市場動向レポート

2020年は、コロナ禍でエンジニアのはたらき方や求人の流れも、短いスパンで目まぐるしく変わる一年でした。緊急事態宣言から始まった2021年、今まで以上に市場の流れを踏まえてどう自身のキャリアを考えていくべきか、昨年比で職種・言語別に求人数や時給がどのように変化したのか調査いたしました。

  • 調査対象:パーソルテクノロジースタッフの求人情報
  • 調査期間:2019年1月1日~2020年12月31日

IT系エンジニアの市場動向
(開発*1、ネットワーク・サーバー、サポート*2、Webクリエイティブ*3

※1 開発は、システム開発やアプリ開発が含まれます
※2 サポートは、テクニカルサポート、ヘルプデスクが含まれます
※3 Webクリエイティブは、デザイナー、コーダー、ディレクター、プランナー、マーケターが含まれます

コロナ禍で全職種の求人数は減少。減少幅は職種毎に差がある

2019年と2020年の職種別求人数増減比

▲2019年と2020年の職種別求人数増減比

コロナによる市況変化に連動し、全職種で減少がみられました。Webクリエイティブが最も減少幅が大きく、イベントなどの縮小により、簡易ページの更新やページ制作を社員でカバーできるケースが増えてきたことで、大手企業を中心に求人数は減少しました。また、インフラにおいては減少幅が小さく、もともと景気変動を受けにくいことに加え、リモートワークの加速によりインフラ強化が急がれたことも背景にあるとみられます。

開発においては、リモートワーク求人は昨年比大幅増加した一方で、教育のしづらさから未経験や微経験求人が減少し、経験重視の求人割合が増えています。

求人数は減少も、全職種で平均時給は上昇傾向

職種別 2019年と2020年の求人数増減比

▲【グラフ1】職種別 2019年と2020年の求人数増減比

職種別 平均時給と最低時給~最高時給(2020年)

▲【グラフ2】職種別 平均時給と最低時給~最高時給(2020年)

全職種で平均時給は昨年比で上昇しており、特に開発で時給の上昇幅が大きくなっています。市況変化により、求人量が減少する中でも引き続きエンジニア需要は高く、時給の上昇が進んでいます。

また、グラフ2にみられるように、サポートやWebクリエイティブ領域では最低時給から最高時給の幅が2000円も開きがある一方、開発・インフラでは時給幅が5000円と職種により差がみられます。開発・インフラはレイヤーによって要求されるスキルに幅があることに加え、リモートワークが進んだことで遠隔でも滞りなく業務が進められるよう、担当ポジションのやや上流の知見が優遇されたり経験幅を広く求められたりといった点も時給を押し上げる要因の一つになっています。

●Tips
リモートワーク求人の特徴として、コミュニケーション不足により問題が発生する事案が増えてきていることから、困ったときに自発的に相談できる、業務進捗を報告する、などの業務姿勢についても今まで以上に目を向けられています。

機電系エンジニアの市場動向
(機械、電気、組込み)

自動車メーカーを中心に全職種で減少

コロナによる市況変化に連動し全職種で求人量は減少しています。とくに、もともとのボリューム層である設計・CADオペレーターの求人数が減ったことで、機械・電気領域の減少幅が顕著になっています。特に、自動車および自動車関連メーカーが昨対比で大きく減少しています。一方で、パソコンやスマートフォン、ゲームなどの民生用需要増により、産業機器や半導体は小さい下げ幅に留まりました。2021年は自動車メーカーで回復の兆しが見られ、関連メーカーも徐々に回復すると予測されます。 また、設備設計やフィールドエンジニアは、市況の影響を受けず求人量に大きな変化はみられませんでした。

平均時給は全職種で減少。厳選採用化が加速

職種別 2019年と2020年の求人数増減比

▲【グラフ1】職種別 2019年と2020年の求人数増減比

職種別 平均時給と最低時給~最高時給(2020年)

▲【グラフ2】職種別 平均時給と最低時給~最高時給(2020年)

機械と組込みにおいては最低時給から最高時給の幅が大きく、最高時給が5000円以上の高額求人も存在します。業務のレイヤーが広いことを前提として、英語やプロジェクトマネマネジメントなど技術経験+αを求める求人の時給が高くなる傾向にあります。また、近年は、画像処理や5G関連の需要増加により、知見の有無で時給額にも差がみられます。

また、職種問わず全体的な特徴として、製品歴やツール歴など求人と同じ経験を求められるケースが増え、他製品へのチャレンジがさらにしづらくなっており、これまで以上に厳選採用化の傾向が強まっています。

●Tips
機械・電気系はセキュリティポリシー上の情報取り扱いの問題や設計・解析ツールの利用に耐えうる高性能PCを使用できる場所が限られることなどが障壁となっており、リモートワーク化はあまり進んでいません。