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コラム

2024.01.09

[徹底比較]国家資格からベンダー資格までセキュリティエンジニアにおすすめ資格

セキュリティエンジニアが適切な資格を持つことは、現代の複雑で進化するサイバーセキュリティの環境において極めて重要です。セキュリティエンジニアが特定の資格を所有することは、企業や組織において信頼性があり、高度な技術力を有していることを示す手段となります。セキュリティエンジニアの資格には様々な種類がありますが、それぞれが異なる専門領域やスキルを対象としています。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアは、主にコンピュータシステムやネットワークの保護に焦点を当て、その設計、構築、運用、および維持を担当する技術者です。急速に進化する情報技術に対応する彼らの役割は、日々変化するサイバー脅威に対抗するための様々な技術や手法の活用に関連しています。

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃からシステムを守るために常に最新のセキュリティプロトコルやツールを導入し、システムの脆弱性を評価し、定期的な監視を行い、継続的な改善策を検討します。これにより、組織やクライアントのデータや情報を確実に保護し、安全性を確保しています。

セキュリティエンジニアの仕事は、攻撃からの防御だけでなく、データの機密性、可用性、整合性も確保することにも焦点を当てています。業務プロセスやデジタルインフラストラクチャに深い理解を持ち、綿密な計画と実行力を兼ね備えたセキュリティエンジニアは、安全なオンライン環境の構築に向けた不可欠な存在と言えます。

セキュリティエンジニアの仕事内容をおさらい

セキュリティエンジニアの仕事は、主に以下の5つに分類できます。 エンジニア仕事内容

1. セキュリティ対策の計画・立案

セキュリティエンジニアは、まず、システムのセキュリティ上の課題を特定し、その課題を解決するための計画を立案します。このフェーズでは、要件の整理や対象システムの調査・分析、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて、セキュリティ対策の必要性や内容を検討します。この業務において、彼らはしばしば「セキュリティコンサルタント」とも呼ばれます。

2.セキュリティ対策の設計・構築

計画が確定したら、次に、セキュリティ対策の具体的な設計・構築を行います。このフェーズでは、システムが運用される環境や関連情報、ネットワーク、アプリケーションなど広範な知識が必要であり、セキュリティ対策の有効性と実現可能性を検討しながら、適切な設計・構築を行います。

3.セキュリティ対策の実装

設計・構築が完了したら、その内容に基づいて、実際のセキュリティ対策が実装されます。このフェーズでは、ネットワーク機器やOSの設定、アプリケーションの実装などが行われ、セキュリティに焦点を当てた実装が求められます。また、クラウドの普及に伴い、クラウドに関する知識も必要です。

4.セキュリティ対策のテスト

実装されたシステムのセキュリティを確認するため、ハッカーの模擬攻撃などによるテストが行われます。このフェーズでは、潜在的な脆弱性を見つけ出し、それに対する対策を検討します。また、ソースコードの検査も定期的に行います。

5.セキュリティ対策の運用・保守

システムが導入された後は、予定どおりの運用が行われているか、障害が発生していないかなどをモニタリングします。サイバー攻撃への対応策として、システムの継続的なアップデートやセキュリティテストが行われ、常に安全な状態を維持します。また、実際の攻撃に備えて対処策を立てることも彼らの責任です。

【関連記事】
■セキュリティエンジニアについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
セキュリティエンジニアとは?仕事内容や資格から年収まで徹底解説!

セキュリティエンジニアの年収は?

セキュリティエンジニアの給与は多岐にわたり、経験や技術スキル、雇用先の規模などが影響を与えます。例えば、厚生労働省の統計によれば、情報処理・通信業のセキュリティエンジニアの平均年収は516万円であり、これは全産業平均の436万円を上回っています。

初任給は新卒で約300万円~400万円が一般的であり、経験を積むごとに500万円~600万円に上昇することが期待されます。上位のエンジニアでは1,000万円を超えることも珍しくありません。

また、勤務先によっても差があり、大手企業や外資系企業では年収が高い傾向があります。逆に、中小企業やベンチャー企業では年収がやや低めとなります。

セキュリティエンジニアの年収は今後も上昇が見込まれています。サイバー攻撃のリスクが増大する中、セキュリティエンジニアの需要が高まっているためです。スキルや経験を着実に積み重ね、セキュリティの専門家としてキャリアを築けば、高い報酬を期待できるでしょう。

【参考文献】「令和3年賃金構造基本統計調査」厚生労働省

セキュリティエンジニアに必要なスキル

セキュリティエンジニアには幅広いスキルが求められます。以下はその中でも特に重要なスキルです。

1. 技術スキルの習得と実践

セキュリティエンジニアには、ネットワークやシステムに関する高度な技術スキルが求められます。サイバー攻撃への対抗には、ファイアウォールや侵入検知システム(IDS)の設定、脆弱性スキャンツールの利用など、実践的な技術スキルが欠かせません。

