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MRJにも採用されるギアードターボファンエンジンと日本の関わり

機電派遣コラム この記事は約 4 分で読めます。

三菱航空機を筆頭に開発・製造が進められている小型旅客機、三菱リージョナルジェット(MRJ)。この旅客機に搭載されるP&W社のギアードターボファンエンジン(GTF)の開発、製造に、日本からは航空宇宙産業の一翼を担うIHIが参加しています。本記事ではGTFの構造、ならびに日本企業との関係について考察してみましょう。

 

ジェットエンジンの主流「ターボファンエンジン」

そもそも、ターボファンエンジンとはターボジェットエンジンのコンプレッサーの前部にファンと呼ぶ推進用の羽根を付けたエンジンで、現代のジェット機と呼ばれるものはすべてこのターボファンエンジンを搭載しています。このファンを大きくすることで燃費や低速時の性能が向上します。基本的な構造は、ファンはコンプレッサーと同じく、タービンと同軸であり、タービン出力によって駆動されます。主流は、2軸式であり、高圧タービン部の出力で高圧コンプレッサーを、低圧タービン部の出力でファンと低圧コンプレッサーを駆動します。

 

ジェットエンジンの新潮流「ギアードターボファン」

ファンを大きくするには限界があります。大きくなるとファンの先端の速度が速くなりすぎ衝撃波や騒音が発生します。大きな羽根を回すプロペラ機は減速機を使う事で回転速度を抑えています。GTFはコンパクトな遊星歯車を内蔵することでファンの回転数を落とし大きな羽根を装着しています。また、ファンが大きくなることでファンケースが大型化し重量が増加してしまいますが、これを炭素繊維と樹脂との複合材料で炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などを採用することで軽量化しています。

 

GTF開発への日本企業の取り組み

CFRP製のファンケースの素材を三菱レイヨンが供給し、IHIが生産を担当します。また、CFRPは従来は非常に高コストでしたが、コストを抑える新工法を採用するなどの取り組みがなされています。IHI、三菱重工、川崎重工の3社連合(JAEC)で、ファンケースとGV、低圧コンプレッサー(LPC)、タービンシャフト、燃焼器などの開発、生産を担当しています。また、MRJの組立ては、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所で行われています。しかし、GTF開発におけるJAECの担当比率は23%、日本単独で開発に乗り出すにはまだ難しいと言えるでしょう。

 

まとめ

航空機用のエンジンは複数の機体で同じエンジンが採用されます。これは開発に非常にコストがかかるためで、開発費の回収には機体以上に時間がかかるともいわれています。まだまだ日本単独で旅客機用のエンジンを作るのは採算をかんがえても難しいのかもしれませんが、これからの成長が楽しみな産業といえると思います。

 

 

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