プロダクト

ARを駆使した必殺技で闘え!少年時代の夢が生んだ「HADO」開発秘話

「僕も、ゴ○ウみたいに『かめ○め波』を撃ってみたい!」
「自分の手から、『波○拳』が出せたらいいのに!!」

幼い頃、アニメやゲームの主人公に憧れ、「必殺技が使えたらいいのに」と願った気持ち。そんな記憶は、誰しも心の奥底に残っているのではないでしょうか。でも大人になるにつれ、だんだんとその想いは薄くなり、いつの間にか忘却の彼方に消えてしまったはずです。

しかし、少年時代に抱いたそんな想いを諦めず、AR(拡張現実)の技術を使って夢を実現した人々がいました。株式会社meleapのCCOの本木卓磨さん(写真左)とエンジニアの増田博志さん(写真右)です。

彼らが生み出したのは、ヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを装着し、「エナジーボール」という必殺技を撃ち合うテクノスポーツ「HADO(ハドー)」。3対3のチームを組んで、相手プレイヤーと対戦します。

彼らの想いは、いかにしてHADOというプロダクトに結実し、世界へ放たれる一筋の光となったのでしょうか?

少年の心を忘れないメンバーたちが、HADOを生んだ

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――meleapは、どのようなメンバーが集まっている会社なのですか?

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本木:一言で言うと「童心を忘れていないメンバー」です。子供の頃に真似していたアニメやゲームの必殺技を、いつか自分でも出せるようになったらいいのに、と思っていた野望を捨てきれない。「今の技術を活用すれば、きっと実現可能なんじゃないか」と思い描く社員が集まっています。

実は、当社のメンバーって毎日のように昼休みにHADOで遊んでいるんですよ(笑)。より良いプロダクトにするために、という目的はあるんですけど、それ以上に「HADOが本当に好きだから」という側面が強いかもしれないですね。

――HADOは、ARをはじめとしたテクノロジーの進歩なくしては実現できなかったプロダクトかと思います。

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本木:そうですね。さまざまな技術があったからこそ実現したものですが、何よりも影響が大きかったのはスマートフォンというデバイスが発展したことです。

HADOは、スマートフォンを入れたヘッドマウントディスプレイとアームセンサーを装着して体験します。そのスマートフォンのカメラに表示される現実世界の映像に対して、CG映像を重ねてエナジーボールやバリアなどを表現しているんです。

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▲内製したというヘッドマウントディスプレイとアームセンサー。プロダクト同様、童心をくすぐられるような格好いいデザインにもこだわった。

そのため、デバイスが進化しない限りAR技術の表現にも限界があります。近年、デバイスの性能が向上したことによって、現実世界とCG映像を融合させる映像処理技術や体の動きを感知する技術が向上し、より没入感のある表現が可能になったんです。

自分たちが作ったプロダクトでユーザーが喜んでくれる。その光景が嬉しくて

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――開発にあたって工夫した点はありますか?

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増田:HADOは3対3の対戦型スポーツなので、競技に夢中になって周囲の人とぶつからないようにヘッドマウントディスプレイの形状を工夫しました。これは当社で内製したもので、着用していても周囲を目視できるよう、側面にある覆いをなくしているんです。

――確かに、これならヘッドマウントディスプレイを着けても周りが見えるので、安心して動き回れますね。他に、最先端の技術に挑戦しているからこそ突き当たった苦労はありますか?

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増田:苦労だらけです(笑)。新しいデバイスって、発売して間もないころは全く情報が出揃っていません。

だから、よく地雷を踏む(デバイス特有のバグや仕様などが原因で、予期せぬ挙動が起こる)んですよ。それを解決すべく、とにかく触って、試作を作る。すべての地雷を踏み抜いていく感覚です(笑)。

――情報がまったくない段階での試行錯誤になるのですね。例えば、これまでどのようなデバイスが採用に至るまでに時間がかかったのでしょうか?

