オモシロ

【エンビジ!】 新時代の必須スキルとは?

※この「エンビジ!」では、エンジニアに役立つであろうビジネス書をご紹介しつつ、著者の方にもお話を聞いていきます。



さて、今回のテーマは「新時代の必須スキル」です。これからの時代、エンジニアとして、社会人として必須のスキルは何なのか。そしてそれをどのように学んでいけば良いのか。教育のプロにお話しを聞いていこうと思います。

お話しを聞くのは『僕たちは14歳までに何を学んだか~学校では教えてくれない新時代の必須スキル~』という本の著者でもあり、東京都初の民間人校長として杉並区立和田中学校の校長を務めたこともある藤原和博先生です。

――藤原先生、よろしくお願いします。

はい、よろしく。

――こちらの書籍は、4人のトップランナーに話を聞いて「これからの時代に必要な頭の良さ」をどう鍛えるかを解説しているわけですよね。


そうそう、キングコングの西野亮廣さん、ホリエモンこと堀江貴文さん、SHOWROOMの前田裕二さん、DMMの亀山敬司さんね。

――まず、それぞれの皆さんがどんな人で、どんな「頭の良さ」があるのか藤原先生の目線で聞かせてください。


西野亮廣さんは“真っ直ぐバカ”

じゃあ、まずキングコングの西野亮廣さんね。


彼とのそもそもの出会いは、僕がずいぶん前に出した『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』っていう本があって。それが3年くらいたって急に売れ出したの。それで出版社が調べたらキングコングの西野さんって人が勝手に読んでくれて勝手に色んなところで勧めてくれてた、と。

――なんかネットの記事で読んだことがありますね。西野さんがイベントで勧めていました。

参考:「キンコン西野が収入がアップする方法を解説 」TOKYO DESIGN WEEK 2015

そうそう、ご自身のベストセラー『魔法のコンパス』でも6ページくらい使って紹介してくれたり、ご自身がやってるイベント「サーカス」でも解説してくれたりね。それで、この人には会わなきゃってことで吉本興業の本社で会ったのが最初。で、会ってみたらタダモノじゃないな、と。もはや吉本の芸人という枠を超えているし。

――最近のご活躍も、すごいですよね。

そうそう。それで、その頃から色々なことをご一緒させていただいて、僕が主宰している「アジア希望の学校基金」のプロジェクトでは一緒にラオスの僻地まで来てくれたりとかね。

――ラオスの僻地まで!

ラオスで義務教育を受けられない子どもたちに学校を作るっていうプロジェクトなんだけども。

――へえ。そんな西野さんの子ども時代はどうだったんでしょうか。

学校は大好きで休んだことがないってくらいだったみたいだけど、でも学力には直接結びつかなかったみたい(笑) それで中学2年の時にようやくちゃんと勉強しようと個別指導塾に行って、そこの先生に褒められまくりながら学力を上げて数学の成績が300人抜きで学年1位になったとか。

――それはスゴイですね!

最初に会った頃からずっと話していて「この人は言葉にする力が高いなあ」と思ったのね。いわゆるロジカルシンキングのリテラシーが。だからやっぱり数学は出来る人だったのだなあ、と思ったね。ご自身は「真っ直ぐバカ」だって言ってるけど、だからこそ褒められて伸びていったんじゃないかな。そういや、いま「えんとつ町のプぺル」とか「チックタック約束の時計台」とか絵本がめちゃくちゃ話題だけどさ。

――ベストセラーになってますよね。

絵を描き始めたのもタモリさんから「お前は絵を描け」って言われたのがきっかけらしいからね。「数学と国語が得意だから絵も得意なはずだ」っておだてられて。

――それで真っ直ぐに書き始めた、と。

あとは、次男坊だからって色々と買ってもらえなくて、工夫しなきゃいけないというのも良かったね。自転車もおさがりで、改造したくてもお金が無いから自分で部品を拾ってきていじったり、レゴも買ってもらえないから段ボールでオリジナルのレゴを作ったり。

