市場動向レポート

2022年上半期も、随所で引き続きコロナ禍の影響が残るものの、多くの業界で求人数(案件数)の回復がみられます。特に、コロナ禍により減員の傾向がみられた職種も大きく回復しており、企業の投資、人材採用の動きが活発化しています。エンジニアのみなさまの今後のキャリアプラン検討の参考にしていただくため、以下に、2021年上半期と2022年上半期の案件状況を比較・調査しました。

  • 調査対象:パーソルクロステクノロジーの求人情報
  • 調査期間:2021年1月1日~2021年6月30日、2022年1月1日~2022年6月30日

【2022年8月】IT系エンジニアの市場動向
(開発*1、ネットワーク・サーバー、サポート*2、Webクリエイティブ*3

※1 開発は、システム開発やアプリ開発が含まれます
※2 サポートは、テクニカルサポート、ヘルプデスクが含まれます
※3 Webクリエイティブは、デザイナー、コーダー、ディレクター、プランナー、マーケターが含まれます

2022年は開発エンジニア・インフラエンジニアの需要は高止まりで推移

職種別 2021年・2022年の求人数増減比

▲【グラフ1】職種別 2021年・2022年の求人数増減比

職種別 平均時給(2021年・2022年比)と最低時給~最高時給(2022年)

▲【グラフ2】職種別 平均時給(2021年・2022年比)と最低時給~最高時給(2022年)

2021年上半期、前年のコロナ禍での一時的な需要減からいち早く回復した開発エンジニア・インフラエンジニアは、2022年上半期も案件数は引き続き増加しています。また、テクニカルサポート・ヘルプデスクはより大きく増加しました。社内SEの募集も伸びています。このことから、コロナ禍での一時的な減員が見られたポジションの補充が進められていることがうかがえます。

また、2021年は前年比で案件減少がみられたWebクリエイターも、2022年上半期は案件数回復に転じています。各社の宣伝広告まわりの投資が回復し、広告・マーケティング業務の伸びが堅調です。

平均時給は全体で2%~4%の上昇が見られ、本格的な需要回復による売り手市場の様相となっています。

SQLなどデータサイエンス分野の需要増

言語別  2022年の求人数

▲【グラフ1】言語別 2022年の求人数

言語別 平均時給と最低時給~最高時給(2022年)

▲【グラフ2】言語別 平均時給と最低時給~最高時給(2022年)

開発言語別では、SQLを使用する案件が大幅に増加しました。業界を問わずデータサイエンス分野、DX分野への投資が進んでいることが伺え、今後も引き続きエンジニアの需要が見込まれます。TableauなどBIツールを使用したデータ分析・可視化業務や、BIツールの導入支援業務の伸びも顕著です。

言語別平均時給額は各言語で1%~4%上昇、Python、Java、SQLについては最高時給額が6000円以上となっており、データサイエンス・AI関連におけるハイスキル人材の需要が引き続き高くなっています。

リモートワーク可能な案件がさらに増加

2020年~2022年のリモートワーク求人数増減比

▲2020年~2022年のリモートワーク求人数増減比

コロナ禍の影響により、2020年以降飛躍的に増加したリモートワークが可能な案件は、関東を中心に引き続き増加傾向にあります。

関東では、開発エンジニア・インフラエンジニア・Webクリエイター・テクニカルサポート・ヘルプデスクなどほぼすべての職種で、2022年も増加しています。一方で関西・東海では、2020年~2021年で飛躍的に増加したものの、2022年上半期は前年度比では横ばいの推移になっています。