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派遣プログラマーが気を付けたい「偽装請負」って?

IT/Web派遣コラム この記事は約 9 分で読めます。

派遣プログラマーは入社した会社とは違う会社が労働場所になることがあります。これを「特定派遣」と言い、IT業界ではよく見られる雇用形態です。しかし雇用状態の中には「偽装請負」というものがあり、労働者にとってはトラブルになりかねない不利な条件が問題視されています。
偽装請負に気を付けて自分の身を守りましょう。

※こちらでご紹介している内容は、2016/06/30時点の情報です。

 

IT業界に多い雇用形態の「特定派遣」とは

特定派遣は、入社した会社と協力関係にある会社などに出勤をして、そこの社員の指示を受けながら業務を行うという働き方です。これは、派遣元の会社と派遣先の会社で「特定派遣契約」を結ぶことで契約が成立します。
これに対して一般派遣という雇用形態について耳にされた方は多いでしょう。こちらは派遣会社などに登録して派遣先を探しそこで働くという登録型派遣を指すことが普通です。
特定派遣はこの一般派遣とは異なり、契約が終了しても入社した会社に所属が戻るだけでその間の雇用関係は継続されるため、ブランクが発生せず、安定して仕事を続けられるというメリットがあります。
例えばIT業界に入社したのち、ビジネスマナーや専門技術についての研修を受けた後に「出向」や「常在」という形で、協力会社に出社する「特定派遣」で働いている新人プログラマーも多くいます。また自社の中に社員の作業場所などを用意する必要はないので初期投資が少なくすみ、比較的起業しやすいため、この特定派遣を中心として業務を行っているIT企業も国内では珍しくありません。
この特定派遣の勤務先には、有名な大手企業などもあるため、キャリアアップにつながる可能性もあります。
またどちらの派遣形態も、指示する企業と労働者が雇用関係にあるので、派遣された企業は派遣労働者の労働環境に配慮する必要があります。
このように特定派遣はうまく機能をすれば労働者側、企業側双方にメリットのあるシステムであるということができるでしょう。

 

「請負契約」とはどういうもの?

「請負契約」は一定の日付までに成果物を提出するといった契約のことです。例えば、あるプログラムの制作を外注し、その完成したプログラムを2ヶ月後に納品してもらい、代金を支払うというような場合に、請負契約となります。
請負契約は雇用契約ではないので、発注側が受注側の作業を管理する必要がありません。例えば深夜や休日に働いても、それによって追加料金が生じることはありません。もし雇用契約であればこのような場合には労働法に従って追加賃金を払わなければなりません。
逆に発注された側も、たとえすぐ仕事が終わったとしても受注金額は安くなりません。
また雇用契約の場合、労働時間内はその会社にのみ従事しますが、請負契約では同時に複数の契約を結ぶことができます。
一方で期日までに成果物が納品されないと契約不履行で起訴される可能性もあり、雇用契約に比べて大きな責任を持っているといえるでしょう。
請負契約は発注した側が業務について細かく管理する必要がなく、受注した側もきちんと作業内容に見合った報酬を設定し、余裕があれば他の仕事を受注するなどすれば、雇用契約よりも大きな利益を出せます。
つまり請負契約とは受注した側に、作業内容についての裁量があることで、場合によっては利益が上げやすく、逆に損をすることもありえる、雇用契約に比べてハイリスクハイリターンな契約なのです。
このように請負契約も正しく使えば、発注側、受注側双方に利益のあるシステムです。

 

特定派遣ではない「偽装請負」とは

特定派遣と請負にはそれぞれ特徴があり、きちんと使えるばメリットの大きなシステムです。しかし時にIT業界などで行われている「偽装請負」についてはそうではありません。
偽装請負は、客先の会社で業務を行う点は特定派遣や一般派遣と同じですが、契約内容が請負であるような状態のことです。これにより最も大きな差が出るのは待遇面です。
具体的には残業や休日出勤をしても、雇用契約ではないため労働法に定められるところの追加賃金が発生せず、契約請負時に指定した金額以上を会社側が支払う義務がないのです。そのため残業代を請求できず、労働時間や賃金などで問題が起きた時の責任の所在があいまいです。偽装請負でも残業代や賃金が必ず払われないわけではありませんが、何かトラブルがあったときに問題の解決が難しくなるのは確かです。
通常の請負であれば労働時間や報酬について、自分で調整や交渉ができます。一方、派遣であれば派遣法や労働法によって労働者は守られます。偽装請負はそのどちらでもなくデメリットばかりとなり、つまり派遣と請負の労働者側にとって不利な条件だけを集めたような状態なのです。
この偽装請負の問題は様々な業種で発生しています。中でも特に多重の下請け構造や客先常駐の仕事が多いなど、もともと派遣や請負が多い製造業やIT業界で顕著と言われており、ITエンジニアの働き方の中で気をつけないといけない問題の1つです。