――オリジナルのレゴ(笑) 

まあ、そういった創造性が今の彼がやっている「しるし書店」とか「レターポット」とかのアイデアに繋がっているのかも知れないね。


堀江貴文さんは“ゲームチェンジャー”

――では続いて、堀江貴文さんとはどういったご縁なのでしょうか。


ホリエモンはコルクの佐渡島くんが紹介してくれたんだよね。

――コルクというのは確か、「宇宙兄弟」とか「ドラゴン桜」を手掛けるエージェント会社でしたよね。

そうそう、僕は民間人として初めて杉並区立和田中学校の校長をやったんだけど、その時に「ドラゴン桜」の副読本を作るというので講師の1人として出たの。その時からのご縁なんだけど、佐渡島くんとホリエモンが同じゼミ出身で。それでホリエモンがやっているオンラインサロン「HIU(堀江貴文イノベーション大学校)」で講演したりして。

――そんな堀江さんはどういった学びをしてこられたんでしょうか。

まあ、彼の小さい頃の話はベストセラーの「ゼロ ーなにもない自分にイチを足していく」にも載っているんだけど、特徴的なのは西野さんと同じで“興味を持った時の集中力がすごい”ということ。家の新築工事をずっと見ていたら大工さんや左官屋さんになりたくなって穴を掘る遊びに夢中になるし。

――へえ、なるほど。

飛行機に乗ったらパイロットになりたくなるし、漫画「MASTERキートン」を読んだら考古学者になりたくなるし、「ブラック・ジャック」を読んだら医者になりたくなるという。

――感化されやすかったんですね。

それで興味を持ったらガーッと学んでいくんだろうね。先日も、コルクの佐渡島くんとホリエモンとゴルフをしたんだけど、ものすごい上手くて本当にビックリした。俺は30年ぶりだったから全然ダメだったけどホリエモンなんてスコア40台前半だったかな。だから興味が向かった先では過度な集中力を発揮してしっかり学んでいるんだろうね。

――小さい頃から頭も良かったんでしょうね。

頭はめちゃくちゃ良かったんだけど、運動は苦手な部分もあったらしい。

――運動は苦手だから避けていたわけですか。

いや、すごいのがドッジボールが苦手だったらルールを変えて違うゲームにしてしまう、ということをやっていたんだよね。そうやって自分が勝てるような状況を作るわけ。そんなことを小学校からやっていた、と。

――す、すごい。さすが堀江さんですね。

今もそうだけど、その頃からゲームチェンジャーだったんだね。


前田裕二さんは“圧倒的努力と熱量”

――続いてSHOWROOMの前田裕二さんですね。

前田裕二さんのことはキングコング西野さんから教えてもらってね。SHOWROOMの創業者だと言われても芸能関係のことは分からないから最初はピンと来なかったんだけど、ベストセラーの『人生の勝算』を読んで、その圧倒的努力と熱量に「こりゃタダモノではない」と恐れ入ったね。


――私も読みましたが、小さい頃から弾き語りで日銭を稼いでいらっしゃんですよね。

そうそう。その弾き語りでスゴイのは、ただ楽器を鳴らすのではなく、ロールプレイのリテラシーというか目の前のお客さんがどう感じるかを考えていたってこと。はじめは一生懸命やっていても人が集まらないから方針を変えたわけだよね。リクエストを受けてその曲をやるようにした、と。

――オリジナル曲ではあまり足を止めてくれなかったとか。

そりゃあそうだよね。歌詞が自分とは関係ないし、小学生がオリジナルの歌を歌っていても、何か事情がありそうで怖いもんね。だから相手の立場で考え方を変えて、レパートリーを増やしたり、場所を変えたりしながら、リクエストをもらう形式にしたわけだ。しかも、リクエストを貰ったらすぐに歌うんじゃなくて「練習して一週間後にここに来てもらっていいですか?」という。

――そうしたら1週間後に来なきゃいけない気になりますね。

そう、そうして前田さんはお客さんと物語を共有する道を探ったわけだ。キングコング西野さんはこのやり方を「お客さんと共犯者になる」と呼んでいたけど、まさにそう。お客さんとも共犯関係が作れるというのは現代においてすごく大事だし、SHOWROOMという仕組み自体がアマチュアとファンとの共犯関係を作っているよね。

――なるほど、そこに繋がっていくわけですね。子どもの頃の前田裕二さんはどうだったのでしょう?

