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「技能伝承」という課題に正面から取り組む川崎重工!シニアエンジニアを活用する企業特集[2]

定年後の社員を、専門性や経験、技術面において活用するシニアエンジニアへの期待は高まりつつあります。特に昨今、あらゆる企業で課題となっている「若手エンジニアの育成」は最大の関心事ではないでしょうか。

今回はそんな課題に対するソリューションに向けて、いち早く歩みを進め、改革を行った川崎重工業をご紹介します。

熟練のシニアエンジニアが働きやすい環境を作る!川崎重工の雇用制度の歴史

川崎重工の「シニア社員制度」は、97年6月にスタート。企業が必要であるとした従業員については60歳以上でも再雇用するというもので、定年退職者が保有する豊富な経験や技術・技能を比較的安いコストで活用していました。

そもそもは、現場の主体となる中堅層不足を解消することと、若年層への技能の伝承役、あるいは下請企業などに対するさまざまな指導役として、すぐれた技能と経験を持つ定年退職者を活用することを目的としたものでありました。

「シニア社員制度」が導入されて以降、再雇用が社内で浸透していく中で、労働組合からは65歳までの段階的な定年延長要求などが提案され、65歳までの
雇用へ向けて本格的な検討がなされるようになり、TAR-GETの交渉につながっていきました。

企業競争力の強化へ向けて!「定年延長」を定着させるための新たな構造改革案

2003年、TAR-GET(Total and Active Reform for Grasping an Excellent Tomorrow)という人事制度全般にわたる、「目標の達成によってすばらしい明日を勝ち取るための総合的かつ積極的な改革」の構造改革案が同社労働組合に提示されました。

TAR-GETは“雇用の安定化”と“従業員の活性化”の2軸をテーマに、成果主義や実質主義、自助努力という名目で各処遇制度を再検討して労務費の変動をはかり、企業競争力の強化をめざしました。

「定年延長」の項目では、まずは63歳まで延長して制度が定着するのを見極めてから、短時間勤務・短日数勤務、またはこれらによるワークシェアリングも考慮しながら段階的に制度は進められていきました。

日本が世界に誇る”KAWASAKI”の伝統技能は「範師制度」で守る!

「技能伝承」は、エンジニアを中心に伝承するに値する技術を持ち、後進育成の資質のある56歳以上の生産職の社員を認定し、技能伝承してもらう範師制度。任期は1年で半期9万円の技能伝承奨励金を支給するというもので、現在でも数十名の従業員が活躍中です。

60歳到達後は 「エルダー階層」と位置づけ、格付けられた系列に期待される役割のなかで業務を遂行し、技術・技能を伝承する役割を担っているのです。

シニアエンジニアが長く社会で活躍することは、企業の発展に直結

定年後の社員をその道のプロとして、専門性や経験、技術を活用するなどシニアエンジニアへの期待は高まりつつあります。ご紹介した川崎重工の場合は、特に昨今あらゆる企業で課題となっている「若手エンジニアの育成」に関して、「範師制度」を設けることでいち早くソリューションに向けて歩んでいることがわかりました。

重工業においてエンジニアの存在は、業務の要となるため、シニアが長く社会で活躍すること=企業の発展に直結します。シニアエンジニアの雇用で課題解決に貢献し、これからもより良い企業体を形成していくことで、エンジニアの価値はさらに高まることでしょう。

出典:
独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構/高齢者雇用の企業事例ベスト20
一般社団法人企業研究会BRI ニュース

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