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XR(クロスリアリティ)とは|意味やVR・AR・MR・SRとの違いをわかりやすく解説

機電派遣コラム この記事は約 9 分で読めます。

現実世界と仮想世界を融合する「XR」。言葉を目にする機会が増えてきていますが、VRやARとは何が違うのでしょうか? こちらでは、XRとはどのようなものなのか、普及が進んでいる背景やビジネスシーンにおける活用事例を紹介します。

XR(Cross Reality/クロスリアリティ)とは

XRとは、現実世界と仮想世界を融合する先端技術であるVRやAR・MR・SRの総称です。読み方は「エックスアール」や「クロスリアリティ」とさまざまで、英語で「Cross Reality」と表記します。

XRの概念が誕生した背景には、複数の先端技術を組み合わせたコンテンツが提供されるようになった技術革新が挙げられます。先端技術の垣根は徐々に取り払われており、「このコンテンツはVRなのか?それともARなのか?」とひとつの言葉に集約して表現することは難しくなってきています。そこで、先端技術をインクルードした概念として、XRが定義されるようになりました。

XRの技術「VR」「AR」「MR」「SR」の違い

XRに含まれる先端技術について、それぞれの言葉が意味するものや特徴、活用されるシーンの違いをまとめました。

言葉の意味 特徴 活用シーン
VR
(Virtual Reality)
仮想現実 仮想空間の映像が360度表示され、高い没入感を体験できる。 ゲーム、不動産の内見、リハビリ など
AR
(Augmented Reality)
拡張現実 現実世界に非現実のものが本当に存在しているかのように見える。 ゲームやコスメの試用、服の試着 など
MR
(Mixed Reality)
複合現実 現実世界の映像に表示されている非現実のものに触れられる。 製品のシミュレーション、医療領域 など
SR
(Substitutional Reality)
代替現実 現実と非現実の映像の区別がつかない。 現時点ではなし

それぞれの技術について、個別に説明していきます。

VR(Virtual Reality):仮想現実

VR(Virtual Reality)は、専用のゴーグルを着用し、CGや3D技術で構築された映像が360度全方位を囲み、仮想空間に身を置くような体験を提供する技術です。日本語では「仮想現実」と呼ばれます。

ゴーグルには右目と左目で微妙に異なる映像が映しだされ、映像が立体的に見える仕組みが採用されています。また、ゴーグルに搭載のセンサーが機能し、実際に頭を向けた方向に仮想空間の映像も切り替わる仕様になっており、コントローラーを使用して仮想空間内を移動したりと、より高い没入感を体験できます。

活用分野はすでに幅広く、不動産や医療・教育・スポーツ・観光など多岐に渡ります。

AR(Augmented Reality):拡張現実

AR(Augmented Reality)は、現実世界の映像に非現実の映像を重ね、非現実のものがあたかも存在しているような体験を提供する技術です。日本語では「拡張現実」と呼ばれます。

VRとの大きな違いは、実際の現実世界の映像があることです。そこに重ねる形式で、スマホやARグラスなどのデバイスを使用し、CGなどの非現実の映像を映します。

活用分野はゲームのほか、美容やアパレルなどシミュレーションの需要が高い領域で多く使用されています。

MR(Mixed Reality):複合現実

MR(Mixed Reality)は、現実世界の映像に非現実の映像を重ねるARをさらに発展させ、CGに触れる、別の角度に切り替えるなど、非現実の映像にさらにリアリティをプラスさせた技術です。日本語では「複合現実」と呼ばれます。

MRでは、カメラやセンサーで現実世界の空間を正確に把握し、現実世界と仮想空間を融合させます。また、コンテンツを他人と共有することも可能で、同じ世界観の中でのコミュニケーションも交わせます。

活用分野には製造業や医療などがあり、今後はより幅広い分野での活用が期待されています。

SR(Substitutional Reality):代替現実

SR(Substitutional Reality)は、あらかじめ撮影された過去の映像の情報を現実世界の映像に重ねることで、存在しないものを目の前にあるように見せる技術です。日本語では「代替現実」と呼ばれます。

現時点でSRの活用は進んでいないものの、将来的にはゲームやスポーツなどさまざまな分野での活用が期待されています。

XRが注目を集め普及が進む背景

下記のような技術革新やライフスタイルの変遷に伴い、XRは今後の需要の急増が見込まれています

  • 5Gによる高速通信の実現
  • リモートによるコミュニケーションの普及
  • DXの推進
  • メタバースを実現する手段のひとつ

5Gによる高速通信の実現

超高速かつ低遅延、さらに多数端末の同時接続も可能な次世代通信インフラである5G。これまでの4Gと比較しても、より高速で大容量のデータ通信を行えると、全国的に急ピッチで普及が進んでいます。

XRコンテンツの展開にあたっては、大容量データの高速通信が不可欠です。これまでの4Gでは難しかったものの、5Gがさらに浸透していくにつれて、XRも普及していくと考えられています。

