今日の空模様が枕元ですぐわかる。「tempescope」が生み出すエンジニア的天気の演出法とは

ソフトウェアエンジニアやクリエイターとして知られる河本健氏をリーダーのチームで開発をした天気予報デバイスtempescope。専用のスマートフォンアプリで指定した世界中の天気情報と連動し、小さな箱の中にさまざまな気象情報を再現することができます。今回は、そのガジェット内に使用されているテクノロジーを中心に紹介していきます。

雨や曇りすらも美しいと思える「tempescope」の佇まい

その日の天気予報が雨だとしたら、透明なケースの中も雨が降る。曇りなら中に雲が出現し、晴れてきたら明るさが増し光輝きます。お出かけ前に一目tempescopeを見るだけで、天気が確認できるほか、枕元に置いておけば、朝起きてすぐにその日の服装や傘などの荷物を決められます。

使われているテクノロジーは、意外にもシンプルだった

本体には Bluetooth 機能を搭載し、専用のスマートフォンアプリで設定した場所の天気まで晴天・曇り・雨・雷の範囲で再現できます。その便利で美しい機能を支えているテクノロジーに注目してみましょう。

雨を降らせる仕組みを体現する「Rain tube」

本体上部から垂直に伸びるパイプが、下段に隠されている貯水池から水を汲み取ることで、中段部分に透明の空間が生まれています。tempescopeの中身が唯一見える箇所であり、このパイプこそが本体上部で小さな雫を作り出し、雨粒を再現する立役者となります。もはやここだけを見ると、ITテクノロジーというよりも電子工作に近いかもしれません。

雨・霧・雲など水を扱う技術が詰まった「Reservoir」

下段に収納されている貯水池には雨と雲を作る水が溜まっており、ウォーターポンプと霧のディフューザー(拡散装置)と外から風を取り入れる扇風機を設置。霧のディフューザーは貯水池の水を使って霧を生み出し、扇風機がそれを絶妙な風圧と風量で雲に変えていきます。

箱庭の中の電気回路を集約した「Control Box」

本体下段に貯水池といっしょに収納されているコントロールボックスには、すべての電気製品や回路が集まっているため、絶対に水のかからないよう何重にも防水シールでガードされています。回路で満たされた24VのDC入力は、霧のディフューザーを動かし、24Vの電圧は12Vに落とされてウォーターポンプに到着、それからマイクロプロセッサに5Vで届く。加えて、Bluetooth LE module がiOS機器からの制御命令を受け取り、システムを起動させるという役割を担っています。

国内でも海外でも!日本発テクノロジーのSNSでの盛り上がりを検証

tempescopeは、海外のクラウドファンディングサイトで人気を集めた製品であるため、世界での反応も非常に多く見受けられました。まさに日本のテクノロジーが国外で認められた証拠です。そのエンジニアが海を超えて活躍する様子を、Twitterの反応をもとに検証していきましょう。

“Tempescope”は、人生に天気予報をもたらす。文字通りすごい装置だよ!

机の上で天気予報の3Dシミュレーションを見せてくれる(”Tempescope”は)なんてハイテクな装置なんだ!

“Tempescope”は本当に面白い!”Tech”には全然見えないのに、インターネットと繋がってるんだよね。

テクノロジーを支える発想力。それがエンジニアの未来につながる

雨がしとしと降る様子や、もくもくと現れる雲など、これこそ昔から空模様に風流心を感じてきた日本人ならではの発想力なのではないでしょうか。このプロダクトを通して感じる遊び心が、世界中に人に愛されている理由だとも思います。 忙しい朝がちょっと楽しくなる、子どもが天気を好きになる、などこうしたテクノロジーを支える発想力は、エンジニアとしての未来につながることをこのプロダクトを通して感じられたのではないでしょうか。

出典:

http://www.tempescope.com/

https://github.com/kenkawakenkenke/tempescope/wiki/Make-a-Tempescope

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