GAFAって何? IT市場で押さえておくべき略称の意味を解説

近年IT業界で話題になっている略称のひとつに「GAFA(ガーファ)」という言葉があります。
IT業界のトップに君臨する4つの巨大企業の頭文字をとった略称です。
本記事では、IT市場で未来を生き抜くためのヒントになる「GAFA」について深掘りしていきます。
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GAFAって何?
「GAFA」とは、さまざまなプラットフォームから膨大なパーソナルデータを収集していることで注目を集める、世界最大の企業群の頭文字を取った略称です。
【GAFAの4社】
- Google(グーグル)
- Apple(アップル)
- Facebook(フェイスブック)
- Amazon(アマゾン)
これらの企業は、サービスを提供することで利用者の検索履歴や買い物傾向、情報端末の利用状況などの個人データを集め、それを活用することで事業の拡大を果たしています。
日本では2016年12月に「官民データ活用推進基本法」が成立しましたが、この背景にあったのも巨大IT企業であるGAFAの存在です。
この法律は、政府や民間企業が保有するビッグデータを広く公開し、誰でも利用できるようにする狙いがありました。
また、独占禁止法や個人情報保護などの観点から、GAFA各社の動きを規制すべきではないかという議論も起こっています。
その対応として、2018年11月には経済産業省らによる「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の中間報告書が公表されたことがニュースになりました。
GAFAは、公平な市場競争を阻害する可能性があるとしてそのデータ活用に関する議論が交わされたほど、世間から注目を集める4社であることは間違いありません。
【関連記事】Googleが独占禁止法違反で提訴されたのはなぜ?反トラスト法違反の疑いとは
【G】Google(グーグル)
GAFAの筆頭として挙げられるのが、世界最大の検索プラットフォームを運営するGoogleです。
Google検索はもちろん「Google AdSense」「Google AdWords(2018年より呼び名を”Google 広告”に変更)」と呼ばれるインターネット広告サービスや、無料のメールサービス「Gmail」を手がけることでも有名な企業です。
利用者の検索履歴などを解析して、その人の嗜好にあった広告を表示するなど、ビジネス展開においてデータ活用を積極的に進めている最たる企業といえます。
【A】Apple(アップル)
世界的なカリスマ経営者であったスティーブ・ジョブズが創業し、デジタルデバイスやそれらに付随するOS(オペレーティングシステム)といった分野で、独自の技術を有するのがAppleです。
iPhoneやiPad、Macなどの製品がAppleの代表格として挙げられます。
2013年に電子書籍の「iBooks」、2015年に定額音楽配信サービス「Apple Music」、そして2019年には定額動画配信サービスの「Apple TV+」が公開予定など、デジタルコンテンツの配信事業にも力を入れています。
主に「モバイル端末」「ハードウェア」「デジタルガジェット」の開発を中心としたテクノロジー企業の代表ともいえるのがAppleです。
【F】Facebook(フェイスブック)
2019年2月時点で月間利用者数が22億人を突破しているのが、世界的なSNSサービスを提供するFacebookです。
会員同士の交流を主体とするメディアですが、個人データをもとにユーザーが求める商品や広告を提供する仕組みも作られています。
若年層に人気のInstagram(インスタグラム)もFacebookの傘下にあります。
2018年の利用者数では10億人を突破しており、更なる成長を見せています。
【A】Amazon(アマゾン)
小売業界にイノベーションを起こした大手通販会社がAmazonです。
通販サイトの運営のほかにも、人工知能「Alexa(アレクサ)」の開発や、音楽・動画の配信事業、タブレットやスマートスピーカーの開発・販売も手がけている事業者です。
近年ではリアル店舗の開設や運送サービスの提供も進めており、小売企業・IT企業という枠にとらわれないビジネスを展開しています。
マイクロソフトが入ると【GAFMA(ガフマ)】
膨大な個人データの収集に成功した企業群「GAFA」。
実は2012年ごろまでは「GAFMA(ガフマ)」という呼び名が一般的でした。
欧米の出版業界がこれらの企業を競合と認識してまとめて略称したのが、この言葉が生まれたきっかけです。
GAFAの4大企業に加えて、Microsoft(マイクロソフト)を含んだ略称が「GAFMA」です。
