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LiDARとは|自動運転システムに欠かせない光センサー技術の仕組み

機電派遣コラム この記事は約 8 分で読めます。

自動運転自動車や自律素行ロボット、ドローンなどに用いられている技術である「LiDAR(ライダー)」。その歴史は意外にも古く、1960年代にはすでに開発されていました。

LiDARは、完全自動運転自動車を支えるテクノロジーとして、近年急激に需要が高まっています。LiDARが自動運転システムに欠かせない理由や、LiDAR実用化への課題など、LiDARの現在地について解説します。

LiDARとは

LiDAR(ライダー)とは、光を用いたリモートセンシング技術のことです。正式には「Light Detection and Ranging」または「Laser Imaging Detection and Ranging」といいます。

1960年代には存在していたLiDARは、現在でも多くの先進技術に用いられており、産業や生活に欠かせないテクノロジーのひとつとなっています。

LiDARの仕組み

LiDARの仕組みを図にすると次のようになります。

LiDARでは、対象物にレーザーを当てその光が跳ね返るまでの時間から、レーザーを発する装置から対象物までの距離や性質、形状を測定します。

また、LiDARで利用するレーザー光は電波よりも波長が短く、誤差が発生しづらいという特徴があり、遠距離から小さな対象物に向けてレーザーを照射しても、対象物を計測できるのです。

LiDARの仕組み自体は新しいものではありませんが、近年においてもその精度の高さが評価されており、自動運転技術をはじめとするさまざまな分野で活用が進んでいます。

LiDARの活用例

LiDARは現在も幅広く利用されている技術です。LiDARを活用しているものには、次のようなものがあります。

  • 自動運転
  • 測量
  • 防犯
  • ウイルス感染症対策
  • 地質学・気象学
  • iPhone、iPadなどのタブレット端末

自動車の自動運転では、車間距離の計算や障害物の判別、高解像度デジタル画像の作成等を行います。測量においては、主に道路や建物の建設に用いられています。従来の方法よりもデータの高速収集が可能です。

その他、侵入者検知システムやウイルス感染症対策としての入退室管理、混雑状況のモニタリングにも用いられています。また、地質学や気象学においては古くから利用されており、飛行機にLiDARを搭載して地形調査に用いるなど重宝されています。

最近ではiPhone、iPadのカメラに「LiDARスキャナ」が搭載されたことで、室内に家具を設置するシミュレーションなどで手軽にAR技術を利用できるようになりました

LiDARが自動運転システムに求められる理由

自動運転において、LiDARによるセンサーは人間の眼の代わりとなり、他の車の動きや障害物の有無、それらとの距離を計測し、適切な走行の実現に役立てます。

自動運転におけるLiDARの役割

現在の自動ブレーキ等の先進運転支援システムには、ミリ波レーダーやカメラが用いられています。これらの技術は前を走る車を検知して車間距離を計測することはできますが、先行車等の正確な形や位置の検知には長けていません。一方、LiDARは周囲にあるモノや歩行者との距離やその形状をほとんど完全に把握できます

自動車が走行している間、周囲の状況は絶え間なく変化しています。

  • 道路状況
  • 車間距離
  • 車線変更による位置の変化
  • 歩行者の飛び出し など

このように、変化の内容や理由はさまざまです。安全な自動運転を実現するためには、これらの変化を即座に正しく読み取るセンサーが必要です。

ミリ波レーダーやカメラを用いた自動運転は、高速道路のように状況の変化が少ない場所でしか利用できません。対して、歩行者との距離やその形状をほとんど完全に把握できるLiDARの活用により、完全自動運転の自動車をつくれる可能性が高まるというわけです。

自動運転システムでは3方式の組み合わせが必要

LiDARによって完全自動運転の実現の可能性は高まってはいるものの、LiDARのみで完全自動運転は実現できません。従来方式のミリ波レーダーとカメラ、そしてLiDARの3つを組み合わせる必要があります。

