ヒト

プログラミング講師は、メイドさん!? 日本Androidの会が開拓する「萌え×IT」の新境地

Androidに興味を持つ人が集まるユーザーコミュニティ、日本Androidの会。この会の学生部&秋葉原支部は、非常に“秋葉原らしい”取り組みをしています。その内容とは、

ITのことをほぼ何も知らない現役メイドさんに
毎月の定例会でAndroidプログラミングを教え
「メイドさんと一緒に楽しく学ぶアプリ開発セミナー(※1)」の
講師に育てる

というものです。

このユーモラスなコンセプトの裏には、「若者たちに、学ぶことへの興味を持ってもらいたい」「教えることは教わること、教わることは教えること」という、同支部のプログラミング教育に対する熱い想いがあるのだといいます。

はたして何をきっかけにこのセミナーはスタートし、運営に携わる方々はどのような気持ちを持って取り組んでいるのでしょうか。

その秘密を、発案者である日本Androidの会 運営委員・小暮敦彦さん(写真下)と、2017年7月29日開催予定のセミナーに登壇されるメイド・鈴峰きりさん(写真中央)、卯月ほのかさん(写真右)、望月ひなさん(写真左)に語ってもらいました(※2)。

プログラミングを愛する日本全国のご主人さま、お嬢さま、ぜひご一読くださいませ!

※1…学生を対象に、Android開発の基礎を、秋葉原のメイドさんがメイン講師として教えてくれるセミナー。年に数回開催。サブ講師として秋葉原支部のプロ有志・学生部有志がサポートしています。
※2…インタビューは、セミナーのリハーサル時に実施。そのため、メイドさんたちは珍しい私服姿でした。メイド服姿が見てみたいあなたは、ぜひ次回のセミナーに参加してみて下さい。

今回の登場人物

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【小暮敦彦】
日本Androidの会 運営委員。
IoT ALGYAN(あるじゃん)理事長。技術系コミュニティのファシリテーター。
ピンク色のボードで有名な「GADGET RENESAS(がじぇるね) 」の創始者。
「メイドさんと一緒にはんだづけ」「メイドさんと一緒に楽しく学ぶアプリ開発セミナー」を5年前に立案実行、継続運営中。

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【鈴峰きり】
日本Androidの会 秋葉原支部長。株式会社テクモード 代表取締役。
大学2年生からメイド喫茶・橙幻郷で働きはじめ、「メイドさんと一緒に楽しく学ぶアプリ開発セミナー」企画に参加、今年で5年目。
好物は、可愛いメイドちゃん。メガネ萌えー。

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【卯月ほのか】
究極の癒し系メイド。ドロイド君が好き。
「最近すっかり髪が伸びたなあと思うこの頃。四つ葉のクローバーを育て始めました。みんなで楽しく勉強しましょうっ!」

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【望月ひな】
現役大学生。アニメとゲームとイラストを描くのが大好き。
「最近はソシャゲを増やしすぎて時間とお財布が心配。でも幸せです」

プログラミング×メイド = 新しい価値を創造

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――「現役のメイドさんをアプリ開発セミナーの先生に育てる」というユニークなコンセプトは、どのようにして思いついたんですか?

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小暮:私はもともと、「異なる要素を組み合わせて、新しい価値を創造したい」という考えを持っていたんです。そしてその価値が、若者たちが勉強に興味を持ってくれるきっかけになればいいなと思っていました。

そう考えていたある日、「理系の分野とメイドさんを掛け合わせたら面白いんじゃないか」というアイデアが浮かびました。それが約5年前ですね。

そのアイデアを実践すべく、まずは私個人の活動として「メイドさんと一緒にはんだづけ」という無料ワークショップを企画。はんだごてメーカーである白光株式会社とメイド喫茶・橙幻郷のご協力によって実現しました。

次に、日本Androidの会秋葉原支部の活動にもそのコンセプトを適用し、「メイドさんと一緒に楽しく学ぶアプリ開発セミナー」を実現したという感じです。こちらも同様に、メイド喫茶・橙幻郷にご協力いただいています。

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▲アプリ開発セミナーの様子。

――世の中にメイド喫茶は数多くありますが、橙幻郷を選んだのはどうして?

