似ているようで実は全然違う!商用車業界と乗用車業界の違い
みなさんは商用車という言葉を聞いたことがありますか?
実は自動車は商用車と乗用車に大別されます。
一見同じ業界のように思えますが、似ているようで全く違う業界なのです。
この記事では知っているようで実は知らない、商用車業界と乗用車業界の違いをご紹介しましょう。
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意外と知らない!商用車と乗用車って何が違うの?
商用車とはその名の通り、旅客輸送や貨物輸送など業務・商用目的で使われる車のことを言います。
例えば小型トラック・中型トラック・大型トラックやバス、トレーラーなどがそれにあたります。
いわゆる「働く車」で、運転席の後ろに荷室のある車が商用車です。
一方、乗用車は私たちが普段乗っているような仕事・レジャーなどに使われる車のことを言います。
トヨタハイエースは商用・乗用でバン・ワゴンと呼び方が変わります。バンが商用車でワゴンが乗用車です。
ハイエースの場合、違いが分かりにくいかもしれませんが、シートやナンバープレートを見れば一目瞭然です。
商用車のバンの後部座席にもシートはありますが簡易的。
その理由は、本来の用途が荷室のため、シートの取り外し・折りたたみを容易にできるようにする必要があるからです。
商用車であるバンのナンバープレートは、4ナンバー・1ナンバー。
乗用車であるワゴンは、5ナンバー・3ナンバーとなっており、はっきりと見分けがつきます。
違い1:ターゲットが違う!乗用車はBtoC、トラックはBtoB!
一見、同じように見える乗用車と商用車開発ですが、ターゲットにする使用者が違います。
実は同じ自動車でも誰に買ってもらうかで開発が大きく違ってくるのです。
乗用車は一般の運転手をターゲットにして作りますが、商用車は企業をターゲットにして作ります。
そのため商用車を開発する際には企業や車両購買担当者が「いいな」と思う車を作らなくてはならないのです。
違い2:求められている性能が違う!乗用車は性能、トラックはコスト重視!
商用車と乗用車開発の2つ目の違いは「求められる性能」です。
乗用車は外観のかっこよさや美しさ、少ない燃料(ガソリン)で長く走れる燃費の良さや最新の技術などが求められます。
しかし、商用車の場合は必ずしもそうではありません。
商用車で一番求められるのは最大積載量とコスト(価格)です。
日本の高速道路や幹線道路は海外と違い、あまり大きな車向けに作られていません。
そのため、日本の法律では道路を守るためにトラックの積荷を含む総重量に制限が設けられています。
また、トラックは積荷の重量によって運送費が変わってくるため、事業主としては1gでもトラック部分の重量を少なくし、積荷を1gでも多く載せられるようにしたいという強いニーズがあります。
コスト面では、初回購入費用を抑えたいというニーズがあります。
維持費のひとつである税金にも違いがあります。
商用車は最大積載量で税金が決まるのに対し、乗用車はエンジンの排気量で決まります。
もちろん、重量税も同じではありません。
任意保険・自賠責保険料も異るため、似ているようでも別物と言えるほどたくさんの違いがあるのです。
違い3:モデルチェンジのタイミングが違う!乗用車は3年、トラックは10年
商用車と乗用車開発の3つ目の違いがモデルチェンジのタイミングです。
私たちが乗る乗用車は2~3年ごとにフルモデルチェンジしていきますが、商用車は10年ごと、もしくはそれ以上の期間を経ないとフルモデルチェンジしません。
中古専門店に出回る数もごく少量です。
就職や転職を考えた場合、最新技術にどんどん関わりたい方は乗用車業界が、ひとつの部品をとことんこだわって開発したい方は商用車業界が向いていると言えるでしょう。
商用車と乗用車は似て非なる業界!
いかがでしたでしょうか。
商用車と乗用車の開発は似ているようで、全く違います。
しかし、商用車はその特殊な性質から、乗用車開発とは違った面白さがあるといえます。
最近では、運転支援技術や自動運転技術を取り入れた商用車の開発も進んでいます。
もし商用車に興味のある方はズキ、ダイハツ、日産といった乗用車中心のメーカー以外にも、国内商用車メーカー4社(いすゞ・日野・三菱ふそう・UDトラックス)を調べてみてはいかがでしょうか?