使うとどんなメリットがある?プログラミング言語の王様「Java」とは
C++、C#、Python、Swiftなど、数多くの種類があるプログラミング言語。
その中の1つ、Javaは、安定性が高く、開発も容易で、プログラマーでない方でも名前を知っているくらい有名な言語です。
Javaは世界中のさまざまなアプリやシステムなどに幅広く使用されているため、プログラマーを志すのであれば学んでおいて損はありません。
今回は、初心者プログラマー向けに、Javaの概要を簡単に紹介していきます。
Contents [hide]
Javaはどのように誕生したの?
1991年、Javaの開発は、サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社によって始まりました。
Javaの前身は「Oak」と呼ばれるプログラミング言語です。
Oakは「Green」という社内プロジェクトにて、家電製品向けの組み込みソフトウエアの開発言語として誕生しました。
しかし、その後1994年にインターネットが登場したことで、プロジェクトチームは家電製品からインターネット世界へと目標を転換。
Oakは名称をJavaに変更し、1995年にリリースされました。
サン・マイクロシステムズは2010年にオラクル(Oracle)社により吸収合併。
現在はオラクルのHPから無料でソフトウエアをダウンロードできます。
Javaを使ってできることとは?
Javaは、「一度書けば、どこでも動く(Write once, run anywhere)」という理念で開発されています。
せっかく作ったプログラムも、OSの違いなどの環境の差で動かなければまったく意味がありません。
Javaは「Java仮想マシン(JVM:Java Virtual Machine)」と呼ばれる仮想マシンを利用しており、WindowsやMac、LinuxなどのOSに依存することなく動作が可能です。
また、動作速度が速いことやセキュリティー性が高いことも特徴で、Javaが世界中で幅広く利用されている理由でもあります。
Javaがどんなものに使われているのか例を挙げていきましょう。
例えばAndroidアプリや「Twitter」などのWebサービスは代表的でしょう。
さらに、顧客管理や営業支援などの業務系システム、ブルーレイプレーヤーなどの家電機器、有名なコンピューターゲーム「Minecraft」 など、使用例は数多く存在します。
このような汎用性の高さから、Javaが使えるプログラマーはあらゆる企業で高い需要を持っています。
Javaのプログラミング言語を習得することで、エンジニアとしての価値が上がるといっても過言ではないでしょう。
Javaを使うメリット、デメリットとは?
Javaには、汎用性の高さ以外にもメリットがあります。
例えば、ライブラリ(色々な場所に保存している複数のファイルを1つの仮想的なフォルダーでまとめて管理する機能)や、API(ソフトウエアの機能を共有するシステム)があらかじめ数多く存在し、すべてを無償で使用可能です。
ライブラリやAPIをうまく使えば、時間や労力のかかる処理の簡略化ができるので、コーディングのエラーを減らして、作業効率を上げられます。
また、Javaは人気が高いプログラミング言語であるために、多くのノウハウやマニュアルが出回っています。
分からないことがあった場合は、インターネットで調べるなどして問題を解決することが可能でしょう。
他にも、Javaは他の主流なプログラミング言語と共通点の多い作りとなっているため、それらの言語を使用していた開発者が、そのままJavaに移行することも容易です。
さらに、現在ソフトウエア開発の場で主流となっている「オブジェクト指向」という設計方法を採用しているところも大きなメリットでしょう。
オブジェクト指向とは、1つのものを作る際、分割して作成し、それらを結合することで、完成を目指す設計方法です。
一方で、初心者にとってJavaは難易度が高く、挫折しやすいプログラミング言語だとも言われています。
その理由の1つとして、オブジェクト指向の概念を理解するのが難しいという点があるでしょう。
初めてJavaプログラミングを学ぶ際は、習得するまである程度の時間と根気が必要です。
ただし、オブジェクト指向という設計方法は、Java以外のさまざまなプログラミング言語でも現在多く使われている考え方です。
そのため、Javaの学習を行う過程でオブジェクト指向を理解することができれば、Javaに留まらずプログラミングそのものの基礎知識も身に付けることができます。
最初にJavaを習得しておくことで、他のプログラミング言語を覚える際にも役に立つことでしょう。
Java初心者が基本プログラムを実行するためには?
ここからは初心者プログラマーがJavaでプログラムを作成する際に、押さえるべきポイントを解説しましょう。
Javaの開発は、
- プログラムを書く。
- 書き終わった後にソースコードをコンパイル(コンピュータが実行可能な形式に変換する作業)する。
- できあがったクラスファイル(コンパイルされたファイル)を実行する。
という工程が基本的な流れです。
Javaのコードの書き方例
Javaプログラムの基本構造は、外側がクラス(設計図)、内側がメソッド(方式)となっています。
基本的には外側から内側へと順に書いていきます。
public class Main{ public static void main(String[] args){ // ここに実行する処理を書く } } |
コメントの書き方では、//の後ろではコメントとして認識され、プログラムとして処理されません。
/*と*/で囲まれた部分もコメントとして認識されます(複数行も可)。
コメントを入力し、プログラムの内容を見た人に伝えることで、開発した本人以外からの可読性を向上させることが可能です。
// ここにコメント
/* |
メソッドの中身は、変数を宣言する文、計算を行う文、命令を実行する文、制御文(if文、for文など)の4つに分けられます。
public void sample(){ ??// 宣言する ??String message = “”; ??int numberA = 1; ??int numberB = 3; ??int numberC = 0;??// 計算する ??numberC = numberA + numberB; ??// どういう処理を行うか制御する ??// 命令を実行する |
「型」を正しく学ぶ
Java言語にて、データの種類や形式、値の範囲などを定義したものを「データ型」と言います。
データ型の種類は大きく分けて「基本型(プリミティブ型)」と「参照型」の2つ。
そのうち、基本型には
- 整数を扱う「byte」「short」「int」「long」の4種類
- 浮動小数点を扱う「float」「double」の2種類
- 文字列を扱う「char」
- 偽値を出す「boolean」
が存在します。
この基本型の中で最初につまずく点があるとするならば、整数を扱う4種類が一番多いと思われます。
この4種類の違いは保存できるデータ量で、下から8ビット、16ビット、32ビット、64ビットのデータが保存できます。
ここで初心者がコンパイルエラー(コンパイル実行時のエラー)を発生させる大きな要因として多いのは、データの保存量を違うまま、処理を行うということでしょう。
先ほどの「Javaのコードの書き方例」では、intと宣言してあるもの同士を演算処理し、intと宣言してあるものに代入していました。
これを仮に、intと宣言してあるものの演算処理を行い、byteと宣言した変数に代入しようとするとエラーが発生します。
基本型を正しく学び、ステップアップとして参照型について学ぶと良いでしょう。
根気は要るがJavaを学べば活躍の場が広がる
昨今、Web・IT市場は急速に拡大しており、人材不足が叫ばれています。
当然、プログラマーの市場価値は高く、求人数も多数ある売り手市場は今後も続きます。
十数年後には東京であってもエンジニアの数が十全に行き届かないという見込みもあるほどです。
そして、Javaはプログラミング言語の中でも汎用性が高く、今後もさまざまなソリューションやサービスに使われる言語です。
Javaの勉強には根気が要りますが、習得することができたなら必ずさまざまな分野で幅広く活躍する武器となるでしょう。