ヒト

プログラミングとの出会いが、女子高生の人生を変えた。今井彩碧が思い描くIT教育の未来

1999年生まれの17歳。高校2年生。

高校1年生の頃から、学業と両立させながら複数のベンチャー企業の新規事業立ち上げやプログラミング・デザイン制作に従事。現在は、株式会社EmmyWorksにてCOO(最高執行責任者)を務める。

まるで漫画の登場人物のような輝かしい経歴。でも、これは正真正銘、実在の人物のプロフィールです。この異色の経歴を持った人物こそ、今回の主人公である女子高生クリエイター「あやみん」こと、今井彩碧さん。

今井さんは、中学3年生の頃にプログラミング教室に通ったことをきっかけとして、テクノロジーの面白さに夢中になりました。その後、持ち前の行動力を武器に様々なチャレンジを続けてきたのだといいます。

プログラミングとの出会いは、彼女の人生にどんな変化をもたらしたのか。そして、彼女が描こうとしている未来とはどのようなものか。その真っ直ぐな瞳が見つめる展望を語ってもらいました。

プログラミングが教えてくれた、ゲームを作る楽しさ

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―もともと、今井さんがプログラミングに興味を持ったのは、中学3年生のときにプログラミング教室に行ったことがきっかけだとか。

今井:弟の学校に、「Life is Tech」という中高生向けのプログラミングスクールの体験会が来ていたんです。私は小さい頃からパソコンをいじるのが好きだったので、体験会のことを知った弟が「お姉ちゃん、試しにプログラミングやってみなよ」と声をかけてくれました。そうして参加したのがきっかけです。

―そのプログラミングスクールのカリキュラムは、どのようなものだったんですか?

今井:ゲームエンジンであるUnityを使って、3日間で簡単なゲームを作るというものでした。それまでは、ゲームって「遊ぶもの」というイメージしか無かったので、「自分で作ることができる」ということを知って衝撃的だったのを覚えています。

頑張って取り組んでみると、けっこうちゃんとしたゲームが完成して、すごく達成感がありました。その後、作ったゲームを「UnityGameUploader(※)」というサイトに投稿したら、週間ランキングで一位を取ったんですよ。

―すごい!最初に作ったゲームが、他の人から評価されるというのは本当に嬉しいでしょうね。

今井:はい。本当にモチベーションにつながりました。それがきっかけになってプログラミングが楽しくなり、もっと色々なことを学びたいと思うようになったんです。プログラミングを経験したことで、自分の世界が大きく広がった感じがしました。

※…Unityで作られたゲームをアップロードできる投稿サイト。

働き始めて気づいた。学校の勉強がどれだけ大切かということ

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―高校一年生になってからは、インターン生として複数のベンチャー企業を掛け持ちで働き始めたそうですね。

今井:そうなんです。ありがたいことに、複数のベンチャー企業の関係者の方々から声をかけていただいて、それらの企業で働いていました。

―声をかけられるほどに知名度が上がったのはなぜですか?

今井:プログラミングを始めたくらいの頃に、ブログを書き始めたんです。そのブログで「日本のIT教育について考えてみた」という趣旨の記事を書いたら、それがSNSで100シェア以上されて、たくさんの方の目に留まりました。それを機に、色々な方がTwitterで連絡を取ってくださるようになったんです。

―自発的に情報発信することの重要さを感じるエピソードですね。ベンチャー企業で働くようになって、価値観が変わった部分などはありますか?

今井:社会の一員として働くことで、「学校で教わる内容がいかに重要か」ということを深く理解できました。

例えば、プログラミングが上達するためには英語と数学の知識が欠かせません。それに、プロジェクトを円滑に進めるために、相手に対して上手に説明するには、国語の力も必要だなと感じました。もちろんそれ以外にも、様々な学問の知識があることで、それが最終的には何かの役に立つということを身に染みて理解できたんです。

それに早い段階で気づけたことは、自分にとって本当にプラスになったなと思います。

EmmyWorksで知った、経営の醍醐味

―そうして複数のベンチャー企業でのキャリアを積んだ後、現在は、COOを務めている株式会社EmmyWorksの仕事のみに絞っているそうですね。この企業を選んだのはどうしてですか?

