市場動向レポート

2021年も、引き続き新型コロナウィルスの影響を受けていることが各業界・業種の随所で見られます。職種によっては少しずつ回復傾向の兆しが見えていますが、2019年のような状況には戻っておらず、人も物も動きが鈍化している市場を鑑みて、2年後3年後を見据えたキャリアの構築をより見極める必要がありそうです。今回は、コロナ禍がどう影響しているのか、2020年上半期と2021年上半期を比較して、求人がどのように変化してきているのかを調査いたしました。

  • 調査対象:パーソルテクノロジースタッフの求人情報
  • 調査期間:2020年1月1日~2020年6月30日、2021年1月1日~2021年6月30日

【2021年8月】IT系エンジニアの市場動向
(開発*1、ネットワーク・サーバー、サポート*2、Webクリエイティブ*3

※1 開発は、システム開発やアプリ開発が含まれます
※2 サポートは、テクニカルサポート、ヘルプデスクが含まれます
※3 Webクリエイティブは、デザイナー、コーダー、ディレクター、プランナー、マーケターが含まれます

2021年は、上流ポジションを中心に求人数が回復傾向

職種別 2020年と2021年の求人数増減比

▲【グラフ1】職種別 2020年と2021年の求人数増減比

職種別 平均時給(2021年・2020年比)と最低時給~最高時給(2021年)

▲【グラフ2】職種別 平均時給(2021年・2020年比)と最低時給~最高時給(2021年)

職種別に求人数の増減を見てみると、2020年に比べると増加傾向にあり、コロナによる一時的な歪は回復の兆しが見て取れます。とくに開発領域においては、2020年コロナによる開発計画のペンディングもありましたが、2021年4月に入り、大幅に回復しています。

開発同様、インフラも2020年比で求人数が増えています。セキュリティニーズの増加によりAWSなどクラウド案件が増加しました。加えて、各社ITリテラシーの向上もあり、もともとヘルプデスクやテクニカルサポートで募集されていたポジションに対する要求レベルが上昇し、インフラのスキルを求められるケースが出てきたことも理由と考えられます。

ほか、Webクリエイティブ領域においては、イベントや広告の戻りが悪いため回復幅も大きくありません。また、特徴としては自社内作業への切り替えから運用・更新案件の発注が減少しています。テスターなどの評価領域についても、開発遅延だけではなく新たなツール導入が加速しているため、今後も低迷するとみられます。

ReactやVueなどJavaScriptのフレームワークが伸長

言語別 2020年と2021年の求人数増減比

▲【グラフ1】言語別 2020年と2021年の求人数増減比

言語別 平均時給(2021年・2020年比)と最低時給~最高時給(2021年)

▲【グラフ2】言語別 平均時給(2021年・2020年比)と最低時給~最高時給(2021年)

言語別では、2020年に引き続きPythonが増加しています。数値計算や統計量解析のライブラリが豊富にあるため、AI(人工知能)開発やデータサイエンスの領域で使われることが多いですが、景気減速に伴い、活況だった投資としてのAI・機会学習市場は縮小しています。データ分析分野では、Pythonスキル習得者が市場で増加しており、やや人材過多の状況のため、ニーズは今後の景気に左右されるとみられます。

もう一つ注目しておきたいのが、ReactやVueなどのJavaScriptのフレームワークです。独自のルールや規格が少なく、シンプルかつ部分的アプリに採用できるVueは、日本語ドキュメントが充実していることもあり、海外では圧倒的な人気を誇るReactに次いで当社の求人数が多いフレームワークです。
また、Nodeがバックエンド開発にも対応できいるようになってきたことで、JavaScriptの活用幅が増えるシーンは確実に増えてきています。

Webクリエイター・サポート領域は応募率が高い

2020年の職種別応募率(関東・関西・東海)

▲2020年の職種別応募率(関東・関西・東海)

職種別にみると、Webクリエイター・サポート領域については、1件あたり5人以上の応募がある求人の割合が多く、求職活動において、就業決定までに複数求人への応募が必須といえます。一方で、応募集中が低くみえる開発・インフラ領域については、2019年比では集中度合が上昇しており、求職者数と求人数のバランスに変化が出ました。エンジニアの有効求人倍率は高止まりが続いていますが、一定のスキルやエリアによっては、競争が激化しています。

当社では、ご希望に応じたお仕事探しをしていますが、日々求人への応募は進行しているため、ご興味に合う求人があれば、ぜひ応募されることをお勧めします。