電気・化学・情報工学…各分野で有効な資格を紹介-技術士のメリット
技術士はものつくりを行う技術者にとっては最高の資格となります。この技術士の資格は基本的に名称独占資格ですが、21ある専門分野の中では、例えば建設部門では、公共事業の入札をする際には技術士の在籍数が入札参加企業の評価項目の一つとされたり、建設コンサルタント登録では建設部門の技術士が必置となっている分野もあります。建設部門の受験者数が多いのはこのためです。
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技術士のメリットとは?
施工管理技士、電気工事士、測量士、ボイラー技士…など、技術士の資格試験は非常に難関ですが、それゆえにメリットも大きいといえるでしょう。
ストレートに給与面での待遇がよいことや、会社によっては資格手当や合格祝い金といったお金が支給されることもあります。
これに加え、「弁理士」「公害防止管理者」などの国家試験を受ける場合、試験のすべて、または一部を免除されるのも技術士ならではのメリットです。
また、国家試験によって一定水準のスキルを認証されており、秘密保持が義務付けられています。
そのため、無資格者よりも信用・信頼を得やすい傾向にあります。
技術士2次試験の難易度はやはり高い
技術士2次試験は、筆記試験と、口頭試験があります。最終的な合格率は20%程度と狭き門です。
この20%は、技術士1次試験を突破したうえに、社会の荒波にもまれてきた海千山千の技術者の方々が受験するので、かなりのハイレベルな試験であります。
筆記は小論文で問題解決能力など問われますので、論理的思考能力に加えて応用力も必要になります。
しかし技術者としての最高資格なので、本気で仕事に打ち込んでいる方、キャリアアップを目指したい方などは、技術士の資格取得を念頭に仕事に打ち込むと、仕事に対する姿勢も一段階アップすることでしょう。
企業側にもメリットを与える
技術士の資格を取得することによって、勤務している企業側にもメリットを与えます。
たとえば建築関係の公共事業を請け負う企業であれば、その企業自体の公共工事評価が上がり、発注者から工事を受ける金額も上がります。
また、技術コンサルタントとしての仕事が増えるのも大きなメリットです。
公共工事評価点は技術士1人につき特定の点数が加算されるため、技術士の資格保持者が多くなるほど企業に利潤をもたらすことになります。
技術士2次試験の受験資格は実務経験必須
技術士2次試験を受験するにはまずは修習技術者にならなければなりません。
修習技術者は法律用語ではありませんが、技術士1次試験に合格するか、もしくは日本技術者教育認定機構 (JABEE) の認定教育課程を修了した場合に自動的になっています。
この上さらに業務経験が必要となります。
一般的には7年間で、大学院に行かれた方は2年間が業務経験として加算できますので、この場合は5年間の業務経験があれば受験可能です。
業務経験は1次試験受験前のものでも加算できます。
また、技術士補となり、技術士を補佐した場合は4年の業務経験で受験可能となる場合もありますが、身近に技術士がいる場合は少ないので、転職された方は転職前後も含めて全期間で7年間の業務経験の後に受験するのが最も一般的です。
技術士2次試験の難易度はやはり高い
技術士2次試験は、筆記試験と、口頭試験があります。最終的な合格率は20%程度と狭き門です。
この20%は、技術士1次試験を突破したうえに、社会の荒波にもまれてきた海千山千の技術者の方々が受験するので、かなりのハイレベルな資格試験といえます。
筆記は小論文で問題解決能力など問われますので、論理的思考能力に加えて応用力も必要になります。
しかし技術者としての最高資格なので、本気で仕事に打ち込んでいる方、キャリアアップを目指したい方などは、技術士の資格取得を念頭に仕事に打ち込むと、仕事に対する姿勢も一段階アップすることでしょう。
技術士取得のメリットは受験部門によりけり
技術士は基本的に名称独占資格で、技術士の資格を取得しないと技術士とは名乗れません。
また分野によっては必置資格であったり独占業務があったりしますし、社会的な評価も高いです。
三菱電機などでは、技術士の資格を持っていると博士号と同等に評価されているなど、社会的にも一定の評価が得られます。
資格手当が出る会社もあります。
一方で、医師免許や弁護士免許のような強力な業務独占があるオールマイティーな資格ではないため、知名度が低いのも現実です。
しかし技術士になると、APECエンジニアなど、国際的なエンジニアとして登録できるチャンスが得られるので、資格の使い方次第で様々な可能性が開けます。
分野別で見る有効な技術士の資格
一口に技術士といってもさまざまです。
各分野のなかでも目的に応じた資格を取得しなければ、せっかくの勉強も意味を成しません。
そこでここでは、分野別の有効な資格をいくつかご紹介します。
情報工学技術士
パソコンや電子機器に搭載されているアプリケーションやコンピューター端末などを「設計」「製作」「管理」する分野、および技術を情報工学といいます。
その代表的な資格試験がこちらです。
- 情報処理技術者試験 → 科目別に学習内容が異なる情報工学の登竜門的な試験
- ITパスポート → 情報工学を専門にしてはいないが管理者として基礎知識を得体という方に有効な試験
- 技術士・情報工学部門 → 最難関の技術士の試験
情報工学を専門にする方、そうでない方を含めて幅広く需要のある資格といえます。
電気の技術士
日常のライフラインに密着した職業なのが電気分野の技術士です。
この分野は幅広い作業工程に分かれていて、目的に応じて取得すべき資格も異なります。
【主な作業工程】
- 通信設備の工事
- 電力施設の運営と管理
- 電気工事
電気電子部門に携わる者にとって、まず必須なのが「電気工事士」の資格です。
比較的取得しやすい資格で、合格率は40~60%という高い数字を持っています。
資格は第一種と第二種に分かれていて、どちらも実技・筆記試験があります。
第二種は「一般的な住宅・店舗など600ボルト以下で受電する設備の工事を行える」資格です。
これに対して第一種は「第二種の範囲に加えて最大電力500kW未満の工場やビルの工事が行える」資格を指します。
また、電気工事士を上回る資格として「電気主任技術者」があります。
生物技術士
現実的な社会で大きなメリットをもたらす分野が「生物工学部門」です。
食料や医療で貢献している分野で、ノーベル賞を受賞した山中教授のIPS細胞研究もこれに当てはまります。
主な就職先は「研究機関」「官公庁」「農業研究」「製薬メーカー」といった業種です。
こうした業務に有効な資格として「生物技術士」が挙げられます。
試験内容は、必須科目以外に「細胞遺伝子工学」「生物化学工学」「生物環境工学」の選択科目をパスする必要があります。
技術士はモノづくり資格の最終目標
技術士は日本の産業技術界においての最高資格です。モノづくりをしていて、資格取得を考えた場合に、数ある資格の頂点にあるのが技術士です。
また技術士取得は、日本国内にとどまらずにモノづくりで世界へ出ていきたいと大望を抱いている方には、自己実現のためのルートの一つになります。