就職活動をやっているとどうしても気にしてしまうのが「企業名」です。

やはり見た事も聞いた事もない企業名よりは、名の通った企業に就職したいと思う方が多いと思います。

しかしそんな大企業に負けない、むしろ大きく上回る業績を誇る中小企業があったとしたらどうでしょうか？少し興味が湧きませんか?

今回はそんな強い中小企業、「グローバルニッチトップ企業」についてご紹介していきましょう。

高い利益を上げ続けるグローバルニッチトップ企業とは？

グローバルニッチトップ企業とは、あるニッチな分野において高い技術で世界シェアを誇り、大きな利益を得て良好な商品開発及び経営を行う中堅・中小企業のことです。

経済産業省が、国際展開に優れ次世代の日本経済の牽引役となる中堅・中小企業を育成するための具体策の1つとして、グローバルニッチトップ企業100選の認定を行いました。

その100選に選ばれた企業の中には、漁船で使用される全自動イカ釣り機を製造・製品販売し、世界市場のシェア7割を占める株式会社東和電機製作所や、即席面一貫製製造ラインの製造・販売し、世界市場の4割を占める株式会社冨士製作所など、個性的な企業が名を連ねています。

共通しているのは機器開発テーマの対象をこれ以上なく絞り、国内の高い需要率ではなく、例え低くとも“世界の需要率”を狙っている点です。

京都市では早くから事業計画を募集し、グローバルニッチトップ企業を育成しようと動いています。

補助金制度を設けて京都経済の活性化を図っているのです。

現在、一般的な認知度は低くとも、世界で高いシェアと利益を確保している優良中小企業の存在を重要視することは、地域経済を発展させるきっかけとしても有効であることがわかります。

参照）経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選」
参照）経済産業省「GNT企業概要PDF」

なぜ今グローバルニッチトップ企業が注目されるのか？

中堅・中小企業の多くは国内の需要に頼っているのが現状です。

しかし、大手企業が生産拠点を人件費の安い海外へ移したり、また部品費の安い海外サプライヤーに頼ったりすることで中堅・中小企業の仕事が減り、業績が悪化・衰退してしまいます。

いわゆる産業の空洞化が起きてしまうのです。

それを防ぎ日本の産業を支える中堅・中小企業が成長しつづけていくためには、それぞれが国際的な競争力をつけていかなければなりません。

日本の経済を支える中堅・中小企業になるための指標として、また日本の産業の新たな牽引役として、国際競争力の高いグローバルニッチトップ企業の存在が注目されているのです。

グローバルニッチトップ企業の今後の可能性

グローバルニッチトップ企業100選を選定し、それらがいままで培って来た経験値を日本の中堅・中小企業の指標として一般化することで、多くの中堅・中小企業の国際競争力を高めていくことができます。

このような支援策を行い、日本の中堅・中小企業の成長を支援し、それを通して日本経済を牽引しよう、というのがこのグローバルニッチトップ企業に期待されていることなのです。

細谷 祐二著「グローバル・ニッチトップ企業論 日本の明日を拓くものづくり中小企業」では経営者本人に対するインタビュー調査とアンケート調査の結果をもとに、国内企業とグローバルニッチトップ企業との差異を分析しています。

起業を希望している方には特にご一読をおすすめします。

今後の活躍に期待が高まるグローバルニッチトップ企業

日本の経済や産業は中堅・中小企業によって支えられているといっても過言ではありません。

特にグローバルニッチトップ企業は、さまざまな政策研究領域として注目されていますが、知名度の低さから採用するにあたって応募者が集まりにくいという課題もみられるようです。

将来の日本経済の担い手として、海外市場に高いシェアを誇るグローバルニッチトップ企業の今後の活動に期待が高まります。