日々進化するセキュリティテクノロジーに対応するために、新たな技術を習得し、実際の状況に即した対策を講じることが求められます。

2. 総合的な問題解決能力の発展

セキュリティエンジニアは異なる脅威や攻撃手法に対処するため、総合的な問題解決能力が必要です。複雑なシステム構造を理解し、包括的で効果的な対策を講じるスキルが重要です。

異なる要因を組み合わせて的確な対応策を見つける能力は、セキュリティエンジニアにとって不可欠です。状況に応じた最善の解決策を導き出すために幅広い知識と洞察が求められます。

3. 効果的なコミュニケーション能力

セキュリティエンジニアはクライアントや他のチームメンバーと円滑にコミュニケーションをとる必要があります。技術的な情報を分かりやすく伝え、他のステークホルダーと協力して問題を解決するためには、優れたコミュニケーション能力が欠かせません。

プロジェクトの成功に向けて、異なるバックグラウンドを持つ関係者との円滑な対話が期待されます。コミュニケーション能力を高め、プロフェッショナルな対応が求められます。

4. 法務知識の習得と適用

セキュリティエンジニアはセキュリティ対策が法的規制に適合していることを確認する重要な役割を果たします。個人情報の保護やセキュリティポリシーの整備に関する法務知識を有することで、コンプライアンスを確保し、法的なトラブルを未然に防ぐことができます。

ビジネスの合法性を保ちつつ、セキュリティ対策を進めるためには法務知識が不可欠です。法的な要件を理解し、それに基づいた対策を着実に実施することが求められます。

[国家資格編]セキュリティエンジニアが持っておくと有益な資格

セキュリティエンジニアにとって、国家資格を取得することは高度なスキルや専門知識を証明し、信頼性を向上させる手段となります。以下は、セキュリティエンジニアが持っておくと有益な国家資格の一部です。

1. 情報セキュリティマネジメント

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティのマネジメントや戦略的な側面に関する国家資格です。組織全体の情報セキュリティを担当するポジションに必要なスキルを証明します。合格率は5割強と高く誰もが気軽に取得できる資格です。

2. 基本情報技術者

基本情報技術者試験は、情報技術の基本的な知識やスキルを評価する国家資格です。セキュリティエンジニアにとっても、基礎的なIT知識の獲得が重要です。

3. 応用情報技術者

応用情報技術者試験は、情報技術の実践的なスキルや応用力を評価する国家資格です。セキュリティエンジニアが実務で活躍する上での実践的なスキルを証明します。

4. 情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティに関する専門的な知識とスキルを評価する国家資格です。システム全体の安全性を確保するための計画や実践的なスキルが求められます。

[民間資格編]セキュリティエンジニアが持っておくと有益な資格

セキュリティエンジニアにとって、民間の資格を取得することは専門性を高め、キャリアの発展に寄与します。以下は、セキュリティエンジニアが持っておくと有益な民間資格の一部です。

1. Certified Information Systems Security Professional (CISSP)

CISSPは、情報セキュリティにおける高度な知識と経験を評価する資格であり、広範なセキュリティトピックスにわたる理解が求められます。情報セキュリティのリーダーシップに適しており、セキュリティポリシーの策定やリスクマネジメントなどのスキルが重要です。

2. CEH

CEHは、エシカルハッキングとセキュリティの専門家としてのスキルを認定する資格です。ハッカーの視点からシステムを評価する能力が重視され、セキュリティの脆弱性を見つけ出すスキルを磨くことができます。

3. OSCP(Offensive Security Certified Professional)

OSCP(Offensive Security Certified Professional)は、Offensive Security社が提供するペネトレーションテストの認定試験です。ペネトレーションテストは、システムやネットワークに潜む脆弱性を悪用し、検出可能なセキュリティ上の脆弱性を調査する手法です。 OSCPは、実践的なペネトレーションテストのスキルを測るための試験であり、国際的に権威のあるペネトレーションテストの認定試験として高く評価されています。資格取得者は、セキュリティ分野での実務経験や深い技術的知識を有しており、実際の攻撃状況に対処できる能力を証明しています。

[ベンダー資格編]セキュリティエンジニアが持っておくと有益な資格

セキュリティエンジニアがベンダーが提供する資格を取得することは、特定の技術やプラットフォームにおける専門知識の向上につながります。以下は、ベンダー資格の中でもセキュリティエンジニアにとって有益なものの一部です。

