モノづくりの現場でおこなわれるQC活動とは
QCサークルとはqualitycontrolcircleの事で、数人でグループを作り現場の改善などを自発的に行う活動です。
小集団活動などと呼ばれたりもします。
多くの工場で採用されていた「トヨタ生産方式」から派生しているQC活動は、QCサークルを通じて行われます。
無駄な動きを見つけて移動距離を少なくしたり、不良の原因を見つけて原因となっている工程を変えたりすることで生産性を高め、職場の雰囲気が良くなったり、人材の能力の向上が見込めるという効果もあります。
QC活動は今や製造業だけでなく、サービス業などさまざまな業種で導入されている運用方式です。
活動を意味あるものにするためには、QCサークルがテーマ設定やQCストーリー作りに専念しなくてはいけません。
この記事では、そんな重要な役割を果たしているQCサークル活動について見ていきましょう。
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かつては勤務時間外に行われていたQCサークル活動
あのトヨタ自動車でさえ、2008年まで勤務時間外の自発的活動として主に残業によって実施していましたが、QCサークル活動が必須となってきた現在では業務の一部として、就業時間中に行う会社が増えてきました。
日本では人材に給与を支払うという感覚が強いため、業務とプライベートがあまり区分されていなかったということも時間外に行われていた大きな原因です。
近年では欧米のように仕事に対して報酬を支払うという感覚が強くなってきているため、今後時間外活動というものは少なくなってくるでしょう。
モノづくりの現場が変化していく過程にある現在では、QC活動における品質管理活動が業務の一環として重要であるという認識が浸透しているというわけです。
QCサークル活動はなぜ必須なのか?
なぜQC活動は必須となったのでしょうか。
従来のQC活動の目的は製品の品質向上ための対策を図ること、そして会社を、自分の職場をよりよくする為の自発的活動でした。
しかし現在は、継続的な改善=企業の競争力をもたらす為の活動として、会社主導で行われている事が多くなりました。
これは、製造業の大手が購入先や外注先に「継続的な改善活動」を必須とし、監査や指導を行っている事が一因と考えられます。
テーマを明確に設けて活動することで目標を定めることができ、定期的にQC事例発表大会を催すことで中長期的な職場の改善におおいに役立ちます。
効率が良いということで、単なる自発的なクラブ活動的なポジションにQC活動を落ち着かせてしまうよりも、QC手法や考え方を活用し必須の業務として位置付けた方が業務の能率が向上するのです。
企業はQCサークル活動を組織の重要な役割として認識すべき
会社の経営者・管理者はQC活動を通して職場の効率化や人材育成に力を入れるべきといえます。
そのために必要なのは、QCサークルのリーダーに何を求めるかを明確化することです。
- 活動の目的
- データ項目の明確化(どの事実に対してのデータ・評価が必要か)
- データ収集の仕方(期間・範囲・量・実際の作業者など)
- データ整理の仕方
このような標準作業を踏まえて、管理図を作成し実際の作業にあたります。
問題の解決や業務改善を図るにはそれなりの準備が必要なのです。
モノづくりの現場では他人事では済まされない!
製造業のモノづくりの現場で働くからには、めんどくさいからと言ってこういった活動とは無縁ではいられません。
必要性を理解し、すすんで協力していく事が求められます。
何よりも協調性を求められるモノづくりの現場では、集団行動に参加しないというのは最も嫌われる行動となります。
QC活動の意義が損なわれるだけではなく、現場の士気が下がり、業務に悪影響を与えるからです。
ですので現場で働く限りは、QC活動に積極的に貢献しましょう。
QC活動で職場をポジティブに改善しよう!
QC活動によってQCサークル員だけでなく、職場全体が自発的に現場を改善していくようになれば、働くあなたもとても働きやすくなり、充実した日々が送れます。
モノづくりの現場においてはQC活動が職場を改善するのに何よりも有効ですので、あなたも積極的に活動に参加しましょう!