 

派遣プログラマーにも関係する労災保険の問題

偽装請負でよく問題になる他の点として、労災保険の問題があります。請負契約は雇用契約でないので労働保険に加入する必要がありません。偽装請負でも特定派遣と違って、契約形態が「請負」のため、実際に指示を与えている側が労災保険に直接加入する義務がありません。
IT業界の偽装派遣の場合、労働者の派遣元の方が各種社会保険などに加入していることが普通ですが、仕事中にケガをしたり、事故に巻き込まれたりしてもスムーズに対応してもらえない可能性があります。場合によっては労働者が労災を申請しようとしても、派遣元や派遣先によって止められてしまうことすら考えられるのです。
なぜならばこの労災を申請することで偽装請負が周囲にばれてしまうため、派遣元と派遣先両方に処罰が下る可能性があるのです。
この問題は特に怪我をしやすい製造業や建築業などで顕著です。ならば派遣プログラマーにはそれほど問題ではないと思われるかもしれません。しかし派遣プログラマーでも出勤途中など、どこで事故にあうかわかりません。さらにうつ病などの精神疾患による労災認定は年々増えています。またIT技術者も長時間労働などによるうつ病になりやすい職業の一つとも言われており、労災は無縁では無くなってきています。特に偽装派遣を行っているような状況では、責任の所在が曖昧なことから労働者の各種ケアが行き届いておらず、業務の中で病気を患う可能性が高くなります。このような状況から万が一のことを考えて労災保険に直接加入できる環境での仕事を選んだ方が良いでしょう。

 

それ以外にも派遣労働者側に不利な条件が多い

一般的な偽装請負の問題点はこれだけではありません。
まず雇用契約であれば、労働条件の変更などに雇用側と被雇用側の両者の同意が必要ですが、偽装請負はそもそも雇用ではないのでそのような制限を受けません。そのため労働者側で気づかない間に、実際に働く現場での細かな労働条件が変わってしまう可能性があります。
他にも正社員や派遣社員などでは、ある程度支給される通勤手当や住宅手当といった各種手当ても、全く同じ労働条件にもかかわらず支給されないことや、通常よりも減額されている場合があります。
さらに企業から派遣されているのではなく、個人事業主がIT技術者として働いている場合はより深刻です。例えば雇用関係であれば一般に社会保険は会社側で一部を負担しますが、請負契約では全額労働者負担なってしまう場合があります。有給休暇ももちろんありません。契約解除なども契約の更新をしないことで通常の派遣などよりもずっと簡単に行えてしまいます。
ただしIT業界でよく行われているような偽装請負はここまでひどい状況になることはまれです。通常はあまり問題があると派遣側の企業が労働法などの違反の罪に問われてしまいますし、IT業界は労働者の流動性が高いため技術者がすぐに転職してしまいます。そのため実際には派遣側の企業が福利厚生や社会保険、各種手当てなどを支給しています。
しかし実際に指示与えている会社と労働者の権利を守るべき会社が異なっているため、これらの問題が起きやすいことは確かです。

 

派遣プログラマーが偽装請負から身を守るには

このように労働者側にとても不利な偽装請負はたくさんの問題をはらんだ違法行為です。具体的には職業安定法、労働基準法、労働者派遣法など多くの労働者の権利を守る法律に違反しています。
偽装派遣の問題は労働局などが目を光らせているとはいえ、手が回っていないのが現実です。そのため自分の身を守るには自分自身で問題を認識して気をつける必要があります。
そのためにできる具体的な一歩は、まず契約書と業務実態があっているかどうかを必ず確認することです。この時雇用に責任を持っているのはどの企業か、実際に指示を与えているのはどの企業か、ということが重要となります。偽装請負かそうでないかの区別はかなり微妙な場合もあり判断が難しいこともあります。しかし、派遣先の企業が作業者に直接指示を出しているにも関わらず請負契約になっているなど、実態とかけ離れていればそれは偽装請負の可能性が高いといえるでしょう。
またできる限り信用のおける会社を選ぶようにしましょう。派遣を主体とした企業はたくさんあります。インターネットでも色々な評判を知ることができるので、入社前に調べておきましょう。
実際に働いていて疑わしい場合は上司や派遣のコーディネーターに相談するようにしましょう。ただし、偽装派遣は残念ながら会社ぐるみで行われる事も多く、それだけでは解決できないかもしれません。相談しても解決しなかったり納得できなかった場合は所轄の労働局へ相談するようにしましょう。

 

派遣プログラマーも正しい知識を身につけよう

偽装請負は特定派遣と違って、残業代などを請求することが難しいなどの問題があり、労災保険に直接加入する義務がないため、万が一の場合治療費を保障してもらえない可能性もあります。こういった事態に巻き込まれないよう、正しい知識を身につけましょう。

 

 

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