Microsoftは世界最大のシェアを誇るWindowsOSの開発会社であり、ビジネスに欠かせないOfficeソフトの販売元でもあります。
2012年にはAppleのように独自のハードウェア「Surface」シリーズを発売。
現在はSurface Pro 6、Surface Laptop 2、Surface Goといった豊富な商品ラインナップで根強いファンを獲得しています。
女子高生AIとして一躍注目の的になった「りんな」の開発を手がけているのもMicrosoftです。
Xboxシリーズによりゲーム市場でも一定の規模を誇るほか、開発者向けの「Visual Studio」の展開や、「Windows 10 Enterprise」をはじめとする法人向けのビジネス支援サービスにも力を入れています。
また最近では、動画配信サービスの大手「Netflix(ネットフリックス)」や、中国最大のネットショップである「Alibaba(アリババ)」、Googleの親会社である「Alphabet(アルファベット)」を加えて、「FANG」「FAAA」と呼ばれる言葉も広がりを見せています。
【関連記事】中国版GAFA「BATH」とは?米国企業を脅かす新勢力の実態と成長理由
GAFAが世界的に注目されている理由
IT業界を牽引するGAFAの4社は、世界的に注目されている企業群です。
なぜこの4大企業が注目されているのか、ポイントを整理していきます。
圧倒的な時価総額を誇る
GAFAの時価総額を合計すると、2019年5月時点で260兆円を超える結果が出ています。
世界的なランキングで見ても、4社すべてがTOP10入りを果たしているため、それだけでかなりの規模の大きさがうかがえます。
他にも中国の大手IT企業である「アリババ」や「テンセント」といった、デジタル社会にフィットした会社がランクインしています。
また、Microsoft社が約98兆円で首位を獲得しており、日々変動する時価総額に注目です。
プラットフォーマーとしての存在
巨大IT企業として成長したGAFAは、サービスを展開する際の基盤となる「プラットフォーム」を持っています。
プラットフォームから利用者の年齢や性別、購入内容などのデータを分析することで、ターゲットにマッチしたニーズを把握することが可能です。
インターネットの普及によって、膨大な個人情報を収集するデータ駆動型のビジネスモデルがGAFAの成功した要因のひとつと考えられます。
今後もプラットフォーマーとして、膨大なビッグデータを活用し、それぞれの分野で新たなビジネス展開を進めていくことが期待されます。
GAFAを知るための本
GAFAについてもっと深く知りたいという人向けに、GAFAに関するおすすめの書籍を紹介します。
the four GAFA~四騎士が創り変えた世界~
出典:https://book.toyokeizai.net/gafa/
「読者が選ぶビジネス書グランプリ」で総合1位を獲得したのが、『the four GAFA』です。
「世界最高のビジネススクール教授50人」の1人に選ばれた著者が手がける本で、GAFAとは何か?という基礎的なテーマから、これからの時代をどう生きるべきか?という未来に向けたテーマまで、広範な領域を網羅しています。
徹底研究!! GAFA
出典:https://www.amazon.co.jp/徹底研究-GAFA-洋泉社MOOK/dp/4800315980
成毛眞氏、夏野剛氏、野口悠紀雄氏などの豪華メンバー―がさまざまな視点からGAFA各社のビジネスモデルを解説するのが、『徹底研究!! GAFA』という書籍です。
それぞれのビジネスモデルに始まり、GAFAと国家との攻防、各企業の未来予測まで、23人の著名人がそれぞれのセクションを担当する形でまとめられています。
1人の著者の考え方に偏ることなく、複数の視点でGAFAを俯瞰できることが特徴です。
IT市場の「いま」を知ることにつながるGAFA
「なぜGAFAに注目が集まるのか?」
「GAFAの存在によって世の中がどう動くのか?」
といったトピックを知ることは、これからのIT市場で働く人のヒントになることもあるでしょう。
GAFAの知識を深めることは、IT業界のみならず世界全体の「いま」を知ることにつながります。
成功した大手企業のビジネスモデルを上手く取り入れ、今後のビジネス展開にお役立てください。
- GAFAは、「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」の4大プラットフォーマーの頭文字を取った用語
- Microsoftを含めて「GAFMA」と呼ばれることもある
- GAFAのビジネスモデルは世界的に注目を集めている
- IT市場やGAFAについての理解を深め、ビジネスのヒントを得ることが大事