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IoB(Internet of Behavior/Bodies)とは|活用例や懸念されるリスク

機電派遣コラム この記事は約 8 分で読めます。

「IoB(Internet of Behavior/Bodies)」とは、「行動のインターネット」と呼ばれる、人の行動をデジタルで追跡するITシステムを指すものです。

あらゆるモノとインターネットがつながる「IoT」の一般化が進むいま、次なるテクノロジーとして注目されているIoBとは何か、その概要と活用例、さらに今後の課題もあわせて解説します。

IoBとは

IoBとは、「Internet of Behavior」もしくは「Internet of Bodies」の略語で、人の行動をデジタルで追跡するテクノロジーを指す言葉です。例えばスマートウォッチのように、体に装着して心拍数や運動強度を測り記録するツールをイメージするとわかりやすいでしょう。

IoBは、近年注目度が急速に高まっているテクノロジーです。アメリカのIT調査会社のガートナーが、2021年の戦略的テクノロジートレンドにこのワードを選出したことからも、その注目度の高さがうかがえます。

なお、ガートナーが指しているIoBは、「Internet of Behavior」が該当します。これは直訳すると「動作のインターネット」。個人の位置情報や運動履歴、購買履歴、閲覧したWebページなどから収集した情報を用いて、個人がより快適な生活を実現できるよう支援するITシステムが、今後の大きなトレンドになると予想されています。

Internet of Bodiesの意味

先に触れた2つのIoBのうち、「Internet of Bodies」は人間の体とインターネットをつなげるテクノロジーを指します。例えば、体の中にデバイスを埋め込むペースメーカーもInternet of Bodiesのひとつです。

体にインターネットをつなげた状態で、人の動作や行動をデジタルで追跡すること。それが、「Internet of Bodies」の概念となります。

Internet of Behaviorの意味

「Internet of Behavior」は、前述したとおり位置情報や運動履歴、購買履歴など取得した情報を、快適な生活を実現するために活用するテクノロジーを指します。

2020年に入り、新型コロナウイルスの影響が個人の生活におよぶようになると、さまざまなテクノロジーが活用され始めました。カメラを用いた体温の計測や、感染経路を把握し次の感染を防ぐための位置情報の追跡はその最たるものでしょう。

このような個人に向けたテクノロジーは、現在世界中でニーズが高まっている技術です。

IoTとIoBの関係

IoBと似た言葉にIoTがありますが、IoTはIoBの前身の技術ともいえます。IoTによってあらゆるモノがインターネットにつながるようになり、インターネットを使ったテクノロジーはますます身近なものになりました。

このIoTで得たビッグデータを活用して、より生活の利便性を向上させるのがIoB技術です。

IoTとは

IoTは「Internet of Thing」の略語で、モノのインターネットという意味を持つ言葉です。

インターネットは従来、パソコン同士をネットワークでつなぐためものでした。ところが技術が向上するにつれ、インターネットはパソコンだけでなく家電や車などさまざまなモノと接続できるようになりました。

  • ネットからレシピを探して提案してくれる冷蔵庫
  • 好みの曲を自動で流してくれるスマートスピーカー
  • 自動運転自動車

これらはすべてIoT技術を活用した製品です。

IoTとIoBのつながり

IoBは、IoTで収集した情報の活用によってさらに進化するといわれています。

IoTは、今では生活のあらゆる場面で利用されるようになりました。そして、多くの人が利用することでIoTデバイスから膨大な量のデータが蓄積・収集されます。このデータから、人々の好みの食べ物から行動パターンまで解析できるまでになっているのです。

これらの行動データとIoBデバイスが組み合わされば、睡眠パターンから心拍数、食事や血糖値を追跡するとともに、健康に偏りが出そうなときにはアラートを鳴らすなどの方法で警告を発せられます。IoBデバイスを、より健康で快適な生活を送るために利用できるようになるのです。

IoBの活用例

次に、実際のIoBの活用例について見ていきましょう。

  • ウェアラブルデバイスによる身体情報収集
  • ペースメーカー
  • 自動車の運転情報
  • 位置情報
  • 顔認識

ウェラブルデバイスによる身体情報の収集やペースメーカーは「Internet of Bodies」にあたります。これらは体に直接触れたり埋め込んだりして、体に関する情報を取得するIoB技術です。毎日どのくらいの睡眠をとっているのかを把握したり、身体機能を維持したりするために用いられます。

自動車の運転情報や位置情報、顔認識技術は「Internet of Behavior」にあたります。こちらは「デバイスで取得したデータを快適な生活を実現するために利用する」技術です。

