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コラム

2024.03.22

インフラエンジニアとSIerの違いとは?将来性や仕事内容、企業について解説

近年IT需要の高まりから、エンジニアに関する言葉をよく耳にすることが多いと思います。特にインフラエンジニアやSIerといったワードはよく耳にしているのではないでしょうか?そこで今回はインフラエンジニアとSIerの違い、そしてその詳細について徹底解説していきます。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

インフラエンジニアと SIer(システムインテグレーター)の違いとは?

インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークの設計・構築・運用・保守を担当するエンジニアのことを指します。「インフラ」とは「インフラストラクチャー」の略称で、「基盤」という意味があります。 それに対して、SIerとは「システムインテグレーター」の略でシステムの開発から運用までを行っている企業のことを指します。 インフラエンジニアとはSIer企業の職種の一部で、「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」「クラウドエンジニア」などの職種があります。

インフラエンジニアの概略

ここでは、インフラエンジニアの職種、仕事内容、平均年収について解説していきます。

インフラエンジニアの職種

インフラエンジニアには、「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」「データベースエンジニア」「クラウドエンジニア」「セキュリティエンジニア」などがあります。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの仕事内容は、仕事内容は「上流工程(要件定義、設計、構築)」と「下流工程(運用・保守)」に分けることができます。
要件定義とは、クライアントのニーズをヒアリング・整理し、「要件定義書」にまとめ、そして、そのニーズに合わせて必要となる機能や仕様を明確にし、誰がどの対応を行うかを定めることをいいます。
設計では、ITインフラの性能、構築にかかるコスト、構築にかかる期間を定めます。
構築とは、設計が完了したら、その設計書を元に実際にインフラを構築していくことをいいます。構築段階では、サーバーなどのハードウェアの配置、ネットワーク回線の配置までが含まれます。
運用保守では、リリースしたITインフラが安定して運用できるように保守(管理・監視)を行います。

インフラエンジニアの平均年収

インフラエンジニアの平均年収は約460万円になります。
インフラエンジニアとひとことでいっても様々な職種に分かれており、具体的にはサーバーエンジニアが457.3万円、ネットワークエンジニアが448.3万円、データベースエンジニアが489.2万円になります。全職種の全体平均414万円であるため、平均より高い水準であることが分かります。
【参考文献】「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」doda

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【保存版】インフラエンジニアとは?仕事内容や種類をわかりやすく解説!

SIer(システム インテグレーター)の概略

ここでは、SIerの言葉の定義、仕事内容、分類について解説していきます。

SIer(システムインテグレーター)の言葉の定義

SIer(システム インテグレーター)とは、System Integration (システムインテグレーション) の略称のSIに「~する人」の意味の「er」を合わせた言葉で、情報技術を活用したシステムの開発、導入、保守などの業務を行う企業のことを指します。
1987年、通商産業省によって創設された「システムインテグレーション認定制度」がSIerの発祥となります。この制度により、業務の情報化に関するノウハウを持たない企業が安心して情報化投資を行える環境が整備されました。それまではクライアントの情報システム部門がシステム開発を主導していましたが、1990年代に外部のシステムインテグレーターにアウトソーシングする流れが生まれ、この流れから様々なSIerが誕生し、現在に至っています。

SIer(システム インテグレーター)の仕事内容

SIerの主な仕事内容は以下の5つに分けられます。

システム開発&設計

SIerは、企業や官公庁などからシステム開発の受託を受け、要件定義から設計、テスト、運用までの一連の開発作業を行います。対象となるシステムは業務システム、基幹システム、Webシステム、モバイルアプリなどがあります。

システム運営保守

開発したシステムの運用や保守が主な役割です。システムの監視や不具合の修正、改善提案や実施などが含まれます。

システムインテグレーション

既存のシステムやアプリケーションを組み合わせ、システム全体としての運用を行う場合があります。また、異なるシステム同士を接続し、データのやり取りを行うなど、システム間の連携を担当することもあります。

社内システムの構築

クライアント企業の社内管理システムの構築も重要な仕事の一つです。勤怠管理システムや人事管理システムなど、社内で使用されるシステムの開発が含まれます。そのため、クライアントの業務プロセスや勤務形態に関する知識が必要です。

セキュリティ対策

情報セキュリティ対策の支援も行います。情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを低減するためのシステム構築や運用ルールの策定、監視体制の構築などが含まれます。