現在の技術水準では、どれかひとつの技術のみでは自動運転に必要な情報をすべて取得することができません。例えば、前方、側方、後方にLiDARを、前方と後方にミリ波レーダーを、前方にカメラをといったように、さまざまなセンサーで自動車をぐるりと取り囲むことで、自動運転に必要な情報を網羅的に取得していきます。

このように複数のセンサーを用いて、それぞれの情報を組み合わせ統合的に判断する技術をセンサーフュージョンといいます。自動運転機能のために複数の技術を用いるのは、それぞれのデメリットをそれぞれのメリットで補い合うためです。

自動運転技術に不可欠とされる3つの技術の特徴は次の通りです。

メリット デメリット
LiDAR レーザー光を照射することで対象物との距離や形状を識別し、誤差の少ない三次元イメージを取得できる 悪天候時に検知能力が低下することがあるほか、システム自体が高額であるため多数のLiDARを自動車に取り付けるのは現実的ではない
カメラ 撮影した画像を処理して対象物を識別し、車や歩行者だけでなく、信号機の色や道路標識も識別可能 霧の発生時や夜間、逆光下では対象物の識別が難しい
ミリ波レーダー ミリ波を照射して対象物までの距離を測定。夜間や悪天候下でも対象物の距離を正確に計測できるほか、LiDARよりも安価で用いやすい。 ミリ波レーダーは小さな物体や、段ボールなど反射率の低い物体の検知が困難

自動運転システムでのLiDAR実用化への課題

自動運転システムの実現に欠かせないLiDARですが、次の理由から実用化の道のりは険しいとされています。

  • 高額である
  • ソフトウェアの問題

特に実用化のネックとなっているのがLiDARの価格です。またソフトウェアに関する課題も無視できません。

高額である

LiDARは低価格でも数万円、自動運転に利用するハイエンドモデルになると数百万円かかるものもあります。自動運転技術開発の初期段階では、試験車両向けのLiDARが約800万円したともいわれています。

とはいえ、現在では多くの企業がLiDARの開発に参入しており、LiDARの低価格化が進んできています。汎用機では数万円台のものもあり、課題解決まであと一歩というところまできているといえるでしょう。

ソフトウェアの問題

LiDARを用いた自動運転には、車線情報や地形、信号、道路規制などを反映した高精細な地図「ダイナミックマップ」が必要とされます。どこを走行してもLiDARによる自動走行が可能になるためには、全国・全世界のダイナミックマップが不可欠となり、これを作成するためには多くの時間が必要になると見込まれます。

ただし、ダイナミックマップは世界共通のデータ作成が進められており、この課題も近い将来に解決しそうです。

LiDARは自動運転自動車の進化のカギを握るテクノロジー

LiDARはiPhoneやiPadなどの身近な機器にも利用されている技術です。自動運転自動車の進化においては、走行中の障害物や歩行者の判別、先方・後方車両との距離の計測などに必須となるテクノロジーと考えられています。

昨今の自動運転技術開発の発展とともに、LiDARの低価格化が進んでいます。手を出しやすい価格帯まで価格が下がれば、今後はあらゆる場面でLiDARが利用されるようになる可能性が高まります。運転の精度も向上し、より安全な自動運転が可能になるはずです。

まとめ
  • LiDAR(ライダー)は光を用いたリモートセンシング技術のこと
  • 対象物にレーザーを当てその光が跳ね返るまでの時間から、対象物までの距離や性質、形状を測定できる
  • 1960年代にはすでに開発されており、現在でもiPhoneやiPadに搭載されるなど多くの先進技術に用いられている
  • 完全自動運転自動車を支えるテクノロジーとして、近年においても急激に需要が高まっている
  • LiDARのみで完全自動運転は実現できず、ミリ波レーダー、カメラと組み合わせる必要がある
  • 誤差の少ない三次元イメージを取得できることがメリットである一方、悪天候時の検知能力の低下や、システム自体が高額である点が課題
  • 現在では多くの企業がLiDARの開発に参入しており、低価格化が進んできている

 

 

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