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小暮:ある日たまたま、橙幻郷のメイドさんが小さいガレージみたいなライブハウスで歌っているのを見かけたんですよ。それで、「健気に活動されていて、すごく素敵だな」と思って。

――おお! 偶然の出会いからのスタートだったと。そこから、連絡を取って?

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小暮:そうなんです。僕、メイド喫茶って行ったことなかったんですけど、橙幻郷のことを調べてトコトコ行ってみまして。

初メイド喫茶で緊張していたんですが、店内のメイドさんが話しかけてくれたのをきっかけに「こういう企画があるのでやってみませんか?」と提案しました。全ては、そこからスタートしたんです。

タイアップ交渉は繊細で難しい部分もあり紆余曲折ありましたが、オーナーさんがこちらの意図と誠意を理解してくださりなんとか実現。少しずつ実績を積み重ねて、信頼関係を構築してきました。

新しい知識を得て、できることが増えるのが楽しかった――鈴峰きりさんのストーリー

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――アプリ開発セミナーが開始した5年前、ちょうどきりさんは橙幻郷で働きはじめたばかりだったとか。当時のこと、覚えていますか?

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きり:覚えてますよ! ある日、先輩のメイドさんから「毎月開催されている定例会に参加してみない?」と声をかけられたんです。

誘われた理由は、もともと定例会に参加する予定だった方が、都合が悪くなって行けなくなってしまったから。それで、たまたま予定が空いていた私が行くことになって。

こういう定例会って、1度行ったら参加し続けないと意味がないじゃないですか。だから、そこから継続して行くようになって、セミナーでも登壇するようになった、という感じですね。

――自分がプログラミングできるようになるって、その頃は想像していました?

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きり:いえいえ、全然! 当時の私は文系学生だったので、プログラミングなんてやったこともなかったですし。

でも、私は人と違うことをするのが好きな性格なんです。だからプログラミングを勉強するのも、「他の女の子たちがやっていないことだし、面白そう」と思って。

はじめはソースコードを読むのも一苦労だったので、とにかくたくさんの人に教わりました。ありがたいことに、毎月の定例会に参加してくださっている秋葉原支部のメンバーの方々は、各企業の第一線で働いている技術者ばかり。

みなさん、すごくレベルが高い上に、親切に教えてくれました。それで、少しずつ覚えていったんです。

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▲きりさん登壇の様子。

――この活動の、どのような部分にやりがいを感じましたか?

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きり:新しい知識を得て、自分にできることが増えるのが楽しかったですね。プログラミングはもちろん、プレゼンの資料作成とか人前でのスピーチなんて、社会人ならまだしも学生時代にはなかなか経験できないじゃないですか。

そういう機会をいただけて成長できたのは、とてもありがたいことだと思っています。あのとき偶然参加して、本当に良かったです。

メイドになる前から「セミナー、面白そう!」と思っていた――卯月ほのかさんのストーリー

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――ほのかさんは、いつごろからセミナーに参加を?

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ほのか:きりちゃんが参加しはじめてから、1年後くらいです。私も元橙幻郷メイドなんですけど、当時の店長だった黒崎エリカさんがお店を辞めるとき、「定例会やセミナーに、代わりに参加してほしい」と声をかけてくれました。

でも実は私、メイドとして働きはじめる前から、橙幻郷がこういう活動をしているのを知っていて興味があったんです。もともとこのお店の大ファンで、Webサイトをよく観ていたので。

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きり:ほのかちゃん、お店のことが好きすぎてメイドになる前からネットでめっちゃ調べていたんですよ(笑)。

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ほのか:そうなんです! あまりにも熱心に情報収集していたから、エリカさんから「お店のストーカーだー!(笑)」って言われていたくらい(笑)。そのくらい、ずっとネットで観てて。プログラミングも「やってみたいな」と思っていたんです。

だから、エリカさんに声をかけられたときも「行ってみたいです!」とすぐに返事をして。そこから、どんどん引継ぎをしてもらってという流れです。

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▲ほのかさん登壇の様子。

――なるほど。それならば、声をかけられたのは嬉しかったでしょうね! ちなみに毎月の定例会って、どんな雰囲気なんですか?

