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NFTとは|仕組み・取引方法とデジタルアートの作り方も紹介

IT/Web派遣コラム この記事は約 11 分で読めます。

2021年、インターネットユーザーや投資家の間で「NFT」が大きな話題となりました。ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータを取引するNFTは、今後さらに大きな市場になる可能性を秘めています。

なぜいまNFTが注目されているのか、その理由やNFTの仕組みについて解説します。

NFTとは?【わかりやすく説明】

NFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)とは、デジタルデータの所有権を証明できる技術のことです。ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータに識別情報を持たせることで、そのデータの『所有者』とデータの『唯一性』を示せます

NFTの理解にあたっては、現実世界での貴金属の鑑定書に、所有者名まで書かれている状態をイメージすればわかりやすいでしょう。ただし、現実世界での鑑定書とNFTには大きく異なる点があります。それは「NFTにおける所有権の改ざんは不可能」という点です。

これまで、デジタルデータは容易に複製が可能でした。そのため、コピーコンテンツがインターネット上に拡散されてしまったり、自身が所有するデータがいつの間にか他人に無許可で利用されてしまったりと、所有権を証明することが現実的には難しい状況にありました。

NFTでデジタルデータに改ざん不可能な所有権を付与できるようになったことで、例えばデジタルアートも現実世界でのアートのように希少性が生まれ、その人が所有する唯一無二のアートとしてより高い価値を持つようになったのです。

NFTの仕組みとブロックチェーンとの関係

NFTでは、ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータの権利および所有権を証明します。ニュースにも取り上げられる機会が急増している暗号資産「ビットコイン」でも使われている技術を用いて、「トークンID」と呼ばれる固有のIDにデータの作成者・権利者、所有者などの情報を紐付け、そのデータを手にしてきた所有者と権利者の情報が改ざん不可能な状態で記録・維持されています。

では改めて、ブロックチェーンとは何なのでしょうか。ブロックチェーンは分散台帳とも呼ばれる「取引を正確に、改ざん不可能な状態で記録する」技術のことです。ブロックチェーンでは、取引情報が1本の鎖につながれたような状態になっており、一度行った取引は後に戻ることはできません。

NFTも同様に、一度NFTを譲渡すると「当該のデジタルデータがいつ、誰の手にわたって、今誰の手にあるのか」といった情報が後戻りできない状態で記録されます。

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また、ビットコインと同じ技術ではあるものの、NFTはビットコインのように他の暗号資産や通貨に替えることはできません。ビットコインを例にすれば、ビットコインは誰が所有していても同じ価値を有します。日本円で1円を手にすると、その価値は誰にとっても1円であり、他の1円と交換しても価値は変わりません。

NFTの場合、すべてのデジタルデータは異なるものであり、どのデジタルデータとも代替できません。これが非代替性トークンの特徴です。

NFTによってできること:データの権利や所有者が明確に

NFTによって権利・所有権が紐付けられたデジタルデータは複製することができません。詳細には、データ自体の複製は可能ですが、データに紐付けられた権利情報で、それが「自身の所有するデータ」であることを証明できます。

前述したとおり、デジタルデータは容易にコピー、共有が可能であるために、特にインターネット上では所有権があいまいになり、著作権等の各種権利が侵害される例が後を絶ちません。そこでNFTを活用することで、誰の権利物なのか、現在の所有者は誰なのかを明確にできるようになるのです。

加えて、「最初の所有者に手数料を支払う仕組み」もNFTで実現します。現実世界の歴史価値のあるアートは、作品が生まれた当初とは大きく異なる金額で取引されています。しかし、「最初の所有者」に、その価値を還元される仕組みがありません。NFTには改ざん不可能な取引情報が記録されているため、「取引の際には最初の所有者に手数料を支払う」といったルールを付与することも可能です。

NFTが注目される理由

NFTによって、複製が容易で所有権も明示できないことから価値を測れなかったデジタルデータにも唯一性、希少性が認められるようになりました。これによって、特に「デジタルアート」に対して高い価値が見いだされ、高額で取引される例が急増しています。

