ヒト

通勤時間をなくせば、自由に使える時間が増える──GEEKGIRLLABO 柳田亜沙美氏

「育児しながらできる仕事ってなんだろう?」

「両立したいけど、そもそも私には難しいかもしれない」

育児と仕事の両立ができる仕事を探している方のなかには、こんな想いを抱いている方もいるのではないでしょうか。子育てへの支援制度がある企業が増えているものの、「私はそういうところでは雇ってもらえない」と思っている方も少なからずいるかもしれません。

今回、お話を伺った柳田亜沙美さんは女性のためのプログラミングスクール「GEEKGIRLLABO」を運営しています。

そんな柳田さんに、育児と仕事を両立しやすい仕事について聞いてみました。

非効率なことを改善したくてはじめたプログラミング

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――GEEKGIRLLABOがどのようなものか教えてください。

GEEKGIRLLABOは通信教育で完結する女性向けのプログラミングスクールです。プログラミング以外にもコースがいくつかあって、Webサイト制作系のHTMLとかコーディング、デザインを学ぶコースなども人気です。

――GEEKGIRLLABOをはじめるきっかけはなんだったのでしょうか?

まずGEEKGIRLLABOを運営している株式会社凛を2008年に立ち上げました。そこでは私自身が自由な働き方をして、ある程度の収入を得るという目標があったんです 。

数年続けていったときに目標が達成されて、次の目標をどうするか考えたんですね。自分はプログラミングというスキル持ったことで、場所を選ばず仕事ができて、自由な時間もあり、それなりに収入を得ることができた。女性がプログラミングスキルを持つことで、育児と仕事の両立がしやすくなるんじゃないかと思ったんです。

そのために私に何ができるのかを考えたときに、プログラミングスクールをはじめるのがいいと思って、GEEKGIRLLABOをはじめました。

――そもそもどうしてプログラミングをはじめたのでしょうか?

元々は文系の学部に通う学生で、新卒で入社した先でも機械加工メーカーの事務職として働いていました。

業務の中で、伝票処理があったのですが、手書きと電卓で処理をしなければいけなかったんです。電卓も使い慣れていなかったので、ひとつ打ち間違えると全部打ち直していて、こんな非効率なことはないと思った。(笑)

そこで上司に言って、Excelを使いはじめました。はじめてすぐ、もっとできることないかなと思うようになり、VBAというプログラミング言語を独学しました。ただ、それも物足りなくなり、会社の情報システム部の人に相談しに行ったんです。AccessというMicrosoft が販売しているExcelよりも複雑なことができるソフトの存在を教えてもらい、直属の上司に頼んで、買ってもらいました。そこから資材の受発注とか在庫管理ができるシステムを作りはじめるようになりました。

――そしてプログラミングの魅力を知っていったのですか?

元々は非効率なことを改善したくてはじめたんですけどね。(笑)

プログラミングをはじめたばかりの頃は、思い通りにプログラムが動かないこともありましたが、試行錯誤して動いてくれた時が楽しくて、やみつきになりました。

――試行錯誤を繰り返していくなかでどんな魅力がありましたか?

自分が成長すると、想定通りにプログラムが動いてくれるようになるんです。逆に動かない場合は、プログラムが動かない書き方を自分がしていることになる。なんというか、コードを書いた通りに動く、その素直さがすごく気持ちいい。

自宅勤務ができることで、働く時間を効率的に確保

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――育児と仕事を両立したい人は多くいると思います。しかし「私に両立は難しい」と諦めてしまう人も少なからずいる気がします。どうしてなのでしょうか?

いくつか理由はあると思います。

ひとつは、両立は難しいと諦めている人がこれまで見てきた社会とか、昔働いていた会社が、育児と両立させるのが難しいと思わせる環境だったのかもしれません。

次に、育児と仕事を両立している人の成功事例としてメディアで取り上げられる人が、すごくパワフルだからです。フルタイムで働きつつ、子育てもしている、みたいな。それをみて「私には無理だ」と思ってしまう人が少なからずいる。

だからフルタイムじゃなくて、時短勤務で両立している人の事例がもっとあるといいですよね。弊社のエンジニアは、大阪に住んでいて、9時から4時までの時短勤務かつ自宅勤務していて、両立できていますよ。

――育児と仕事の両立がしやすい仕事ってどういうものでしょうか?

