プロダクト

人感センサで大切な人を見守る「with U」を開発!株式会社MountainGorillaのものづくりへの挑戦

人が通ったことをネットワーク経由でリアルタイムに伝え、スマホやタブレットで確認できる人感センサ「with U」。最新テクノロジーと開発者の温かな想いが生み出したこのプロダクトは、私たちの未来を優しく照らしてくれるものでした。

このプロダクトを開発したのは、大阪・名古屋を中心に情報通信機器と技術者のアウトソーシングを両立するモノづくりの総合カンパニー「株式会社MountainGorilla(マウンテン・ゴリラ)」。

with U」は、どのような魅力を持つプロダクトなのでしょうか?また、どのような想いのもとで開発されたのでしょうか?製品としての魅力、そしてこれからの展望について詳しく伺いました。

人感センサシステム「with U」とは?

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ティッシュ箱ほどの大きさの四角い箱、こちらが人感センサ検知システム「with U」です。木目調で温かみのあるルックスは一見するとインテリアのようですが、玄関などに設置して起動させると、人が通過したことで生じる空間の赤外線量変化を感知。その情報が、あらかじめ登録したスマホやタブレットにリアルタイムで通知されます。

まずは、開発を担当した株式会社Mountain Gorilla代表取締役社長、井口一輝さんに開発のきっかけや想いについて伺いました。

離れていても大切な人を見守れるプロダクトを

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井口さんは、なぜこのようなサービスを開発したのでしょうか?
そこには、当時井口さん家族が抱えていた、ある悩みを解消したいという想いがあったといいます。

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「数年前、祖母が認知症になり、ひとりで外を徘徊したりして家族が大変な想いをしていたんです。私は当時自動車業界にいて、赤外線センサを使ったシステムの開発に携わっていました。そこで、その技術や知識を生かして離れたところから大切な人を見守れるサービスをつくりたいと考えたんです。」

身近にあるニーズに対して、既存のシステムを利用するのではなく自分でベストなものをつくろう。
家族への想いとエンジニアとしてのプライドが原動力となり、人感センサ使って人を見守るwith Uが生まれました。

現在、with Uは認知症のお年寄りが暮らす介護施設や老人ホームで入居者の安全を守るために利用されています。入居者がひとりで外を徘徊し、事故に巻き込まれたり行方不明になったりするのを防ぐことができるほか、職員の負担を軽減することにも役立っています。

また、with Uには人を感知するだけでなく、検出記録を一覧で確認できる機能が搭載されています。この機能は、介護施設や老人ホームで利用できるのはもちろん、来場者カウントやセキュリティシステムとしても効果を発揮します。

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▲イベント時の来場カウンタとして。何時何分に人が出入りしたのか、一覧でチェックが可能。

例えば商店街の複数の店舗にwith Uを設置し、どこの店にどの時間帯にどのくらいの人が出入りしているのかを集計することができます。これまでは人を雇って行っていたカウント作業をこのシステムで行うことで、大幅な業務の効率化や人件費削減に繫がるはずと井口さん。

with Uは、見守り意外にも、さまざまな悩みや負担を解消するポテンシャルを秘めています。介護施設を中心に利用が進んでいますが、商店街、イベント会場、マンションなど、今後私たちにとって身近な場所でもwith Uを目にすることになるのかもしれません。

高齢者の見守り、来場者カウンタ、セキュリティなど、さまざまな魅力を持つwith U。
ソフト・ハードともに自社開発だというこの製品は、どのようにして生み出されたのでしょうか?
続いて、with U開発の裏側に迫ります。

システム設計から製品組み立てまで、自社で一貫して製造

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▲with Uの内部システム。自社でハード・ソフトを独自に開発

井口さんがwith Uの開発に本格的に乗り出したのは、2014年の夏のこと。それから約1年で製品を完成させました。開発に携わったのは、井口さんを含めて3名のエンジニア。システムの設計から製品の組み立てに至るまで、すべてを自社で行いました。

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▲ハードの製造シーン。ひとつひとつの部品を手作業ではんだ付けしている

