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コラム

2023.12.21

バックエンドエンジニアの学習方法とは?スキルや言語について徹底解説

エンジニアの中でも「バックエンドエンジニア」という職種はあまり耳にしたことはないかもしれません。彼らはサーバー側における業務を主に担当し、要件定義から保守まで幅広い仕事を担っています。

本記事では、そんなバックエンドエンジニアになるための学習方法やメリットについて解説していきます。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

バックエンドエンジニアとは

バックエンドエンジニアの主要な仕事は、ウェブサービスやアプリケーションの裏側で、システムの要件定義から設計、開発、運用に至るまでの多岐にわたります。 バックエンドエンジニアはデータ処理、保存、サーバーとクライアント間の通信などを担当していて、言い換えれば、ウェブサイトにアクセスし、画面に表示される情報がどのように提供され、処理されるかを管理・運用するのがバックエンドの役割です。

つまり、バックエンドエンジニアの役割は、ユーザーには見えないシステム部分を開発することです。たとえば、ウェブサイトでログインボタンをクリックしてログインできたり、ショッピングカートの商品合計を計算して決済処理を行ったりするシステムを構築します。これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、ウェブサイトの正常な運営を保証します。バックエンドエンジニアは、見えない部分で重要な役割を果たし、ウェブサイトの基盤を支える鍵となる存在です。

バックエンドエンジニアの仕事内容は?

では、バックエンドエンジニアの具体的な仕事内容についてみていきましょう。彼らが行う業務は大きく4つに分類できます。

  • 要件定義
  • システム設計
  • サーバー設計・構築
  • プログラム開発
  • システム運用・保守

要件定義

この段階では、まず顧客の要望が「RFP」(Request For Proposal)という形でまとめられ、システム開発の基盤が築かれます。要件が正確であることを確認し、それを詳細な「要件定義書」に整理します。

システム設計

ここでは、確定した要件をもとに、具体的な機能やコンポーネントの設計が行われます。システム全体の構造や実行環境、そして使用するプログラミング言語やフレームワークの決定されます。

サーバー設計・構築

必要なサーバーのハードウェアを選んで、設計と構築を行います。近年では、クラウドサービスを利用するケースも増えていて、柔軟性が高まっています。Webサーバーやデータベースサーバーなどに必要なミドルウェアのインストールと設定もこの段階で行われます。通常、バックエンドエンジニアがこのインフラ環境に責任を持つことが多いですが、大規模なプロジェクトでは専門のインフラエンジニアが関与することもあります。

プログラム開発

ここでは、確定した要件をもとに、具体的な機能やコンポーネントの設計が行われ設計時に採用されたプログラミング言語を用いて、Webアプリケーションの開発やAPIの実装が進められます。開発環境には既存のフレームワークやライブラリが活用され、プロジェクトの進行スピードを確保します。完成したシステムはテストが実施され、動作が確認されたら本番環境へと移行します。

システム運用・保守

システムがリリースされた後も、安定した運用を維持するため、バックエンドエンジニアが保守業務を担当します。エラー修正や不具合対応、仕様変更などが必要に応じて行われ、システムの改善が継続的に行われます。

フロントエンドエンジニアとの違いは

バックエンドエンジニアと対照的な職種として、「フロントエンドエンジニア」が存在します。 フロントエンドエンジニアの主要な役割は、ユーザーが直接操作する部分、つまり画面のデザインと開発に焦点を当てています。通常、ウェブデザイナーがデザインした画面の構造と外観に基づいて、ユーザビリティを向上させるアプリケーションを構築します。

この職種の主要な開発言語はHTML、CSS、JavaScriptです。フロントエンドエンジニアはデータベースなどのバックエンド側を直接操作することはありません。代わりに、JavaScriptのスキルが非常に重要で、Web開発において必須とされています。

【関連記事】
■フロントエンドエンジニアについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
フロントエンドエンジニアの仕事内容とは?未経験でも転職できるのか徹底解説

バックエンドエンジニアなるためのロードマップ

では、ここから実際にバックエンドエンジニアになるためのロードマップを見ていきましょう。

やること 説明
step1 インターネット インターネットの仕組みやHTTPについて学び、なぜインターネットが動作するかを理解
step2 フロントエンドの知識 基本的なHTML、CSS、JavaScriptの構文を習得し、Webページの作成方法を学ぶ
step3 バージョンコントロールシステム GidHubを取得する
step4 言語 基本的なプログラミング言語(例: HTML、CSS、JavaScript)から始め、構文やデータ型、制御構造、関数などを習得
step5 データベース データベース(例: MySQL、PostgreSQL)の基本的な概念とSQL言語を学びます
step6 APIs JSONAPIsやSOAPなどのAPIの基本を学び、異なるシステム間でのデータ連携方法を理解
step7 セキュリティ知識 HTTP、CORS、コンテンツセキュリティポリシーなど、Webセキュリティの基本を理解し、セキュリティ対策を学び
step8 環境構築 JestやCypressなどのテストツールを使用して、システムのバグを発見し、テストを実行
step9 MessageBroker RabbitMQやKafkaなどのメッセージブローカーを活用して、システム間のメッセージングを学ぶ
step10 仮想環境の利用 Dockerを使用して、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイメントを学習
step11 Webサーバー Apache、CaddyなどのWebサーバーの動作原理とWebソケットの基本を学習
出典:)「Backend developer」roadmap

