まる可能性があります。

他言語への代替えの可能性

Rubyの利点である高い生産性や開発スピードは魅力的ですが、同様の特性を持つ言語やフレームワークが登場すれば、Rubyのポジションが揺らぐ可能性があります。技術の進化により、Ruby以外の選択肢がより適切な解決策として浮上する可能性があることも懸念材料となっています。

需要が高いRubyエンジニアとなるには

オープンソースプロジェクトへの貢献

Rubyのコア開発や人気のgem(ライブラリ)のメンテナンスなど、オープンソースプロジェクトへの貢献は、自身のスキル向上だけでなく、他の開発者との交流や知名度の向上にもつながります。

実践的なプロジェクトの経験

独自のプロジェクトやアプリケーションを開発することで、実践的な経験を積みます。実際の課題に対処しながら開発を行うことで、自らの能力を高めるとともに、成果物としてのポートフォリオも充実させることができます。

新しい技術への積極的な取り組み

Rubyエンジニアとしてのスキルだけでなく、関連技術やトレンドにも目を向けましょう。例えば、最新のフロントエンドフレームワークやデータベース技術などを学び、自身の技術スタックを幅広くすることで、より多彩なプロジェクトに参加できる可能性が高まります。

認定試験の取得

Ruby技術者認定試験などの資格取得は、自身の技術力を証明する上で有効な手段です。認定試験の取得によって、自身のスキルを客観的に評価し、需要の高いRubyエンジニアとしての地位を確立することができます。

まとめ

Rubyエンジニアとしてのキャリアを構築するためには、自らのスキルや経験を積極的に高めることが重要です。オープンソースプロジェクトへの参加や実践的なプロジェクトの開発を通じて、技術力を向上させるとともに、新しい技術への理解を深めることが求められます。さらに、認定試験を取得することで、自身のスキルを客観的に評価し、市場での競争力を高めることができます。

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