リモートによるコミュニケーションの普及

XRは、リモート会議やオンラインイベントでも活用できます。オンラインでのコミュニケーションは新型コロナウイルスの感染拡大を経てすでに定着し、今後のXRの普及にもひと役買うと見られています。

たとえばXRの活用で、仮想空間の会議室に参加者はそれぞれのアバターで集まり、対面で話し合っているかのようなコミュニケーションも可能に。身振り手振りもアバターに反映されるため、臨場感のある会議になるでしょう。同じ要領でオンライン展示会にて接客を行うなど、XR活用の幅の拡大も期待されます。

DXの推進

進化したデジタル技術を共有・浸透させ、生活やビジネスをよりよい形に変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)。日本においても積極的に取り組まれており、経済産業省はデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会を設置し、国を挙げてDXを推進しています。

2021年に一般社団法人日本能率協会が実施した「当面する企業経営課題に関する調査」によると、DXに取り組んでいる企業は2020年で28.9%であったのに対し、2021年では45.3%まで増加しています。また、「取り組みを検討している」「これから検討する」と回答した企業は合わせて46.6%にのぼります。

今後もDXに取り組む企業の増加が予想され、その中核となる技術であるXRの普及も進んでいくでしょう。

メタバースを実現する手段のひとつ

メタバースとは、「Meta」と「Universe」を組み合わせた造語で、3次元の仮想空間のことです。「あつまれ どうぶつの森」「フォートナイト」など多くの人気ゲームでもメタバースの概念が取り入れられており、日常にも徐々に浸透してきています。

また、メタバースは「新しい経済圏」としても期待されており、NFT(非代替性トークン)を用いてデジタルアイテムを暗号資産で売買するなど、ビジネスの可能性を拡大させるポテンシャルも秘めています。

メタバースの実現・構築においても、XRは欠かせない技術です。両者の普及には強い相関性があると見られます。

ビジネスシーンにおけるXRの活用事例

XRは下記のようなメリット・利用目的から、すでにビジネスシーンで幅広く活用されています。

  • 業務効率化・生産性の向上
  • 採用・研修・人材育成
  • 顧客の利便性の向上

実際にXRが活用されている事例を、業種別に紹介します。

製造業の活用事例:複合現実による技能継承

製造業は、XRの活用がもっとも進んでいる分野のひとつです。製造ラインにおける活用にとどまらず、慢性的な人材不足に起因する若手への教育、技能継承にも取り入れられています。

特にものづくりの現場は業務が属人化しがちな傾向があるため、特に少子高齢化が進行する昨今では、熟練の技術やナレッジを次世代に速やかに継承しなければいけません。

大手鉄鋼メーカーでは、熟練工の技術をOJTにて若手に継承していました。しかし、教育現場からの「より効率的に若手を育成したい」という声を受け、伝承方法の変更を決断。MRを活用した訓練シミュレーターを構築しました。

技術は見えない資産とも捉えられるため、複合現実による可視化は有効な手段です。結果、同社では効率的な継承オペレーションが構築されています。

医療分野の活用事例:既存の課題を解決するオンライン医療

医療業界も、XRの積極的な活用が進んでいる分野です。オペの現場での活用のほか、今後の需要の急増が予測される「オンライン医療」推進のトリガーとしても期待されています。

現在、多くの臨床現場では、若手歯科医の技術向上を目的とした対面指導が行われています。研修はクリニック内で完結することが多いことから、習得できる技術が所属するクリニックの指導に依存してしまう課題はすでに顕在化しています。

こうした課題の解消に向けて、VRとARを活用したオンライン指導や手術支援の実証実験が実施されました。XRの活用で、遠方のクリニックに足を運ばなくても指導を受けられるようになります。また、医師のみならず患者側にもメリットがあり、普段通院しているクリニックで高度な治療を受けられるようになっています。

不動産業界の活用事例

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、物件の内見が難しくなっていた不動産業界。しかしいまではXRの活用で、内見の手法にイノベーションが起きています。

賃貸経営やリノベーションなど資産運用をサポートしている企業では、ARを活用した内見を導入。内見だけでは顧客が実際の生活をリアルにイメージできないという課題を解決すべく、内見時にはARグラスを着用して部屋の中に家具を配置。内見はより楽しく便利になり、ユーザー体験の向上に成功しています。

まとめ
  • XRは、現実世界と仮想世界を融合する先端技術であるVRやAR・MR・SRの総称
  • 先端技術の垣根は徐々に取り払われ、ひとつの言葉に集約して表現することは難しくなってきていることから、インクルードした概念として、XRが定義された
  • 製造業や医療分野など、すでにXRの技術はビジネスの現場でも活用されている
  • 5GやDX、メタバースなど、テクノロジーの進歩とXRの普及には強い相関性があると見られ、今後も需要は拡大していく

 

 

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