例えば、顔認識システムを使ったマスクの装着の有無の確認および警告や、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐための感染経路の追跡に位置情報を取り入れるなどの局面で活用できます。自動車の運転情報では、運転者の望ましくない運転習慣を記録しフィードバックすることで、事故の未然予防にもつながるでしょう。

IoBのリスク

進化を続けるIoB技術ですが、注目度が高まると同時に、見逃すことのできないリスクも懸念されています。

  • サイバーテロ・情報漏洩
  • デバイスの不備

体内にデバイスが埋め込まれ、さまざまな情報を蓄積・活用できるようになることで、体内のデバイスに対するサイバーテロが行われ情報を盗み取られてしまう可能性があります。また、デバイスはあくまでも機械である以上、体内に埋め込んだ後、故障せずに使い続けることは難しい点も問題になるでしょう。

サイバーテロ・情報漏洩

IoBデバイスには、3つのフェーズが存在し、サイバーテロの危険にさらされることが懸念されます。

  • ウェラブル:体に接触させて情報を収集するフェーズ
  • 体内内蔵型:ペースメーカーのように体内に埋め込むフェーズ
  • ウェットウェア:脳に直接デバイスが接続されるフェーズ

ウェラブルの段階では、IoBデバイスに蓄積された情報がサイバーテロによって漏えいしてしまう可能性があります。さらに体内内蔵型のフェーズに進んだときには、体内のデバイスをハッキングされ、蓄積された情報を盗み出される可能性があります。その情報を人質のようにして身代金を要求されてしまうことも考えられます。

「考えただけで実行できる」ようになる、脳に埋め込むデバイスが実現したとすれば、脳のデバイスをハッキングされただけで自宅を開錠して潜入したり、銀行口座から現金を盗んだりなどといった犯罪も可能になるでしょう。

デバイスの不備

体内内蔵型のデバイスやウェットウェアのデバイスに不備があれば、命にかかわるようなトラブルにも発生しかねません。

さらに、デバイス自体不備はなくとも、何らかの理由で想定外の動作が発生した場合、その責任がデバイスの開発者にあるのか、デバイスを所有する本人にあるのかが曖昧となり、トラブルに発展する可能性も考えられます。

IoBの課題

IoBの普及と表裏一体の問題として、個人情報に対する懸念も高まるであろう点は留意しておきたいところです。

例えば、デバイスが取得したデータをもとに「次にあなたが買うべきものリスト」が作成されたとします。これは「リストを作成した会社はあなたの購買データを見ている」ことを意味します。どこまでをプライバシー情報として守るのか、どの程度の利便性を望むのかはユーザーの視点に立ち考える必要があります。

あらゆる個人の情報を活用する社会は、本当に多くの人に受け入れられるのか。それはいまの時点ではわかりません。IoBの行きつく未来を考えながら、ユーザーに配慮したシステムの構築や運用を進める必要があるでしょう。

IoBは今後どのように浸透していくか

IoBは、企業が喉から手が出るほどほしい「消費者の行動」に関するデータを得られる技術です。企業側はデータを取得し事業に活かしたいと考えるでしょうが、それが多くの消費者に受け入れられるのかは不透明な情勢です。

  • IoB技術がさらに進化すると、プライバシーやセキュリティ面でリスクを伴うこともある
  • 体内に入れたデバイスの不備の際はどうしたらいいのか
  • ユーザーの理解を本当に得られるのか

IoBが浸透するためには、まずはユーザーが安全に利用できる環境を整備し、「情報を取得し活用すること」をユーザーに理解してもらう必要があります。社会全体で安全に利用する方法や利用する情報の範囲について、よく議論する必要がありそうです。

まとめ
  • IoBは「Internet of Behavior」または「Internet of Bodies」の略語で、人の行動をデジタルで追跡するテクノロジーを指すもの
  • 「Internet of Behavior」は、位置情報や運動履歴、購買履歴など、取得した情報を快適な生活を実現するために活かすテクノロジー
  • カメラを用いた体温の計測や、新型コロナウイルスの感染経路を把握し次の感染を防ぐための位置情報の追跡などが該当する
  • 「Internet of Bodies」は、人間の体とインターネットをつなげるテクノロジー
  • 体の中にデバイスを埋め込むペースメーカーもそのひとつ
  • IoBは、ペースメーカーや顔認証、自動車の運転情報など、すでに実際に活用されている
  • 一方、サイバーテロや情報漏洩、さらには体内に埋め込んだデバイスに不備が生じるなど、無視することのできない課題が存在する
  • 今後IoBが浸透するためには、ユーザーが安全に利用できる環境を整備し「情報を取得し活用すること」をユーザーに理解してもらう必要がある

 

 

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