機械設計の平均年収はなぜ低い?
『企業の平均年収ランキング』の上位には銀行、商社やIT企業の名前が並んでいます。しかし、機械設計関連企業を上位に見かけることは少ないのではないでしょうか?
それもそのはず、機械系最大手であり、高給で知られるトヨタで200位(平均年収838万円)です。このように機械設計関連企業は平均年収で上位にランクインすることはほとんどありません。
いったいなぜ機械設計関連企業の平均年収は他と比べて低いのでしょうか?
機械設計関連企業が上位にランクインしない理由とは?
インターネット上の『企業の平均年収ランキング』は、企業が決算時に提出する有価証券報告書の従業員平均年収値をまとめたものです。そのためそれがその企業の平均年収値であることは間違いありません。では、なぜ銀行、商社やIT企業と比べて機械設計関連企業の年収は低いのでしょうか?
最大の理由として「銀行、商社やIT企業には工場がない」ということが挙げられます。平均年収値は全従業員の年収を平均したものであり、もちろん高校を卒業してすぐに入社した工場作業員などの年収も計算に含まれています。また、機械設計関連会社の採用人数の3分の2ほどはこういった工場作業員が占めいてます。現にトヨタが発表した2015年度採用人数2275人のうち、高卒者が対象の技能職が1300人で半分以上を占めています。
そのため、銀行、商社やIT企業など、大卒入社がメインの会社よりはどうしても平均年収値としては下がってきてしまうのです。
実際はどのくらいの年収があるのか?
企業の平均年収ランキングは高卒の技能職含めた全従業員の平均年収であることは先ほどお話しました。では、新卒や中途採用で設計や開発業務に携わっている方の年収は実際どれ位なのでしょう?
例えばトヨタ自動車では新卒入社で年収350万以上、35歳くらいで主任クラスになると年収1000万円を超えます。部長クラスになれば2000万円を超えるのです。このように、平均年収ランキングの値は新卒や中途採用の設計や開発業務につく方にとっては実際と異なることが多いため、あまり参考になりません。それよりも実際に働いている人に聞いたり、口コミサイトを開いて調べた方がより事実に近い答えが見つけられるでしょう。
(※実際、規模があまり大きくない商用車メーカーUDトラックスでも新入社員で年収300万以上、35歳くらいでグループリーダークラスになると年収最低600万以上、課長クラスで最低800万以上、部長クラスで1000万以上になります)
まとめ
いかがでしたか?
機械設計関連企業が平均年収ランキングで上位に入らないのにはこんな理由があったのです。
そのため、機械設計関連企業で設計・開発業務に就きたいという方はあまりこの数字を鵜呑みにしないほうがいいかもしれませんね。