バックエンドエンジニアに必要なスキル

バックエンドエンジニアに必要なスキルは以下の5つです。
  • プログラミングスキル
  • フロントエンドの理解
  • サーバー設計スキル
  • データベーススキル
  • フロントエンドの理解
  • コミュニケーションスキル

プログラミングスキル

バックエンドエンジニアがコーディングを行う場合、プログラミングスキルは不可欠です。コーディング以外のタスク、たとえばシステムの設計においても、プログラミングスキルは有用です。

プログラミング言語には、共通のコンセプトや知識が存在しますが、各言語の文法や記述方法は違っています。よって、プロジェクトで実際に使用するプログラミング言語を学ぶことが、業務において有益であると言えるでしょう。

フロントエンドの理解

バックエンドエンジニアは通常、ユーザーが直接操作するフロントエンドエンジニアと協力してプロジェクトを進行します。そのため、バックエンドエンジニアもフロントエンドの基本的な知識を持つことが重要です。

バックエンドエンジニアが開発する機能は、フロントエンドエンジニアが作成したユーザーインターフェースの裏側で実行されるため、フロントエンドの動作原理を理解することは必須です。これにより、バックエンドとフロントエンドの連携がスムーズに行え、見当違いな機能の開発や非効率な処理の実装を避けることができます。

サーバー設計スキル

バックエンドエンジニアはサーバーの設計と構築も行うことがあります。ただし、データベース構築とサーバー構築については、「データベースエンジニア」や「サーバーエンジニア」といった専門の職種に分かれることもあります。小規模なプロジェクトでは、バックエンドエンジニアがデータベース構築やサーバー構築を一貫して担当することがあります。したがって、これらの分野の知識を持っていることを把握しておくことが重要です。サーバー構築にはハードウェアの選定から含まれることもあり、プログラミング言語だけでなくハードウェアに関する知識も習得しておくべきです。

データベーススキル

バックエンドエンジニアにとって、データベースの知識とスキルは不可欠です。なぜなら、バックエンドエンジニアは大規模なデータの管理や蓄積を担当することがあり、そのためにはデータベースの構築に関する知識が必要です。

Oracleデータベース、AWS、Microsoft SQL Server、MySQLなど、さまざまなデータベース製品に関する知識が求められます。これらの製品は異なる特徴を持っており、どの製品を重点的に学ぶかを決定する必要があります。特にMicrosoft SQL ServerやAWSは市場でシェアが高いため、これらに焦点を当てることが一般的です。

コミュニケーションスキル

要件定義やシステム設計の際には、クライアントのニーズを把握するためにヒアリングが不可欠です。円滑なコミュニケーションを図り、クライアントの要求を理解し明確にするためには、高いコミュニケーション能力が必要です。

また、バックエンドエンジニアの仕事は通常チームで行われるため、チーム内で意見を共有し合うためにもコミュニケーションスキルは重要です。コミュニケーション能力が不足していると、クライアントの要望と異なる製品を開発したり、チームの協力が難しくなったりする可能性があります。

[5選]バックエンドエンジニアに必要なプログラミング言語

実際にバックエンドエンジニアが使っているプログラミング言語の例は以下のようになります。
  • JavaScript
  • Python
  • SQL
  • Ruby
  • PHP

JavaScript

JavaScriptは、その人気から言えば、他のどのプログラミング言語にも匹敵するものはありません。StackOverflowの調査によれば、最も広く使われているプログラミング言語であり、GitHubでも最も多くのプロジェクトで採用されています。 JavaScriptが広く普及している理由の一つは、フロントエンドとバックエンドの双方で利用できる柔軟性にあります。通常、JavaScriptはブラウザで動作するスクリプト言語として知られていますが、Node.jsという実行環境を使用することで、バックエンド開発にも適用できます。

Python

Pythonは、バックエンドエンジニアにとって不可欠なプログラミング言語です。大手企業の多く、例えばInstagram、Spotify、DropBoxなどがPythonを採用しており、その人気は依然として高まり続けています。GitHubでは、JavaScriptに次いで2番目に多く使用されている言語です。 Pythonは比較的シンプルな構文を持ち、学習しやすく、コードの可読性が高いため、開発者同士のコミュニケーションが円滑です。さまざまなプログラミングスタイルに適応でき、データの視覚化も容易です。

SQL

SQLは1979年に初めて発表され、1986年にはANSI(米国国家規格協会)によって業界標準の言語と認定されました。現在でも変わらずバックエンドエンジニアにとって不可欠な言語です。 SQLの主な用途はデータベース操作であり、ほとんどのウェブサイトでデータベース管理が必要です。バックエンドエンジニアにとって、MySQL、MariaDB、SQLite、PostgreSQLなどのSQLデータベース管理システムの知識は非常に重要です。 特にMySQLのようなオープンソースプラットフォームは、SQLデータベースの学習材料として利用でき、データベース操作のスキル向上に役立ちます。