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ほのか:すごく和やかですよ。毎回、テキストの内容をちょっとずつ進めて、最後にまとめとしてメイドがプレゼンをするんですけど、そのパートには雰囲気の良さがとても出ていると思います。

周りの方がすごくノッてくれるし、楽しんでくれるし。毎回、すごくほっこりしながら発表させてもらっています。もしかしたら、発表している私が一番楽しんでいるかもしれないです(笑)。

学生部メンバー ⇒ 登壇するメイドへ――望月ひなさんのストーリー

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――ひなさんは何をきっかけに、この活動に参加を?

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ひな:私は先ほどの2人と違ってメイド喫茶で働いているわけではなく、普通の大学生なんです。

活動に加わるようになったきっかけは、ある初心者向けのハッカソン。それに参加したとき、会場に来ていた日本Androidの会のメンバーから「学生部に入りませんか?」と誘ってもらいました。それから、定例会に参加するようになって。

――なるほど、そんな経緯が! そこから、メイドさんとして登壇するようになったのはどうして?

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ひな:学生部って、現在は私を入れて女性が2人なんですけど、ちょっと前まで私1人の時期があったんですね。それで、「女性1人だとちょっと心細いから、学生部でスタッフとして参加するより、メイドさんと一緒にやってみたいな」と思いました。それから、自分もメイドとして登壇するようになって。

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▲ひなさん登壇の様子。

――ハッカソンではプログラミング初心者だったひなさんが、今は講師役として登壇するようになった。それってすごいスキルアップですよね。

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ひな:そんなことないですよ! 私、プログラミングがそれほどバリバリできるわけではなくて。今でも、まだまだわからないことばかりですし。

でも、自分自身が全くの初心者からスタートしたからこそ、「初心者の人たちに楽しんでもらえるものになればいいな」と思って登壇しています。

プログラミングって、はじめたばかりの人にとってはすごくハードルが高いと思うんです。何から手をつけたらいいかわからないし、環境構築で挫折しちゃうことも多いし。そんな人にとって、気軽に教えてもらえるセミナーがあるのは心強いと思います。

かつて自分がそうだったように、こういうイベントが誰かにとってプログラミングの楽しさに気づくきっかけになれば、とても嬉しいです。

コミュニティのため、IT業界のために、多くのメンバーが力を合わせている

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――そうして、5年間この活動を続けてきた今、セミナーに対してどのような想いを持っていますか?

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きり:私は今、日本Androidの会 秋葉原支部長をしているので「どうすれば、このコミュニティやIT業界がもっと盛り上がるだろう?」とよく考えます。

だからこそ、こうしたセミナーを通じて、日本Androidの会に若い方が参加してくれることや、プログラミングに興味を持ってくれる方が増えることは純粋に嬉しいですね。

その良い例として、学生部メンバーの茶山くんという人がいて、実はこの人はかつてセミナー第1回目の受講生として来場していたんです。

それでこの活動にとても興味を持ってくれて、現在ではメイドにAndroidプログラミングを教える先生をしてくれています。これってすごいことだと思うんです。かつて「教えられる側」だった人が「教える側」になって、活動を支えてくれているんですから。

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小暮:きりちゃんも言ってくれたように、このセミナーを通じてたくさんの方々がプログラミングに興味を持ってくれて、コミュニティが活性化していることを感じています。

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今、メイドさんの手元にセミナー用のテキストがあります。全部で80ページ以上もある、非常に立派なものです。

これは、さきほど名前が出た茶山さんや古川部長をはじめとする学生部メンバーや、この活動を5年間育て続けてきた秋葉原支部の有志たちがみんなで力を合わせてつくり上げました。

この活動はメンバーによるボランティアですから、もちろん1銭にもなりません。にもかかわらず、みんながこれほど協力してくれる。それは、「メイドさんと一緒に、コミュニティを盛り上げてプログラミングに興味を持つ人を増やしたい」という共通の想いがあるからなんです。本当にありがたいことだし、感慨深いことですよね。

これからも、より多くの方からこの活動に興味を持ってもらえるよう、頑張っていきたいです。

<告知>
2017年7月29日開催の「メイドさんと一緒に楽しく学ぶAndroidアプリ開発入門セミナー」イベントページはこちら

取材協力: 日本Androidの会メイド喫茶・橙幻郷

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