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工業製品の品質と生産性を決める生産技術者の仕事とは?

 2018/10/01 機電派遣コラム この記事は約 9 分で読めます。

工業製品は様々な機械や設備を駆使して生産されていますが、現場の作業員が装置を上手に動かすことができないと、製品の安定生産はできません。

工場での円滑な製品の生産のため、標準作業書を作成し、生産ラインの構築や操業後の運用管理を担っているのが生産技術者です。

生産技術者は工場の中で直接製品を作っているわけではありません。

しかし、工場の品質や生産性、安定稼働は生産技術者の能力によってほぼ決まるため、まさにものづくり企業の生命線といえるでしょう。

ここでは、生産技術者の仕事内容とこれから求められる生産技術者のスキルなどを解説します。

 

生産技術者は常に需要先行の状態

18世紀以前の中近世のものづくりは、職人さんたちの腕次第で、出来上がる製品の品質や生産性が決まっていました。

ところが、18世紀半ばから19世紀にかけて産業革命が起きると、大勢の作業員を動員した工場で機械による製品の大量生産が始まります。

そして次第に、生産工程の巧妙さや生産に用いる機械の導入や作業員の配置、さらにはその運用の上手い下手が、製品の品質や生産性に大きな影響を及ぼすようになっていきました。

つまり、モノのクオリティは職人個人の技能ではなく生産技術で決まる時代になったのです。

21世紀に入り、ものづくり企業は生産規模の増大や製品の複雑化、市場のグローバル化、製品ライフサイクルの短縮といった様々な課題に直面しています。

さらに、コスト面などでの厳しい条件下において、生産技術のさらなる進化が求められており、工場の円滑な運用を担う生産技術者は、常に需要先行の状態にあるといえるでしょう。

 

生産技術者の仕事はQCDを高めること

工業製品を生産するラインを構築する作業とその運用の流れから、実際の生産技術者の仕事の内容を追ってみましょう。

工業製品の生産ラインの構築は電子機器の設計図や食品のレシピ、薬品の調合法を入手するところから始まります。

生産技術者はこうした技術情報を集め、製品を量産するための標準作業書を作成することが最初の仕事です。

標準作業書とは、生産ライン上で作業員が行う作業の内容や自動化機械の運用法を定めたマニュアルのことで、以下の2つの点に着目して作成します。

1つ目は、生産ラインの“QCD”を最大限まで高める作業書を作ることです。“Q”はQuality(品質)、“C”はCost(価格)、“D”はDelivery(供給)のことを指します。

つまり、「高品質」な製品を、なるべく「安く」、「安定供給」できるような生産方法を考えることが大切です。

そしてもう1つは、特別な技能を持たない平均的な作業員でも、高レベルのQCDを維持しながら製品を量産できる作業書を作ることです。

高度な職人技をあてにしていたのでは、製品の生産量を必要に応じて増やすことはできません。

また、質の高い人材を潤沢に雇うことが困難な海外でも生産が難しくなります。

つまり、誰でも製品を量産できるマニュアルを作ることが重要ということです。

標準作業書を作成した後は、生産ラインの立ち上げに関わります。

実際に生産が始まった後から改善すべき点が見える場合も多いので、必要に応じて、標準作業書を更新したり、生産ラインのレイアウトを変更したりするのも、生産技術者の仕事です。

日本の生産技術者は、特にこの生産ラインの改善力に優れており、ものづくりでの国際競争力を高める一因になっています。

生産技術者の主な仕事

高品質な製品を安く、安定して作るための標準作業書を作成する
出典:zap2photo – stock.adobe.com

 

生産技術者の平均年収は?

生産技術者の平均年収は電気、電子、機械業界ならば、約488万円です。

20代では約402万円、30代では約526万円、40代では約610万円、50代では約678万円と、仕事の役割と責任が大きくなるにつれて、上がっていきます。

ただし、年収は職種による差よりも、業種による差の方が大きくなる傾向があります。

生産技術者の年代別平均年収

出典:DODA平均年収ランキング2017

生産技術者の選考では、どのような業界のどのような現場で経験を積んできたかがとても重要視されます。

一言で工業製品といっても、様々な種類の製品があり、それぞれ固有の生産技術があります。そこで生産技術者を志す人は、自分がどんな分野でキャリアアップを図りたいのか事前の下調べが重要となってきます。

例えば、老舗のせんべいメーカーのように同じ製品を大量に生産している現場と、腕時計メーカーのように同じ生産ラインで多様な製品を作り分けている現場では、生産ラインの設計指針が大きく異なります。