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▲with U本体の会社ロゴは、レーザーカッターで刻印

ひとつひとつ手作業で試行錯誤しながらハードとソフトをつくり上げて行ったと井口さん。その中でも、最も大変だったのは「人感センサの調整作業」

“人がwith Uのそばにいるとき”ではなく“人がwith Uの前を通過したとき”にだけセンサを検知させる必要があるため、トライ&エラーを繰り返し、センサを何度も調整しながら最適化させていったといいます。度重なる試作を経て、with Uは細かな人の動きを正確に検知することに成功。また、センサの感知可能範囲は4mにまで広がりました。

今後の目標として、「もっともっとみなさんにwith Uの良さをわかっていただいて、もっと製品を売っていきたい。」とのこと。また、現在with Uは事業者向けの販売のみとなっていますが、今後は一般家庭向けにも販売できるようにしていきたいといいます。

「IT技術はあくまで手段」と語る井口さん。
テクノロジーで身近にある負担や悩みを解消したwith Uは、そんな井口さんのスタンスが強く反映されたプロダクトだといえるでしょう。

“手段としてのIT”を。株式会社Mountain Gorillaの挑戦と展望

現在、株式会社Mountain Gorillaでは、with Uのほかにも注力しているサービスがあります。
それが「小さく産んで大きく育てる」というコンセプトを持つ、中小企業や町工場向けのオーダーメイドITシステム「Pro-Manager」です。

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このシステムには、ものづくりに長く携わってきた井口さんの「日本の製造業を盛り上げたい」という想いが反映されています。

「いまや大企業ではペーパーレス化が進んでほとんどの業務をシステムで管理していますが、中小企業や町工場ではいまだに在庫管理や事務処理を手書きの帳簿に付けていて、それが何年分にもわたって大量に溜まっていることがあります。これでは必要なときに必要なデータが探すことができません。そこで、こういった中小企業や町工場に、“手書きの帳簿はやめて管理システムを入れたタブレットを導入し、そこにデータを入力しましょう”という企画提案をしています」

井口さんは、クライアントの現状を把握し、問題点を洗い出した上で必要なシステムをオーダーメイドで作成しているとのこと

例えば、ある昔ながらの工場のために作ったタブレットシステムでは、材料を管理する画面の文字入力キーがとても大きく配置されています。また、「delete」の代わりに「消す」というキーも。この理由は、この工場にはパソコンやタブレットに不慣れな高齢の従業員が多いからだと井口さん。

クライアントに寄り添い、相手にとって本当に必要とするシステムを精査し、一緒につくり上げる。
このようなスタンスから、井口さんの思い描く理想のエンジニア像、IT技術と社会のあり方が垣間見えます。

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「IT技術って絶対役立つものですが、中小企業や町工場の現場感覚ではなかなか便利さってわからないんですよね。いくらすごいIT技術でも、それを使ったときの景色が見えないものって買ってもらえない。だから、例えば人感センサとかIOT化とかAI化とか、そういった付加価値の高い技術をいきなり提案してもなかなか響かないんです。最初は身近なところから段階的にIT技術を導入して、企業の成長とともにIT技術も成長させる。それが “小さく産んで大きく育てる”というコンセプトにつながっています」

ビジネスとして考えれば、画一的なソフトやアプリを開発して販売したほうが効率的なのは明白です。しかし、井口さんはあえてそうはせず、相手に寄り添いながらIT技術をコーディネートしていく方法を採っています。

「IT技術は手段でしかないですから。システムを入れても経営を伸ばすことにならなかったら意味がありません。だから、お客さんに合わせて最適なITプランをコーディネートしていく。これから会社が大きくなっても、僕はずっとそんなやり方をしていきたいですね」

日々飛躍的に進化するテクノロジーは、ときに現実の私たちを追い越し、限られた一部の人の特権となってしまいます。しかし、本来テクノロジーは、悩みや負担を解消するためにこそ必要とされるもの。with UやPro-Managerは、まさにそんな需要を満たすプロダクトです。

テクノロジーをあくまで手段として捉える姿勢。
それは、エンジニアとして働く上で、忘れては行けないスタンスだといえるでしょう。

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