今井:EmmyWorksで働こうと思った理由から話しますね。それは、「自分が立ち上げようとしていたサービスと、すごくよく似ているサービスをこの会社が既に開発していたから」です。具体的には、女性が自撮りした写真を他の人たちと共有できるようなSNSサイトを作りたいと考えていました。

―EmmyWorksを知ったのはどのような経緯で?

ある日たまたま、TwitterでEmmyWorksの社長から「インターンしませんか?」という内容のDMが来たんです。それが元となって自分がやりたかったサービスと似ているものを作っていることを知り、1度会ってみたいなと思いました。

EmmyWorksの本社に足を運んだ後、会議室で社長から事業内容について説明を受け、その内容にすごく共感したので、その場で働くことを即決したのを覚えています。そうして、まずはエンジニアとして働き始めました。

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▲同社に入社してから、今井さんが制作を担当したというEmmyWorksのコーポレートサイト(http://emmy.asia/)。「人生で初めて1人で作ったWebサイトだったので、すごく印象に残っています」と、彼女は笑顔で語ってくれた。

―そこから、COOという“経営”に携わる職に就いたのはなぜですか?

今井:EmmyWorksでは技術的なことだけではなく、サービスの作り方や運営の仕方に至るまで、本当に色々なことを教えてもらえたんです。それがすごく楽しかったので、「いつか、経営に携わる仕事も本腰を入れてやってみたい」と思っていました。

そう思っていたあるとき、仕事ぶりを社長から認めてもらえて、「役員になってみないか」と声をかけてもらったんです。

この会社ならば自分を成長させてくれると感じましたし、経営という新しい分野に挑戦する価値があると考えました。だからこそ、この会社でCOOというポジションに就くことを決めたんです。

それに、私にはある“夢”があって、その夢を実現するために一度は経営に携わる経験を積みたかったというのも大きいですね。

思い描くのは、誰もがプログラミングを楽しむ未来

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―その夢とは、具体的にどのようなものですか?

今井:実は私、最終的には「小学校を作りたい」と思っているんです。

―小学校……ですか。相当に壮大な夢ですが、その理由は?

今井:自分自身が学生として授業を受ける中で、「日本のIT教育にはまだまだ課題が残っているな」と強く感じたからです。

例えば、私の通っていた小学校では、電子黒板のような最新の電子機器を導入していました。けれど、それを使って教える側である先生が、なかなかそうした機器を上手に使いこなせなくて、結局一度も使わずに終わってしまったようなケースもあったんです。

―その原因って、何にあると思いますか?

今井:生徒に色々なことを教える立場である“先生”自身が、電子機器に慣れ親しんで育ってきたわけではないこと。そして、ITに関する専門教育を受けてこなかったことが大きいと思います。その状態で、ITの楽しさや魅力を伝えようとしても、ちょっと無理があるような気がするんです。

その状況を変えて、日本のIT教育を良くしていくには、先生のITスキルを育てるような新しいカリキュラムが必要です。そして、それを実現するには学校を作って、仕組みそのものを構築しなければいけないと感じています。

―それで小学校を作りたいというわけですか。実現すれば、多くの人たちが当たり前のようにプログラミングを学び、楽しむ未来が実現できる。本当に素敵なことですね。

今井:自分自身、プログラミングのおかげでたくさん素敵な経験ができましたし、多くの人との出会いもありました。中学3年生のときに、もしプログラミングスクールに行っていなければ、今頃私は何をしていたんだろうってよく考えます。

私と同じように、大勢の人たちにITの持つ魅力に気づいてもらいたいし、それによって色々なことを実現してほしい。「自分で行動を起こせば、未来は変えられるんだよ」っていうことを、みんなに伝えてあげたいです。

あどけない表情の裏にある、パイオニアの精神

終始にこやかに、「プログラミングを学んだおかげで、毎日が楽しくなりました。本当に充実しています」と話してくれた今井さん。その瞳は、自分自身の行動で社会を良くしていきたいという希望に満ちあふれ、キラキラと輝いていました。

近い将来、「学生がプログラミングを学ぶこと」は一般的になってくるでしょう。しかし、それを成功させるには教育“する”側も、変わらなくてはいけないという今井さんの課題提起は、彼女自身が学生であり、プログラミングを学んだことで人生を変えたからこそ、強い説得力を持っていました。

あどけないその表情の裏には、パイオニアとしての強い信念が隠されている。そう感じたインタビューでした。

取材協力:株式会社EmmyWorks
     今井彩碧(@ayami_ii

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