また、半導体工場のように自動化機械でラインが構成されている現場もあれば、衣料品の縫製工場のように大勢の作業員がずらりと並んで作業する現場もあり、前者では最新装置の導入や維持、後者は作業員が効率よく作業できる環境を整えることが主な仕事です。

こうした違いから、生産技術者は作る製品に関する知識や経験が何より重視され、簡単に他業種に転職することは難しい職種だと言われてきました。

ただし最近では、他業種の経験を取り入れたいと考えている企業が増えており、状況が少しずつ変わってきています。

例えば、機能の電子化が進む自動車業界では家電製品やIT機器の生産現場の発想を取り入れようとしています。

生産技術者として職を求める際には、現時点でどのような人材が求められているのか、最新情報をきめ細かく調べることが大切です。

 

求められる調整力とコミュニケーション能力

生産技術者のキャリアパスとして、最初は生産ライン中の1つの工程を担当し、経験を積みながら徐々に規模を拡大。

最終的に、工場全体の標準作業書の作成や運営、改善に責任を持つ工場長を目指していくといったものが一般的です。

生産技術者に求められる能力は、何といっても調整力です。

生産現場では、予想のつかない出来事が次々と起こるため、原因の究明や波及効果を論理的に整理して、的確な対処ができる能力が求められます。

また、企画開発部門と生産現場の調整はもとより、生産ライン内での作業員間の相互連携、機械同士の連携、さらにはサプライヤーや運搬業者との連携などを円滑な生産に向けたあらゆる調整作業が生産技術者に託されています。

さらに、海外勤務の場合には、現地採用の社員や現地企業とのコミュニケーション能力も求められます。

コミュニケーション能力が求められる生産技術者

生産技術者には、様々な要因を考慮して最適な調整をする力が求められる
出典:amanaimages – stock.adobe.com

生産技術者が扱う情報は、種類も量も膨大です。

このため、情報の効率的な管理と効果的な活用に向けて、ものづくり企業専用のITシステムを活用する企業が増えています

代表的なシステムが、開発情報を一元管理する「Product Data Management(PDM)」です。

これはCADデータ、図面、技術ドキュメント、部品表(BOM)、設計変更履歴などの情報を紐付けて管理するもので、開発部門や設計部門と生産現場が扱う情報を共通化し、システム上でのすり合わせや合意形成の効率化が期待できます。

近年では、企画段階から設計、生産、保守、生産終了に至るまでの製品のライフサイクル全体で扱う情報を一元管理する「Product Lifecycle Management(PLM)」と呼ばれる拡大版PDMも活用されるようになりました。

これにより、市場のニーズや顧客の声の反映を効率的に行うことができます。

仮に自動車のリコールや食品の異物混入による回収のような問題が市場で発生した時、いかに適切かつ迅速に対処かがものづくり企業の価値を決めます。

生産技術者は、対象製品の生産履歴などを追跡し、蓄積した情報を利用しながら原因の究明と対策を担うことが求められるのです。

また、工場のITシステムは、IoTや人工知能(AI)の利用拡大によって、さらなる進化を遂げつつあります

これまでは、生産技術者が直接現場に出向いて工場の隅々まで目を配り、生産ラインの状況を把握していました。

これがIoTを活用することで、装置の稼働状況はセンサーで、作業員の動きはカメラなどを使って、これまで以上に詳細な情報をリアルタイム収集できるようになりました。

さらに、収集した膨大な情報は、AIを使って、これまで気づかなかったような改善点も見つけることが可能になっています。

これからの生産技術者は、こうした豊富な情報をフル活用して、QCDの改善に役立てる力が求められることでしょう。

データの解析が重要な仕事になりつつある

生産技術者はIoTシステムなどを使って収集したデータの解析が重要な仕事になりつつある
出典:leowolfert – stock.adobe.com

 

生産技術者は世界で活躍できる仕事

日本のものづくり企業の多くが人件費や電気代などコストが安い海外に生産拠点を置き、世界中の市場へ供給を行っています。

しかしその場合でも、日本国内で生産技術のベースを開発してから海外拠点に技術移転するケースが多く、国内と海外のそれぞれの拠点に生産技術者を置く企業もあります。

また、日本は生産技術のレベルで世界の先頭を走っています。

特に難易度の高い製品を安定生産する能力はピカイチなため、海外企業はスキルの高い日本の生産技術者を求めている状況です。

つまり、生産技術者の需要は目下拡大し続けており、世界中で活躍の機会が待っているのです。

 

 

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