1. Palo Alto Networks Certified Network Security Engineer (PCNSE)

PCNSEは、Palo Alto Networksが提供する資格で、同社のセキュリティプラットフォームに関する高度なスキルを証明します。

2. Certified Information Systems Auditor (CISA)

CISAは、ISACAが提供するベンダー非依存の資格で、情報システムの監査とコントロールに関するスキルを評価します。

3. Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate

Microsoft Azureに焦点を当てたセキュリティエンジニア向けの資格であり、Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associateは、Azureのセキュリティスキルを評価します。

4. Cisco Certified CyberOps Associate

Cisco Certified CyberOps Associateは、サイバーセキュリティの基本的なスキルや知識を認定する資格であり、セキュリティオペレーションの理解が求められます。ネットワークセキュリティにおいて広範なスキルを身につけることができます。

5. CompTIA Security+

CompTIA Security+は、広範なセキュリティトピックスにわたる知識を提供し、ITセキュリティの基本的なスキルを検証する資格です。ネットワークセキュリティやリスク管理など、幅広い領域にわたる基礎的な知識を身につけることができます。

これらの資格を取得することで、セキュリティエンジニアは専門性を高め、業界での競争力を向上させることができます。各資格は異なるスキルセットを要求するため、個々のキャリア目標や興味に合わせて選択することが重要です。

これらのベンダー資格を取得することで、セキュリティエンジニアは特定の技術スタックやプラットフォームにおいて深い専門知識を築くことができ、企業の特定の要件に適したスキルを提供できるようになります。

セキュリティエンジニアにおける資格と実務経験のバランス

セキュリティエンジニアにおいて、資格と実務経験はそれぞれ重要な要素であり、バランスを取ることが求められます。以下に、資格と実務経験の両方が重要な理由を検討します。

1. 資格の重要性

資格は、エンジニアの専門的な知識やスキルを証明する手段として重要です。業界標準のセキュリティ資格を所有することで、特定の技術や手法に関する深い理解があることが示され、信頼性が向上します。また、企業やクライアントがセキュリティスキルを確認しやすくなります。

2. 実務経験の重要性

一方で、資格だけでなく実務経験も同様に重要です。セキュリティエンジニアの仕事は実践的なスキルが求められるため、実際のプロジェクトでの経験が不可欠です。実務経験があることで、問題解決能力やリアルな状況への適応力が向上し、効果的なセキュリティ対策の立案や実施が可能となります。

3. バランスの取り方

最適なエンジニアとしてのスキルを構築するには、資格と実務経験のバランスが必要です。資格を取得する一方で、実際のプロジェクトに積極的に参加し、業務での経験を積むことが重要です。資格が理論的な知識を提供するのに対し、実務経験は現場の課題に対処する実践力を養います。

結局のところ、セキュリティエンジニアにとっては資格と実務経験の両方がキャリアの成長に寄与します。適切なバランスを取りながら、着実にスキルを磨いていくことが求められます。

セキュリティエンジニアは転職できる?

セキュリティエンジニアはその専門性と高いスキルセットから、他の分野へのキャリア転換が有望です。この転換のプロセスをスムーズに進めるためには、以下の点が重要です。

1. 最新技術への適応

セキュリティエンジニアは常に最新の技術や脅威に対応する能力が求められます。転職を視野に入れるなら、最新のセキュリティ技術や業界の変化に敏感になり、それに対応するスキルを磨くことが必要です。

2. アピールポイントの整理

転職に備えて、自身の経験や実績をわかりやすくまとめましょう。職務経歴書やポートフォリオを通じて、セキュリティエンジニアとしての強みや特徴をアピールポイントとして際立たせることが大切です。

3. 人脈の活用

セキュリティエンジニアは専門性を共有できる仲間やプロフェッショナルとのコネクションが重要です。転職活動においては、コミュニティやイベントでの積極的な交流を通じて、新たなチャンスを見つけることが期待されます。

4. 新しいスキルの取得

キャリア転換を考えるなら、新たな分野に挑戦する覚悟が必要です。新しい技術やスキルを積極的に獲得し、自身のスキルセットを多彩に展開することで、異なる業界での展望が広がります。

これらのステップを踏むことで、セキュリティエンジニアは他の分野でのキャリア転換に向けて自信を持ち、成功への道を切り拓くことができます。

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まとめ

セキュリティエンジニアにとって資格は、知識やスキルの向上だけでなく、専門性を証明する手段として重要です。情報処理安全確保支援士やCISSPなどの資格は、企業や組織においてセキュリティエンジニアとしての信頼性を高め、業務の幅を広げる一助となります。資格取得を通じてセキュリティエンジニアは、急速に進化するサイバーセキュリティの世界で競争力を維持し、更なるキャリアの発展を目指すことができます。

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