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車いすなんてもう言わない!?最新技術を駆使した超福祉機器モビリティはここまで進化していた!【福祉×テクノロジー】

みなさんは「車いす」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

いま、車いすは最新技術を搭載し、性能が大きく向上しているため、福祉用具から「モビリティ」へと進化を遂げ、利用者の可能性を大きく広げています。

今回は、2015年11月11日から11月16日まで渋谷ヒカリエと渋谷の街中で開催された『2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展』で展示された車いすの中で、最新テクノロジーを搭載した超福祉機器モビリティを紹介します。

乗り心地とデザイン性を両立させた今話題のモビリティ WHILL Model A

これまで電動車いすのデザインといえば、どこか扱いづらく重い印象を与えていました。

2015年グッドデザイン大賞を受賞したWHILL株式会社の「WHILL Model A」は、いままでの電動車いすのイメージとは大きく違うスマートなデザインの車いすです。

7.5cmの段差をモノともしない走行性を備え、直感的に操作をすることができるインターフェイスを搭載。また、「WHILL」とスマートフォンをBluetoothで接続することで、リモートコントロールを可能にしています。

「WHILL」は、従来の車いすユーザーはもちろん、健常者も乗りたいと思えるデザインと操作性の良さはダンスパフォーマンスに使われるほど、従来の電動車いすにはない魅力があります。

東京五輪での実用化をめざすセグウェイ社の力作 GENNY2.0

「GENNY2.0」は「WHILL」と同様にスタイリッシュなデザインが特徴。開発したのは、電動立ち乗り二輪車でお馴染みのセグウェイ社。

セグウェイのノウハウが詰め込まれた「GENNY2.0」の大きな特徴は2輪であること。2輪にすることで、「段差のある場所でも問題なく進む」「小回りのある動きをする」といったことができるので、ユーザーの行動に幅が広がります。

現在、「GENNY2.0」は日本未発売ですが、2020年の東京オリンピックでの導入を目指し、茨城県つくば市のロボット特区にて実験・検証を進めています。

音を奏でながら軽い力で進む &Y01

ヤマハの「&Y(アンディ)01」は、まるでヨットのような帆がついた独創的なデザインと、ヤマハらしく「音を奏でる電動アシスト車いす」として、車輪部分にはドラムがついているので、音楽を演奏することができます。

「&Y01」の帆の部分は「TLFスピーカー」と呼ばれるスピーカーになっていて、たった1.5mmの厚さながら、全面からまっすぐに音が出て、遠くまで届くように開発されているため、「車いすで音楽を演奏する」ということに強くフォーカスしています。

「音を奏でる」ということに特化しているわけではなく、「JWスウィング」というハンドルリムを漕ぐ際にモーターでアシストするため軽い力で前に進むことができます。

音楽のヤマハとヤマハ発動機の共同開発らしく、車いすに新たな価値観を付与しながら、より人に優しい車いすに仕上がっているのではないでしょうか。

旅行やレジャーの時に活躍する折りたたみ式 Luggie

「Luggie」は、車いすではなくシニアカーという位置づけですが、これまでの電動アシストシニアカーとは違い小型化されているのが最大の特徴。

小型というだけでなく、約20秒でスーツケース(42cm×45cm)ほどのサイズに折りたたむことが可能です。


▲イベント会場にて、実際に折りたたみの実演をしてもらいました。

「Luggie」の登場で、これまで住宅や取り回しの事情でシニアカーの導入を断念していた世帯でも扱うことが可能。小型のボディーでありながら、5時間のフル充電で18kmの連続走行、最高速度は5km/hと基本的な性能を持ち合わせています。

世界29カ国で愛用されている「Luggie」は、近所への買い物はもちろん、旅行やレジャーの時でも活躍してくれる電動カートです。

ネガティブな固定概念を変えるツール 車椅子DJ

車いすは、移動手段として利用されてきましたが、「車椅子DJ」は楽器として車いすを使うという発想で開発されました。

車いすのタイヤはDJのターンテーブルに似ていることから、タイヤに加速度センサーを搭載。タイヤが前に回転すると音楽が順再生され、後ろに回転すると逆再生、漕ぐ速さで再生速度変えます。

さらに、横の動きを感知すると、スクラッチ音が流れるなど、乗り物としての車いすといしよりも、演奏をする道具としての役割が強くなっています。

車椅子DJについて超人スポーツ協会の武田さんは、こう語ります。

車いすは、「足の悪い人が乗る」というネガティブなイメージがありましたが、この固定概念を変えるツールとして「車椅子DJ」を使いたいと思い、車いすダンサーに車椅子DJを使ってもらい、健常者の人と一緒にダンスをするという取り組みを行っています。

今後の課題としては、現在音楽の選択は1曲のみなので、実際のターンテーブルと同様に2曲を選択してミックスできるようにバージョンアップをしていき、実際にクラブで演奏ができるように「車いすで演奏するDJ」ができればいいと話します。

車椅子DJは、簡単な演奏なら練習をしなくてもできるようになりますが、より高度な演奏をしたい場合は技術が必要になり、動きは激しくなります。

DJができる車いすによって、新たな音楽やパフォーマンスの形が生まれてくるかもしれません。

これからは福祉の分野で、エンジニアのスキルが活かされる時代へ

今回紹介した車いすの事例のように、福祉の分野にも最先端のテクノロジーを使った事例が増えています。

エンジニアによる最新技術を搭載し、性能を大きく向上させた「モビリティ」は、今後ますます利用者の可能性を広げるだけでなく、エンジニアやクリエーター自身の専門的なスキルとテクノロジーの可能性が試される場を創出してくれるはずです。

『2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展』で展示された車いすは、ほんの一部です。これからも、より多くの人が快適に過ごすために開発された福祉機器に目が離せません。

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