ホリエモンとも通じるけど、遊びのルールを考えるのが好きだったみたい。5才くらいからお兄さんと一緒になって毎日のように新しい遊びを考えていたとか。制限時間内にボールを投げ合って、時間切れの時に持っていた方が負けだとか、戦隊ヒーローものの番組を見ても自分たちだけのヒーローを考えてみたりだとか。

――へえ。

中学生になっても、SF小説にハマったら自作のSF小説を考えてみたりとか。あと手紙を授業中に回して読むのが流行ったら、自作のSF小説を授業中に回したりとかね。

――なるほど、遊びを掛け合わせるわけですね。

そう、掛け合わせるという発想は大事だよね。


亀山敬司さんは“ダイバーシティ育ち”

――そしてDMMの亀山さんです。亀山さんといえばDMM.comの創業者で、顔出しをしていないですよね。どのように知り合ったのですか?


亀山さんは、旧友のヤフー社長である川邊健太郎と小澤隆生の両氏が紹介してくれたんだよね。

――顔出しもしていないほど謎めいていますが、どのような学びをされてきた方なんでしょうか。

そう、亀山さんの幼少期の話はどこにも出ていないんだよね。今回の書籍には彼の幼少期の写真が出ているのでそれも楽しんでいただきたいけれど、亀山さんの育った環境は今っぽい言い方をすると「ダイバーシティ」かな。

――ダイバーシティ?

石川県の漁村に近いところで育ったわけなんだけど、父親がキャバレーを経営していた関係で、そこで働くホステスのお姉さん達と同居しながらも皆に可愛がられたらしい。

――な、なんだかすごい環境ですね。

まあ、ご本人は「ダイバーシティとかいう次元じゃなくて、ワケありの家庭が多かった地域」と言っているけども。でも亀山家は父親が商売好きな人で、キャバレー以外にも写真館をやったり海の家をやったり、うどん屋さんをやったり色々と手を出していってたみたい。

――お母様はどんな人だったんでしょう。

母親は文句も言わず淡々と家業を支え続けていたみたい。時にはキャバレーのママをやったりしてね。その家族を基盤にしたコミュニティの豊かさと多様さが亀山少年を育てていったわけだ。

――考えてみればDMMの事業も多様ですものね。

怪しいバッジを売る露天商からはじまって、レンタルビデオ店の経営、AVの制作販売、そして今ではオンラインゲームや英会話、FX、ソーラーパネル、3Dプリンター、VRシアターと多角化しているよね。

――幼少期のコミュニティの豊かさと多様さが今のDMMに繋がっている、と。

そう、亀山さんは今でも立ち飲み屋に毎週のように行くらしいの。それで、そこで会った若い人と話をしながらビジネスに繋がっていくこともあるんだとか。こういうの僕は「ナナメの関係」と呼んでいるけど、そういった環境に身を投じるのはとても良いよね。


トップランナーたちに共通することとは?

――ちなみに藤原先生の幼少期は?