実際に日本のアーティストが作成したデジタルアート作品が1,000万円を超える金額で取引された例もあります。アーティスト側は自分が作成したデジタルアートの価値を高められ、投資家は現実のアート同様にデジタルアートを資産として運用できる可能性があるのです。

もちろん投機目的にとどまらず、作品やアーティストのファンが、純粋にアートを所有したいという気持ちから取引されることも少なくありません。

NFTにはさまざまな分野で可能性がある

特にデジタルアートが注目されがちなNFTですが、さまざまな分野で応用・活用できる技術です。例えば、次のような分野での活用が期待されています。

  • アート
  • ゲーム
  • スポーツ
  • 音楽
  • ファッション
  • メタバース

前述したアートはもちろん、ゲームやスポーツ、音楽、ファッション、そして元Facebook社の社名変更で注目を集めたメタバースの世界での活用も広がっています。

NFT×アート:取引が活発化する注目マーケット

NFTでデジタルアートに希少性が生まれたことで、NFTによるデジタルアートの取引が活発化しています。デジタルアートの取引を専門としたAsyncのようなマーケットも続々と誕生している状況です。このようなマーケットでは、ユーザー自身がアート作品を作り、売買・トレードし、アートを収集できます。

2021年3月には、デジタルアーティストの作品が6,900万ドル(約75億円)で落札された例もあり、大きな話題を集めました。

NFT×ゲーム:レアアイテムへの価値付与や不正の撲滅に寄与

NFTをゲームに組み込むことで、ユーザーが入手したレアアイテム・レアキャラクターやカスタマイズしたキャラクター、ゲーム上の建造物、土地などの取引を行えるようになりました。

「ブロックチェーン×ゲーム」の例としては、イーサリアム上で猫のキャラクターを収集する「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」があります。このゲームでは、自分が収集したキャラクターをオークション形式で売買できるようになっています。

また、NFTをゲームの世界に組み込むことでチートなどの不正が行えなくなります。ゲームでNFTの活用がすすめば、楽しめる要素を追加しつつ、より公正なゲームを実現できるでしょう。

NFT×スポーツ:観戦とは異なる新たな娯楽を創出

現実世界とより深くリンクするNFTもあります。2021年3月には、NBAプレイヤーやプロサッカー選手のプレイ動画がNFTで売却されています。

スポーツ界でのNFTは、チームや選手、運営企業の新たな収入源になるだけでなく、ファンのコレクター欲や所有欲を満たす、観戦とは異なる娯楽の一つになる可能性があります。

NFT×音楽:アーティストへの適正な還元構造を実現

音楽は複製されやすいデジタルコンテンツの一つです。これまでも多くの楽曲が複製・共有され、作成に携わった企業や個人の頭を悩ませていました。NFTを活用することで、音楽データの所有権も明確になります。購入する側も、不正に複製されたデータを気づかぬうちに購入するようなことがなくなります。

またNFTなら、取引の際の手数料で作曲者等に還元される仕組みを構築できます。

NFT×ファッション:老舗のファッションブランドも注目

NFTはデジタルファッションの取引にも利用されています。デジタルファッションとは、ゲームやSNS、仮想世界などで利用するファッションアイテムです。

デジタルファッションは今後さらに成長するとみられており、老舗のファッションブランドも注目している状況です。NFTを活用すれば、ブランド側は「取引される度に手数料を得る」ことも可能です。

メタバース上で利用できるドレスを販売する、ゲームとコラボレーションをしてゲームキャラクターが使えるアイテムを販売するなどの方法で活用が広がっています。

NFT×メタバース:オンラインの共有空間上の売買を媒介

最近話題のメタバースでも、NFTとの親和性が高く注目されています。メタバースは、簡単にいうとオンライン上に構築される共有空間です。その共有空間内で利用するアイテムや土地をNFTで売買することが可能です。

その他にも、メタバース内で開催される音楽イベントのチケットを購入して実際にイベントを楽しんだり、仮想世界でウインドウショッピングをしたりといったことも可能になります。元Facebook社、現メタ社の進出によって、今後の展開が期待されている分野です。