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増田:採用まで試行錯誤したデバイスのひとつが、Microsoft社が2016年にリリースしたHoloLensです。

現在のHADOよりもさらに自由度の高いトラッキングを目指し色々なデバイスを試す中、HoloLensの持つ空間認識能力に目をつけて採用を検討しました。

しかしHoloLensは“3Dが投射される視野が狭すぎる”という問題があり、複数人とプレイするHADOでは、“どこからエナジーボールが飛んでくるのか把握できない”という課題が残りました。その問題は無視出来ず、一旦はHoloLensの採用を諦めました。

ただ、その後もうひとつのプロダクトであるARカートアトラクション「HADO KART」の開発段階時に、内製したヘッドマウントディスプレイではスマートフォンカメラ映像が遅延するため、操縦者が酔ってしまう問題が発生しました。

そこで、一度は諦めたHoloLensの導入を改めて検討。とにかく休日返上で試作を繰り返して、なんとか日の目を見ましたね。おそらく世界でも最速の店舗型施設へのHoloLens導入事例になったので、世界各国からの反応をたくさんいただいています。

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▲meleap社はテクノスポーツ「HADO」のほか、ARカートアトラクション「HADO KART」、モンスターを倒したスコアを友達と競い合う「HADO SHOOT!」、仲間と協力してドラゴンや魔王などと闘う「HADO MONSTER BATTLE」といったサービスも提供している。

――トライアル&エラーの連続なんですね。その結果生まれたHADOを、多くの人に楽しんでもらえるのは嬉しいでしょうね。

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増田:そうですね。実は僕、もともとはWebエンジニアだったので、自分の開発したものをお客さんが触れているのを直接見る機会ってほとんどなかったんです。

でもこの会社に入ってからは、現場でお客さんの生の反応を見られるのが本当に楽しくて。ゲームにすごく熱中してくれて、勝って喜んだり、負けて悔し涙を流したりする人もいるんです。その表情をみていると、開発してよかったなって心から思います。

目指すは、テクノスポーツ国際大会の開催!

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▲HADOを体験中の筆者(手前)と増田さん(奥)。無我夢中でエナジーボールとバリアを発動したものの「相手が誰でも容赦しないのが、当社のルールです」と宣言した増田さんにコテンパンにされる。

――HADOを、これからどのように成長させていきたいですか?

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本木:今よりもさらに、複雑な体の動きを感知できる仕組みを作っていきたいですね。現在、感知できるのは腕の振りだけ。だから、動きの強弱とか、パワーを溜めていることを体験者が実感できるように触覚なども加えていきたいですね。より現実感が増すように。

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増田:ARは、カメラに映る現実世界の映像にCGを重ねる技術なので、これまではどうしても出来ないことがありました。それは、現実世界の映像の“後ろ”にCGを表示すること。例えば、人間が手前にいたとき、その奥にCGを合成するということが気軽にできなかったんです。

でも、HoloLensや 最近発表されたiPhone Xなどにはこの問題を解決できる機能がついています。こういった新しい技術をどんどん活用すれば、さらに多種多様な表現が可能になっていくんじゃないかと、すごくワクワクしますね。

――動きの感知や触覚の表現に加え、AR技術も進歩。どんどんリアリティーのある体験になっていきそうですね!

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本木:さらにもう1つ大きな目標があって、2020年にテクノスポーツの国際大会を開催したいと思っています。

今や、世界中の人々がスマートフォンを持っています。だから、アプリさえダウンロードすればHADOに挑戦できる環境を世界各地に作っていきたい。そうすれば、世界中にプレイヤーが増えるじゃないですか。

12月3日にHADO WORLD CUP 2017(http://meleap.com/worldcup/ )を開催するのですが、もっともっと遊んでくれる人の数を増やしていきたい。3年後の2020年には、さらに大きい国際大会まで開催できたらいいなと思います!

 

▲ 現在開催中の「HADO WORLD CUP 2017」のPR動画。エナジーボール やバリアを駆使して闘う様子は、まさに近未来的。

――世界中の人々がHADOを楽しむ。そんな未来が実現すること、楽しみにしています。今回はどうもありがとうございました! あ、最後にカメラの前で必殺技のポーズをお願いします!

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本木&増田:はーーーーーーーっっ!!!!!!

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取材協力:株式会社meleap

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