僕は国家公務員と専業主婦の子だったんだけど、公務員住宅で育ったので大人になるまで「世の中の景気」とかを意識したことがない環境だったんだよね。でも、亀山さんと同じなのは団地の間の公園で色んな年代の人とコミュニケーションしていて「ナナメの関係」で育ったかな。

――そこでコミュニケーション能力が鍛えられた、と。

そう、あとは西野さんや前田さんと同じで、遊びを作るってことはしてた。当時はお金がないから野球をやるといっても備品が揃っていないわけ。だから適当にあるものでベースに見立てたりバットに見立てたりするっていう想像力は養われていたかな。おままごとでもそう。葉っぱをお皿にして木を箸にしたりね。

――遊びの仕方を考えていた、と。


あとはホリエモンと同じでルール変更もしていたよね。「ナナメの関係」で遊ぶには年齢差が出てくるから、小さい子を「おみそ」って呼んでいたけど、「おみそ」は何回に一回打たせるかとかルール変更をして遊んでいたりね。

――なるほど、やっぱり共通する部分があるんですね。他にお話しをした4人に共通することって何なんでしょう。

やっぱりゲーマーではなくゲームメーカーであるというのは大事かも知れない。西野さんの「段ボールをレゴ替わりにして遊んでました」なんて話、涙なくしては聞けなかったでしょ?(笑) でも、これはすごく大事なことで、学校では情報処理力は教わるんだけど「情報編集力」というのは教えてくれないの。

――情報編集力?

そう、正解がないか1つではない課題に対して、仮説を生み出す力。それは自分の想像力創造性が必要になってくるわけ。

――そうか、既に完成したもので遊ぶんじゃなくて、自分で考えながら遊ぶからこそ想像力と創造性が養われるわけですね。

そうそう。あとは、何かに集中した時にガーッといく強さがみんな共通してあるよね。はたから見ると「無謀」じゃないかと思われるほどの。じゃあその無謀さはどこから来るかというと、そこには“根拠のない自信”があって、その根拠のない自信はどこから来るかというと無条件に愛されてきたからというのが一つあるかな。

――愛情を受けて育ったと。

みんな親から愛されて育っているし、前田裕二さんもお兄さんに愛されているし。


これからの時代に必要な「頭の良さ」をどう鍛えるか

――では、これからの時代に私たちはどう頭を鍛えていけば良いでしょうか。

やっぱり“創造性”がキーワードになるけども、これを伸ばすためには今自分のアタマの中にある価値観を上書きしないといけないよね。

――価値観の上書きですか。

そう、そのためには現状を変えていかないといけない。例えば、引越しとか、転職とか、転勤とか現状を変えるってこと。学生だったら留学がいいよね。

――自分の置かれた環境を積極的に変えていく、と。

そう。もう1つは所属するコミュニティを増やすということ。今の仕事だけ、今の職場環境だけ、みたいな単線的な生き方では情報編集力は育たないから、支線としていくつものコミュニティに参加したほうがいいよね。

――コミュニティへの参加。

そこでまずオススメしたいのは被災地支援だね。東日本大震災後の石巻とかには優秀な人たちが集まっていたんだよ。

――そうなんですか、知らなかったです。

世界的にそうなんだけど、優秀な人ほど「自分の力を試したい」と考えて、世界の欠けたところにいくわけ。そういうところに行って面白い繋がりができると、自分の目が見開かれていくからね。

――身近なところで面白い繋がりを求めようとすると、最近だったらオンラインサロンみたいな場がいいんでしょうか。

そうだね。今回お話しを聞いた4人に共通するのは“場”を持っていること。

――なるほど。

ホリエモンのサロン西野さんのサロン内には部活が一杯できているみたいだから、そういうところで自分の興味あるものに飛び込んでみるといい。あと、SHOWROOMで誰かを応援するためにギフティングしてもいいし、DMMオンラインサロンで自ら場を作ってもいいし。

――とにかく「コミュニティに首をツッコめ」と。

そういうことだね。


こちらの本、その他にもたくさんのエピソードや「新時代の必須スキル」が書いてあるので、ぜひ皆さんも読んでみてください。


「僕たちは14歳までに何を学んだか」藤原和博 (SBクリエイティブ)


藤原先生、ありがとうございました!


取材協力:藤原和博先生SBクリエイティブ
取材+文:プラスドライブ

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