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NFTには課題もある

急激に市場を拡大しているNFTには、いくつかのリスクが存在しています。その代表例に挙げられるのが、法整備の問題と市場におけるリスクへの懸念です。

例えば国内においては法律が整備されておらず、利用者に何らかの被害がおよんだとしても完全な形で法によって守られることがありません。また換金性があることから、ゲームのいわゆる「ガチャ」が賭博法に抵触する可能性も懸念されます。

また、NFTの価格急騰・暴落もユーザーのリスクになり得る要素です。ブロックチェーンや暗号資産になじみのない人にはハードルが高く、広く利用されるまでには時間がかかることも課題といえるでしょう。

NFTアートの始め方

NFTアートへの熱が高まる中、個人でNFTアート制作を始めようと考えている方も増えています。どのように始めればよいのか、作品の作り方から販売方法、購入方法を説明します。

NFTアート作品の作り方

NFTアートは、アートに造詣が深くない方であってもつくれるものです。前述したNFTアート専門のマーケット上でも作成できるほか、ゲーム内でデジタルキャラクターをつくって販売することも可能です。もちろん、Adobeソフトなどを使って自分で作成したデジタルイラストや3D作品、撮影した写真・映像などを出品・販売することもできます。

NFTアートでは、「こうではいけない」という表現におけるルールは問われません。現実で取引されているような技術の粋を集めたような作品ではない、簡単なピクセルアートも高額取引の対象となっているケースもあるので、まずは気負わず自分のオリジナルアートをつくってみましょう。

NFTアートの出品・販売方法

作成したNFTアートは、マーケットで次の手順にて出品・販売できます。

  1. NFTマーケットに登録する
  2. 暗号資産のウォレットアプリを準備する
  3. デジタルアートを作成する
  4. 販売条件を設定する
  5. 作品をアップロードする

出品できるNFTマーケットは複数あります。中には、コンテンツの品質を担保するためにアーティスト審査のあるマーケットもあります。アーティストとして活動しているのなら、高値が付きやすい審査ありのマーケットを選択するのもひとつの方法です。

また、取引の際に得た報酬を入れておくウォレットアプリを準備しましょう。ウォレットアプリは日本語対応のものを選ぶと利用方法がわかりやすいです。あとは作成したアートの販売条件を設定して作品をアップロードするだけで出品完了です。なお販売条件には、定額販売やオークション販売などの方法があります。

NFTアートの購入方法

NFTアートの購入には、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産が必要なため、暗号資産を所有していない方は今すぐ購入することはできません。暗号資産をすでに所有している方は、NFTマーケットにログインして購入手続きに進みましょう。

暗号資産を所有していない方は、次の手順で購入できます。

  1. 暗号資産の取引所の口座を開設し、暗号資産を購入する
  2. ウォレットアプリに暗号資産を入金する
  3. NFTマーケットにログインする
  4. 暗号資産でアートを購入する

暗号資産の口座開設には取引所による審査が行われるため、数週間かかることがあります。すぐにでもNFTアートを購入したい方は、まずは口座開設手続きを行いましょう。

まとめ
  • NFTとは、デジタルデータの所有権を証明できる技術のこと
  • ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータに識別情報を持たせ、データの所有者とデータの唯一性を示す
  • NFTにおける所有権の改ざんは理論上不可能なため、現実世界でのアートのように希少性が生まれ、唯一無二のアートとして高い価値を持つようになる
  • 「取引の際にはデータの最初の所有者に手数料を支払う」といったルールを付与することも可能
  • 特に「デジタルアート」に対して高い価値が見いだされ、高額で取引される例が急増している
  • アートやゲーム、音楽など、NFTはさまざまな分野で応用・活用されており、メタバースとの親和性も高い
  • 法整備の問題や市場におけるリスクへの懸念など、NFTには課題も残されている
  • NFTの現状の課題が払拭された後には、取引環境もより安全かつ公正なものになっていくと考えられる

 

 

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