やっぱり自宅でできる仕事は両立しやすいと思います。 子どもの送り迎えがあると、時間がどうしても限られてしまいます。両立のためには、その限られた時間を効率的に使う必要があります。

たとえば、ある人の通勤時間が片道1時間だとしたら、ただでさえ限られている時間を、往復で2時間も取られてしまいます。でも自宅勤務だと、通勤時間の分を仕事にあてたり、家事をすることができます。また女性の場合は化粧の時間もあったりするので、いざとなればその時間も削減できちゃいますよね。

通勤の時間を考えたときに、自宅の近くで仕事を探すと、スーパーやコンビニのパートなどになりやすい。そういった仕事がよくないとは思わないですが、長い目で見た時に、自身のスキルアップや、経済価値をあげることは難しい気がします。

――具体的にはどういった仕事がいいのでしょうか?

自宅勤務がしやすい職種としてあがってくるのがエンジニアです。プログラミングやWeb デザインなど、パソコンがあれば完結できる仕事がいいですね。

特に少人数のITベンチャー会社のWeb系エンジニアだと、自由な働き方ができる場合が多いです。ITエンジニアは人手不足で、求人も多いので採用もされやすいです。

今からプログラミングの基礎的なことを理解しておけば、一旦育児で休んだ期間があったとしても、復帰しやすい。GEEKGIRLLABOにも出産と育児で10年プログラミングをしてこなかった元エンジニアの女性がいらっしゃいますが、吸収が早くて、すぐに職場復帰できそうです。

専業主婦になる前に再就職しやすいスキルを身につけておく

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――必ずしも育児と仕事って両立しなければいけないのでしょうか?

必ずしもしなければいけないわけではないです。その人の好きなように生きるのが幸せだと思うので、たとえば専業主婦になりたい人は、それでいい。

ただ専業主婦になる事はリスクもあります。離婚や、旦那さんが亡くなられたりしたときに、実務経験がなかったり、スキルがなかったりすると就職のハードルが上がってしまいます。

なにかあった時にスムーズに就職できるようなスキルを専業主婦になる前に身につけておくことは重要です。

――プログラミングに興味を持った人はなにからはじめるのがいいのでしょうか?

まずプログラミングを体験してみるには、HTMLとjavascriptを書いてみるといいと思います。プログラミングをはじめようとして、環境構築*で挫折する方は多いのですが、HTMLとjavascriptでしたら環境構築が不要ですので、はじめやすいです。

体験してみて、もっと習得したい方には、PHPで実際に何かサービスを作ってみることをおすすめしています。PHPはサーバーが必要ですが、レンタルサーバーでもPHPの環境は手に入りやすいので、環境構築に苦労することはないと思います。本格的にエンジニアを目指そうと思った時に、求人の数も比較的多いのも、おすすめする理由のひとつです。

*環境構築:特定の装置やソフトウェア、システムなどが動作するように、コンピュータや情報システムの状態を整えること

――そのためには入門書を読みはじめるのがいいでしょうか?

まず手を動かすのが一番です。入門書にもよると思うのですが、プログラミングの入門書でよくあるのが、難しい文法の話が延々と載っている。いきなりそういうのだとプログラミングの楽しさがわからないまま苦手意識を持ってしまう方も多いです。

なので、実際にコードを書いてプログラムを動かすことができるものがいい。それができれば、入門書でも、スクールでも、コミュニティでもいいと思います。更に言えば、わからないことがあった時に人に聞ける環境があるといいですね。

――最後に、これからどういった活動をしていきたいですか?

大きくふたつあります。

ひとつは、フルタイムで働けない人とフルタイムじゃなくていいからWebサイトの担当者が欲しいという企業をマッチングできる場所を作る。

もうひとつは、若い人向けにプログラミングに触れる機会を作っていきたいです。子どもがいる状態で勉強して、実務経験を積んで、仕事をすることってどうしてもハードルが高い。若いうちから結婚や出産に対応しやすいキャリアを考えるきっかけ作りをしたいと思っています。

協力:株式会社凛, GEEKGIRLLABO

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