SIer(システム インテグレーター)の分類

SIerは一般的には5種類に種類分けられます。それぞれを具体的な企業名も挙げながら解説していきます。
・メーカー系SIer・ユーザー系SIer・独立系SIer・外資系SIer・シンクタンク系

メーカー系SIer

メーカー系SIerとはハードウェアを中心に開発を行う情報機器メーカーが、システム開発部門を独立させた業態を指します。富士通や日立製作所やNECといった企業がメーカー系SIerにあたります。

ユーザー系SIer

IT以外を本業としていた大手企業が、情報システム部門を子会社として独立させた業態を指します。NTTデータや日立ソリューションズや伊藤忠テクノソリューションズがユーザー系SIerにあたります。

独立系SIer

独立系SIerとは独立した経営がなされている企業で特定のベンダーに縛られず、ソフトウェアやハードウェアの観点から、多様な技術を追求している企業を指します。大塚商会やTIS、富士ソフトが独立系SIerに当たります。

シンクタンク系SIer

コンサルティングファームの一部の組織に属していていることが多く、業務分析を含めた上流工程に焦点を当てており、システム開発に携わる企業がシンクタンク系SIerと呼ばれることが多いです。野村総合研究所や日本総合研究所、三菱総合研究所がシンクタンク系SIerと呼ばれます。

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■SIer(システム インテグレーター)について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
SIer(システム インテグレーター)とは?仕事内容や分類、将来性を解説

インフラエンジニアとSIerの将来性について

先述の通り、インフラエンジニアとはSIer企業の職種の一部です。そのため、ここではインフラエンジニアとSIerの将来性について同時に解説していきます。

将来性はある!

近年、リモートワークが進んだことで、ネットワークやサーバー等の社内インフラの利用が低下し、インフラエンジニアの需要も縮小してると思われるかもしれません。しかし、インフラエンジニアやSIer企業の需要・仕事がなくなる可能性は極めて低いです。
コロナ禍の流れからリモートワークが進み、社内ネットワークやサーバーからクラウドに移行していますが、インフラエンジニアとSIerの需要は無くなることはありません。クラウドを利用するためには、クラウド上のサーバーやネットワーク、セキュリティシステムを構築・運用を行う必要があります。
そのため、求められる技術が変わったとしても、インフラエンジニアSIerそのものの需要がなくなる可能性は非常に低いといえます。

IT人材が不足している

経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると言われています。今後もIT需要の拡大が進むと言われており、また労働人口が減少することから需要と供給に大きな差が生まれます。そのため、IT人材が不足することから今後もIT人材の需要は高いでしょう。

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インフラエンジニアの5年後の需要と将来性は?キャリアパス を徹底解説!

インフラエンジニアの勤め先はSIerなのか?

結論、インフラエンジニアの勤め先はSIer企業が多いです。ほかにも一般企業のIT部門で働くインフラエンジニアもいれば、SES会社やフリーランスで働く人もいます。

SIer企業

インフラエンジニアの勤め先で多いのはSIer企業です。大手SIerは開発工程の上流に位置する仕事を受託し、中小SIerは大手から流れてくるプロジェクトに参画することが多いです。大手SIerは要件定義から設計までのプロジェクトの冒頭部分を行い、中小SIerはその後の設計から運用保守を任されることが多いです。
そのため、大手企業に入るか中小企業に入るかで担当する業務が異なってきます。

SES企業

SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略称で、クライアント企業にインフラ環境の構築やソフトウェア・システム開発の技術を提供する企業のことを指します。SES企業でもインフラエンジニアが活躍していています。
SES企業では、所属するエンジニアをクライアント企業に常駐させます。エンジニアは受注先の正社員という扱いであり、色々な企業の文化やスキルを吸収することができます。

一般企業のIT部門

SIerやSES企業の他にも、一般企業のIT部門で働くインフラエンジニアも多くいます。Webサービス・アプリ制作会社などの企業のIT部門だけではなく、金融、インフラ、コンサルなど幅広い企業のIT部門でインフラエンジニアは活躍しています。

まとめ

いかがだったでしょうか?インフラエンジニアとはSIer企業の職種の一部でSIerとインフラエンジニアは近しい関係にあることが分かりました。 どちらも今後のIT業界で重要な役割を担うこと間違いなく、これからIT業界を目指す人にとっては目標にすべき存在なのかもしれません。 ぜひ本記事を参考にインフラエンジニアそしてSIer企業を目指してみてください。

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