Ruby

Rubyはオープンソースのスクリプト言語で、開発者にとってシンプルで効率的に使えるように設計されています。その構文は英語に似ているため、学習のハードルは低く、プログラマー同士のコード共有が容易です。Rubyは、PythonやJavaScriptほど広まってはいませんが、バックエンドエンジニアに求められる仕事には依然として使用されています。 Rubyと言えば、Ruby on Railsも一緒に考えることができます。Ruby on Railsは、Rubyで開発されたオープンソースのウェブ開発フレームワークで、高速な開発が可能であり、世界中で35万以上のウェブサイトで採用されています。

PHP

約79%のウェブサイトが、バックエンドでサーバーサイドのプログラミング言語としてPHP(Hypertext Preprocessor)を使用しています。また、WordPressもPHPをベースに構築されています。 一部で「PHPは時代遅れか?」という議論もありますが、実際にはそうではありません。PHPは高速かつパワフルであり、バックエンドのウェブ開発で広く活用されています。他のプログラミング言語、特にPythonに対抗する地位を保っています。

バックエンドエンジニアになるための学習方法

バックエンドエンジニアになるための学習方法はこれらのようなものがあります。

プログラミングスクールへの参加

プログラミングスクールでは、具体的なカリキュラムが用意されており、専門的な知識を体系的に習得できます。明確な学習テーマと進捗計画が設定されているため、初心者でも無理なく進学できます。プログラミングスクールでは、経験豊富な講師から直接指導を受けることができ、疑問点や解決すべき問題について即座に質問できるメリットがあります。また、他の学習者との交流もあるため、共に学ぶ仲間と情報を共有しながら効率的に学習を進めることができます。

SNSの利用

SNSやオンラインコミュニティに参加することで、同じ道を歩む仲間や経験豊富なエンジニアからアドバイスや体験談を聞くことができます。自身のコードを公開してフィードバックを受けることも可能であり、他人のコードを見ることで技術向上や視野の拡大に貢献します

独学

自分のペースで学習を進めることができることであり、初心者でも安心して取り組むことができます。初めてのプログラミング言語学習においては、基本的なプログラミング概念を包括的にカバーした書籍を選ぶことがおすすめです。JavaやPythonなど、主要なバックエンド言語に関する専門書も多数存在します。一冊を入念に読み進めることで、基本的な文法から高度なテクニックまで学ぶことができます。

バックエンドエンジニアを目指すメリットとは

バックエンドエンジニアを目指すと以下のようなメリットがあります。
  • 未経験でも目指せる
  • ライバルが少ない
  • 自由な働き方ができる

未経験でも目指せる

バックエンドエンジニアへの転職は、エンジニア未経験者にもオープンな道です。その理由は、バックエンドエンジニアが扱うプログラミング言語の中に、初心者にとっても理解しやすい言語が存在するためです。例えば、「PHP」と「Ruby」は初学者向けの言語とされ、どちらから学び始めても無理なくスキルを習得できます。特に「Ruby」は日本人にとって学びやすいとされ、エンジニア未経験者にとっても取り組みやすい選択肢です。

ライバルが少ない

バックエンドエンジニアは、同じくWebサイトやWebサーバーの開発に関わるフロントエンドエンジニアに比べて競争相手が少ないです。多くの人が目にするフロントエンドエンジニアとは異なり、バックエンドエンジニアはシステムの裏側を担当し、その仕事内容が一般的には抽象的で認識されにくいため、志望者が少ない傾向があります。

自由な働き方ができる

バックエンドエンジニアとしてのスキルを習得した後、リモートワークや在宅勤務のオプションが広がり、時間に縛られない働き方が可能です。フリーランスとして独立するか、会社員としての副業を選ぶかによって、自身のライフスタイルに合わせた働き方が実現できます。

バックエンドエンジニアの将来性

”ITエンジニア数”

ITの活用がますます重要視される中で、エンジニアの不足が深刻化しています。特に、バックエンドエンジニアに対する需要も高まっており、将来的にもその需要は堅調な見通しです。フロントエンドの開発だけでは完結しづらいアプリケーションが増加しており、バックエンドエンジニアは多岐にわたる領域で不可欠な役割を果たしています。そのため、多様な知識とスキルが求められ、市場での需要も高まっており、キャリアパスが多様性を持っている点が魅力です。

近年、物理サーバー上で複数のOSを実行できる仮想化技術が進化しています。これにより、設置スペースの削減やリソースの効率的な利用など、多くの利点が生まれています。今後ますます普及が進むであろうこの技術に備えて、サーバー仮想化やクラウドに関する知識を習得しておくこともおすすめです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、バックエンドエンジニアの学習方法ついて解説しました。バックエンドエンジニアは多くのスキルが求められますが、将来性も高いため学習すればキャリアアップや収入アップが見込めます。ぜひこの記事で紹介した学習方法を参考に、バックエンドエンジニアとしてのキャリアを積みましょう。

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